人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

Gmailがおススメな6つの理由

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

前に勤めていた会社はIT企業でしたので、さすがにメールは毎日使っておりました。そのメール、仕事におけるツールとしては結構重要なアイテムですよね。今日は重要なアイテムのメールのやり取りを実現するフリーのメールGmailについてお話しします。

 

Gmailなんてテーマ、たくさんあるからもう良いや、と思わずに、少しお付き合いくださいませ。良く巷で言われている機能のご紹介ではなく、私が使って良かった、と思われる機能を中心にご紹介しますので、少し裏技的なものもあります(裏技と私が思っているだけで実は誰でも知っている技だったりして・・・(;''∀''))。

 

とまあ、何はさておき、Gmailの使い方のご紹介です。

 

注意)このブログは2017年10月27日に記載しました。設定項目名等は記載当時のものです。記載後にGoogleによる設定画面や機能の変更が行われた場合、この記載通りにならない場合があります。その点、ご了解ください。

 

その前にGmailについてお話ししますね。

 

一般企業にお勤めの方は、会社からメールアドレスを渡されることが多くなったと思います。自分だけのメールアドレスをもらうこともあれば、業務の単位ごとに渡される場合もあるかと思います。どちらにしても、メールの管理は大変ですよね。

 

ただ、個人事業主にはメールアドレスを渡してくれる人はいません。なので、通常は、自分でメールアドレスを取得する必要があります。そこでフリーメールが登場です。なぜフリーメールかと言えば、何といってもメールアドレスが「無料」でもらえるのだから、個人事業主には持ってこいです。

 

フリーメールの代表選手はYahooメールとGmailです。Yahooメールは今回取り扱わないですし、私も使わなくなって10年以上たちますので、たぶんもうアドレスはなくなったと思われます。。。ずいぶん前に、古いアドレスは消しちゃうよ~~ってYahooから連絡が来てましたから。

 

Gmailは、Google社が提供しているフリー(無料)のメールです。基本的に誰でも簡単に取得することができますし、登録するとメールボックスが15GBもらえます。15MBではないですよ。ギガです、ギガ! 某携帯会社のCMで「ギガ」が連呼されていましたが、ギガって普通で考えるととんでもないサイズ、と思っていただいて結構です。

 

ちょっとだけ詳しく話すと、メートルとキロメートルってありますよね。1,000メートルが1キロメートルです。このように「0」が3つつくと表示が大変になるので、「キロ」という単位がついています。そのキロの1,000倍が「メガ」です。さらにメガの1,000倍が「ギガ」です。ついでに言うとギガの1,000倍が「テラ」です。

 

つまり、15GBをメートルでもし言うのであれば、15ギガっていうのは、15,000,000,000メートルってことになります。要するに、たーーーーくさん、ということですね(大ざっぱに言うと)。

 

ちなみに15GBの「B」は「バイト」と呼びます。アルバイトの略ではありません。英数字の1文字分を記憶できる容量です。日本語は漢字がたくさんあるため、英数字の2文字分で日本語の1文字分を使います。なので、15GBというのはメッチャ簡単に言うと7,500,000,000文字分ということになります。要するに、たーーーーくさんの文字でも対応可能!ということです。

 

注意:この計算はあくまで概算です。本当はもっと複雑です。

 

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このメールボックスのサイズを無料で提供しているGoogleさんは太っ腹ですねぇ。今でこそこのサイズは普通になりましたけど、私が利用し始めた2000年前半では結構衝撃的なサイズでした。

 

ちなみに、フリーのメールを取得する際に、「アカウント」と「パスワード」が必要です。「アカウント」というのはメールアドレスの「@」から前(左側)の部分を指します。これは、必ず「誰も他に同じものを持っていない」ことが条件になります。「パスワード」はかなり複雑なものを用意しておいてください。ただし、忘れないようにしてくださいね。。。メールのパスワードは使用頻度は比較的高いです!

 

「@」から後ろ(右側)は「gmail.com」です。世界共通です。Gmailは世界で使われているメールです!

 

Gmailの使い方は通常のメールと同じです。送信メールと受信メールを管理するボックスがあって、そこにメールがどんどん溜まっていきます。ただし、Gmailをパソコンで見る時は、インターネットを見るソフトウェアを使ってください。InternetExplorerとかGoogleChromeとかいうソフトです。

 

もちろんスマホでも大丈夫です。Gmail専用のアプリがありますので、それをインストールして使っていただく方が簡単で便利だと思います。Androidスマートフォンの方は最初からインストールされています。iPhoneはインストールする必要がもしかするとあるかもしれません。下の図のようなアプリです。

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 Gmailの特徴を簡単にお話しすると、

  • インターネットが接続されている環境であれば、メールを見る機械を選ばない。パソコンとスマートフォンは同期がとれる
  • メールの検索がとても速い。検索力はどのメールソフトよりパワフルなため、メールを細かく分類するより検索して該当メールを探し出した方が早い。そのため、どんなにたくさんのメールを受信していても簡単に該当メールを探し出せる
  • 明らかなコンピュータウィルス添付付きのメールは目のつかないところで自動的に削除される。ただし、今できたばかりの新しいウィルスは入ってくる可能性はある
  • パソコンやスマートフォンにメールがダウンロードされるわけではないので、容量がなくても大丈夫。
  • いろんな方が使っているので、ビジネス使用でも違和感がない。昔は独自ドメインがないフリーのメールアドレスに対する世間の扱いは酷かったですが、今は普通に名刺にメールアドレスを記載しても平気になった

という感じですかねぇ。もっとたくさん特徴はあるかもしれませんが、長年使っていて私が感じているところはこれくらいです。

 

でも、これだけでも十分にGmailを使う理由になるので、私はGmailが辞められません(苦笑)。

 

取得方法については、他のサイトをご参照ください。Gmailは突然更新されます。取得方法の画面ショットを取って解説しても、一瞬で使えなくなる可能性があるので、こちらではご紹介しません。ご了解ください。

 

さて、ここから本題に入りましょう。

 

ショッピングサイトを安全に利用するために 

Gmailを通常使う目的は、個人事業主なら仕事先との連絡のため、ということが多いと思います。会社員の方でも、会社の仕事以外の連絡先として取得されている方も多いと思います。

 

それ以外に、いろいろなサイトにユーザ登録するために必要なメールアドレスに使う、ということもあります。

 

ネット上のサイトにユーザ登録する際、ID(ユーザ名とも言います)とパスワードを登録します。その時、IDはメールアドレスにする、というサイトが多いです。ただ、プロバイダからもらったメールアドレスを使うのは盗まれたら怖いので、フリーメールアドレスを使うのです。

 

でも、セキュリティ的に登録するサイトごとにメールアドレスを変えた方が良いということ、ご存知ですか?

 

IDとパスワードをセットにしたデータが流出したというニュースはお聞きになったことが多いと思います。IDとパスワードがセットで流出すると、そのIDとパスワードでログインできるようになり、登録されている個人情報が流出してしまいますし、もしショッピングサイトであれば、乗っ取られて意図しない商品を購入されてしまう可能性もあります。

 

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それが様々なサイトで同じメールアドレスと同じパスワードを使っていると、流出したIDとパスワードでログインできてしまいます。そのためにサイトごとにIDのメールアドレスを変更する方が良いのです。

 

でも、現実的に考えて、メールアドレスを登録するサイトごとに取得するのは、非常に大変です。メールを取得すること自体は簡単ですが、それぞれのメールを管理するとなると、大変になります。

 

それを助ける機能が、Gmailにはあります。

 

例えば、「aaa@gmail.com」というメールアドレスを取得したとします。これをあるサイトに登録する際に、「aaa+site@gmail.com」と登録するのです。つまり、メールアドレスの「@」より前のメールアカウント部分の後ろに「+○○(○○は任意の英数字)」を入力します。

 

サイトからのメールは、「aaa+site@gmail.com」に来ますが、「aaa@gmail.com」の受信トレイに届きます。管理は、最初の部分のメールアカウントに届くので、一つのメールアドレスで管理することができます。

 

ユーザは、+○○の○○部分に任意の文字を入れることができます。文字数も任意です。ただし、英数字に限ります。

 

