読書の秋にお勧めの本5冊
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
今週は、読書の秋特集(?)ということで、お勧めの本をご紹介したいと考えています。毎日一冊ずつご紹介できるように5冊用意していたのですが、先週からお試しで週一ペースでの更新となったため、一気にご紹介していきます(笑)。
今年読んだ本(注:発行年が今年とは限りません)で、印象に残った上、とても軽い気持ちで読める本、というのが選定基準ですので、もしご興味があれば、気軽にポチって下さい。
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まず、1冊目。
『死ぬくらいなら会社辞めれば ができない理由』ものすごいタイトルです。
昨年、10月ごろに偶然ネットでこの本の最初の数ページに掲載されているマンガがTwitterで話題になっていることを知って、最初Twitterで読みました。
それから、マンガエッセーとなっているこの本に出会い、思わず購入しました。
働き過ぎて、疲れすぎて、ふと、うっかりと自殺しかけてしまうお話です。残業して夜遅い時間にホームで電車を待っていたら、ホームに入ってくる電車のライトを見て、「今、一歩踏み出せば、明日、会社に行かなくていい」と思ったことから話が始まります。
私も、無茶苦茶忙しかった頃、同じような思いにとらわれたことがあります。私は車通勤だったので、トンネルに入る度に、このトンネルの壁に激突したら、ダイアナ妃のように死ねるかも・・・そうしたら楽になれる・・・ふとそう思ってしまったことがあります。
結局、そうすることもなく今を生きています。でも、あの時、そういう気分になったことは忘れられない思い出です。
その時の気分と全く同じなのです、この本に書かれていたことが。本当にリアルすぎるのです。
過労自殺をする人の全部が同じではないと思いますが、寄せられた感想を見ると、本当に多くの方が自分と同じだ、という感想を書かれています。そう考えると、不幸にして過労自殺する一部の方の心情が描かれた本であることは間違いないのではと考えています。
「まだ大丈夫」なうちに判断しないと
判断そのものができなくなるのです。
この言葉は、本当に頷くしかありません。
働き過ぎて疲れ果ててしまっては正常な判断ができなくなります。まだ大丈夫、私は過労自殺なんかしない、と思っていても、本当に心身共に疲れ果てた時はその判断ができなくなっており、フラッと自殺してしまうのです。
手遅れにならないうちに、いろいろな方に知ってほしい本です。読みやすい本だから、読んでほしい本です。
周囲に働き過ぎているな、と思われる方がいらっしゃったら、そっとこの本をプレゼントしてあげてほしいと思っています。
この中の「夫とワタシ③」が私的には大好きです(笑)
仕事人間のご主人をあの手この手で休ませようとする奥様(筆者)の行動に笑いがこみあげてきます。
2冊目。
話題になった本なので、ご存知の方も多いと思います。
この方は元々「ITサービスマネージャ」さんで、ITの現場を参考にこの本を書かれています。ITサービスマネージャという言葉は、IT業界で運用・保守をされている方だと良く使われる言葉で、私も会社を辞める数年前から、この分野のエンジニア育成もしておりました。。。(苦笑)
IT業界の運用・保守というのは、パソコンが動かなくなった!とかネットにつながらない!とかの状況を改善する部署で、ユーザーさんがいつでも快適にITシステムが使えるように毎日細心の心遣いでITシステムを管理する人たちです。
今ではITシステムは24時間365日動いて当たり前の時代となっていますので、仕事も当然24時間365日になります。通常はシフト勤務というわけなのですが、トラブルがいつ発生するかわかりません。つまり、突発的な仕事が急に入ってくる職種なのです。
こういった職種ならではのノウハウから普通の職場に置き換えて記述した本なので、とても参考になることも多いと思います。
文章も読みやすく、図も多いので、働き方改革に関係する方には特にお勧めします。
また、忙しくて残業ばかりの人も、少しでも残業をなくすために、一読されると良いのではと思っています。
私はこの本を読んで、前々から感じていたことが、やっぱりそうかと思ったのが印象的でした。それは、IT業界で普通のことが一般の業界では普通ではなく、IT業界のノウハウが一般の業界に入り込むととてもスムーズに職場が回るようになるんだ、ということです。
この作者の沢渡あまねさんはITサービスマネージャさんでしたが、IT業界ではプロジェクトマネージャさんだって、同様のことを考えています。働き方で悩んでいる会社さまが少しでも悩みから解放されるために、ITという技術だけではなく、ITの現場の働き方がお役に立つんだ、ということを改めて気づかされた本でした。
3冊目。
前2冊が働き方改革っぽい本でしたが、この本は趣旨が違います。顔に障害(?)をお持ちの方々のお話です。
良く営業やコミュニケーションの研修で、「見た目が大事」「第一印象が悪いと後の修正が大変だから、身なりを整えること」と言われています。でも、この本で取材を受けた方々は、何らかの病気で顔に異変があります。
例えば、表紙の上の写真の中島さんはリンパ管種という病気で、顔に大きなコブや変形があります。泉川さんは網膜芽細胞腫という病気で左目がありません。
どの方も同じようにおっしゃられていましたが、小さい子どもと通りすぎる時は、その子どもから「あの人、変な顔!」と言われるそうです。隠すことができない顔に異変があるのは、おそらくとてつもなく大きな悩みだと思います。
本当にいきなりこのような方々に出会った時、戸惑わないか、と言えば、おそらく戸惑ってしまうと思います。私にはその気持ちを表情に出さずに笑顔で接することができると断言する自信はありません。
そして、この方々も初めてお会いした相手が戸惑っていることがわかってしまっています。でも、それは仕方がないことだとおっしゃられています。
この本を読んで、最初は戸惑ってしまう相手を素直に受け入れていただく彼ら・彼女らの気持ちに甘えるにしても、次からはちゃんと彼ら・彼女らのことを理解して普通に接することができるようになることが求められているのではと感じました。
そのためにも、まず自分の中に偏見がある、ということを私は認識し、それを修正していく努力をする必要があります。そのためには、このような本で知識を得ることが大事だと考えています。知ることが一つ一つの偏見をなくしていくことの近道だと思っているからです。
泉川さんの高校時代のエピソードで印象に残ったことがあります。小さな子どもから「あのおじちゃん、目がない」と言われた時、泉川さんの友達が「おじちゃんって言われている・・・」と笑ったそうです。そこで、目じゃなくてそっちかいっ!と泉川さんは突っ込んだとのこと。
私はそんな泉川さんの友達のようになりたい、と思いました。すごい友達と思いませんか?
