人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

優先順位高のタスクの担当者

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティ高のタスクをどうするか、本当はやらなければならないタスクなのに緊急ではないが故に後回しにしてしまうタスクをどう処理するのか、についてお話しています。

 

実は、時間管理の一番の難問です。

 

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1日は24時間です。このブログは基本的に「仕事」にポイントを置いていますので、仕事をする時間は基本的に1日8時間です。この8時間の中にどうやって「やらなければならないやった方が良いタスク」を組み込むか、ということです。

 

この限られている時間をどう使うか。それには、時間を捻出するしかありません。空き時間を作るのです。

 

空き時間の作り方はいくつかありますが、ここではプライオリティ高のタスクしかない状態で考えたいので、2つに絞られると思っています。プライオリティが低いタスクを「やらない」という選択肢は除外されます。

 

一つは、一つ一つのタスクにかける時間を短縮することです。いわゆる効率化を行う、ということです。もしくは、無駄な時間を削除するということです。

 

二つ目は、他人に今持っているタスクを預けることです。いうなれば「自分ではしない」ということです。基本的に部下や後輩に任せる、あるいは外注する(アウトソースする)、ということだと考えています。

 

一つ目の時間を短縮するということ。先週も少しお話ししましたが、人間は締め切りがあると締め切りまでその仕事を抱え込みやすい、ということがあります。締め切りまで仕事を抱え込むのではなく、終わったら素早く手放す、ということです。

今日が締切のタスクは最優先? - 人材育成の道すがら

 

以前の会社では、よく「ボールは誰が持っている」というセリフを話していました。今、仕事は誰の手にあるのか、ということを指した言葉です。ボールを持ちすぎているとファールが取られるバスケットボールのように、素早く次の人にパスをする、ということです。

 

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仕事を一人が持ちすぎるとチェックが働かないので、品質が悪くなります。締め切りがある仕事であっても、締め切り前、まだ十分に時間がある時に他の人にパスをしてしまえば、後は他の仕事ができます。締め切り前にウンウン唸って頭をひねっても、良いアイディアは出てきません。クリエイティブな仕事をしているのであれば猶更、早め早めに手を打った方が絶対に効率的です。

 

仕事はアート(芸術)ではないのです。その時のベストで良いと私は考えています。

 

二つ目の他人にタスクを預けるということ。アウトソース、つまり他人(他社)にタスクを渡す方法はコストが発生するので、ここではお話しません。部下・後輩にタスクを渡すことについてお話しします。

 

タスクを部下・後輩に渡すということは、さまざまな課題が存在します。部下・後輩にそのタスクを実行するだけの技術や能力があるのか、部下・後輩にそのタスクを実行できる権限があるのか、責任があるのか、ということです。

 

まず、技術や能力について。

 

部下・後輩がそのタスクを実行できる技術や能力がない、という時点で、それは今までの人材育成はどのようになっていたのでしょうか。皆さんが抱えている仕事は当然どなたかにいつかは渡していかなければならないわけです。それが今なのか数年後なのか、というだけだと思います。

 

新卒で入ったばかりで難しい、という場合もあるかもしれません。若さや経験不足で、担当するには本人にも負担が大きい、という場合があるかもしれません。

 

そんな時、考えていただきたいのが、皆さんが持っている「緊急ではないが重要な」タスクと今目の前にあるタスクとの優先順位です。他のタスクを部下・後輩に渡しても、した方が良い「緊急ではないが重要な」タスクを抱えているのであれば、今、部下・後輩に渡しましょう。

 

もちろん、その場合、渡し方に気をつける必要があります。彼らは技術も経験も不足しています。「やって」というだけでは、無理です。やってもらうタスクを十分に分解して、一つ一つを渡しながら、チェックしながら成果を受け取っていく、という方法が適しているでしょう。

 

分解されたタスクが渡されるため仕事の全体像を部下・後輩は理解しながらしているわけではありません。一度できたからと言って二度できることはほとんどありませんので、そこは気をつけておいてください。仕事を理解するのはある程度全体像が見えないとできないのです。このままだと意外とミスが多く、後のフォローが大変になります。

 

部下・後輩によっては、仕の事全体像が理解できそうなくらい経験があるのであれば、全体像を話してから少しずつやってみてもらうという方法が良いでしょう。その場合でも、こまめにチェックポイントを設けておくことが必要です。数日かかる仕事であれば、部下・後輩のレベルに応じて毎日1~3回程度のミーティング時間(30分程度でOK)を作り、今できている部分の品質をチェックしていきます。