この○○部分は、そのサイトを意味する英数字にすることで覚えやすくなります。また、IDはサイトごとに異なりますので、もし流出しても他に登録しているサイトに影響が来ることはありません。

 

昔、あるクラウドサービスを行っていたサイトに登録していたID(メールアドレス)とパスワードが流出した、という連絡をもらったことがあります。そのため、同じメールアドレスとパスワードを使っている他の登録サイトのパスワードをすべて変更するという、とても面倒なことを経験しました。

 

その後、この方法を知り、今ではいくつかのサイトで利用しています。

 

どうしても乗っ取られたくないサイトは個別の専用メールアドレスを取得し、管理を簡単にしたいサイトは+○○にしています。パスワードは、乗っ取られても影響なさそうなサイトは一つに統一して管理を楽にすることを優先にし、乗っ取られたら困るショッピングサイトなどはメールアドレスを+○○にする上でパスワードを少しずつ変更しています。

 

こうすることでセキュリティ的には比較的安全になる、という次第です。

 

※パスワードを少しずつ変更する手法については、また、後日お話ししますね。

 

送信ボタンを間違えて押してしまった!を防止する

知られているようで意外と知られていない機能として、Gmailには送信取り消し機能があります。

 

間違えて送信ボタンをクリックしてしまった、何らかの操作方法を間違えて送信されてしまった、という時に、送信取り消し機能があるととても便利です。「取り消す」という文字をクリックすると、メールが戻ってきます。

 

この機能はGmailの設定画面で設定することができます。

 

Gmailの画面で、画面上部の右端にある「設定」のボタンをクリックします。表示されたメニューから「設定」をクリックします。「全般」タブの上から5つくらいのところに「送信取り消し機能を有効にする」というチェックボックスにチェックを入れ、一番下にスクロールして「変更を保存」のボタンをクリックすると、設定完了です。

 

秒数も設定できるので、日ごろ冷静沈着な方は短めに10秒程度、慌てる方は30秒に設定しておくと良いでしょう。これは、つまるところ、メールの送信をクリックしても、実際の処理を10秒から30秒程度、待つよ、ということです。

 

お客様に対して良くメールを出す方は、設定しておかれることをお勧めします。私も何度助けられたことか。。。(苦笑)

 

お客様に出すメールは書いた直後に出さずに、一度保存して、再度確認をして出すことにしていました。その保存をする際、つい送信をクリックしてしまって「きゃあああああ」となるのです。それで即座に「送信を取り消す」をクリックして、元に戻すわけです。

 

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今はこの機能、メジャーになったのでは、と思っているのですが、まだお使いになっていない方は本当にお勧めです。今ではメールアドレスの誤送信で情報漏洩事件となってしまうケースもあります。どんなに注意を払っていても間違えることはありますので、設定をしておかれると良いでしょう。

 

これは、昔は「Labs」の中に入っていた機能です。

 

Labsというのは、Gmailの設定画面で「Labs」タブをご覧になられるとお分かりになると思います。これから先、便利になるだろうと思われる機能が並んでいます。それをユーザが使ってみて、使い勝手を試すことができるようになっています。Googleも良く使われる機能を正式にGmailの機能として採用することでサービスの向上につながります。

 

私はこの「Labs」に入っていた時からの愛用者ですが、どんな時でもまず最初に設定する項目となっています。

 

もしかするとLabsに欲しい機能が入っているかもしれませんので、たまに覗いてみてください。

 

たまにGmailが乗っ取られていないかを確認する

Gmail画面の一番下、受信トレイでメール一覧が終わったところの右側に「アカウントアクティビティの詳細」という文字があります。そちらをクリックしてみてください。

 

このメールアドレスにログインした時間、ログインした時のIPアドレス(ネット上の住所)が見ることができるようになっています。少々、難しい言葉が出てきましたが、簡単にご説明しますね。

 

要は、通常使っているパソコンやスマホ以外からのアクセスがあると一目でわかる仕組みになっている、ということです。ロケーション(IPアドレス)と書かれた項目を見ると、おそらく同じ数字の羅列があると思います。たまに異なったとしても、2つ程度ではないかと思うのです。

 

これは、パソコンからのアクセスした時の数字の羅列とスマホからアクセスした時の数字の羅列が異なることから発生します。ネットワークが同じであれば(つまり同じ家の中からWi-Fiを使ってアクセスした場合)、同じ番号になるので、OKです。

 

異なる数字であっても日時で判断します。その日時は、外出先でスマホからメールを見ていた、ということがわかればOKです。それはスマホからのアクセスだ、ということになります。

 

覚えのない時間帯に覚えのない場所からのアクセスは、危険な状態です。メールが乗っ取られている可能性があります。即座に詳しい方に相談して対処しましょう。

 

自分一人でこのメールアドレスを使っている状態であれば、他の場所からのアクセスはあり得ないので、乗っ取りという可能性が大です。私の場合は、他の方と同じメールアドレスを共有していたことがあるため、他の方がログインしていた時間帯を確認するために利用していました。ま、滅多にないケースですけど・・・

 

最強(?)のフィルタ機能

私がGmailを使っているのは、最強と言われるフィルタ機能がついているからです。ウィルスがついたメールは事前に排除した状態で受信トレイに到着したメールが表示されます。これは便利です。

 

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最強の門番

 

最近、プロバイダというインターネット接続サービスを行う会社(NTTの子会社のOCNが有名ですよね)でも、ウィルスやスパムメールを省いた状態でユーザにメールを送るサービスを行っていますが、これを最初に始めたのは私が記憶する限りGmailです。

 

いやー、便利です。受信トレイには必要なメールしか表示されないのですから、ものすごいストレスフリーです。他に「迷惑メール」というフォルダもあって、Googleが迷惑メールと判定したものが受信トレイに入らずに入ってきます。こちらは人間が「要・不要」の判断ができるようになっているので、本当に便利です。だいたい不要なメールばかりなので、そのまま放っておくと、30日後には削除されます。

 

ただ、たまに。迷惑メールに重要なメールが紛れ込んでいることがあります。先方のメールアドレスが少しふざけたようなものだったり、件名に記号(♪など)がやたらとあったりした場合、迷惑メールとして振り分けられるようです。

 

なので、30日に一回は迷惑メールフォルダの中身も確認しておいてください。

 

メールを送ったんだけど・・・と言われたけれど届いていない場合は、ここを疑ってください。

 

また、添付されたファイルもダウンロード時にウィルスチェックも行われます。これもやっぱり安心材料ですよね。

 

こういった機能付きのメールが無料で使えるとは・・・マジにすごいと思います。

 

便利なラベル機能

Gmailは、フォルダに分けることが可能です。メールの画面の左側に任意のフォルダを作成し、そのフォルダ内にメールをドラッグアンドドロップで移動させることができます。また、フィルタ機能を使って、受信と同時に必要なフォルダに入れることができるようになっています。

 

そのGmailのメールをフォルダに分ける際に使用するのがラベルです。ラベルは一つのメールにいくつも付けることができるので、メールの内容が複数のフォルダに渡っていたとしても対応が可能です。

 

また、ラベルには24色の色をつけることができます。ラベルを付けても受信トレイの中に入れたままにしておくこともできるので、ラベルの色を目立つ色にしておくと、受信トレイの中でメールが迷子になることがありません。

 

ラベルは任意のものが設定できます。設定の「ラベル」タブの画面の下の方に「新しいラベルを作成」のボタンから作成することができます。

 

昨年、毎日数10件ほどのメールが来る仕事をしていました。多い日は100件近くなっていたと思います。メールが届くと、それを予め決められた手順に従って処理をしていくのですが、どのメールにどこまでの処理をしているのかがわかりにくいのです。

 

この時、ラベル機能はとても役立ちました。それぞれのメールのステータス(処理段階)に応じてステータスごとのラベルを貼り付けることで、今このメールの処理はどこまで済んでいる、というのが一目で管理することができます。未完了は色で、完了に近づいていくにつれ薄い色にしていくことで、大量作業へのモチベーション付けにも利用できます。

 

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また、ラベルをつけることで、自然とフォルダ分けもされるので、フォルダ内のメール数を見れば、どのステータスのものが何件あって、未処理が何件である、という件数も確認することができます。これは、本当に助かりました。

 

この機能は大量のメールが届く方にぜひ使っていただきたい機能です。

 

独自ドメインのメールが使いたいっ!

