人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

優先順位高のタスクの担当者

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はプライオリティ高のタスクをどうするか、本当はやらなければならないタスクなのに緊急ではないが故に後回しにしてしまうタスクをどう処理するのか、についてお話しています。

 

実は、時間管理の一番の難問です。

 

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1日は24時間です。このブログは基本的に「仕事」にポイントを置いていますので、仕事をする時間は基本的に1日8時間です。この8時間の中にどうやって「やらなければならないやった方が良いタスク」を組み込むか、ということです。

 

この限られている時間をどう使うか。それには、時間を捻出するしかありません。空き時間を作るのです。

 

空き時間の作り方はいくつかありますが、ここではプライオリティ高のタスクしかない状態で考えたいので、2つに絞られると思っています。プライオリティが低いタスクを「やらない」という選択肢は除外されます。

 

一つは、一つ一つのタスクにかける時間を短縮することです。いわゆる効率化を行う、ということです。もしくは、無駄な時間を削除するということです。

 

二つ目は、他人に今持っているタスクを預けることです。いうなれば「自分ではしない」ということです。基本的に部下や後輩に任せる、あるいは外注する(アウトソースする)、ということだと考えています。

 

一つ目の時間を短縮するということ。先週も少しお話ししましたが、人間は締め切りがあると締め切りまでその仕事を抱え込みやすい、ということがあります。締め切りまで仕事を抱え込むのではなく、終わったら素早く手放す、ということです。

今日が締切のタスクは最優先? - 人材育成の道すがら

 

以前の会社では、よく「ボールは誰が持っている」というセリフを話していました。今、仕事は誰の手にあるのか、ということを指した言葉です。ボールを持ちすぎているとファールが取られるバスケットボールのように、素早く次の人にパスをする、ということです。

 

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仕事を一人が持ちすぎるとチェックが働かないので、品質が悪くなります。締め切りがある仕事であっても、締め切り前、まだ十分に時間がある時に他の人にパスをしてしまえば、後は他の仕事ができます。締め切り前にウンウン唸って頭をひねっても、良いアイディアは出てきません。クリエイティブな仕事をしているのであれば猶更、早め早めに手を打った方が絶対に効率的です。

 

仕事はアート(芸術)ではないのです。その時のベストで良いと私は考えています。

 

二つ目の他人にタスクを預けるということ。アウトソース、つまり他人(他社)にタスクを渡す方法はコストが発生するので、ここではお話しません。部下・後輩にタスクを渡すことについてお話しします。

 

タスクを部下・後輩に渡すということは、さまざまな課題が存在します。部下・後輩にそのタスクを実行するだけの技術や能力があるのか、部下・後輩にそのタスクを実行できる権限があるのか、責任があるのか、ということです。

 

まず、技術や能力について。

 

部下・後輩がそのタスクを実行できる技術や能力がない、という時点で、それは今までの人材育成はどのようになっていたのでしょうか。皆さんが抱えている仕事は当然どなたかにいつかは渡していかなければならないわけです。それが今なのか数年後なのか、というだけだと思います。

 

新卒で入ったばかりで難しい、という場合もあるかもしれません。若さや経験不足で、担当するには本人にも負担が大きい、という場合があるかもしれません。

 

そんな時、考えていただきたいのが、皆さんが持っている「緊急ではないが重要な」タスクと今目の前にあるタスクとの優先順位です。他のタスクを部下・後輩に渡しても、した方が良い「緊急ではないが重要な」タスクを抱えているのであれば、今、部下・後輩に渡しましょう。

 

もちろん、その場合、渡し方に気をつける必要があります。彼らは技術も経験も不足しています。「やって」というだけでは、無理です。やってもらうタスクを十分に分解して、一つ一つを渡しながら、チェックしながら成果を受け取っていく、という方法が適しているでしょう。

 

分解されたタスクが渡されるため仕事の全体像を部下・後輩は理解しながらしているわけではありません。一度できたからと言って二度できることはほとんどありませんので、そこは気をつけておいてください。仕事を理解するのはある程度全体像が見えないとできないのです。このままだと意外とミスが多く、後のフォローが大変になります。

 

部下・後輩によっては、仕の事全体像が理解できそうなくらい経験があるのであれば、全体像を話してから少しずつやってみてもらうという方法が良いでしょう。その場合でも、こまめにチェックポイントを設けておくことが必要です。数日かかる仕事であれば、部下・後輩のレベルに応じて毎日1~3回程度のミーティング時間(30分程度でOK)を作り、今できている部分の品質をチェックしていきます。

 

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実際に自分ですれば数日かかるところをミーティングの1.5時間/日程度の所要時間でできるのであれば、部下・後輩に任せた方が断然楽です。しかも、部下・後輩がそれで成長してくれます。

 

企画を作るような仕事の場合はかなり難しいかもしれません。ただ、意外とキラリと光るものがあったりするので、これはこれでありだと思います。

 

ぜひ、こういう手段を使って時間を捻出していただければ、と思っています。

 

明日はプライオリティ高のタスクを絶対にする法についてお話しします。

それでは、また明日。 

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