人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

突発的なタスクよ、さようなら?

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今日で6月が終わります。あっという間の半年だったのか、ようやく半年がたったのか、人の感覚は難しいところです。私は、どちらかというと、ようやく半年がたったという感覚です。この半年の間、あれもこれもしたので、あれ? まだ半年も経ってなかったの?という感じです。

 

読んでくださっている皆さまと一緒に私も、気持ちも新たに7月から頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。

 

今週は突発的に発生するタスクの管理方法について話をしてきました。基本的な考え方は、突発的に発生するタスクがタスク管理に影響を及ぼすのは、慌ててしまって解決を急ぐからです。

 

タスク管理する手法としては、

  1. 事前に対処方法をマニュアル化しておく
  2. タスクを実施するのは自分か他人かを判断する
  3. 無理難題なタスク処理の注文は、少しずつ改善していく方法を考える

があげられると考えています。

 

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実は、ITの世界には、システム運用のための標準化の考え方があります。その標準をITILInformation Technology Infrastructure Library)と呼びます。システムは突然トラブルが発生して稼働しなくなることが起こり得ます。その時のために、どう運用していくのが良いのか、というさまざまな考え方やマニュアルが用意されています。

 

システム運用を専門にしている会社はこのITILの考え方に従って運用マニュアルを作成します。そうすることで、突発的に発生するタスクに対処できるようにしておくのです。

 

もちろん、急ぎ対応しなければならない初めてのトラブルもあります。よくニュースでにぎわすのが、航空会社の離発着のシステムや銀行のATMシステムです。数分程度のトラブルでの停止状態であれば、運用チームの日ごろの努力の成果でしょう。ところが、数日経っても停止状態から復旧しないトラブルがたまにあります。

 

このようなトラブルが発生したニュースを聞くたびに、きっと想定外のことが起こり、運用チームが文字通り汗だくになってトラブルの原因並びに一時的な対処方法を検討しているのだろうなぁ、と思います。

 

今、トラブルの原因並びに一時的な対処方法と書きました。ITILでは、原因追及を真っ先にせよというスタンスではありません。原因追及をしていたら一カ月もかかることが起こり得ます。それよりも、今止まっているシステムをひとまず動くようにするための応急処置というのを先に実施する、という考え方を示しています。

 

皆さんも、突発的に発生するタスクの原因を追究するより、とりあえず現状を打破することを優先することが多いと思います。怒り狂っている顧客に対しては、ひとまず落ち着いて状況を詳しく説明してもらう手だてを取る、もしくは、こちらに非があることがはっきりわかっている場合はひたすら謝る、といった対処をすると思います。

 

その後に、顧客を怒らせた根本原因を突き止め、改善なり処置なりをしていきます。

 

 どうしよう! 大変だ! と感じた時、まず起こすべき対処方法はこれだ、と決まっていれば、条件反射的に行動を起こすことができます。どうすべきか考えることなく行動を起こすことができるので、初動を誤らずに済みます。こういったことのマニュアルを作成しておくのです。そして、関係しそうな人に周知徹底しておきます。中には訓練を行っておくのも良いでしょう。

 

避難訓練はこのためにあるのです。

 

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 トイレ訓練中・・・

災害の時だけではなく、顧客が突然怒りだした時の訓練など行っておけば、とっさに対応することができます。事が起きてからでは、上司の指示すら間に合わないことが多いのです。

 

その際に、ぜひ、なぜこういった行動がマニュアル化されているのかを説明する必要があります。行動の理由がわかっていれば、微妙に異なるトラブルが発生した時も、応用が利きます。

 

こうして事前に準備をしていくと、突発的に発生するタスクは、処理が簡単なものになっていきます。

 

数年前のセミナーで、突発的に発生するタスクの処理方法について質問が出たのですが、時間があまりなく、回答があまりにもサクッとしすぎていた反省から、今週一週間をかけて説明しました。

 

初めてで、かつ、複雑で、下手をすると責任が問われそうなタスク(トラブル)が発生したら、今までの管理していたタスクを放り出して対処する必要があります。そんな場合はどうしようもないですが、少しでもそんなタスクが発生しないように、事前に対策を準備しておき、できる限りマニュアルを作成しておくことは必要です。これをプロジェクトマネジメントの世界ではリスク管理と言います。

 

リスク管理については、またいつかお話しましょう。

 

来週は、学び方について話していきたいと考えています。社会人になっても学びが大切と言われるのですが、会社勤めをしているとなかなか時間が取れなくて・・・週末にまとめて、と思うけど、結局あっという間に時間が過ぎてしまって、気がつくとサザエさんが始まっている(笑)。そんな方々に少しでもお役に立てばと思ってます。

 

それでは、また来週。