もし、個人事業主であっても独自ドメインを取得して「○○@xxx.co.jp(xxxの部分は社名・団体名で取得した任意の文字列)」といったメールアドレスにしたい、という場合も、Gmailだったら可能です。ただし、有料になりますが。

 

有料と言っても500円/月(税抜き)です。(一人分のメールアカウント料金です。また、2017年9月現在)

 

個人事業主の場合、メールアカウント(大ざっぱに言えばメールアドレスの@マークより前)は一つで済むと思います。なので、メールを配信するための様々な機器類を導入するコストと手間を考えるなら、Googleに申し込んだ方が楽です。

 

また、良くホームページにある問合せ用メールアドレス(info@xxx.co.jp)といったアドレスを作りたい場合は、1つだけ有料のメールアカウントを作成してしまえば、後はグループ機能を使っていくつでも作成可能です。いくつ作っても追加料金は発生しません。

 

また、Gmailの機能はすべて使えますし、容量が15GBから30GBへ増量されます。個人事業主ですが、会社ようなメールアドレスが使えて、しかもメールの配信用機器類の管理の手間全くなし、というのであれば使わない手はないでしょう。ITにあまり強くない方でも十分に可能です(最初の設定だけ少し手間ですが・・・)。

 

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前の会社に勤務していた頃、メチャクチャにメールを使っていましたが、当時50GBだった容量のそれでも25%程度しか使っていませんでした。5年くらいの期間で。

 

本当にGmailはある意味、アリのツールです。メールをどうしようか、とお考えの方は是非Gmailを使ってみてください。

 

注意)このブログは2017年10月27日に記載しました。設定項目名等は、記載当時のものです。記載後にGoogleによる設定画面や機能の変更が行われた場合、この記載通りにならない場合があります。読者の方が当ブログに含まれる情報もしくはサービスを利用すること、及び利用することができなかったことにより生じる直接的または間接的な損失に対し、筆者及び弊社は一切責任を負うものではありません。その点、ご了解ください。

 

次回は、Gmailに付随しているGoogleの機能であるGoogleドキュメントとスケジュールについてご紹介したいと思います。更新予定日は11月7日(火)です。

それでは、また来週。

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読書の秋にお勧めの本5冊

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は、読書の秋特集(?)ということで、お勧めの本をご紹介したいと考えています。毎日一冊ずつご紹介できるように5冊用意していたのですが、先週からお試しで週一ペースでの更新となったため、一気にご紹介していきます(笑)。

 

今年読んだ本(注:発行年が今年とは限りません)で、印象に残った上、とても軽い気持ちで読める本、というのが選定基準ですので、もしご興味があれば、気軽にポチって下さい。

 

なお、アフィリエイトは設定しておりませんので、ポチっても私に一銭のお金が入りません。Amazonのサイトに接続しやすいようアフィリエイトコードを入れていますが、皆さんが購入してもAmazonが何のリアクションもできないようになってます。

 

このブログはアフィリエイトを目的としていないのでご安心(?)ください!

 

まず、1冊目。

 『死ぬくらいなら会社辞めれば ができない理由』ものすごいタイトルです。

 

昨年、10月ごろに偶然ネットでこの本の最初の数ページに掲載されているマンガがTwitterで話題になっていることを知って、最初Twitterで読みました。

 

それから、マンガエッセーとなっているこの本に出会い、思わず購入しました。

 

働き過ぎて、疲れすぎて、ふと、うっかりと自殺しかけてしまうお話です。残業して夜遅い時間にホームで電車を待っていたら、ホームに入ってくる電車のライトを見て、「今、一歩踏み出せば、明日、会社に行かなくていい」と思ったことから話が始まります。

 

私も、無茶苦茶忙しかった頃、同じような思いにとらわれたことがあります。私は車通勤だったので、トンネルに入る度に、このトンネルの壁に激突したら、ダイアナ妃のように死ねるかも・・・そうしたら楽になれる・・・ふとそう思ってしまったことがあります。

 

結局、そうすることもなく今を生きています。でも、あの時、そういう気分になったことは忘れられない思い出です。

 

その時の気分と全く同じなのです、この本に書かれていたことが。本当にリアルすぎるのです。

 

過労自殺をする人の全部が同じではないと思いますが、寄せられた感想を見ると、本当に多くの方が自分と同じだ、という感想を書かれています。そう考えると、不幸にして過労自殺する一部の方の心情が描かれた本であることは間違いないのではと考えています。

「まだ大丈夫」なうちに判断しないと

判断そのものができなくなるのです。

 この言葉は、本当に頷くしかありません。

 

働き過ぎて疲れ果ててしまっては正常な判断ができなくなります。まだ大丈夫、私は過労自殺なんかしない、と思っていても、本当に心身共に疲れ果てた時はその判断ができなくなっており、フラッと自殺してしまうのです。

 

手遅れにならないうちに、いろいろな方に知ってほしい本です。読みやすい本だから、読んでほしい本です。

 

周囲に働き過ぎているな、と思われる方がいらっしゃったら、そっとこの本をプレゼントしてあげてほしいと思っています。

 

この中の「夫とワタシ③」が私的には大好きです(笑)

 

仕事人間のご主人をあの手この手で休ませようとする奥様(筆者)の行動に笑いがこみあげてきます。

 

2冊目。

話題になった本なので、ご存知の方も多いと思います。

 

この方は元々「ITサービスマネージャ」さんで、ITの現場を参考にこの本を書かれています。ITサービスマネージャという言葉は、IT業界で運用・保守をされている方だと良く使われる言葉で、私も会社を辞める数年前から、この分野のエンジニア育成もしておりました。。。(苦笑)

 

IT業界の運用・保守というのは、パソコンが動かなくなった!とかネットにつながらない!とかの状況を改善する部署で、ユーザーさんがいつでも快適にITシステムが使えるように毎日細心の心遣いでITシステムを管理する人たちです。

 

今ではITシステムは24時間365日動いて当たり前の時代となっていますので、仕事も当然24時間365日になります。通常はシフト勤務というわけなのですが、トラブルがいつ発生するかわかりません。つまり、突発的な仕事が急に入ってくる職種なのです。

 

こういった職種ならではのノウハウから普通の職場に置き換えて記述した本なので、とても参考になることも多いと思います。

 

文章も読みやすく、図も多いので、働き方改革に関係する方には特にお勧めします。

 

また、忙しくて残業ばかりの人も、少しでも残業をなくすために、一読されると良いのではと思っています。

 

私はこの本を読んで、前々から感じていたことが、やっぱりそうかと思ったのが印象的でした。それは、IT業界で普通のことが一般の業界では普通ではなく、IT業界のノウハウが一般の業界に入り込むととてもスムーズに職場が回るようになるんだ、ということです。

 

この作者の沢渡あまねさんはITサービスマネージャさんでしたが、IT業界ではプロジェクトマネージャさんだって、同様のことを考えています。働き方で悩んでいる会社さまが少しでも悩みから解放されるために、ITという技術だけではなく、ITの現場の働き方がお役に立つんだ、ということを改めて気づかされた本でした。

 

3冊目。

前2冊が働き方改革っぽい本でしたが、この本は趣旨が違います。顔に障害(?)をお持ちの方々のお話です。

 

良く営業やコミュニケーションの研修で、「見た目が大事」「第一印象が悪いと後の修正が大変だから、身なりを整えること」と言われています。でも、この本で取材を受けた方々は、何らかの病気で顔に異変があります。

 

例えば、表紙の上の写真の中島さんはリンパ管種という病気で、顔に大きなコブや変形があります。泉川さんは網膜芽細胞腫という病気で左目がありません。

 

どの方も同じようにおっしゃられていましたが、小さい子どもと通りすぎる時は、その子どもから「あの人、変な顔!」と言われるそうです。隠すことができない顔に異変があるのは、おそらくとてつもなく大きな悩みだと思います。

 

本当にいきなりこのような方々に出会った時、戸惑わないか、と言えば、おそらく戸惑ってしまうと思います。私にはその気持ちを表情に出さずに笑顔で接することができると断言する自信はありません。

 

 

そして、この方々も初めてお会いした相手が戸惑っていることがわかってしまっています。でも、それは仕方がないことだとおっしゃられています。

 

この本を読んで、最初は戸惑ってしまう相手を素直に受け入れていただく彼ら・彼女らの気持ちに甘えるにしても、次からはちゃんと彼ら・彼女らのことを理解して普通に接することができるようになることが求められているのではと感じました。

 

そのためにも、まず自分の中に偏見がある、ということを私は認識し、それを修正していく努力をする必要があります。そのためには、このような本で知識を得ることが大事だと考えています。知ることが一つ一つの偏見をなくしていくことの近道だと思っているからです。

 

 

泉川さんの高校時代のエピソードで印象に残ったことがあります。小さな子どもから「あのおじちゃん、目がない」と言われた時、泉川さんの友達が「おじちゃんって言われている・・・」と笑ったそうです。そこで、目じゃなくてそっちかいっ!と泉川さんは突っ込んだとのこと。

 

私はそんな泉川さんの友達のようになりたい、と思いました。すごい友達と思いませんか?

