作業の効率化に必要な覚悟
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
先週はテーマの予告をしないままでしたが、今週は作業の効率化についてもう少し具体的な話をしようと思います。
火曜・・・作業の効率化全体について
水曜・・・タスクの分解について
木曜・・・タスクを分類しそれぞれの対策について
金曜・・・作業の効率化に立ちはだかる壁について
今、働き方改革という言葉が流行語のように聞こえてきます。昔、ガムシャラに働いた時期、こんな言葉を聞いたらむなしく感じられたと思うのですが、今聞くと、やっぱりガムシャラに働く働き方はどこか無理があり改善すべきところがたくさんあると考えています。
働き方改革の中で最近よく聞くのが「作業の効率化」です。では、この作業の効率化って何でしょうか? 作業を効率化するとすべてがハッピーになるのでしょうか?
作業を効率化するともちろん作業にかかる時間が短くなることが多くなります。でも、本当の意味での作業効率化はそれだけではないと思います。作業自体がなくなることもあり得るのです。
そして、忘れてほしくないのが、作業の効率化を進めていく間は、たいていの場合残業が増えることになります。通常の作業に加えて効率化のための作業が発生するのですから、当然です。まず、その覚悟をする必要があると考えています。
経営者から働き方改革だから作業の効率化を図れと言われたら、しばらくの間は残業代が発生することを覚悟する、ということです。それは何故か。だって、今までやっていた作業の「見直し」をする作業が増えるのです。
製造業の方であればQC活動という言葉をご存知の方がおられると思います。私も最初の会社の時、製造業ではなく完全なサービス業だったにも関わらずQC活動を会社全体で進めており、新入社員だった私も意味も分からず巻き込まれた経験があります。その時、QC活動で作業が増えることを体験しました。作業・業務の見直しをする時間が増えるわけですから当然です。
経営者の方もそこを覚悟して作業の見直しを言ってほしいと思います。
変えるにはエネルギーが必要です。エネルギーが必要だから、ヒトは変わりたくないと思ってしまうのです。
さて、作業の効率化です。最低でも自分がやっている作業の見直しをすることになります。
職務によってマチマチでしょう。曜日によって、日によって、お客様によってマチマチな作業量。でも、作業内容自体は把握できると思います。まず、どんな作業を行っているのかを洗い出していく、ということが最初になります。
洗い出していく場合、自分なりにわかりやすく分類しながら行うと洗い出しやすくなります。例えば、前の会社にいた時の私の場合、プロジェクトごとに作業内容を洗い出しました。また、プロジェクト以外の社内の作業も忘れずに洗い出す必要があります。社内の内容、つまり経費申請とか備品購入申請とか勤務表の記入といった、社内申請にかかる作業です。
他にも管理職になれば、部下の申請類のチェックや承認、社長や経営者からの数字要求のための資料作成などの対応などがあるかと思います。
そういった作業全体を洗い出すとなると、意外にたくさんありますし、洗い出すだけでもかなりの時間を要することがわかると思います。
ここで注意していただきたいのが、よくあるパターンで「○○に対する対応」という一言で済ませてしまうことです。作業の効率化では、この「対応」の中身が必要なわけなのです。対応のために何をしているのか、を書き出す必要があります。
とにかく、やっていることをすべて洗い出す、これが重要です。
そして、それを一望するのです。どう考えても週40時間内に収まらない作業量だな、収まる作業量なのになぜ残業が発生するのか、といった感想や疑問が浮かんでくると思います。
収まらない場合は、どうしたら収まるのかを考えます。収まっているのに残業がある場合は、どこで時間をとっているのか、一体自分は何をしているのか、を調べる必要があります。
収まらない場合。
洗い出したタスクを分類します。分類方法はいくつかありますが、著名な「7つの習慣」の「重要かつ緊急のもの」「重要だが緊急でないもの」「重要ではないが緊急のもの」「重要ではなくかつ緊急でないもの」がひとまず良いでしょう。
洗い出した作業が「重要ではなくかつ緊急ではないもの」に分類されるものがあれば、すぐさま「しない」ようにしましょう。それでもやらなければならないものであるならば、そういったシステムそのものを見直す必要があります。
他に分類されたもので、おそらく意外に少ないのが「重要だが緊急でないもの」です。ここは重要な作業なので、「しない」ではなく「する」方向にもっていきたいところです。
注目してほしいのが「重要ではないが緊急のもの」です。ここを大幅に見直すのです。
このあたりのことは木曜日にお話しします。
明日は作業を細かく分解することについてお話します。
それでは、また明日。