世の中の正解を求めて
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
今週は、完璧主義についてお話をしています。完璧に何かをしなければ、と思うと、行きつく先が「この正解は何?」ということかな、と思っています。完璧を目指せば目指すほど、正解にこだわることになります。
そう思ったのが、あるパソコン教室で講師をしている時でした。
Excelの練習を兼ねて、さまざまな数式を使います。単純な合計が終わると、平均を出したり、構成比を始めとする比率を出したりし始めます。すると、小数点の処理をする関数も話さなければなりません。
その時、受講生の約半数から、次のような質問が来ました。
「答えに小数点が出れば四捨五入するのが正解ですか?」
(。´・ω・)ん?
小数点が出た時に四捨五入するのか、切り捨てにするのか、切り上げにするのかは、ケースバイケースによって違ってきます。今回は関数を使う練習なので、四捨五入をする関数を紹介したのですが、Excelを使う実際の仕事の場面で人間側が選択すべきところです。
「いや、正解というのはなくて、その場で人間が選択するものですよ」と答えるのですが、質問してきた方の顔が不安そうになります。たまに納得した表情を見せてくれる方がいると妙にホッとします。
そう感じてから、「~が正解ですか?」と質問してくる方々の様子を観察するようになったのです。
統計を取ってはいませんが、だいたい6割以上の人が、この手の質問をしてきます。そして、正解はない、と答えると全員が不安そうな顔になります。性別、年齢、学歴は全く問いません。もちろん、パソコン教室に限らずさまざまな場面において、正解を求めてくる人に「正解はありませんよ」と答えると同じような表情をするのです。
そもそもパソコンなんてツール(道具)なので、どう使おうと使う人の勝手であって、使い方の正解なんてないのです。パソコンでネジをとめたり木を切ったりはできませんが(当然です!!)、こん棒で攻撃してきた人に対する盾くらいにはなるかもしれません(そんな場面に出くわしたくありませんけど)。
つまり、世の中には「正解」がないものが多くあり、正解がないものは自分で「これが正解だ」と思っていかなくてはならないんだよ、ということなのです。でも、質問してくる方々(10代~50代)には通じない時が多いのです。
ううわーーー、これってどういうことなのでしょうか????
完璧主義の私が正解を求めて彷徨うのであればまだしも・・・
ん? ってことは、「正解」を求めてきている人は完璧主義ってことなんでしょうか?
そうすると、なんと世の中に完璧主義が多くいるのでしょう!
小学生の時、国語は正解がなく算数は正解を求める教科だ、と聞いた記憶があります。でも、国語の授業で、「この文章の『それ』が指す言葉は何ですか」と聞かれ、自由に発想して答えたら「違います! 正解はこれです」と言われたことがあります。その時、「国語にも正解があるじゃん」と思いました。
確かに「受験国語」は正解を求めます。正解・不正解がないと点数がつけられないからです。
そして、学校でのほとんどの時間「受験国語」をしていたような気がします。だから、「必ず正解がある」と思う人が出てきているんではないか、と今は考えています。別に国語だけの責任ではないと思います。
今日のタイトル「世の中の正解を求めて」というのを読まれて、「世の中には正解なんてないよ」と思われた方がいらっしゃると思います。はい、私もそう思います。でも、正解を求める人がかなりの数いらっしゃるのです。その方たちも全部が全部「正解」ばかりの世の中と思っていらっしゃらないと思いますが。
頭の中では「世の中には正解はない」と思っていても、実際の場面に遭遇すると「正解」を求めている心がある・・・というのが私の実感です。
実は、もう一つ、正解を求めているんじゃないか、と思われる事例があります。これについては、明日お話します。
それでは、また明日。
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