 

そこには普通の高校生の姿があります。目がある、目がないということではなく。

 

そして、彼ら・彼女らはとても前向きで一歩を踏み出しています。そして、写真で見た限りですが、中島さんはとてもカッコいいです。おしゃれで素敵なのです。

 

読み進めていけばいくほど、どなたもとても素敵に思えてきました。

 

こんな素敵な気持ちにさせてくれた9人の方々のインタビューは必見だと思っています。

 

4冊目。

マンガではないです。作者は漫画家ですけど。

 

この本にはン十年前に出会いたかったですねぇ。きっと人生が変わっていたんじゃないかと思います。さすがに今の年齢だと、自分のためになることはほとんどなかったですが、今の若い女の子には読んでほしいなぁと思いました。

 

作者とほぼ同じ年齢の私なので、時代観がほぼ同じです。何となく時代の雰囲気がわかりましたので、とても面白く読みました。

 

そうですねぇ。たぶん、50歳になったばかりの方までであれば、十分にいける本だと思っています。(元・女の子ね・・・)

 

ためにならなかったと思ったのは、私自身が今あまり迷っていない、ということもあるのかもしれません。

 

ただ、私がぼんやりと言いたかったことを、はっきりと文章にしてくれているので、本当に役に立つ本だと思います。

 

男に振り回されずに、自分の足で大地に立って、生活していけ!という作者の思いは、私も同じです。私には残念ながら娘がいないので、息子たちに彼女ができたらプレゼントしたい本ですね(笑)。

 

男をあてにするな、というわけではありません。ただ、男も女も同じ人間なのだから、それぞれがちゃんと自立した人間同士、同志になった方が幸せだと私は考えています。

 

人間が生きるため、生活するための仕事(つまり家事労働)は、男女が関係なくやれるようになることが重要で、役割分担なんてくそくらえ!ですね。できる方ができる分だけすれば良いんですよ。してもらった方はしてもらった分だけ感謝して受け取る。受け取るだけではなく、たまに、ちゃんとしてあげることもする。お互いともできない時には誰かにアウトソースするのが一番。

 

そういうことをお互いに話し合いながら徐々に夫婦のルールにしていく。

 

それがカップルの楽な生き方なんだろうなぁ、と私は思ってます。

 

5冊目。

 最後は少しお堅い本を(笑)。

 

新書ですし、そんなに難しい言葉が並んでいるわけでもないので、専門書ですけど、楽に読めると思います。

 

タバコを辞められないのには理由があるのです。タバコを吸うと、その人にとって良いことが発生するから辞められないのです。例えば、眠気が覚める、気持ちが落ち着く、といったことです。いつ来るかわからない将来の肺がんの危険性をいくら伝えても、すぐやってくる良いことがある限り辞められないわけです。

 

といったことが書かれてある心理学の本です。

 

電気をつけることはするのに消すことを忘れてしまうのは何故か。

 

心理学ってこんなことをマジメに研究する分野だと知ったのは、この本に出会ってからです。それまでマジメに心理学の本を読んでなかった私は、目からウロコでした(苦笑)。

 

心理学は「食わず嫌い」の筆頭でした。面白そうなんだけど、マジメに勉強する気になれない、というべきでしょうか。だから大学の講義でも中途半端に受けていました(ギリギリ合格しましたけど・・)

 

行動経済学の本も真剣に読む気がしなくて、ずっと読めていません。アドラーだって、一応目は通しましたけど、フーン、で終わってます。

 

でも、最近、広告デザインや「伝わる」ことについての本を読んでいると、すべてが心理学と関係しており、きちんと勉強していれば良かった、と後悔先に立たず状態です。

 

ただ、一口で心理学と言っても守備範囲がとても広いので、どこかに焦点を当てて勉強しないと難しいだろうなぁ、と考えるところで、やっぱり止まってます(苦笑)。

 

心理学を勉強している方々はひたすら尊敬します。

 

心理学の中でも比較的身近な話題がたくさん取り上げられているので、少しでもご興味がある方は読んでみてください。

 

今週は読書の秋にお勧めの本5冊をご紹介しました。ご参考になれば幸いです。

 

さて、次回からしばらく「IT」をテーマにしてみようと考えています。それも役立つITですね(世の中には役立たないITも氾濫していますので・・・あ、暴言吐いた(笑))。次回の更新予定日は10月31日(火曜日)です。

それでは、また来週。

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イノベーションを起こすためには

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今週は、更新の仕方を変更して、週一回の更新です。ですから、今日のブログは少し長めになっていますので、ご都合の良いお時間でお読みいただければ幸いです。

 

テーマは「イノベーションを起こす」こと。イノベーションとは、

物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すと誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。(Wikipediaより抜粋)

とあります。新しい変化をもたらした企業には顧客がつき、そこから売り上げが増大し、利益を生み出すことになります。それゆえに、通常企業はイノベーションを自ら生み出したいという欲求があります。

 

今まで通りで良い、とする企業は、どうしても右肩下がりになってしまいます。企業を経営する上で、やはり大きなイノベーションでなくても小さな売れる新製品・新サービスを生み出したい、と願うのは、至極当然のことだと私は考えています。

 

私が以前の会社に勤めていた最後の三年間は、新規事業を起こすことを課せられた三年間でした。結果的には新規事業を起こすまでに至らないままで終わってしまいました。その三年間で考えたこと、そして今イノベーションを起こすことが大事と言われている世の中で、どうすれば良いのか、について、本日はお話ししたいと考えています。

 

ただ、この中のお話は私が経験に基づいて考えたことです。社会環境によっては、まさにこの通りにやったとしてもイノベーションを起こすまでには至らなかった、ということもあり得ますことを予めお伝えしておきます。

 

今日のブログの内容は以下のようになっています。

  

業績を上げるための二つの方法

会社の業績が良くなる、ということは利益を多く生み出すということだと思っています。その業績を上げるためには二つの方法しかありません。

 

一つは売り上げを上げること。売り上げを上げれば利益が増大します。ただ、売り上げを上げれば、当然それに伴い人材を多く必要とすることになりますので、人件費が増大します。

 

二つ目は、コストを下げること。増大した人件費を抑えるために、非正規社員とする、ということも必要かもしれませんが、そうなると退職する方も増える可能性があるため、人手不足倒産ということが現実味を帯びる可能性があります。

 

この二つの方法でイノベーションを起こすことで、利益が増大することができます。どちらか一方でも構いませんし、両方ともでも構いません。ちなみにコストを下げることのイノベーションはITを利用することで起こっている事例がたくさんあります。

 

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例えば、Amazon。現実の書店で全世界の人に本を売るにはたくさんの書店を作らなければなりません。でも、インターネット上の書店であれば書店を作るコストが削減されます。今ではそれと同じ発想で、インターネットバンキングやネット証券などが発達しています。

 

さて、IT人材を育成していた頃、良く言われていたのが、「イノベーションを起こす人材を育成してほしい・・・」ということ。

 

難題です。これができれば、世界中の企業がイノベーションを起こし、倒産する会社はなくなっています。ただ、私は「イノベーションを起こすのは誰でもできる」と考えています。ただし、条件が揃えば、という条件付きですが(苦笑)。

 

