人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

世の中の正解を求めて

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は、完璧主義についてお話をしています。完璧に何かをしなければ、と思うと、行きつく先が「この正解は何?」ということかな、と思っています。完璧を目指せば目指すほど、正解にこだわることになります。

 

そう思ったのが、あるパソコン教室で講師をしている時でした。

 

Excelの練習を兼ねて、さまざまな数式を使います。単純な合計が終わると、平均を出したり、構成比を始めとする比率を出したりし始めます。すると、小数点の処理をする関数も話さなければなりません。

 

その時、受講生の約半数から、次のような質問が来ました。

 

「答えに小数点が出れば四捨五入するのが正解ですか?」

 

(。´・ω・)ん?

 

小数点が出た時に四捨五入するのか、切り捨てにするのか、切り上げにするのかは、ケースバイケースによって違ってきます。今回は関数を使う練習なので、四捨五入をする関数を紹介したのですが、Excelを使う実際の仕事の場面で人間側が選択すべきところです。

 

「いや、正解というのはなくて、その場で人間が選択するものですよ」と答えるのですが、質問してきた方の顔が不安そうになります。たまに納得した表情を見せてくれる方がいると妙にホッとします。

 

そう感じてから、「~が正解ですか?」と質問してくる方々の様子を観察するようになったのです。

 

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統計を取ってはいませんが、だいたい6割以上の人が、この手の質問をしてきます。そして、正解はない、と答えると全員が不安そうな顔になります。性別、年齢、学歴は全く問いません。もちろん、パソコン教室に限らずさまざまな場面において、正解を求めてくる人に「正解はありませんよ」と答えると同じような表情をするのです。

 

そもそもパソコンなんてツール(道具)なので、どう使おうと使う人の勝手であって、使い方の正解なんてないのです。パソコンでネジをとめたり木を切ったりはできませんが(当然です!!)、こん棒で攻撃してきた人に対する盾くらいにはなるかもしれません(そんな場面に出くわしたくありませんけど)。

 

つまり、世の中には「正解」がないものが多くあり、正解がないものは自分で「これが正解だ」と思っていかなくてはならないんだよ、ということなのです。でも、質問してくる方々(10代~50代)には通じない時が多いのです。

 

ううわーーー、これってどういうことなのでしょうか????

 

完璧主義の私が正解を求めて彷徨うのであればまだしも・・・

 

ん? ってことは、「正解」を求めてきている人は完璧主義ってことなんでしょうか?

 

そうすると、なんと世の中に完璧主義が多くいるのでしょう!

 

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小学生の時、国語は正解がなく算数は正解を求める教科だ、と聞いた記憶があります。でも、国語の授業で、「この文章の『それ』が指す言葉は何ですか」と聞かれ、自由に発想して答えたら「違います! 正解はこれです」と言われたことがあります。その時、「国語にも正解があるじゃん」と思いました。

 

確かに「受験国語」は正解を求めます。正解・不正解がないと点数がつけられないからです。

 

そして、学校でのほとんどの時間「受験国語」をしていたような気がします。だから、「必ず正解がある」と思う人が出てきているんではないか、と今は考えています。別に国語だけの責任ではないと思います。

 

今日のタイトル「世の中の正解を求めて」というのを読まれて、「世の中には正解なんてないよ」と思われた方がいらっしゃると思います。はい、私もそう思います。でも、正解を求める人がかなりの数いらっしゃるのです。その方たちも全部が全部「正解」ばかりの世の中と思っていらっしゃらないと思いますが。

 

頭の中では「世の中には正解はない」と思っていても、実際の場面に遭遇すると「正解」を求めている心がある・・・というのが私の実感です。

 

実は、もう一つ、正解を求めているんじゃないか、と思われる事例があります。これについては、明日お話します。

それでは、また明日。

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完璧主義時代よ、さようなら

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

※この記事は、編集機能の不具合のため、8月7日9:20に編集し直し、再度アップロードした記事です。内容は同日6:30にアップロードしたものと同じです。

 

