戻るのは面倒くさいから
ビジネストレーナーの安部です。大分市のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
人は気づけば変わる、という話を昨日はしました。今日は、気づいて学んだけれど、数カ月経ったら元通りになってしまうのを防ぐことについてお話します。
10年以上も前の話ですが、育成した元受講生で、人前で話すのがとても苦手な男性がいました。私は元々IT業界での人材育成をしていましたので、こういった人は多くいました。ですが、研修中に彼は突然、人前で話せるようになったのです。彼の受講仲間は大絶賛し、彼も自信を深めたようでした。
その後、彼と出会ったという担当講師から話を聞くと、とても受講当初の彼とは思えないくらい社交的になっていたということでした。話しかけると顔を真っ赤になって口ごもっていた彼が、「オッス! おっひさ~~!」と元の仲間たちに挨拶する姿を想像して、私も嬉しくなった記憶があります。
彼のように一度変わったら、ずっとそのままでいるパターンは実はそう多くありません。通常は一度変わっても、そのうち元のように戻ってしまうパターンの方が多いのです。
オッス! 元気か?
研修に行った数週間は良かったんだけど・・・とおっしゃる上司・先輩の方の声を何度もお聞きしたことがあります。
人間、変わり続けるのは難しいのでしょうか?
自分に置き換えて考えてみると、納得できるのかもしれません。この良い習慣を続けようと思っても気がつくとしていない日が続いている・・・ということ。
なぜ、戻ってしまうのでしょうか?
それは、面倒くさいからです。人間は今まで通りが結構好きです。自分で思っている以上に好きです。突然、今までと違うことをするのは、非常にストレスを感じるので、ストレスを避けるためにも今まで通りに戻ろうとするのです。
そうでなければ、自分を変えるために!と題した自己啓発本が数年おきにベストセラーになっていないと思います。自分を変えたいと思っているけれど、変えられない人はとても多くいます。
上司・先輩であるあなたが変えられないことを部下・後輩が変えられるはずがありません。
でも、変えられる方法があります。会社内だけに通用する方法です。
それは、上司・先輩が、一緒に変えることを手伝ってあげることです。
それこそ、面倒だな、と思われたあなた。別に面倒ではありません。一日一回、ちょっとだけチェックしてあげればいいだけです。声をかけてあげればいいだけです。それもずっとではなく、できるようになったら、たまに思い出した頃に声をかければいいだけです。簡単でしょ?
そのためには、研修で学んだことを必ず聞いてあげてください。そして、学んだことを習慣づくように、チェックする役を買って出てあげてください。最初は、頻繁に一日数回(内容にもよりますが)チェックし、だんだん間を空けていくのです。
この間を空けるというのが効果があります!
部下・後輩はいつ上司・先輩からのチェックが入るかがわからないので、常に気に留めるようになります。しておかなければ!と思うので、自然と習慣化していくのです。
実は習慣化の重要な要素として、「他人の目」があります。社内での人材育成に関する習慣化は、会社にとっても重要項目です。それができるようになれば、部下・後輩の成績が上がるだけでなく、部課の成績も上がり、ひいては会社全体の成績にもつながります。社内での習慣化は意外と個人的な習慣化より他人の目があって成功しやすいと私は考えています。
そして、最後に、重要なコツ。できるようになったら「褒めて」あげてください。
よくできました!
冒頭に話した彼もおそらく仲間たちからの「大絶賛」がきっと糧になったのだと思っています。人は褒められると認められたと思って嬉しいものです。それも頑張っていることを褒められるのが一番嬉しいのです。
明日は、そうは言ってもできない奴もいるんだよね、という声にお応えします。
それでは、また明日。
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