業績を上げるためには売り上げを上げることとコストを下げることの二つしかありません。どちらを選択するのか、ということですが、実はどんな業種でもどちらも選択できると考えています。

 

私がいる業種はサービス業です。サービス業は、製造業と異なり、ヒトとヒトが同じ場所、同じ空間に存在することでサービスの授受が行われる、という業態です。つまり、お客様に対応するスタッフがいる、というのがサービス業です。この場合は、スタッフの人件費がコストの最も大きな部分を占めることになります。

 

スタッフ(私のような研修を行う業種であれば「講師」)の給与をある程度確保するには、それなりの売り上げを上げるしかありません。例えば、毎日それなりの金額の売り上げを上げることができれば、給与を支払うことができます。ただ、研修という業種では、毎日研修がある、ということはほとんど稀です。その分、営業をし続ける必要があります。それは営業費がかかる、ということなのです。

 

サービス業でコストを下げることは給与水準を下げることになります。ただ、これは不毛な世界です。

 

私が会社にいた最後の三年間、はまっていた思考のループがこれです。

 

人材育成、研修という業種は、研修を依頼されて講師が出向いて講座をする、というものです。当然、研修する講師の給与というコストが必要です。また、ITという特殊な分野でしたので、講師に講座の準備期間が相当時間必要であり、その時間も給与が発生するので、それもコストに加算されます。

 

毎月の月給を支払うために営業をかける必要があり、その営業費(広告宣伝費、営業マンの給与)もバカにはなりません。

 

講師を外注すると、講師が準備する期間のコストは削減されますが、その教えられる技術を持った講師を確保するという、大分県という地方故の難題があります。

 

こう考えていくと、インターネットを通じた通信教育ということも発想の一つとしてありました。これは、講師の講義をビデオに撮っておき、それを複数の人に繰り返し見ていただくことができます。講師のコストを低く抑えられることができるというメリットがあるのです。

 

ところが、インターネットを通じた通信教育には欠点があります。質問に対する回答が遅い、メールベースのため質問内容や回答内容が伝わりにくい、受講者が途中から受講しなくなり成果が出ない、といったものです。

 

研修を発注する企業様も実際に講師を呼ぶ形式を選択されることが多く、県内企業だけに絞るとニーズが少ない、ということになります。また、こういった通信教育のシステムを構築する初期費用の問題もあります。

 

新しい事業の発想があっても難しい問題に直面して、すべて止まってしまう、ということを繰り返す悪循環に陥ってしまったのです。

 

殻を破る・意外なものをくっつける

 

このような悪循環を断ち切るには、発想の転換を図ることが必要です。

 

イノベーションを起こしてヒット商品を生み出した代表例としては、iPhoneがあげられると思います。今まで似た商品はありましたが、徹底的に機械的なキーボードを排除した製品は初めてでした。電話ができる小さなパソコンとして、iPhoneを含むスマートフォンはその販売数を飛躍的に伸ばし、大きな市場をあっという間に形成しました。

 

これは消費者が「こんなものが欲しいなあ」と漠然と考えていたものを製品化したもの、という話が一般的です。確かにiPhoneを見たら、こういうもの、欲しかったと思います。ですが、一般の消費者は欲しいなぁと思うものを明確にイメージ化できないのです。

 

実物(つまり具体的なモノ)を見れば、「ほしい」と思うのですが、実物を見ないで口頭で聞いたとしても「ほしい」とは思わないのです。イメージができないからです。

 

私が最初にiPhoneを見た時もそうでした。日本で発売されたばかりの頃に手にすることがあったのですが、見た瞬間に、こういうのが欲しかったと強く思いました。だけど、それまでにiPhoneを想像することは一切ありませんでした。イメージすら考えたことはありません。ただ、何となく心の奥底のどこかであったらいいなぁ、レベルで思っていたのです。

 

だから、イノベーションを起こす人材は、具体的なイメージを明確に描ける人であることが必要です。それも、今までにないものをイメージし具体的に描くという能力が必要なのです。

 

それはわかるけれど、「私にはできない」。

 

こう思う人がたくさんいます。「私はイメージすることが苦手」「デザインはできない」「アイディアなんて全然浮かばない」と口を揃えて言われます。

 

実は、発想をするために大事なことがあります。

 

今まで習慣的に考えていたことを一旦取り払う、ということです。「自分は発想力がないからできない」と考えること自体を辞めるということです。私は発想力がない人はいないと思っています。だからこそ、発想力がない、と考える癖を辞めるのです。

 

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発想力がない、と考える癖を辞めたら、次は発想を行うという行動を起こすことです。アイディアを出す手法はいくつかあります。

 

その中でも代表的なものは、全く異質なものをくっつけてみる、ということ。今まで誰もがしなかった異質なもの同士をくっつけてみます。例えば、電話とパソコン。画像と電波。蒸気と馬車。発想の種はこういったところから生まれてくるのだと私は思っています。

 

もう一つは、アイディアをとにかくたくさん出してみること。Excelのようなたくさんのマス目にひたすらアイディアを入力して埋めていくのです。10個、20個、30個と。決められた数だけ何が何でもアイディアを出していくと、その中に思いもかけない発想が出現することがあります。

 

このように発想を生み出す能力は、トレーニング次第で誰にでもできるようになります。生まれつきの能力ではないのです。

 

何度も繰り返しトレーニングをし、アイディアを出すようにしていくと、自然に発想力が身につきます。ただ、イノベーションのための発想には具体的に実行できるようにする必要があります。突飛なモノすぎるとドラえもんのポケットの道具になってしまうからです。

 

つまり、具体的に実行できるようにするための技術の知識が必要になってくるのです。

 

こう考えると、若いから発想力が豊かとは限りません。技術の知識は若い人より熟年の人の方が多く持っています。若い人は固定的な考える癖を持っていないから発想力があるように見えるだけです。ですが、知識がない分、突飛な発想になってしまいます。

 

熟年の人はどうしても今までの経験が邪魔をして固定的な考える癖が表に出てしまうのです。でも、知識がある分、技術に裏付けられた具体的な発想が完成する可能性があります。

 

そう考えると、一番イノベーションに適した発想力を持つ年代は30代から40代かもしれませんね。

 

まあ、年代を限らず、熟年の方々がトレーニングをすれば、きっと見事なイノベーションのための発想を生み出すのではないかと私はひそかに思っています。

 

こうやってトレーニングの結果、たくさんの発想が生まれてくると思います。

 

例えば。

 

サービス業でお客様に対するサービスの品質が一定せずに、あるスタッフはお客様の満足度が低いのではないかと思われるという課題があったとします。

 

  • そこに製造業の品質管理の考え方を持ち込んでみる。
  • 当てはまらない、と考えずに、とりあえず当てはめてみる。
  • ただ、そのままでは難しいので、うまく行くためにはどのような改変が必要なのか考えてみる。

 

これがイノベーションの卵です。

 

どんな人でも考える癖を持っています。考える癖の殻を破るのは大変です。でも、柔軟に考える、ということはこういうことなのだ、と私は考えています。

 

私の新規事業を考えていた三年間で、10個近く企画を立てました。苦しみましたが、おかげでトレーニングが自然と行われていたのだと思っています。そのために、今企画を考えるのに苦労はなくなりました。本当に感謝しています。

 

同志を募る

 

実は、イノベーションは一人の力で起こせるものではありません。

 

スティーブ・ジョブズであっても、iPhoneのプロトタイプを一人でコツコツと作ったわけではないはずです。

 

また、アイディアも一人で考えるのではなく、複数人で考えた方が広がりを持ちます。スティーブ・ジョブズのような天才ではないと思う人こそ、同志とともにアイディアを練り、さまざまな作業を一緒に行った方が良いと考えるのです。

 

そして、現在、一人で頑張っていらっしゃる方は同志を募ってみてください。同志になってくれる人がいるのであれば、きっとお客様のニーズがそこにあると思います。他人に自分のアイディアを説明できるのだから、理解してくれるお客様もいるはずなのです。

 

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ただ、重要なのは上司というより経営者に本当にイノベーションを起こす覚悟があるのか、ということです。イノベーションを起こすには、準備を含め、それ相応のコストがかかります。

 

