人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

そのタスク、誰のもの?

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週で6月が終わりになります。一年がたつのは本当に早いです。すでに一年の半分が過ぎようとしています。半年間を振り返って、良く仕事をしたなーと思った方、素晴らしいです。あれ? まだ、これくらいしか仕事ができていない、と思った方、残りの半年を頑張りましょう。

 

今週は、突発的に発生するタスクについて話しています。これらのタスクを管理できるようにするために、記録を取る、ということを話しました。

 

記録を取っていくと、冷静な目でこれらのタスクを見ることができます。冷静な目で見ると何がわかるのか・・・ということですが、おそらく一番最初にわかるのは「え? このタスク、私がしなければならなかったのかなぁ・・・」ということです。

 

後輩・部下が大変だーと持ってくるタスクは、たいがい一見大変なものに見えます。なので、先輩・上司であるあなたが慌てて「そのタスクは俺が引き受けた!」と言ってしまうのです。

 

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でも、冷静に見てみると、後輩・部下でも十分に対応できるタスクがあったりします。一部だけがちょっと今までと異なっているだけだったり、少し複雑だったり、ということです。後輩・部下は、今までと少し違って見えたので、とりあえず報告して、何とかしなきゃ、と思ったのかもしれません。

 

ただ、そうやって慌ててやってきたことで、先輩・上司のあなたも慌ててしまって、タスクを丸ごと引き受けてしまうことがあります。それ、本当にあなたがすべきタスクだったのでしょうか?

 

以前、同様なご相談を受けた時、この質問を投げかけました。その方は一瞬考えた後、「うーん、部下には少し無理かなぁ・・・」と答えられました。本当にそうでしょうか? もしかすると部下の方はそのタスクを担当することで、一皮むけて成長するかもしれません。

 

少しやらせるのには無理かな?と思った時は「あなただったらどうする?」と聞いてみてください。意外と解決策のアイディアを持っている時があります。そのアイディアに問題なければ、やらせてみるのもタスク管理的には一つの手です。

 

課題としては、どこまで後輩・部下にさせるか、という点です。後輩・部下がすでに経験したことのあるタスクであれば、ひとりでできるかもしれません。少しバリエーションが違うだけであれば、その違いの部分だけ、どのようにするのかを聞いてみるのも良いでしょう。

 

そして、更に問題があるようであれば即刻報告することを約束して、やらせてみるのが良いでしょう。

 

その問題になった時の基準も伝えておくと更に効果的です。例えば、お客さまが怒っている時、後輩・部下の考える対応が間違っていないと判断できたら、任せてみます。ですが、更にお客さまが怒って「上司を出せ」と言ってきたら即対応するからすぐに連絡して、といった具合です。

 

任せる場合、後輩・部下のレベルも日ごろから知っておく必要があります。ここまではできると判断できるには、日ごろの状態を十分に知っておかないと、とっさに判断ができないのです。

 

もちろん、終了後の報告もさせます。そして、できたことをぜひ褒めてあげて欲しいと思います。

 

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更に特に初めて後輩・部下が対応したのであれば、できる限り詳細に聞き出してください。もっと良い方法があれば、アドバイスをすることも必要です。

 

そうすることが、あなたのタスクを減らしていくのです。

 

「自分がやった方が早い」と思う人も多くいます。昔の私もそうでした。やって欲しいけど、説明して、やってくれたのをチェックして・・・という時間を考えると、全部一から自分がやった方が早いと思ってました。

 

でも、そうすると、私の時間はどんどん無くなります。

 

後輩・部下に仕事を任せられると自分が楽です。最初が少し大変かもしれませんが、あとが楽になります。そうなると自分の仕事ができるようになります。タスク管理が更に簡単になります。そして、自分の思うように仕事ができるようになると満足感に包まれるようになるでしょう。

 

大変だ!とやってきたタスク、誰のものなのか、ぜひ、ちょっとだけ、考えてみてください。

 

明日は、タスク管理の見えざる敵についてお話します。

それでは、また明日。