細かく分解する
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
作業の効率化を図る上で作業の見直しをするという話を今週はしています。昨日は作業の見直しをするために作業の洗い出しをすることについてお話ししました。今日は洗い出した作業を分解することについてお話します。
昨日も少しふれましたが「○○の対応」という作業を出した場合は、更に細かく作業項目を出すようにする必要があります。作業はできれば細かく洗い出していくのです。
ただ、細かいといっても細か過ぎるのはNGです。例えば、右手を伸ばす、机の上の筆箱を取り上げる、その中の消しゴムを出す・・・といった分解は今回はなしにします。消しゴムを取るロボットのプログラム作成の場合は必要ですが・・・(苦笑)
昔、自宅にお客様をお迎えして夕食を提供する、ということがありました。作業者は私一人。少々かしこまった料理を作る必要があったので、どのように作業を行うべきか、と考えました。
まず、メニューを考えます。そのメニューができたら、作業計画を立てました。
作業計画にはメニューごとの作業を洗い出すところから始めました。というのはメニューによっては火を使うもの、火を使わないものがあるからです。そこで、コンロにA、Bという名前をつけ、Aコンロで炒め物を作っている最中に空いているBコンロでは揚げ物をする、というような計画表です。
煮物など人が目を離しても大丈夫なメニューを作っている時は、私は流し台のところで野菜を切る作業などを行うことができます。焼き物や炒め物ではコンロのそばから離れられません。また、刺身の盛り合わせなど自分ではせずにお店に依頼するメニューもあります。
そういった風に考えていけば、いくつかのメニューを時間内に作業し終えることができるといった計画表を作成したのです。
料理に慣れている方はここまでしなくても大丈夫なのでしょうけれど、不慣れな(汗)私はこうしないと作業ができず、お客様をお待たせしてしまうことになります。
また、メニューを作る順番を考える必要があります。熱いままお出しする方が良いもの、ある程度冷めても大丈夫なもの。汁物など温め直しができるものであれば、一番先に作っておくのもありです。
こういった作業のために、洗い出した作業項目は数十に上ります。それは、野菜□□を切る、△△肉を炒める、といった具合です。そうすることで、この時間帯にコンロA、この時間帯に流し場で・・・と作業を割り振ることができるのです。
要は割り振ることができる単位で作業を分解することになります。
作業の効率化のための作業の分解もこの程度に分解することです。
作業を大まかにしてしまったら、なぜいけないのか。理由は三つ。
- 作業に実際に取りかかる時間を予想しづらくなる
- 作業そのものが本当にするべき作業なのかどうかの判断がつきにくくなる
- 実際に作業に入る際、どこから作業すべきかがわからなくなる
1.作業に実際に取りかかる時間が予想しづらくなる
例えばプレゼンするというような大まかな作業だけだと全体でどれくらいの時間がかかるのかがわかりにくくなります。
それでは、プレゼンの準備作業はどれくらいの時間? と考えていくと、必要な資料やデータの収集作業となれば、2時間程度と予想がつきます。
細かく分解して一つ一つを検討した方が所要時間がわかりやすくなります。
2.作業そのものが本当にするべき作業なのかどうかの判断がつきにくくなる
特に社内向けの作業などは、しなくてはと思い込んでいるだけで、もっと簡単に終わらせることができるかもしれません。また、課長が平社員時代の時とは時代背景が異なっており、ITを利用すればもっと早くなるかもしれません。どんな作業をしているのかを見える化することで、不要な作業、もっと効率化できる作業が見えてきます。
3.実際に作業に入る際、どこから作業すべきかわからなくなる
以前のブログでもお話ししましたが、作業が大まかすぎると特に初めての作業ではどこから手をつけて良いかわからなくなります。プレゼンをすることはわかっているが、何をどう手をつければ良いのか、慣れてなければ思いつきません。
こういったことから、作業は分解することをお勧めします。
作業を分解すると膨大な作業数になる人もいれば、それほどの数にならない人もいます。職種やその作業への習熟度にも関係してきます。いくつかのプロジェクトを兼任している人や営業職の方は比較的多くなると思われます。また同じ営業職の場合でもルート営業などであれば、異なる顧客に同じ作業を行う場合もあり、作業数が少なくなるでしょう。
さまざまなことが考えられますが、作業を分解し、それを見える化することから作業の効率化が始まるところは同じです。
これらの作業を通常作業を行いながら行っていくのは、とても大変なのです。昨日お話ししたように挫折したくなるのも頷けると思います。なので、すべてをいっぺんにする、ということではなく、全作業のうち一部をまずやってみる、という方法も良いと考えています。
作業が見える化すると人に教える時にも役に立つと、人材育成をテーマにした際に以前お話ししました。実はさまざまなところで役に立つ作業の見える化なのです。
明日はこの分解して見える化した作業を並べ替えることについてお話します。
それでは、また明日。