試作品は一度作って終わりではなく、何度も何度も作り直すことが必要です。サービスであれば、お試しサービスを何度もやってみる必要があります。こういった準備にかかる費用があります。

 

それだけではなく、新しい技術を導入して行う必要があれば、もっと費用がかかります。例えば、インターネットを介した通信教育で人材育成をする、となれば、通信教育システムを開発するコストや期間が必要になります。システムだけではなく、教材作りにも手間がかかります。

 

また、素晴らしい製品ができたとしても売れるかどうかがわからなければ、最初は小ロットで製造します。そうすると大量生産されない分、コストがかさみます。

 

こういったコストがかかるという覚悟です。

 

コストがほぼゼロ円で、イノベーションを起こす、というのは無理があると私は考えています。

 

消費者は見える商品やサービスでなければ、買うという行動は起こしません。何かわからないものにお金は出さないからです。

 

見える商品やサービスを作るには当然コストがかかります。

 

会社の規模に応じてかけられるコストは変わってくると思います。無尽蔵にお金を出せるところなんて皆無でしょう。

 

お金が出せないのであれば時間を出す、という方法もあります。これらの準備をしている期間は多少売り上げが下がっても眼をつぶる、という覚悟です。準備をする時間を担当者に渡す、ということになります。もちろん、こちらも無尽蔵に渡すわけにはいきません。限界を伝えておく必要はあります。

 

時間をもらえれば、余っている部品で試作品を作ることができます。お試しサービスを顧客に試してみることができます。

 

でも、コストをかけるな、定時内の時間は今まで通り、という上にサービス残業イノベーションを起こせ、と言われたら、担当の従業員のモチベーションがいつまで続くのかは難しいところです。

 

新規事業を起こす、イノベーションを起こす、と決めたら、経営者は腹をくくってください。経営者ではない上司であったら、経営者にきちんと話を通しておいてください。そうすることで、イノベーションを起こす従業員は生まれてきます。

 

イノベーションを起こす人材は、一人でに生まれてくるのではなく、生まれやすい土壌の中から生まれてくるのです。私の言う同志は、仲間という意味もありますが、経営者も含めた会社全体を言っています。

 

会社全体が同志とならなければ、イノベーションの卵はふ化しません。会社はちょうど親鳥のように卵を温める環境になる必要があるのです。

 

諦めない・キリをつける

 

良くヒット商品を作りだした方が言われるのが、「諦めずに頑張ったからうまく行った」という言葉です。本当に諦めずに続けていくことが重要な場合が多くあります。

 

作っても売れない、という時期が長くなればなるほど、それを続けられる人は少なくなってきます。続けられる人は、やはり自分の商品・サービスに自信を持ち続けられる人です。他人から様々なことを言われても気にしない人です。

 

ですが、本当にそういう人はいないと私は思っています。

 

誰だって自信を持ち続けられる人はいません。ふと、弱気になる時だってあります。他人から鋭い指摘を受けて心が痛む時だってあると思います。

 

ですが、諦めない人は、そこから気持ちを切り替えていける人です。イノベーションを起こす人は、性格的にこういった方だと私は思います。

 

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ポジティブでもネガティブでもないのです。

 

ネガティブになったとしても、そんなネガティブな自分を受け入れて、そして気持ちを切り替えることができる人、ということです。

 

元来ネガティブな人は、その分だけリスクを感じ取ることができる方です。だからこそ、万難を排して成功をつかむことができるはずです。ネガティブだからダメと、最初から諦めずにイノベーションに挑戦してみるのが大事だと思っています。

 

また、諦めないとともに、ある程度のところでキリをつけるということも大事かと考えています。

 

ものすごい製品ができた! 素晴らしいサービス商品が完成した!

 

ということになっても、時代がその製品やサービスを受け入れなければ、売れません。これは至極当然のことです。こんなに良いモノなのに、と思っても、時代の先を行ってしまったものは売れないのです。

 

ITの世界で語り草になっている技術があります。ASPという技術です。インターネットが普及し始めた2000年ごろに誕生したのですが、結局この技術は普及しませんでした。インターネットを利用した技術だったのですが、まだ当時はインターネットの速度が大変遅くて、利用するには耐えられない代物だったのです。

 

ところがそれから10数年経過した現在、同じ技術が使われています。それはインターネットの接続速度が速く太くなったから。ただ、それだけなのです。今はSaaSという技術名になっています。でも、ほとんど中身は同じです。最近はさらに進化し便利になっています。

 

このように、時代が早すぎると、どんなに良いモノでも売れないのです。

 

そういった場合、いつ見切りをつけるか、つまり諦めるか、ということになります。

 

担当者は、心情的に諦めきれないことが多いと思っています。もう駄目だ、とすっかりモチベーションを落としてしまったということであれば、担当者から諦めるでしょうけれど、「もう少しここを改良すれば・・・」という気持ちが強い場合は、担当者から「辞める」とは言いにくいものです。

 

そこは、経営者が判断してほしいと私は考えています。

 

経営者は、少し上の目線から遠く(社会)を見渡しています。だからこそ、見えるものがあるはずです。その視点から判断することが必要だと思っています。

 

何事にも行動ありき

 

最後にイノベーションを起こす人材で大事なことだと私が考えているのが、行動を起こせる人です。

 

私が会社員時代に成功できなかった原因は、ここにあると考えています。

 

いろいろ考えることも大事です。ですが、先ほどお話ししたようにお客様は明確なイメージできるモノを買います。そして、同志を集めるのも明確なイメージがあることが必要です。イメージできないものに賛同も何もないからです。

 

こういった明確なイメージを生み出すためには、まず行動を起こすことが必要なのです。

 

製品であれば試作品を作ってみる。設計書や製品のイメージ図を作ってみる。

 

サービスであれば、サービス構造図や実際のサービスを体験してもらう。

 

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こういった行動を起こしてみて、他の方に見せてみて、そこでイノベーションの卵がひよこになるのです。他の人のアイディアが加算され、乗算され、不要なところが減算されることで、お客様が心の底で求めている商品やサービスが提供できるようになると私は考えています。

 

元来、考えることは大好きだけど、ネガティブ人間で行動を起こす前に不必要に考え込んでリスクをピックアップしてしまうタイプだった私は、何も発展させることなく終わってしまいました。

 

今回、これを深く反省して、「行動すること」を常に念頭においています。思いついたら行動してみて、具体的なイメージを練り込んでいく。そうすることで何かが生まれると考えています。

 

まだ、行動を起こし始めて数カ月のところなので肌感覚にすぎませんが、何かうまく行きそうな感触を得ています。これは会社に勤めていた頃には全く感じなかったことです。以前とは違う感触であれば、以前と異なる結果になるはずです。

 

そんな根拠もないような期待だけは持って、今活動をしています。

 

今日は5日分をまとめてお話ししましたので、とても長いブログになってしまいました。

 

来週は、ここのところ重厚長大なテーマが多かったので少し肩の力を抜いて、読書の秋、私がお勧めする本、というテーマでお話ししたいと思います。更新予定日は10月24日(火)です。

それでは、また来週。

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管理職の方向けの部下育てセミナー開催のお知らせ

「ほめる達人」VS「しかる達人」

ほめる達人の竹下先生としかる達人の根岸先生がタッグを組んで
セミナーを実施します。

日時:11月15日(水) 13:00~16:00

場所:JRおおいたシティ会議室(スパてんくうがあるビルの2階)

会費:5,000円(当日、受付でお支払いください)

詳細、お申込みは下記リンク先からお願いいたします。

www.ugrade-japan.com

管理職がまず優先順位高のタスクを実施することが大事

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

私のプライオリティ高のタスクは、当然、事業に関することです。計画を立てること、それから実行してみての修正を行うこと、などです。

 

計画の立て方はまだまだ初心者レベルなので、まるでなってないのですが、徐々に数値目標を設定していくようにしています。どんなものでも数値目標があると目指しやすいので。

 

数値目標というと「金額」というイメージが強いですが、他にも数値目標はたくさんあります。これはGoogleアナリティクスを使い始めてから、こんなことも目標になるんだ、と思ったことがきっかけです。

 

例えば、Webページ来訪者数とか、セミナー来場者数とか。

 

こういった数が一定数を超えなければ、いわゆる「金額」への目標には到達しないので、そういった数値目標を設定することを今は重点的に行っています。

 

