学びのゴールはパズルゲーム
ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
昨日は、何故、学ぶのか?という問いについて話しました。今日は、学んだ後のゴールの形について、話したいと思います。
皆さんが何かを学ぶ際、ゴールをイメージされていますか? 今日も新しいことを学べた~~良かった~~だけで終わっていませんか? でも、学習会後、一週間もすれば、何を学んだったっけ?と学んだことすら忘れてしまっていませんか?
忘れん坊の私も、セミナーを受講し始めてから、「あ、同じものを聞いたことあるな」なんてこと、あります。Amazonで本を買う時も「お客さまは○年○月○日にこの商品を注文しました」ってメッセージが何度も救ってくれます。Amazon、万歳(笑)
覚えてられない自分がダメだ~~~なんて思わないでくださいね。
人には学んだことを覚えるコツがあると私は思っています(別に学会で発表された方法ではないのですが、以前、佐藤優氏が同じようなことを書いていらっしゃったので、かなり安心しております)。あ、記憶術の話ではありません。
私の頭の中には、知識の体系図みたいなものがあります。知識の曼陀羅ですね(笑)
例えば、仏教について知りたいな、と思ったら、仏教というカテゴリができます。でも、その仏教は、宗教というカテゴリに属します。宗教というカテゴリの中には、昔学んだ民俗学が入っています(私独自の分類方法です)。民族学での「蛇」信仰や「土蜘蛛」信仰などと並んで、「仏教」が入ってきます。
私のスタンスは、「日本人の生きざまの背景にあるもの」で分類しているので「アマテラス」「ツクヨミ」「スサノオ」といった神道から今はやりのスピリチュアル系も含まれています。なので、「なぜ日本人は恐怖映画を作るのがうまいのか」というテーマだって同じ分類に入れます。
※日本の恐怖映画は、「暗い」「水(ジメジメ)」「黒い」といったものをキーワードに作られるので、人間の恐怖心をあおりやすくなっているそうです。井戸の中の長い黒髪の女性が夜中に皿の数を数える・・・なんて典型的ですよね(笑)
先月は仏教の中でも「座禅」についての本を読んだので、「仏教」のカテゴリの中に座禅の考え方を入れていきます。その本に書かれてあった「大乗仏教」について知りたくなります。何故、大乗仏教は日本に受け入れられたのか? 受け入れられてどう変化したのか、という情報が欠けていることに気づいたからです。そこで、「維摩経」の本を読みます。
そうやっていくと、徐々に「宗教」カテゴリの内容が、パズルが完成していくように埋められていきます。
私にとって一つ一つの知識はパズルのピースのようなものです。それを自分の大きなパズルに当てはめていくことが、学びなのです。
ものごとを体系化して覚えていくことは、とても覚えやすいことだと考えています。でなければ、生物学者は生物が分類されていなければ覚えられないでしょうし、図書館員も困ったことになると思います。
私は、こういったことを高校の世界史の先生から教えていただきました。世界史は当然のごとく、わからないことだらけの学問であり、それを研究し続けていらっしゃった先生は、事実のピースを集めてパズルを作るのが世界史だ!と言われていました。
※その先生に憧れて、先生がいらっしゃる大学を目指そうと思ったのですが、とても学力が足りなくて、断念しました。地域でトップクラスの大学だったのです。。。(涙)あ、ちなみに若い女性の先生でした。
学びのゴールは何でしょうか?
学びのゴール=知識の体系図の完成を意識すると、今、まさに学ぼうとしている内容が今までの知識とどう関係し、どのように影響を及ぼしていくのかがわかると、とても理解できるようになりますし、覚えられるようになると思っています。
私の書いた内容は、あくまで私しか通用しないことかもしれません。何しろ物覚えの悪さはぴか一ですから。でも、私がこうやって覚えるようにしてからは、記憶が芋づる式に出てくるようになり、とても助かっています。
もちろん、テスト対策には全く役に立たないですが、テストのない社会人にはちょうど良いのではないでしょうか。
明日は、学びについての最終回。三日坊主のための学び方について話します。
それでは、また明日。
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