そこには普通の高校生の姿があります。目がある、目がないということではなく。
そして、彼ら・彼女らはとても前向きで一歩を踏み出しています。そして、写真で見た限りですが、中島さんはとてもカッコいいです。おしゃれで素敵なのです。
読み進めていけばいくほど、どなたもとても素敵に思えてきました。
こんな素敵な気持ちにさせてくれた9人の方々のインタビューは必見だと思っています。
4冊目。
マンガではないです。作者は漫画家ですけど。
この本にはン十年前に出会いたかったですねぇ。きっと人生が変わっていたんじゃないかと思います。さすがに今の年齢だと、自分のためになることはほとんどなかったですが、今の若い女の子には読んでほしいなぁと思いました。
作者とほぼ同じ年齢の私なので、時代観がほぼ同じです。何となく時代の雰囲気がわかりましたので、とても面白く読みました。
そうですねぇ。たぶん、50歳になったばかりの方までであれば、十分にいける本だと思っています。(元・女の子ね・・・)
ためにならなかったと思ったのは、私自身が今あまり迷っていない、ということもあるのかもしれません。
ただ、私がぼんやりと言いたかったことを、はっきりと文章にしてくれているので、本当に役に立つ本だと思います。
男に振り回されずに、自分の足で大地に立って、生活していけ!という作者の思いは、私も同じです。私には残念ながら娘がいないので、息子たちに彼女ができたらプレゼントしたい本ですね(笑)。
男をあてにするな、というわけではありません。ただ、男も女も同じ人間なのだから、それぞれがちゃんと自立した人間同士、同志になった方が幸せだと私は考えています。
人間が生きるため、生活するための仕事(つまり家事労働)は、男女が関係なくやれるようになることが重要で、役割分担なんてくそくらえ!ですね。できる方ができる分だけすれば良いんですよ。してもらった方はしてもらった分だけ感謝して受け取る。受け取るだけではなく、たまに、ちゃんとしてあげることもする。お互いともできない時には誰かにアウトソースするのが一番。
そういうことをお互いに話し合いながら徐々に夫婦のルールにしていく。
それがカップルの楽な生き方なんだろうなぁ、と私は思ってます。
5冊目。
最後は少しお堅い本を(笑)。
新書ですし、そんなに難しい言葉が並んでいるわけでもないので、専門書ですけど、楽に読めると思います。
タバコを辞められないのには理由があるのです。タバコを吸うと、その人にとって良いことが発生するから辞められないのです。例えば、眠気が覚める、気持ちが落ち着く、といったことです。いつ来るかわからない将来の肺がんの危険性をいくら伝えても、すぐやってくる良いことがある限り辞められないわけです。
といったことが書かれてある心理学の本です。
電気をつけることはするのに消すことを忘れてしまうのは何故か。
心理学ってこんなことをマジメに研究する分野だと知ったのは、この本に出会ってからです。それまでマジメに心理学の本を読んでなかった私は、目からウロコでした(苦笑)。
心理学は「食わず嫌い」の筆頭でした。面白そうなんだけど、マジメに勉強する気になれない、というべきでしょうか。だから大学の講義でも中途半端に受けていました(ギリギリ合格しましたけど・・)
行動経済学の本も真剣に読む気がしなくて、ずっと読めていません。アドラーだって、一応目は通しましたけど、フーン、で終わってます。
でも、最近、広告デザインや「伝わる」ことについての本を読んでいると、すべてが心理学と関係しており、きちんと勉強していれば良かった、と後悔先に立たず状態です。
ただ、一口で心理学と言っても守備範囲がとても広いので、どこかに焦点を当てて勉強しないと難しいだろうなぁ、と考えるところで、やっぱり止まってます(苦笑)。
心理学を勉強している方々はひたすら尊敬します。
心理学の中でも比較的身近な話題がたくさん取り上げられているので、少しでもご興味がある方は読んでみてください。
今週は読書の秋にお勧めの本5冊をご紹介しました。ご参考になれば幸いです。
さて、次回からしばらく「IT」をテーマにしてみようと考えています。それも役立つITですね(世の中には役立たないITも氾濫していますので・・・あ、暴言吐いた(笑))。次回の更新予定日は10月31日(火曜日)です。
それでは、また来週。
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