集中するためのタスクリスト
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
個人のタスク管理についてお話します。今週、このテーマにしたきっかけがあります。それは、学生と話している時のこと、学生同士のこんなセリフを耳にしたのです。「このプロジェクト、できるかなぁ(不安そうに・・・)」「大丈夫だよ、夏休みに○○と××をすれば」
うんうん、確かに夏休みに〇〇と××をすればきっとうまく行くよね。でも、〇〇と××をするには相当な時間がかかるよ。夏休みを寝ずに一生懸命それだけをするのであればできるだろうけど、バイトとか他の科目の課題とかが犠牲になるけど、それで良いのぉ?
という私の心の声。実際に言ったら、希望に満ちた瞳がショボーンとなるのが必定だったので、つい言わないままに来てしまった・・・言った方がよかったかしら・・・という後悔をするくらいなら、学生はこのブログを読んでいないだろうけど、書いてみようと思ったのがきっかけです。
何かをしなければならなくなった時、まずやること。それはタスクリストを作ることです。タスクリストにやらなければならないことを書き出していきます。
フォーマットはどんなネット上にあるもので構わないと思いますし、Excelのセルに入力していっても構わないと思います。
ただ、タスクリストには余計なことを考えなくても済むような単純な表に作っておくことが大事だと私は思います。
私が使用しているのはネット上で見つけたフリーのタスクリストです。それには以下の項目があります。
- 記述日
- 締切日
- 完了日
- 依頼者/依頼日
- プロジェクト名
- タスク内容
全部記入する必要はありませんが、最低限これくらいの項目があると良いと思っています。
記述日はそのタスクを書き入れた日です。そして、そのタスクを完了させなければならない日を記入します。それからプロジェクト名とタスク内容を記述します。
その他に、タスクが完了/未完了の区別をつけるために、完了すれば完了日もしくはチェックマークを記入します。
依頼者/依頼日は、そのタスクを他の人に依頼した場合に使用します。誰にいつ依頼したのかがわかるように記述するのです。依頼した後は放っておくのではなく、タスクが完了するまでチェックをする必要があります。チェックは頻繁にする必要はないのですが、数日経ったからそろそろ確認してみるか、というような場合に利用するのです。
タスクは思いついたらこのリストに追加で書き入れていきます。実は全部のタスクを一度に思いつくのは難しいのです。何かをしている時に「あ、あれを忘れていた」と思い出すことは良くあることです。ですから、タスクリストはいつでも更新できるように、そしてシンプルな表の方が余計なことを考えずにタスクを書き込むことだけに集中できるので良いわけです。
タスクリストを書き出すと一番何が良いのか、ということは、タスクのことを常に考えておく必要がない、ということです。
え、そんなこと?と思われるかもしれません。
でも、想像してみてください。
今、集中して仕事をしています。その仕事は明日の夕方までに提出しなければならないので、時間がなく、集中しなければ間に合いません。また、都合よく集中できているので、このまま完成まで集中し続けて期限に間に合わせたいと考えています。
そんな時にふと明日の夜までにしなければならないことを思い出したとします。
こちらも時間がありません。でも、すること自体はそこまで難しいものではなく、今行っている仕事を完了させてからでも十分間に合います。ただ、忘れてしまってはいけません。
後から思いついたその仕事を忘れないようにしながら、今している仕事に集中しようとして、さあ、どうでしょうか。仕事に集中できますか?
「忘れないように」と思っていると、集中すると忘れそうという気持ちが沸き起こって、集中できなくなってしまいます。
そこで助けるのが、タスクリストです。
こういった時に書き出しておく。そして、書き出したものを後で見るようにする、という習慣が身についていれば、安心して忘れることができます。
タスクリストを作る大きな目的はタスクそのものを忘れても良い状態にするということです。忘れても良い状態、つまり、多少忘れても大丈夫、という安心感を自分に与えて、今目の前にある仕事に集中させる環境に身を置く、それがタスクリストの目的の一つです。
そのために、一日一回はタスクリストを見直す時間を設けておいてください。それは終業のちょっと前とか始業直後とか、ほんの10分程度で大丈夫です。また、タスクリストは、深く考えずに思いついたら記入する、といったスタンスで大丈夫です。先週、作業の分解の時にお話ししたように粒度は考えません。大きなカタマリのタスクであっても大丈夫なのです。
重要なのは「思い出したら記述する」、「タスクを指示されたら記述する」、というスタンスです。
こうやってタスクリストが完成します。これはタスク管理の考え方での有名なGTDで言うところのInboxです。タスクリストが完成したら、今度はそれをToDoリストに変換します。タスクとToDoのリストの違いは、「何をするか」に「いつ」の要素が加わります。
そこで、締切日の意味について。一瞬で終わるタスクなら締切日にやっても良いですが、数日かかるタスクだったら、締切日と開始日が同じだったら困ります。
先ほど粒度は考えずに、というお話をしました。なので、大きな粒度、ちょうど大きな石のカタマリのようなタスクが書かれている場合があります。それを1日8時間の勤務時間内に終了するようなサイズに作り替えることが必要になるのです。
そのやり方について、明日お話ししましょう。
それでは、また明日。