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このような数値目標の基準を考えたり、その目標へ向かうための行動計画を立てたり、行動計画を実行するための企画や資料を作ったりするタスクが私の「緊急ではないが重要な」タスクになります。

 

おそらく会社の管理職以上の方であれば、こういったタスクはたくさんあるのではないでしょうか。私も会社に勤めていたころは、こういった数字が見ることができるシステムにアクセスして、自分の部門の数字を取得していました。

 

でも、管理職は数字を取得するだけではなく、それを活かして、次の計画を立てなければならないわけです。そういう計画を立てる時間を捻出する必要があるのです。

 

ただ、今はプレーイングマネジャと呼ばれる人が多く、管理職であっても現場で働く、ということが当たり前になってきている気がします。管理職は管理職の仕事があります。それなのに現場の仕事もする、となれば、絶対的な時間数が足りません。

 

作業の効率化を図るにしても、管理職がある程度、作業の効率化を図る準備をしなければならないので、その分、また時間が取られます。

 

それでいて、目に見える残業はするな、と言われたら、きっと見えない残業へと変化するでしょう。会社の隣のカフェで仕事をする、自宅で仕事をする、といったこと。

 

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最近は情報セキュリティが厳密になってきたので、自宅で仕事をすることは難しくなってきました。前の会社のように暗号化されたネット回線を使えるのであれば自宅からでも十分に仕事はできますが、それはそれで気分的につらいものがあります(苦笑)。

 

働き方改革で作業の効率化を図るのであれば、できたらまず、管理職を現場の作業から解放することが一番ではないかと私は思うのです。人手不足であるから管理職が現場に出るのでしょう。あるいは、売上に対するコスト率を下げるために管理職も稼げということなのでしょうけれど、管理職も1日24時間しかありません。

 

管理職がひどい環境だから若手社員が管理職になりたがらない、という話も聞きます。

 

働き方改革では、まず管理職がきちんと管理職の仕事をしながら作業の効率化を行っていけば、きっとうまく回る気がするのです。そして、そうする会社は若手の入社希望も増えますし、若手が管理職になるために意欲を持って働いてくれると思います。

 

先週から今週にかけてプライオリティをテーマにお話をしました。要は生産性をあげて、より良く働くことが目的なのです。

 

来週は予告した通り週一回の更新をしてみます。テーマはイノベーションです。会社にいた時、新規事業について数年間考え続けたことを踏まえて、お話ししていきたいと思っています。更新は来週の火曜日(10月17日)です。

それでは、また来週。

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管理職の方向けの部下育てセミナー開催のお知らせ

「ほめる達人」VS「しかる達人」

ほめる達人の竹下先生としかる達人の根岸先生がタッグを組んで
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優先順位高のタスクを実施する時の注意点

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日はタスク実行する時間を捻出する方法についてお話ししました。今日は、時間が捻出できた、さあ、いよいよ実行するための準備についてお話しします。

 

今のタスクを部下・後輩に渡して、スケジュール帳にポッカリと穴が開きました。さあ、この時間を有効活用して、「緊急ではないが重要な」タスクを実行していこう!と意気込んでいます。

 

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ところが、ふたを開けてみるとうまく行かなかった、ということがあります。

 

理由は様々ありますが、「緊急ではないが重要な」タスクは意外と時間がかかるものが多い、というのが考えられる理由の一つだと思っています。

 

緊急でないが重要なタスクであるので、やらなければならない。でも、所要時間が短ければ、時間捻出云々の前にやってしまっていると思うのです。時間がかかるから先延ばしにしてしまう・・・

 

ということはどういうことか。

 

時間捻出をし続けなければ完了しない、ということなのです。これ、結構大変です。

 

もっとも締め切りがないので、〇日までに完成させなければならない、という決まりはありません。

 

だったら、毎週〇曜日の〇時から〇時までは「緊急ではないが重要な」タスクをする、と決めるのも一つの手です。他のタスクは、それ以外の時間帯にスケジューリングすることになります。もちろん、ここに分類されるタスクが複数あるのであれば、スケジューリングする時に〇〇のタスクをする、ときちんと決めておく方が良いでしょう。

 

もしくは。

 

予定がお客様都合で決められる、シフト勤務のため毎週のタスクが異なるという方は、月単位あるいは年単位で時間を捻出します。月初が比較的ヒマな方であれば月初にまとめて時間を取る、といった具合です。

 

私の場合、夏休み期間中など比較的時間が取りやすいので、一週間くらいの時間を取ってタスクを片付けます。他の月は1日~2日くらいの時間が取れるのであれば、思い切って最初にスケジューリングしておきます。

 

以前、スケジューリングに悩んでいた時に聞いた先輩からのアドバイスで、大きなカタマリからスケジューリングすれば良い、と言われました。

 

この「緊急ではないが重要な」タスクは、大きなカタマリとして考えて、マンスリーに記入する一番最初の時に、確保しておくのです。その確保された日は、他に予定が入らないよう調整していきます。そうすれば、意外と確保できるものだと最近になって知りました。

 

このようなスケジューリングをしておくと、実はいろいろな良い効果が現れてきます。

 

まず、仕事が片づく解放感。中途半端ではなく気持ちよく仕事が完了するのです。これはストレスが少なくてすみます。

 

また、仕事から追われる、という気持ちがなくなり、仕事を追いかける、という気持ちになります。次から次へとタスクが発生する状態だと、仕事から追われる感じが常につきまとい、意外とストレスフルです。でも、タスクがきちんと管理できていると仕事を追いかけている感じがしてきて、仕事に対して能動的にアクションを起こす原動力が沸いてきます。

 

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更に、突発的なことに対しても何だか余裕が持てます。

 

実は、10月に入ってから作業効率がひどく悪くなっていました。最初の頃は、何故だろうと思っていたのですが、ふと思い当たることがありました。

 

実は9月は仕事が詰まっており、8月の終わりから10月の初めまでほとんど休みという休みがない状態が続きました。どうもそのせいで、体調が悪くなっていたようです。体調を整える、というのも大切な仕事の一つですし「緊急ではないが重要なもの」の一つだったのに、9月は全体的に時間が取れず、それを後回しにしていたのです。

 

慌てて予定を調整することにしました。先週の金曜日が比較的時間が取れたため、スケジュールを調整し、午後から休みを入れることにしました。予定していたメール数本を打っただけで、後はノンビリとさせてもらったのです。

 

これは9月の後半、仕事だけではなく、プライベートも急なタスクが増え、しかも慎重にせざるを得ない状況だったので、疲れが知らないうちにたまってしまったのだと思います。6日にする予定のタスクは翌週に回しても大丈夫とわかれば、安心して休むことができます。(もともと締め切りより早めにいつも動いているので余裕は意外とあるのです)

 

個人事業主になって土日イコール休日にならなくなったので、平日にめいっぱいタスクを入れるとこうなる、という見本ですね。。。(苦笑)

 

9月のスケジュールを組む際にこうなることは想定していたので、もう少しゆとりを持たせるか、ちょっとだけ悩んだのです。まあ、大丈夫だろうと高をくくっていました(汗)。プライベートのタスクも想定外だったので、対応に追われたこともあります。

 

あ、想定外のタスクは当然発生します。それをできる限り少なくするにはどうするのか。

 

この対策は単純に情報戦ですね。情報をいかに取得しておくか。タスクになるかならないかは別として、知っておくだけで準備はできます。今回、情報があいまいだったため、対応が遅くなったということです。

 

情報の取得方法をひとまず確立したので、今後はもう少し慌てずに済むかもしれません。

 

明日は、管理職におけるプライオリティ高のタスクについてお話しします。

それでは、また明日。 

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管理職の方向けの部下育てセミナー開催のお知らせ

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優先順位高のタスクの担当者

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティ高のタスクをどうするか、本当はやらなければならないタスクなのに緊急ではないが故に後回しにしてしまうタスクをどう処理するのか、についてお話しています。

 

実は、時間管理の一番の難問です。

 

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1日は24時間です。このブログは基本的に「仕事」にポイントを置いていますので、仕事をする時間は基本的に1日8時間です。この8時間の中にどうやって「やらなければならないやった方が良いタスク」を組み込むか、ということです。

