人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

IT企業に老人パワー炸裂?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は、年齢と社歴をテーマにして話をしています。昨日までは、年功序列について、結構シビアなお話をしてきました。今日は、年齢が若いけど上司、年齢が上だけど部下、についてお話をします。

 

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前の会社に入った時の直属の上司は、一回り年下。社歴は彼女の方が断然上なので、当然と言えば当然なのです。

 

さて、どうしたものか・・・ひとまず若い上司をサポートするにはどうすべきか、を真剣に考えました。職務上のいろいろな気づきは歳をとっている方があります。なので、その気づいたことをどう上司に伝えるのか、が、当時の私の一番の関心事でした。

 

相手のことを尊重しながら、こうした方がもっと良いのでは?と伝えるのは結構テクニックが入ります。その分だけ、提案力が身についたのだと私は密かに思ってます(笑)。

 

もっとも覚悟して入ったから、特に気にならなかったのですが・・・困ったことが一つありました。

 

若い人たちは元気なのです。こちらが疲れていても、夕方からワイワイ騒ぎ始め、私を巻き込もうとします。私の体力がついていけない、と言っても、なかなか理解してもらえませんでした。

 

これは、若い人は年配の体力について理解できないのは当然なので、仕方がないことなのですが、結構困った問題でしたねぇ。年配の体力を経験していないので、想像がつかないのが当たり前なのですが・・・

 

逆に年齢が上の部下も存在しました。IT企業では珍しいと思われるでしょうが、ある事業を立ち上げる時、求人に応募されてきた方々が何故かオーバー55歳ばかり。今の私だったら、ギリギリその中に入るかもしれませんが、当時、40代だった私にはちょっとわからない年代でもありました。

 

でも、私にとって、オーバー55歳のグループ内にいることはかなり落ち着く環境でした。彼らの仕事観は共感できることが多かったのです。

 

彼らの姿を見ていると、今の若い人にはないところがあります。

 

まず、出勤時間が早い(笑)

 

朝早く目が覚める、というのもあるのかもしれませんが、それにしても15分前には全員揃っていました。若い人だけのチームだと始業時間ギリギリ滑り込む社員が多数いる中で、異色のチームでした。

 

続いて、誰にでも挨拶する(笑)

 

当然のことなのですが、社内で誰かに会うと、きちんと頭を下げて挨拶をするのです。「ちーっす」と小さな声を口の中で言うだけの若い人と全然違います。

 

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その当時の社長にそのことを話すと笑い転げて、大絶賛でした。

 

40代を年齢ピラミッドの頂点とするIT系ベンチャー企業の中では本当に異色のチームなのです。ですが、通常の会社ではそれが普通であるはずなのです。社長は、そんな年齢違いの人材が常時いる方が社内に良い雰囲気が生まれると絶賛していたのです。

 

もちろん、できないことも多くありました。特にIT関連の知識。IT企業なので、関連の知識が欲しいところなのですが、基礎的な知識しかなく、入社後はトレーニングに時間をかけるしかありませんでした。でも、彼らはモチベーション高く、頑張ってくれていました(多少、ミスは多かったですが・・・笑)。

 

会社では定年退職があるので、一定の年齢になると退職します。年齢構成に偏りがあると、ある時、一斉に人がいなくなる、ということが起こりえるのです。だから、会社はどの年代もほぼ同じくらいの人数にしておく方が良いという考え方があります。

 

それでも中小企業や起業して十数年のベンチャー企業では、なかなか年齢構成がうまくいかないことが多いです。小規模のため毎年新卒採用が難しいのであれば、当初のメンバー構成のまま時が過ぎ、全員が50代、という事態にもなります。中途採用者はあまり年齢を選べません。

 

ハローワークの求人を出す際も、年齢を制限するにはちゃんとした理由が必要で、とにかく若い人が欲しい・・・じゃダメって言われます。社内の年齢構成の是正のためとかなんとか・・・詳細は以下に。

http://www.sorin-oita.or.jp/nenrei/

 

ということは、年上の部下、年下の上司って、たくさん事例があるんでしょうね。

 

年上とか年下とか関係ない、という人もいますけど、やっぱり年上は年上なりの経験値があるわけで、年下は年下なりの体力があるわけで。両方の良いとこどりができる関係を築くのが一番だと私は思っています。

 

年下の上司は年上の部下に気兼ねすることなくキチンと相対して、コミュニケーションを取って、経験値豊富なことを認めつつ、仕事をしてもらうようにすることが必要です。

 

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そして、年上の部下は・・・

 

「俺の方が年上だ!」という態度を取らないことが一番最初だと考えます。これがトラブルの一番根本にある感情なのです。

 

年上だけど、職歴や社歴は年下の上司の方が上。年上だけど、技術は年下の上司の方が上。そう考えて、冷静に自分の立場と職務を見つめ、必要なトレーニングや学習を続け、成長していくことが肝要だと思っています。50代や60代で今更トレーニングなんて・・・と思わずに・・・先日亡くなられた日野原重明さんを見習って、100歳まで現役でいるためには、日々の努力が肝心です。

 

 

やっぱり年上なのだから、部下の方がうまく上司をフォローすることは可能なはず。だからこそ、年上なのです。 頑張れ! 日本中の年上部下たち。

 

ということで、今日はこの辺で終わりにします。

それでは、また明日。

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