今週は、「完璧主義」をテーマにお話ししたいと考えています。完璧主義に対する私なりの考えが実はまとまってはいません。それなのにブログのテーマにしたのは、書くことで頭の中をまとめたいと思ったからです。現時点では私は解を持っていない、それを描きたいと思ったのです。

 

では、なぜ、このテーマを選んだのかをまずお話します。それは、私が昔、超がつくほどの完璧主義だったからです。

 

すべてが納得いくまで終わらないと気が済まなかった私は、何度もやり直しをすることも多く、その分、とても時間がかかっていました。ある程度時間をかけても、相手(上司やお客様)に提出した際、やり直しがないようにすることが大事だったのです。

 

当然、残業も多くなり(といってサービス残業でした)、いつも何かに追われている、という時代がありました。比較的子どもの頃からこの傾向があったのか、幼稚園の先生から、「石橋をたたいても渡らない子」と評されていたそうです(母親から聞きました)(笑)。

 

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リスクをできる限り除外して、確実に、そして、完璧に。。。それがいつの間にか私の心の中で支配者となっていたようです。

 

書類を作る時も、相手が読みやすいように、理解しやすいように、構成を考えて、語句を考えて・・・メール一本書くのに1時間くらいかけたこともあります。講習をする時も、すべての受講者に理解してもらうように、講習室中を駆けずりまわって、ひとりひとりに対応したこともあります。

 

でも、そうすることが何の意味があるのか。ふと、こう考えつきました。

 

お客さまの満足度は上がるかもしれません。でも、手を抜いたって、120%が100%になるくらいだったら、自分の心と体のことも考えて手を抜いた方がいいんじゃないかと。お客さまは完璧なサービスを望んでいるわけではなく、料金に見合ったサービスを望んでいるのだ。+αの部分は、余裕があればすればいいと。

 

今は、自分でも笑うくらい、結構いい加減な性格です。洗濯は旦那の担当なのですが、たまに私が干そうとすると、「あんたはテキトーすぎるから、俺が干す」と言って洗濯カゴを取り上げられます(汗)

 

なので、「ありがとう! お願いっ!」と笑顔で旦那を干場へ送り出します。ここで、「ウキーッ! 洗濯の経験歴は私の方が長いんだー!」と怒っても仕方がありません。昔の私だったら、きっと怒りだすと思いますが。。。(苦笑)今はカーッとなることもありません。

 

その方が自分も楽ですし、早く仕事が終わります。

 

要は「こだわらなくて良いところは、こだわらない」「手を抜けるところは手を抜く」ですね。当たり前ですが。

 

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ウチの旦那がこんなに若くてカッコいい訳はありません(汗)

 

ただ、突然、こんな風に変わったわけではありません。変わるのに数年かかりました。いずれどのように変わっていったのかをお話しますね。

 

今の若いお母さんの話を聞いていると、仕事に育児に家事に・・・どれも完璧にこなさなきゃ、と強い思いが感じられます。

 

でも、人間、誰しもスーパーマンになれないように、完璧にすることはできないのです。育児だって、この世の中のお母さん、お父さんが、娘や息子たちの完璧な親であることはあり得ないのす。完璧な親だと思っていても、どこか抜けているのが当たり前なんだから、肩の力を抜いて楽に生きた方がすべてにとって良い気がします。

 

それに、完璧主義は、人の心をささくれ立たせます。だって、「こうしなきゃならない」という思いにとらわれてしまうので、そうならないことは「ウキーッ!」となってしまいます。

 

そうなれば、自然と人間関係もギクシャクしますし、自分の心も体も疲れてしまいます。完璧な人間なんていないんだ、自分も含めて・・・と思えば、心も体も楽になるんじゃないかと思ってます。

 

20代の頃、「不安時代よ、さようなら」というタイトルのコラムを書いたのですが、今日はそれを真似てみました。あら、もう30年近く経っているんだ・・・と思うとちょっと面白いですが。

 

明日は、完璧主義から来る心の叫びについてお話します。

それでは、また明日。

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人に教えることは好きですか?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