 

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実際に自分ですれば数日かかるところをミーティングの1.5時間/日程度の所要時間でできるのであれば、部下・後輩に任せた方が断然楽です。しかも、部下・後輩がそれで成長してくれます。

 

企画を作るような仕事の場合はかなり難しいかもしれません。ただ、意外とキラリと光るものがあったりするので、これはこれでありだと思います。

 

ぜひ、こういう手段を使って時間を捻出していただければ、と思っています。

 

明日はプライオリティ高のタスクを絶対にする法についてお話しします。

それでは、また明日。 

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優先順位高のタスクを考える

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 

先週はプライオリティ低から中程度のタスクについてお話ししました。今週はプライオリティ高のタスクについて、お話をします。

 

プライオリティ高のタスクについて、何を話すんだ?と思われる方もいらっしゃると思います。だって、通常、こういったタスクは最優先的に処理すべきタスクです。でも、ここでちょっと立ち止まって、本当に最優先的に処理すべきタスクかどうか、について、考えてみたいと思います。

 

先週もお話ししたと思いますが、私がタスクリストを作って、プライオリティを割り振った時、ほとんどが「高」になりました。つまり、ほとんどのタスクが最優先的に処理すべきタスクだったということになります。

 

確かに。お客様への対応のタスクや締め切りがあるタスクなどは、プライオリティが高くなります。

 

でも、処理が終わった時、それでタスクがすべて完了してスッキリ!となりますか?

 

仕事をしていると出てくる言葉があります。「本当ならやらなきゃならないんだけど、今は時間がないからできないんだよね」という言葉。私も何度言ったことかっ!でも、恥ずかしながらこの言葉の対象となるタスクが完了した記憶はほとんどありません。

 

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やらなきゃいけないけどできない、ってどういうことでしょうか。時間がないからしなくても良いことなんでしょうか。

 

しなくてはダメですよね。

 

でも、それはわかっているけれど、できないんですよね。どうしてでしょうか。

 

やらなくてはならないタスクだからプライオリティは高いタスクです。でも、お客様の対応とか締め切りとかがない「急がない」タスクだから、先延ばししてしまうんです。もし、これがきちんと〇月〇日まで、という締め切りが決められていたら、やりますよね、きっと。

 

そして、振り返って考えれば、こういった種類のタスクは理想的なタスクというべきものだと私は思っています。

 

例えば。

 

あることについて勉強したい。だから、本を買った。読もうと思っているんだけど、読んだ方が絶対に自分のためになると思っているんだけど、時間がないからなかなか読めない。

 

今やっている作業は頻繁に起こらないタスクだけど手順書さえあれば誰でもできる。だから、手順書を作っておきたい。手順書さえあれば、後輩でもできるので、突然起こった時、自分がいなくても対応ができる。休みの日に呼び出されることがなくなる。本当に自分のためになるんだけど、時間がないからなかなか作れない。

 

再来年度のシステム改築のために、こういった機能を盛り込んでもらえると今後の仕事がとても助かるし、お客様のためにもなる。そのためにシステム課に企画書を作成したいと考えているんだけど、時間がないから取りかかれない。

 

似たようなこと、ありませんか?

 

実はすべて私のことなのですが、自己啓発系のサイトを眺めてみると、同じようなことが書かれてあるので、皆さん、同じような悩みを抱えていらっしゃるんだなぁ、と思っています。

 

本当にやった方が将来の自分のため、将来のお客様のため、将来の会社のためになる、ということが十分にわかっているのだけれど、「時間がない」からできない、というタスクたち。やった方が良いのでプライオリティ高なんだけれど、なかなか取りかかることができずに、そのままタスクリストに永遠に残り続けるタスクたち。

 

そのうち、もう(私が)やらなくてもいいや、という気持ちになって、タスクリストから外され、永遠に葬り去られるのです。

 

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実はこれらのタスクは、「7つの習慣」で取り上げられている「緊急ではないが重要なもの」なのです。そして、当然、やった方が良いものなのです。

 

でも、忙しいのに、締切のあるタスクだけでいっぱいで、やる時間なんてないよ。

 

今週は、こういったタスクをやる方法についてお話ししていきたいと思っています。

 