 

この限られている時間をどう使うか。それには、時間を捻出するしかありません。空き時間を作るのです。

 

空き時間の作り方はいくつかありますが、ここではプライオリティ高のタスクしかない状態で考えたいので、2つに絞られると思っています。プライオリティが低いタスクを「やらない」という選択肢は除外されます。

 

一つは、一つ一つのタスクにかける時間を短縮することです。いわゆる効率化を行う、ということです。もしくは、無駄な時間を削除するということです。

 

二つ目は、他人に今持っているタスクを預けることです。いうなれば「自分ではしない」ということです。基本的に部下や後輩に任せる、あるいは外注する(アウトソースする)、ということだと考えています。

 

一つ目の時間を短縮するということ。先週も少しお話ししましたが、人間は締め切りがあると締め切りまでその仕事を抱え込みやすい、ということがあります。締め切りまで仕事を抱え込むのではなく、終わったら素早く手放す、ということです。

今日が締切のタスクは最優先? - 人材育成の道すがら

 

以前の会社では、よく「ボールは誰が持っている」というセリフを話していました。今、仕事は誰の手にあるのか、ということを指した言葉です。ボールを持ちすぎているとファールが取られるバスケットボールのように、素早く次の人にパスをする、ということです。

 

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仕事を一人が持ちすぎるとチェックが働かないので、品質が悪くなります。締め切りがある仕事であっても、締め切り前、まだ十分に時間がある時に他の人にパスをしてしまえば、後は他の仕事ができます。締め切り前にウンウン唸って頭をひねっても、良いアイディアは出てきません。クリエイティブな仕事をしているのであれば猶更、早め早めに手を打った方が絶対に効率的です。

 

仕事はアート(芸術)ではないのです。その時のベストで良いと私は考えています。

 

二つ目の他人にタスクを預けるということ。アウトソース、つまり他人(他社)にタスクを渡す方法はコストが発生するので、ここではお話しません。部下・後輩にタスクを渡すことについてお話しします。

 

タスクを部下・後輩に渡すということは、さまざまな課題が存在します。部下・後輩にそのタスクを実行するだけの技術や能力があるのか、部下・後輩にそのタスクを実行できる権限があるのか、責任があるのか、ということです。

 

まず、技術や能力について。

 

部下・後輩がそのタスクを実行できる技術や能力がない、という時点で、それは今までの人材育成はどのようになっていたのでしょうか。皆さんが抱えている仕事は当然どなたかにいつかは渡していかなければならないわけです。それが今なのか数年後なのか、というだけだと思います。

 

新卒で入ったばかりで難しい、という場合もあるかもしれません。若さや経験不足で、担当するには本人にも負担が大きい、という場合があるかもしれません。

 

そんな時、考えていただきたいのが、皆さんが持っている「緊急ではないが重要な」タスクと今目の前にあるタスクとの優先順位です。他のタスクを部下・後輩に渡しても、した方が良い「緊急ではないが重要な」タスクを抱えているのであれば、今、部下・後輩に渡しましょう。

 

もちろん、その場合、渡し方に気をつける必要があります。彼らは技術も経験も不足しています。「やって」というだけでは、無理です。やってもらうタスクを十分に分解して、一つ一つを渡しながら、チェックしながら成果を受け取っていく、という方法が適しているでしょう。

 

分解されたタスクが渡されるため仕事の全体像を部下・後輩は理解しながらしているわけではありません。一度できたからと言って二度できることはほとんどありませんので、そこは気をつけておいてください。仕事を理解するのはある程度全体像が見えないとできないのです。このままだと意外とミスが多く、後のフォローが大変になります。

 

部下・後輩によっては、仕の事全体像が理解できそうなくらい経験があるのであれば、全体像を話してから少しずつやってみてもらうという方法が良いでしょう。その場合でも、こまめにチェックポイントを設けておくことが必要です。数日かかる仕事であれば、部下・後輩のレベルに応じて毎日1~3回程度のミーティング時間(30分程度でOK)を作り、今できている部分の品質をチェックしていきます。

 

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実際に自分ですれば数日かかるところをミーティングの1.5時間/日程度の所要時間でできるのであれば、部下・後輩に任せた方が断然楽です。しかも、部下・後輩がそれで成長してくれます。

 

企画を作るような仕事の場合はかなり難しいかもしれません。ただ、意外とキラリと光るものがあったりするので、これはこれでありだと思います。

 

ぜひ、こういう手段を使って時間を捻出していただければ、と思っています。

 

明日はプライオリティ高のタスクを絶対にする法についてお話しします。

それでは、また明日。 

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優先順位高のタスクを考える

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 

先週はプライオリティ低から中程度のタスクについてお話ししました。今週はプライオリティ高のタスクについて、お話をします。

 

プライオリティ高のタスクについて、何を話すんだ?と思われる方もいらっしゃると思います。だって、通常、こういったタスクは最優先的に処理すべきタスクです。でも、ここでちょっと立ち止まって、本当に最優先的に処理すべきタスクかどうか、について、考えてみたいと思います。

 

先週もお話ししたと思いますが、私がタスクリストを作って、プライオリティを割り振った時、ほとんどが「高」になりました。つまり、ほとんどのタスクが最優先的に処理すべきタスクだったということになります。

 

確かに。お客様への対応のタスクや締め切りがあるタスクなどは、プライオリティが高くなります。

 

でも、処理が終わった時、それでタスクがすべて完了してスッキリ!となりますか?

 

仕事をしていると出てくる言葉があります。「本当ならやらなきゃならないんだけど、今は時間がないからできないんだよね」という言葉。私も何度言ったことかっ!でも、恥ずかしながらこの言葉の対象となるタスクが完了した記憶はほとんどありません。

 

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やらなきゃいけないけどできない、ってどういうことでしょうか。時間がないからしなくても良いことなんでしょうか。

 

しなくてはダメですよね。

 

でも、それはわかっているけれど、できないんですよね。どうしてでしょうか。

 

やらなくてはならないタスクだからプライオリティは高いタスクです。でも、お客様の対応とか締め切りとかがない「急がない」タスクだから、先延ばししてしまうんです。もし、これがきちんと〇月〇日まで、という締め切りが決められていたら、やりますよね、きっと。

 

そして、振り返って考えれば、こういった種類のタスクは理想的なタスクというべきものだと私は思っています。

 

例えば。

 

あることについて勉強したい。だから、本を買った。読もうと思っているんだけど、読んだ方が絶対に自分のためになると思っているんだけど、時間がないからなかなか読めない。

 

今やっている作業は頻繁に起こらないタスクだけど手順書さえあれば誰でもできる。だから、手順書を作っておきたい。手順書さえあれば、後輩でもできるので、突然起こった時、自分がいなくても対応ができる。休みの日に呼び出されることがなくなる。本当に自分のためになるんだけど、時間がないからなかなか作れない。

 

再来年度のシステム改築のために、こういった機能を盛り込んでもらえると今後の仕事がとても助かるし、お客様のためにもなる。そのためにシステム課に企画書を作成したいと考えているんだけど、時間がないから取りかかれない。

 

似たようなこと、ありませんか?

 

実はすべて私のことなのですが、自己啓発系のサイトを眺めてみると、同じようなことが書かれてあるので、皆さん、同じような悩みを抱えていらっしゃるんだなぁ、と思っています。

 

本当にやった方が将来の自分のため、将来のお客様のため、将来の会社のためになる、ということが十分にわかっているのだけれど、「時間がない」からできない、というタスクたち。やった方が良いのでプライオリティ高なんだけれど、なかなか取りかかることができずに、そのままタスクリストに永遠に残り続けるタスクたち。

 

そのうち、もう(私が)やらなくてもいいや、という気持ちになって、タスクリストから外され、永遠に葬り去られるのです。

 

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実はこれらのタスクは、「7つの習慣」で取り上げられている「緊急ではないが重要なもの」なのです。そして、当然、やった方が良いものなのです。

 

でも、忙しいのに、締切のあるタスクだけでいっぱいで、やる時間なんてないよ。

 

今週は、こういったタスクをやる方法についてお話ししていきたいと思っています。

 

明日は、タスクを実行する人についてお話しします。

それでは、また明日。

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