以前、勤めていた会社で講師を募集した時、面接で私が「人に教えることは好きですか?」と聞いていました。今、思えば酷な質問です。面接で聞いたら100%好きですって答えるに決まっていますよね。

 

でも、中にはこういった方もいました。

「うーん、嫌いではないですが、人に教えるのは難しいので、日々研鑽してます」

その当時の私的には大正解だったのですが。。。

 

 もっとも、講師募集で、人に教えることが嫌いな方が来るはずもないですよね。。。(笑)

 

私自身、講師になりたくて講師になったわけでなく、気がついたら講師業をしていたタイプなので、講師という職業には苦手意識が常にありました。今でも、きちんとお伝えできているかと考えると、毎回不安だらけです。

 

 

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私が教えることが苦手になった理由は二つあります。

 

一つが小学4年生の時、担任の先生から「いじめ」らしきものを受けていたことです。当時、私自身、いじめられているという認識がなくて、「あれ?」と思ったのが中学生になってからだったので、はっきりしていません。

 

ただ、クラス全員の前で、何カ月かに一回(もしかすると覚えてないだけでもっと頻繁だったかもしれませんが)、「(あんたは)おかしい」「変」「変わっている」「ダメだ」としつこく指摘されたことがありました。一度指摘が入ると10分くらい(私の記憶では)言い続けられていました。

 

私はクレヨンしんちゃんの「ボーちゃん」のような子どもだったので、毎日ボンヤリと過ごしてましたから、ほとんど気にならずに今に至っています。今では、あの先生、更年期だったのかなぁ、と思うくらいです(笑)

 

二つ目は、20代前半の頃です。新入社員のOJTの教える側になりました。仕事を教えれば良いのですが、仕事以外に「態度」の部分も気になるところがあります。お客さまが来てもお茶くみに立ち上がらないことです。彼女の席が一番応接室に近いので、お客さまが横を通るのがわかるはずなのです。ついでに給湯室も近いし、一番新人だし。。。

 

そのことについて指摘しても、「気がつきませんでした」「つい目の前のことで精いっぱいで・・・」という言葉しか返ってきません。それ以上理解してもらうには、私はまだ話すスキルが不足していました。

 

この部分の教え方について、ずいぶんいろいろな人に聞いてまわりましたが、誰も納得できる回答をもっていませんでした。

 

この二つの経験から、教える立場にいるのは難しい、教えることが苦手になっていったのです。

 

ただ、苦手意識が強すぎたので、一番関心が深いテーマになっていたのだと思います。関心が深いと意外とあちこちから情報が入ってくるものです。それが今の私へと繋がっているのでしょう。

 

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教える仕事をしてから気づいたことがあります。教えるという作業は、自分のためにもなるということです。

 

この前、パソコン研修をしていた時のことです。ホントにできない受講生が一人いました。若い女の子で、「せんせー、あたし、パソコン、マジ、わからん~~~」と毎回言ってました。

 

でも、最後の修了テストが近づいたある日、私からやり方を習った後、「せんせー、できたー」と喜んでいました。すると、隣にいた受講生が悩んでいるのを見て「あたしが教えちゃー」とかなり上から目線で言った後身を乗り出したのです。周りから「あんたが教えるん?」と爆笑されましたが気にしません。

 

その時、私が「もっともっと人に教えなさい!! その分だけ自分の身になるから」と言うと嬉しそうに彼女は「うん!」とうなずきました。

 

結局、途中からわからなくなり、教えていたはずの隣の受講生の方から逆に教えてもらっていましたけど・・・(苦笑)ただ、彼女の表情から少しだけ自信が出てきたように思いました。

 

人に教えると必ず自分が詳しくわかるようになります。この経験を皆さんも是非していただきたいと考えています。そして、いろんな人がいろんなことをできるようになって欲しい、というのは今の私の願いです。

 

来週は、山の日がある週4日ですが、ノーテーマウィークはコリゴリしてますので、テーマを決めます。実はまだ自分なりの結論を出せていないのですが、人材育成にも少し関係する「完璧主義」についてです。