明日は、タスクを実行する人についてお話しします。

それでは、また明日。

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プライオリティから独立したタスク

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティ、優先順位についてお話ししています。本当にプライオリティをつけて仕事をするのは大変だなぁ、と思うことがあります。でも、基準を決めることでプライオリティをつけることができるとわかれば、単純な話になるはずです。

 

でも、実はタスクの中にはプライオリティの範疇に収まらない、正確には収めない方が良いタスクがあるのです。

 

数年前、私はGTDと出会いました。GTDとは、タスク管理のメソッド(手法)です。

GTD®とは - 日本唯一のGTD公式サイト。GTD Japan

 

頭の中にあるタスクを一覧表に書き出すところから始まり、そのタスクをさまざまに分類し処理していくやり方です。

 

その中の一覧表に書き出した後、基準に応じてタスクを分類していくのですが、「2分間で完了するか?」という基準があります。2分間で完了するタスクであれば、すぐにその場でやってしまおう、というのです。これにはびっくりしました。

 

タスクの一覧表の分類作業を行っている途中で、2分間で完了するものはタスクをやってしまおうというものなのです。

 

私が驚いたのは、優先順位とは関係なく完了するまでの時間でやるタイミングを決めるということです。

 

この手法を知ってから、GTD全体を取り入れるより先にこの部分だけやってみることにしました。2分以内で終わるタスクはかなりたくさんあります。例えば、メールの返信をする(簡単なOK/NGくらいの返信)、いつもの申請書を提出する、セミナー等の出席申込のFAXをする、といったことがあります。

 

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これらはした方が良いが急ぐものではない、といったもの。でも、2分程度で終わるので、整理途中から片付けていきます。そうすると、精神的にかなりスッキリしてきます。それだけでなく、タスクリストが3分の2くらいに小さくなるのです。

 

これらのタスクを抱えたまま、他の重要なタスクを行っていると、頭の片隅にこれらのタスクのことが気になり、集中力が下がってしまいます。それよりも簡単なタスクを完了させておいて、集中しなければできない大きなタスクに取り掛かった方が作業効率が良いというわけです。

 

このやり方をやった後は、ずいぶんとタスク管理が楽になりました。今でも思いついたタスクで2分以内でできるのであれば、その場でやってしまうことがあります。

 

ただ、集中した作業を行っている最中に思いついた場合は、そのタスクを行うことはしません。集中を途切れてしまうと、再度集中するまでに時間がかかり、今やっている作業が無駄になってしまうからです。なので、基本的に思いついたらタスクリストに記入するだけで、頭の中からそのタスクをきれいさっぱりに消して、集中が途切れないようにします。

 

また、最近、タスクリストのチェックを行うのが、朝早かったり週末の休日だったりすると、平日昼間の会社などに電話をするといったタスクを行うことができないので、2分以内で終わるタスクでも後回しにすることがあります。

 

私は、このGTDを全部取り入れることはしていませんが、考え方の一部は取り入れています。INBOX(つまり思いついたタスクはひとまず一覧表にするという考え方)やこの2分で完了するかという基準などは取り入れやすいと考えたからです。

 

要は様々なやり方を試してみて、自分にぴったりのやり方を見つければ一番良いのだと考えています。

 

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何だかまったりしたい気分ですね。。。(笑)

 

来週は、月曜日が体育の日でお休みさせていただきますが、火曜日からプライオリティ高のタスクの処理について、お話しします。

 

また、今まで平日の朝に更新してきたこのブログですが、少しだけやり方を変えてみようかとも考えています。例えば、週一ペースにして、一回の分量をもう少し多くする、といった形式です。まるで連載のような形式の今の状況だと、なかなか毎日時間を取って読むというのは難しい方もいらっしゃるのでは、と考えた次第です。

 

最も私自身が連続ドラマを見るのが苦手です。続きを見るのをつい忘れてしまって、いつの間にか最終回になってしまった・・・ということを何度やったことか。なので、一回読み切りという形式にした方が私みたいなタイプの方には良いのでは、と思ったのです。

 

本当にお試しで一度やってみようと思っています。

 

再来週の10月17日(火)に、その週のテーマを一括してお話しする予定です。テーマは、私が会社員時代の最後の数年間、悩み続けたイノベーションについてです。

 

9月をずっと仕事三昧の日々だったせいか、少しまったりしたい気分です。

それでは、また来週。

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今日が締切のタスクは最優先?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

