人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

丸投げと思われないで他人に仕事を振る方法

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 今週はタスクの性質について話をしています。

  1. 完了するまでの時間(作業時間)
  2. 作業の難易度(前例や手順書がある・ない)
  3. 作業への関り度(作業者かチェック者か)
  4. 成果物の明確さ(ゴールが明確か不明確か)
  5. やっかいな化け物(てぇへんだ~!とやってくるタスク)

今日は、3.作業への関り度についてです。関り度ってわかりにくいと思いますが、タスクの所有者のことです。

 

タスクリストを作成したとして、それを全部自分がやらなきゃと思っている人、いませんか? 仕事なんて全部ひとりでする必要はないのです、個人事業主を除いて(笑)。

 

従業員が自分ひとりしかいない個人事業主であれば、何でもひとりでする必要がありますが、通常会社で働いている場合はチームに所属しているはずです。一緒に仕事をする仲間ですよね。仕事は、チームでするものです。

 

チームで働く

 

つまり、あなたのタスクかもしれませんが、他の人がやっても良いのです。

 

ただ、誤解してほしくないのは、「あー、これ、やっといて」と仕事を渡したっきりになったら、それは「丸投げ」というものです。

 

課長から仕事を丸投げされて嫌な気分になったと感じている人は多いと思います。だったら、他人も仕事を丸投げされたら、当然嫌です。

 

丸投げと思われないように他人に仕事を振る方法。「締め切りを少し先にする」。これが大事です。

 

締め切りが仕事を頼んで数時間後だったら、いやーな顔をされるのですが、数日後から一週間後程度の時間を見越して依頼すると、意外に嫌な顔をされずに仕事を引き受けてくれます。

 

にこやかに話す上司と部下 

 

実は、昨日最後にチラリと話した、将来の時間は膨張する感覚がある、というものの応用です。

 

どんなに仕事が忙しい人でも、数日後であれば、その仕事をする時間が取れそうだ、と思うんですね。数日後までタスク管理をしている人でも、余裕がある程度あるはずですから、引き受けてくれる可能性は高いです。

 

是非、自分ひとりで仕事を抱え込まずに、他人をうまく利用しましょう。

 

ただ、ここで注意事項があります。

タスクの責任者が誰か、という意識は常に持っておいてください。

 

課長から頼まれた人が、後輩に仕事をしてもらうにしても、責任者は課長から頼まれた人本人です。品質や締め切りにおいて、責任を持つのが当然です。

 

なので、他人に仕事を頼む際は、締め切り日とともに、チェック日も必ず決めておいてください。相手に「あの仕事、今、どうなっている?」と確認する日です。相手によっては口頭だけでなく実際に進んでいる状況を目で確認することも必要かもしれません。

 

仕事をいっぱいに抱え込んでいる人、残業がひとりだけとても多い人、といった人たちは他人に仕事を頼むのが苦手です。こういった方々が優秀で責任感が強い方たちです。だからこそ、仕事を増え続けるのです。

 

他人に仕事を任せましょう。

 

ただ、任せるだけではなく、チェック者であること、は忘れないようにしましょう。

 

先日、「仕事を任せるより自分でした方が早いっすからねぇ・・・」という言葉を聞きました。タスクを独り占めすると、他の人がそのタスクをする時は「初めてのタスク」です。当然、時間がかかります。他の人がそのタスクをするチャンスを奪っているわけです。

 

でも、初めてのタスクから二度目、三度目のタスクになっていけば、早くできることを私たちは知っています。今までの人よりもっと早くなる可能性だってあるわけです。

 

タスクを何のためにするのか、そのタスクの目的を再確認して、自分がすべきタスクか、他人に回した方が良いタスクか、を判断してほしいと思います。

 

最後に。

 

この文章は、中堅レベルの方を想定しています。新入社員やまだ未熟な社員の方が他の人に回すことはあまりしない方が良いと思います。せっかく経験値を増やす機会なのですから(笑)。

 

じゃれる猫

 

明日は、ゴールが見えないタスクについて話します。

それでは、また明日。