それでは、また来週。

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教え方の基本形

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

研修というのは人材育成のためのツールの一つとお話しました。今日は人材育成のためのツールの選択方法について、お話します。

 

既に実践されていらっしゃると思いますが、人材育成のためのツールはいくつかあります。代表的なイメージとしては研修です。研修でも様々な形態がありますが、職場での研修は、Off-JT(オフジェイティー)と呼ばれています。意味は実際の職場を離れてトレーニングを行うことです。Off the Job Trainingの略です。

 

この反対語にOJTがあります。On the Job Trainingの略です。実際の職場で、仕事を通じて知識や技能を教えるトレーニングです。こちらは良く職場の中でも使われる方法ではないでしょうか。

 

人材育成を比較的よく行っている企業では、Off-JTの割合が高めです。というのは、OJTに比較するとOff-JTの方が人材育成をした実績が明らかになるからです。

 

ただ、従業員を職場外に出して研修を受けさせるには、講師費用や交通費だけでなく、その往復を含めた従業員の時間給与や担当している顧客からの問い合わせ等に応じられなかったなどの機会損失、研修に行っている従業員をカバーする他の従業員の負担増やそのための残業費用などコストがかかります。

 

一方、人材育成にコストをかけられない企業はOJTを中心に行うことが多いです。イメージとしては昔ながらの徒弟制度のようなものでしょうか。実際の仕事をしながらの研修であるため、コストは比較的抑えられます。

 

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もちろん、それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

Off-JTの一番のメリットは、社内にない技術を習得するためには外部講師を呼部しかありません。また、新製品や新システムの説明会を行うには関係者が一堂に会した方がやりやすいものです。

 

OJTのメリットは仕事を実際に行いながら従業員一人一人に個別に技能を伝授することができることです。これは絶対にOff-JTでは真似ができません。

 

ID(Instructional Design)では、ブルームの教育目標の分類学、ガニエの学習成果の5分類などがあります。わかりやすいブルームの方で説明します。教育目標は次の3つに分類できると言われてます。

  1. 認知的領域(cognitive domain)
  2. 情意的領域(affective domain)
  3. 精神運動的領域(psychomotor domain)

と言ってもわかりにくいですよね。。。

 

認知的領域はいわば「頭=知識(knowledge)」です。学校で学ぶ国語・算数・理科・社会・英語といったものですね。

 

情意的領域はいわば「心=態度(attitude)」です。目上の人は敬う、年下には優しくする、といったものです。

 

精神運動的領域はいわば「体=技能(skill)」です。サッカーや野球、楽器を演奏するなどが含まれます。

 

ブルームの3分類のうち認知的領域(頭=知識)については、Off-JTが得意とする領域です。ですが、その他の領域はOJTの方が得意とします。

 

人は若い頃学校でさまざまなことを教えてもらってきました。しかし、職場に出て数年経つと後輩ができ、教える立場になります。教えてもらっていた人が教える立場になる・・・知識や技能は教えてもらった通りすれば何とかなりますが、態度が難しいと感じます。

 

遅刻の常習者に対して、「遅刻をするな」と言ってもなかなか時間通りに来ない、という経験はあるのではないでしょうか。「遅刻をしない」は態度の領域に入ります。

 

自分が遅刻をしないタイプであれば、遅刻をする人への指導方法を体験せず、学校で先生が他の生徒に「遅刻をするな!」と怒っている姿しか思い浮かべないでしょう。

 

精神運動的領域(体=技能)は自分が教えてもらった通りに教えれば、たいがいの人はできるようになります。理屈抜きで「これはこうするものだ」と言われた経験がありませんか。でも、その通りにすると仕事はできるようになりますよね。

 

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でも、情意的領域(心=態度)は、一人一人異なりますし、学ばなければならないレベルや基準も会社ごと部署ごとに異なっているのですから、教える側は大変です。

 

遅刻の基準も違います。

 