優先順位が中くらいのタスクは、いつするのか。

 

今週は仕事やタスクのプライオリティ、優先順位についてお話ししています。昨日はプライオリティが低いタスクをどうするのか、しない、という方向性も含めてお話ししました。今日はもう少し高い場合についてお話しします。

 

仕事をしていると突然、緊急かつ重要なタスクが発生することがあります。何よりも先に処理しなければならないことです。

 

ただ、突然ではなく、必然的に緊急かつ重要なタスクが発生することの方が日常的には多いかもしれません。気がつくと締め切りが目の前に迫ってきていた、というタスクです(笑)。

 

毎日のタスクに追われて、前もってやっておくつもりができないまま締切日の今日を迎えてしまった、ということですね。毎回思います。どうして「前もって」ということができないんだろう・・・と。

 

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何事にも段取りが大事だけど・・・(;'∀')

 

それは、先週お話しした中にもヒントがあります。

明日も一日24時間しかない - 人材育成の道すがら

 

それだけではなく、実は「締切日」というのが曲者なのです。締切日があると、この日までにタスクを完了させれば良いという気持ちになります。締切まで後6時間あるとします。そうすると、急いですれば3時間で済むタスクを6時間かけてしてしまうのです。

 

それは、そのタスクの終了ポイントを把握していないからです。ここまでやったら終了、というポイントです。終了ポイントがないので、時間はいくらでも必要になります。

 

言い換えれば「無駄に品質にこだわる」ということなのです。

 

例えば、今日16時に締め切りのタスクがあるとします。朝9時から始業です。正味時間は6時間です。当然、今日はこのタスクをする、というようにスケジュールを立てると思います。もちろん、他のタスクはありますが、今日締め切りのこのタスクが今日は最優先です。ただし、このタスクの所要時間の見積もりはありません。

 

昼休憩前までに何となく形ができ上りました。でも、まだ締め切りまで3時間あります。提出しますか?

 

普通、もうちょっと考えてみよう、まだ修正したいな、と思って、提出することはないと思います。ギリギリまで粘ってもっと良いものを、と思うのが人間のサガのようです。それで、このタスクの処理が午後に入っても続きます。15時30分になって、ようやく提出する、ということになります。

 

さて、こういう体験をされた方は思い出してみてください。13時から15時30分の間にどれくらいクオリティ(品質)がアップしたでしょうか? 画期的なことを思いついて修正した、という例はほとんどないと思います。一からやり直すには時間が足りません。だから、一部、ちょっとした修正をしただけ、という感じだと思います。

 

私も経験したことがあります。プレゼン資料のちょっとした色遣いをいじる程度や文章を見直す程度しかしないので、なぜか2時間30分も時間を使っているのです。

 

そして、15時30分に提出。ホッとして、コーヒーでも一杯飲んでリラックスしたくなります。

 

16時。終業まで後2時間。一つの大仕事を終えたので、何だか疲れています。だったら、後は流す程度の仕事をして、重要なタスクは明日へ回す・・・といったことが起こります。

 

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締切があることで最優先になったタスクですが、実際の所要時間は3時間程度だったのです。最初の3時間でほぼ完了しています。ちょっとした修正をしたとしても昼休憩すぐには提出できる状態になっていたと考えられます。

 

もし13時に提出すれば、どうなっていたでしょうか。

 

18時まで5時間もあります。重要なタスクの1つや2つは完了させることができたかもしれません。

 

締切日があるが故に、該当日になるとそのタスクが最優先になって、他のタスクを行う時間を圧迫する、という事例をお話ししました。

 

もちろん仕事をする上において締切日は必要です。ですが、個人タスクの中での締切日はもっと違った形になっても良いのではないでしょうか。

 

こうならないためには、どこまでできていたら締切日前でも提出する、という基準があれば良いのです。営業戦略で締切日ギリギリに提出する、というのであっても、提出物は事前に作っておいても構わないわけです。

 

そうしておけば、締切日のタスクにその日一日の時間を占有されなくても済みます。その日にもし緊急かつ重要なタスクが舞い込んできたら、アップアップしてしまうことになるのです。

 

締切日は大切ですが、それよりも「いつ」そのタスクをするのか、がもっと重要なのです。

 

このブログでも完了イメージについて

なぜ、こんな仕事の終わらせ方をするようになったのか - 人材育成の道すがら

タスク管理を難関にさせるもの - 人材育成の道すがら

でもお話しさせていただいております。完了イメージを最初に決めてから仕事を始めるのが本当に仕事を効率的に終わらせるために必要なことなので、何度も申し上げている次第です。

 

明日は、プライオリティから独立したタスクについてお話しします。

それでは、また明日。

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仕事をしないこともありかも

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

仕事は段取りが大事、という話を聞いたことがありませんか?