ある部署では5分前着席が当たり前であり始業時間は仕事開始時間である、という暗黙のルールがありました。しかし、違う部署では、制服に着替えることから就業なので実際の仕事開始は数分遅れるのが当たり前のところもあるでしょう。更に始業30分前から体操をし訓示を聞くのが当たり前、という部署では、始業30分前に遅れるのが遅刻、という定義かもしれません。

 

正確な法律関係は社労士さん達のブログやメルマガを読んでもらうとして、社内の暗黙のルールが微妙に違う世界なのです。最後の例の部署に所属する人が、始業30分前の時刻に遅れるのが遅刻と言われることに納得がいかないため遅刻を繰り返すのかもしれません。

 

特に態度に関するOJTの現場はこんな感じです。教え方を知らないままに人を教えることになるのは大変です。昭和的な「俺の背中を見て学べ」方式では、伝わるのに時間がかかります。物事がゆっくりしていた昭和の時代であれば良かったのかもしれませんが、すべてがものすごいスピードで動いている現代では不向きでしょう。

 

では、教え方の学び方は・・・ですが、また次の機会にお話しします。

 

明日は、私がOJTに際した時のことを含めて、この仕事を選んだ理由についてお話します。

それでは、また明日。

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成果を出せない原因は何か?

ビジネストレーナーの安部です。大分市のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は、会社の人材育成について話をしています。今日は、できない奴ってやっぱりいるんだよね、ということについてお話をします。

 

できない奴ってどんな方でしょうか。その方は何ができないのか、どれくらいできないのか、把握されていますか?

 

できない人のやり方を確認することが必要です。やり方が間違っているだけの場合もあるのです。

 

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例えば、営業成績が悪い部下・後輩がいるとします。どちらかというと暗い感じで、話し方もボソボソしているとなると、営業に不向きだ、というレッテルが貼られます。毎月月末になると成績が目標未達で、いつも怒られている、といった人です。

 

その人のやり方を調べてみると、意外なことがわかりました。

 

顧客には見込み客という種類のお客さまがいます。将来、顧客になってくれる方々のことです。営業の成績が悪い人の見込み客リストを見ると、到底顧客になりそうもない人の羅列になっていたのです。独自で絞り込んだやり方が間違っていたわけです。怒り続けても、そのままでは成績は上がりません。

 

何ができないのかをはっきりさせないと、更に「できない」を繰り返してしまいます。見込み客リストを上司や先輩がちょっとチェックするだけで良かったのです。普通はここまで単純ではないですが、わかりやすい例としてあげました。

 

昔ながらの人材育成のイメージを持っている上司だと、こういう「できない奴」を目の当たりにすると「自衛隊の訓練にでも入れさせるか」という方もいらっしゃいます。根性が大事だと。

 

が、それが本当に必要なんでしょうか、ぜひ、申し込む前にご一考していただきたいと思ってます。根性ではなく、適切な知識と技能を身につけさせることが大事です。

 

その人が何を学べば良いのかをキチンと把握すれば、研修は効果が出ます。なので、できない人はできないなりに何ができないのか、キチンと「見て」あげる必要があります。営業など一人で行う業務の場合は、ロールプレイといったツールを使って、どのように営業をしているのかを「見て」みるのです。

 

そこで初めて効果ある研修を選択するのです。本人も納得して研修に出れば効果は絶大です。

 

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ただ、最近、発達障害という言葉をよく聞きます。文部科学省平成24年の調査で、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示す児童の割合が6.5%と発表されました。つまり、100人のうち6人強程度、50人で3人程度。40人学級であれば最低でも2人いる計算になります。

 

できない人がすべて発達障害という決めつけるつもりはありません。ただ、これくらい身近なので一つの選択肢程度に考えてみるのもありかと思います。

 

もし発達障害だったとしても対応を間違えなければ、戦力の一員になり得ます。今、テレビに出ている人気者でも発達障害を公表している方も多くいます。だから、ちょっとした注意を払うだけで充分働くことは可能なのです。

 

職場で働くことは、チームで働くことなので、いろいろな人が必要なのです。新しいことに敏感だけど飽きっぽい人、作業に時間がかかるけど工夫をするのが得意な人、パッとした派手さはないけど人を助けるのが好きな人、頑固だけど自分の言い分をキチンと主張できる人、こういった方々がいるからこそ、会社が成り立つと考えているのです。

 

できない人も必ずできることがあるはずです。やり方を変えれば、もしくは考え方を変えれば、できることがあります。

 

もし、変え方の発想が出てこなければ・・・社外に知恵を借りてみてください。社内にない知恵をどんなに絞っても出てきません。こういう時こそ社外に求めるのです。セミナーや研修で知恵をもらって欲しいと考えています。

 

明日は教え方の基本形について、お話します。

それでは、また明日。

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戻るのは面倒くさいから

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人は気づけば変わる、という話を昨日はしました。今日は、気づいて学んだけれど、数カ月経ったら元通りになってしまうのを防ぐことについてお話します。

 

10年以上も前の話ですが、育成した元受講生で、人前で話すのがとても苦手な男性がいました。私は元々IT業界での人材育成をしていましたので、こういった人は多くいました。ですが、研修中に彼は突然、人前で話せるようになったのです。彼の受講仲間は大絶賛し、彼も自信を深めたようでした。

 

その後、彼と出会ったという担当講師から話を聞くと、とても受講当初の彼とは思えないくらい社交的になっていたということでした。話しかけると顔を真っ赤になって口ごもっていた彼が、「オッス! おっひさ~~!」と元の仲間たちに挨拶する姿を想像して、私も嬉しくなった記憶があります。

 

彼のように一度変わったら、ずっとそのままでいるパターンは実はそう多くありません。通常は一度変わっても、そのうち元のように戻ってしまうパターンの方が多いのです。

 

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オッス! 元気か?

 

研修に行った数週間は良かったんだけど・・・とおっしゃる上司・先輩の方の声を何度もお聞きしたことがあります。

 

人間、変わり続けるのは難しいのでしょうか?

 

自分に置き換えて考えてみると、納得できるのかもしれません。この良い習慣を続けようと思っても気がつくとしていない日が続いている・・・ということ。

 

なぜ、戻ってしまうのでしょうか?

 

それは、面倒くさいからです。人間は今まで通りが結構好きです。自分で思っている以上に好きです。突然、今までと違うことをするのは、非常にストレスを感じるので、ストレスを避けるためにも今まで通りに戻ろうとするのです。

 

そうでなければ、自分を変えるために!と題した自己啓発本が数年おきにベストセラーになっていないと思います。自分を変えたいと思っているけれど、変えられない人はとても多くいます。

 

上司・先輩であるあなたが変えられないことを部下・後輩が変えられるはずがありません。

 

でも、変えられる方法があります。会社内だけに通用する方法です。

 

それは、上司・先輩が、一緒に変えることを手伝ってあげることです。

 

それこそ、面倒だな、と思われたあなた。別に面倒ではありません。一日一回、ちょっとだけチェックしてあげればいいだけです。声をかけてあげればいいだけです。それもずっとではなく、できるようになったら、たまに思い出した頃に声をかければいいだけです。簡単でしょ?

 

そのためには、研修で学んだことを必ず聞いてあげてください。そして、学んだことを習慣づくように、チェックする役を買って出てあげてください。最初は、頻繁に一日数回(内容にもよりますが)チェックし、だんだん間を空けていくのです。

 

この間を空けるというのが効果があります!

 

部下・後輩はいつ上司・先輩からのチェックが入るかがわからないので、常に気に留めるようになります。しておかなければ!と思うので、自然と習慣化していくのです。

 

実は習慣化の重要な要素として、「他人の目」があります。社内での人材育成に関する習慣化は、会社にとっても重要項目です。それができるようになれば、部下・後輩の成績が上がるだけでなく、部課の成績も上がり、ひいては会社全体の成績にもつながります。社内での習慣化は意外と個人的な習慣化より他人の目があって成功しやすいと私は考えています。

 

そして、最後に、重要なコツ。できるようになったら「褒めて」あげてください。

 

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よくできました!