 

確かにそう思う時もありますが、仕事が忙しくなってくると段取りどころじゃなくなって、ひたすら目の前の仕事を片付けることに追われてしまう、そういう毎日を過ごされている方はとても多いんじゃないかと思うのです。かくいう私も会社員時代はそうでした。

 

段取りを意識するようになったのは、会社を辞める数年くらい前からです。

 

段取りで重要なのが、その仕事はいつ、どこまで誰がするべきかという判断です。

 

ある仕事を依頼されました。いつするか、の判断が、「(少なくとも)今ではない」となったなら、その仕事はひとまず放っておかれることになります。

 

その時の判断は、「今している仕事と比較して」今ではないということになるのです。続いて次にする仕事に取り掛かる前にもまた比較して判断します。そうしているうちにだんだんに先延ばしになっていて、気がつくと一週間が過ぎてしまっている事態になります。つまり、優先順位が低い仕事だったことになります。

 

「その仕事、本当にする必要がありますか?」

 

この質問を投げかけたこと、ありますか? 「Yes」ならば明日のブログをお読みください。「No」ならば続きをお読みください。

 

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タスクリストやToDoリストを作成している方はいつも目にしてしまっていると思います。作成していない方は、どこかモヤモヤとした感じがし続けているのではないでしょうか。

 

上記の例で取り上げた、この「依頼されたある仕事」。このままいつするのでしょうか。

 

ここで少し考え方を変えてみるのもありかと思います。

 

というのは優先順位が高い順番に考えるのではなく、優先順位が最も低いものをまず洗い出す、ということです。

 

優先順位が最も低いものがタスクリストの中に入っていると、それはずっとタスクリストの中に残り続けます。忙しい場合はそのタスクをすることは絶対にないのですから、当然です。

 

そういったタスクを洗い出します。そして、そのタスクは「しない」リストの中に入れていくわけです。

 

会社員時代に片っ端から片付けていく中で、やっぱりいつまでも残っているタスクが存在しました。そのタスクをどうするのかということです。いつまでもタスクリストの中に入っていると精神的に疲れてしまいます。

 

なので、私は1カ月くらい残ったままになっているタスクは「しない」ことにするのです。

 

例えば、「○○について調べておいて」と同僚に頼まれたもの。調べなきゃと思いつつも忙しいのでつい後回しにしてしまったタスクです。でも、そう言った同僚も言ったこと自体を忘れてしまっている様子であれば、そのまま削除してしまう、ということです。

 

もし、しばらくして「あの件、どうなった?」と言われたら、「忘れてた!」で済む話にしてしまうのです。それで大丈夫であれば、特にタスクリストから削除してしまうのが一番です。もっとも同僚も忘れてしまっているので私の場合、問題になったことが一度もありません。

 

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やべッ、忘れてた!

 

この優先順位が低いタスクをタスクリストの中から削除するのが精神安定には役立ちます。1カ月もタスクリストの中に存在するタスクなんてもう絶対にしないタスクと言っても可能だと思います。思い切って削除してしまいましょう。また、する必要性が出てきたらすれば良いのです。

 

ただ、タスクリストの中にずっと存在し続けているタスクで、どうしても削除できないタスクもあります。

 

よくある例を取り上げます。

 

まずは「英会話を学習する」といったタスク。英会話スクールに通い始めて、毎日何らかの形で英語に触れる方が良いと聞かされたので、最初の頃はやっていたけれど、最近できていない・・・忘れないようにタスクリストに書いてはいるけれど、する時間が取れないということ。

 

このような習慣化したいものはタスクリストの中には書かずにスケジュール化する必要があります。どういう意味?と思われる方は、来週の話題ですので、来週お読みください。

 

続いて、私の場合。昨年の今頃から3月くらいまでずっとあったタスクが「事業計画を立てる」というタスク。これも悪い例です(笑)。

 

「事業計画を立てる」というタスク自体が大きすぎるので、一歩が出ないんですね。この話は先週お話ししたと思います。更に分解する必要があるということです。

細かく分解する - 人材育成の道すがら

 

最後の例として、「○○さんに電話連絡する」というタスク。○○さんに電話をしなければならないのだが、電話をすると長くなってしまう(つまり話し好きだから長電話になる)ので、したくないなぁ・・・とかいう感情的なものがネックになっているタスク。

 

これは、代替の方法(例えばメールやファックス)を使う、他の人にしてもらう(事務担当者に連絡しておいてと依頼する)、電話を切る理由(急に顧客が来たなど)を考えておく、といった方法を取れば、消化できるタスクです。

 

例は単純なものでしたが、もっと深い感情があってタスクを完了できない場合は、自分以外の人が担当する、というのもありだと思うのです。上司に相談して、そのタスクだけは担当を変更してもらうなども一つの方法だと思います。

 

また、〇曜日の〇時からは「したくないタスク完了アワー」としてひたすら感情的にしたくないタスクを消化試合のように実行していく時間を設けるというのも良いかと思います。この時間帯は集中できないお昼休み直後など眠気が襲ってくる時間帯に設定するとより効果的です。

 

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やりたくないなぁ・・・やらないといけませんかぁ・・・

 

何となく苦手だなぁ、と思うタスクも、やっているうちに何となく楽しくなってくるものです。これを作業興奮というそうです。以下の本に書いてありました。それで無理やりやる気にさせて終わらせてしまう、という強硬手段です。

 

優先順位が低いタスクは、もしかするとする必要がないのかもしれない、ということを念頭において、 タスクリストをスッキリさせてください。スッキリとしたタスクリストほど気持ちが良いものはないですから(笑)。

 

明日は、もう少し優先順位が高いタスクをどう処理するか、ということについて、お話しします。

それでは、また明日。

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仕事の優先順位を決める方法

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティをテーマにお話ししています。プライオリティ、つまり優先すること。そして、仕事、それを分解したタスクはプライオリティ、優先順位に沿って実施する方が良い、ということ。そのプライオリティは基準によって決めるのだ、ということについて、昨日お話ししました。

 

会社員時代の私はプライオリティがなかなかしっくり来ず、片っ端からタスクを実行していくゴミ屋敷片づけ方式をしていました(笑)。でも、それは本当に精神的につらいものです。また、個人事業主になれば、もっと大変なことになるはずです。

 

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例えば、仕事が重なった場合、個人事業主は誰かに依頼することが基本的にないので、自分一人ですべてを処理する必要があります。そうなった時、私が会社にいた時の状態と同じで、仕事をしてもしても片づかない、終わりがない状況に陥ることになるのです。

 

私が個人事業主になる時、この状態に再びなることが一番恐れることでした。

 

良く仕事をセーブすると二度と発注してもらえないかもという恐怖心がある、と言われます。私の場合は、それよりも他の誰でもないこの「私」に仕事をお願いしてくださったお客様のためにも何とかしてあげたい、この一心でお仕事を引き受けておりました。

 

そうしているうちにどうしようもなく仕事量が増えてしまった、という経緯があります。昨年の前半です。24時間のうち18時間くらいは仕事に費やしていました。土日もほとんどありません。昨年の日報を読んでたら、もう苦笑するしかないくらいです。

 

タスク管理をそれなりにしていたので「し忘れて大失敗」は全くありませんでした。でも、細かな失敗はざっと思い出すだけで複数あります。それ以上に、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまってました。

 

だからこそ。

 

優先順位の基準を真剣に、マジメに考える必要がある、と思うようになりました。

 

だからこそ、今年は仕事を選んでいます。

 

私でなくても大丈夫な仕事はたくさんあります。むしろ他社の方が得意な仕事だってあります。

 

ただ、選ぶと当然売り上げが下がります。そこで、生活できるだけのギリギリのラインは仕事をして、空いた時間に昨年できなかった今後の事業の見通しや行動計画を立て、実行しているところです。

 

優先順位のために仕事の選択基準を立てたのです。

  1. 今後の事業と深く関係する仕事
  2. 今後の事業と深く関係しないが時間があまりかからない仕事
  3. 今後の事業と深く関係しない上、時間をたくさん取られる仕事

優先順位はこの順番です。こういう基準を作ると、仕事全部に優先度が自然と見えてきます。お断りする際の仕事は必ず3に分類される仕事です。

 

このように基準を立てることで優先度は楽に決められるのだ、ということに改めて気づかされたわけです。

 