 

冒頭に話した彼もおそらく仲間たちからの「大絶賛」がきっと糧になったのだと思っています。人は褒められると認められたと思って嬉しいものです。それも頑張っていることを褒められるのが一番嬉しいのです。

 

明日は、そうは言ってもできない奴もいるんだよね、という声にお応えします。

それでは、また明日。

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気づきがあれば人は変わる

ビジネストレーナーの安部です。大分市のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

人材育成に携わるようになって20年近く。

 

先日、最初の頃に出会った元受講生の方にバッタリとお会いしました。相変わらず視線を合わせることができずコミュニケーション力も乏しい方でしたが、それでもちゃんと仕事をして家庭を持っているとお聞きして、彼なりに成長をしていると感じました。その当時20代の彼も40代なので、当然ですよね(苦笑)。

 

人は変わらないことはありません。人は変わります。良い方に変わる場合も悪い方に変わる場合もあります。でも、できれば会社内で育成していく人材は、良い方に変わって欲しいと願っているわけです。

 

でも、こういった言葉があります。

過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。

 

そうなんです。研修をどんなに熱心にしても、受講した彼らを変える力は研修にはありません。「ガツンとあいつらに言って、今後こんな行動をしないようにしてほしい」と研修前に良く言われます。研修にそんな力はないですよ~と直接的には言いませんが、やんわりと否定させていただき、その後のフォローをお願いしています。

 

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では、何のために研修をするのでしょうか。何のために人材育成をするのでしょうか。

 

私は研修に意味があると思っています。効果を与えるのは、○○を学びたい、と思っている人々に対してのみ。××ができないから、○○を学ぶことでできるようになる。だから○○を研修で学ぶのです。

 

当たり前のことですが、研修は人材育成のツールの一つだと私は考えています。私は「××ができない」ということを気づいていれば研修の効果は抜群です。でも、気づいていない人は研修を受けても変化しません。

 

なので、こういった人は違う人材育成の手法を使う必要があります。一番効果的なのが、上司・先輩による面談です。面談も私は人材育成のツールと思っています。人事評価をするためのものでもコミュニケーションを図るためのものでもありますが、根本にあるのは人材育成だと思っているのです。

 

ここで、上司・先輩の「面談の技術」が問われてきます。

 

面談室に入るなり、

「お前は××ができとらんのじゃっ! 研修に行って○○を学んで来いっ!」

と叫んでも、効果はありません。対象者が××ができていないと自分で気づかせる必要があります。自分で気づけば、自分で変化しようとします。

 

過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。

 

本人が自分自身を変えたいと思えば、その人は変わるのです。

 

そう思わせることができれば面談における人材育成は成功です。ただ、これが難しい・・・

 

難しい理由は

  • できない××がとても抽象的過ぎる(コミュニケーションができてない・・・など。コミュニケーションを意味するものが広すぎて、何からすれば良いかわからなくなる)
  • できない××に納得できない(例えば製造現場で「あいさつ」ができてないという指摘。なぜ「あいさつ」が必要なのかがわからないと聞いた方は納得できない)
  • できたい××を学ぶメリットが思い浮かばない(学んでも何か良いことがあるとは思えなかったら、忙しい合間を縫って学ぼうという気にならない)
  • できない××について、自分はできると思い込んでいる(今まで直接的に否定されたことがないため、今まで通りの自分で良いと思っている)

といったことがあげられます。

 

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上司・先輩の言い方ひとつで、これらの難しい理由は吹っ飛ぶのですが、その「言い方」がとても難しい。。。

 

だから、放っておいても勝手に成長してくれる部下・後輩がいたら、とても楽ですよね(現実的にはいませんが・・・)。

 

言い方の具体的なやり方については、今後、ユーグレードセミナーでも行っていく予定です。8月にも安部自身が実施しますが、11月も他の講師の方をお招きしてセミナー実施予定です。その他にもいろいろセミナーを実施するつもりです。興味のある方は、ぜひWebサイトもしくはFacebookページで。詳細を徐々にアップしていきます。

 

 

明日は、学ばせた後のフォローについてお話します。

それでは、また明日。

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