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この考え方を会社にいた頃の私に当てはめた時、どうすれば良かったのか、ということです。

 

私は今個人事業主なので、こういった基準は自分で決めて自分の責任で自分で選択することができます。でも、会社の中にいると、やはり経営者や上司の考えに沿うことが求められます。マネージャーは売上を最優先に考える必要も出てきます。私のように売上に関することも自己責任で、というわけにはいきません。

 

仕事の取捨選択を基本的に会社員はすることができないと思っています。ただ、行う順番をある程度自分なりに決めて行うことはできると思います。

 

優先順位の基準で比較的有名なものが以前もご紹介した7つの習慣の中にある「緊急かつ重要なもの」「緊急かつ重要でないもの」「緊急ではないが重要なもの」「緊急でもなく重要でもないもの」があると思います。

研修講師の役割とは - 人材育成の道すがら

 

会社員にはこの基準を当てはめておくと無難なのではないでしょうか。

 

しかし、上から言われた仕事をしないという選択肢がない会社員にとって、仕事の中で「重要でない」ものや「緊急でない」ものはない、と言って良いのではないでしょうか。課長から頼まれた「たぶん」重要ではないと思うし「たぶん」緊急でない仕事があるけれど、「課長から頼まれた」という事実が「重要かつ緊急」へ変化するということです。

 

課長は軽い気持ちで頼んだとしても。そこは今流行り(?)の忖度ですね(笑)

 

例えば。

 

課長から「石川県の観光地について今月20日くらいまでに調査しておいて」と頼まれたとします。依頼の言葉はこれだけです。

 

課長が今度石川県の観光地について何らかのプレゼンテーションをするから必要だと思って一生懸命データを調査し、クチコミや旅行ブログなどを読み漁り、それなりに石川県について詳しい報告書を作成しました。

 

課長はどんな目的で依頼したのでしょうか?

 

もしかすると来月の奥さんとの旅行の選択肢の一つとして調査をお願いされただけかもしれません。

 

つまり、一生懸命調査したのは、いわゆる無駄だったわけです。まあ、課長の覚えが良くなって出世するかもしれませんが。。。ただ、これくらいで出世するなら誰でも出世するわけでして・・・(苦笑)

 

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何が言いたかったのかというと、会社員の仕事は上から依頼された仕事を行う、という形式です。そうだからこそ、依頼されたらその仕事の目的を明確に確認する、ということが必要なのです。

 

目的がわかれば、その目的が会社の中でも重要な仕事であり、それをすることは他の仕事より優先されるといった判断ができるということです。

 

プライオリティをつけるためにも、仕事の目的を明確にすることが会社員に求められるということです。

 

 「石川県の観光地について調査を・・・」「それは何の目的で調査をしますか?」「いや・・・忙しいんならいいよ・・・(;'∀')」

 

皆さんの会社にこんな課長がいないことをお祈りしてます(笑)

 

今日は、プライオリティをつけるには基準が必要、その基準のためには仕事の目的を確認することが必要、というお話でした。明日は、増えていくタスクをどう処理していくのか、についてお話しします。

それでは、また明日。

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プライオリティとは何か?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティ、優先順位をテーマにお話しします。

 

 

はい、正直に申し上げます。プライオリティが苦手でした。正確に言えば、自分のタスクにプライオリティをつけることが本当に苦手でした。

 

そもそもプライオリティって何?ということから話しましょう。

 

Weblioから

プライオリティの意味:(時間・順序が)前であること、優先(すること)、優先権、先取権、優先するもの、(自動車の進行上の)優先権

 

つまり、仕事のプライオリティを考えて仕事を実行する、ということが、今流行り(?)の仕事の効率化で求められています。限られた時間の中で最優先の仕事を優先的に行うことで、効率的に結果を出すことができる、ということです。

 

タスクは仕事を細分化したもの、というお話を先週しました。

 

ということは、タスクには優先順位というものがあり、優先順位の高いタスクから実行していくということです。

 

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ゾウが優先・・・とのこと

 

これができないと、実は会社内で結構キツイことを言われます。あいつはプライオリティがわかっとらん!とか、優先順位がわからないから仕事が遅いとか・・・本当に今までよく耳にしました。

 

私も苦手だったので、身につまされる思いを結構しました。なので、そういう方にプライオリティをつけるってどういうことですか? どうすれば良いのですか? という質問をしたことがありました。

 

今考えると、こんな部下を持ったら嫌でしょうねぇ。仕事の優先順位がわかっとらん!と怒っているのに、じゃあ、優先順位ってどうやったらわかるんですか・・・ってなことを聞かれたら・・・・。お前、そもそも論から説明せんといけんのかよ・・・と途方暮れると思います(汗)

 

途方に暮れさせてしまったためか、結果的に明確に教えてもらった記憶がありません。

 

なので、自分で腑に落ちるまで考えることになりました。

 

例えば接客業で一番優先されるのは、当然、今目の前にいるお客様ですよね。お客様からこれが欲しいといわれたので、購入金額をお伝えして、お支払いを受ける、お釣りを出す、商品をお包みする、商品をお渡しする、といった一連のタスクは、他の目の前のお客様とは関係のないタスク(例えば商品の陳列を整える、倉庫から不足している商品を出す、値札をつけるなど)からは優先されて実行される、ということになります。

 

私は、こうやって考えると優先するための基準があると気づきました。

 

基準はたくさんあります。お客様、納期(時間)、品質(製品の質)などなど。どれを優先させるのかは、その企業、その事業所、その部署、そしてその仕事そのものによって異なると思います。また、その人個人によっても異なってくるのだと思うのです。

 

上司が部下に「優先順位を考えろっ!」というのであれば、ぜひ、そこにその部署における優先順位はどんな基準なのかを明確にしておくことが必要だと考えるのです。そうでなければ、部下は自分の基準で優先順位を決めてしまうのです。それが部署が考える(つまり、上司が考える)優先順位とあっていれば何も文句は言われません。が、異なっていると注意されるわけです。

 

通常、部下は注意されることで、本当に所属する部署全体が優先している順位を理解し、部署の仕事をこなすようになっていくのでしょう。

 

が、しかし。

 

最近増加傾向にある中途入社の社員は、それまで他社で学んできた優先順位の基準があり、それが「正」だと強く思っているとなかなか新しい会社の基準になじめない、ということが起こり得ます。

 

おそらくそのあたりがツーカーでわかるようになると、その会社になじんだ、という感じなのでしょうか。そればかりは転職中の面接ではわからないものです。

 

私も何度か中途社員を受け入れましたが、受け入れ側も最初は違和感を感じる時が多々あります。その違和感を(繰り返し)伝えていくことで徐々になじんできていた気がします。違和感、それは仕事をする上での優先順位に対する違いです。

 

そういえば、何人もの人に「○○を優先してくれますか」と言っていた記憶が出てきました。

 

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会社の業務における優先順位は会社や部署の基準に応じて決定する、ということは良いとして、それでは、自分自身の仕事の優先順位はどのようにつけていったら良いのでしょうか。

 

実は、私、タスク管理を始めた頃、自分のタスクすべてが「最優先」になったんですよね。タスク一覧表を作成した後に、優先順位を「高」「中」「低」とつけていったのです。すると90%以上のタスクが「高」になったのです。こうなったら、どっから手をつけりゃいいんだぁ?となります。

 

さすがの私も、自分の馬鹿さ加減にうんざりして、優先度付けることをいったん放棄し、片っ端から片付ける方式に変更した、という経緯があります。まるでゴミ屋敷の玄関口から、ゴミの入った袋を片っ端から投げて外へ廃棄していくように。

 

それこそ馬車馬のように働いた記憶があります。それでも、タスクが片づかない。片づけてつもりでも、どこからか湧いて出てくるのです。出てこなくても良いのに~~~と思いつつ、ひたすら片づける、こんなことをずっと続けていた気がします。

 

でも、これでは肉体的にも精神的にもキツいということは自分でもわかっていたので、自分なりに改善策をいろいろと講じてきたわけです。その講じる際の失敗が山のようにあります。やろうと思ったけれど、挫折したことなど多数です。

 

それから十数年が経過した後、個人事業主になる時、ある人がこう言ったのを記憶しています。「なかなか自分一人だと時間管理がうまく行かずに仕事が大変そうになりそうだ」と。その方はそういう理由から独立はしないと決めているそうです。確かに、個人事業主になれば、優先順位を決められなければ、タスクが大量に押し寄せてきたら破綻してしまいそうです。

 

明日は、破綻しそうになった昨年のお話しも交えて、そこからどう立ち直ってきたのかについて、お話しします。

それでは、また明日。

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