私が育てられた(?)の時代
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
今週は曜日を勘違いしておりました。水曜日に更新する予定が本日(木曜日)になってしまいました。
私の最初の職場でのお仕事
私が最初に就職した会社は、本社が他県にある会社の出先機関でした。そこの現地採用でした。その当時は、男女雇用機会均等法も施行前で、女性の働き方は制限がありました。
仕事をしていると、「女子社員はこれまで~~~」と言われることばかりでした。20時までしか働くことが許されなかったので、20時以降に開始される週1回の会議には出席できませんでした。同期の男性社員は出席しており、会議の情報を持っていました。それが何となく悔しかった記憶があります。
学校では男女平等って学んできたのに、社会に出たとたん男女差を見せつけられた時期でした。だから、女性社員は半ば諦めムードがありました。
私のその職場には、当時アラフォーの女性が2名、アラサーの女性が1名いました。後は私を含めた20代前半の若い女性です。今であれば、何ということのない光景なのですが、当時は異質でした。いわゆる「行き遅れ」た女性が3人もいる、というわけです。
私たちの一日は次のようでした。
朝、出勤して、当番で掃除をしたりお茶を用意したりした後、本業のために席に着く。それから営業時間内はひたすら自分に与えられた担当業務をこなし、仕事が終われば帰宅する、その繰り返しです。
私は仕事をする、というのはこういうことなのか、と思いました。毎日、同じことの繰り返し。小さな変化はあるけれど、大きな変化はないのです。
たまたま私が所属した部署は、全国取引をするところだったので、地名を見ては「どういうところだろう」と想像を働かせることができました。その点、他の人よりは恵まれていたと思っています。
それに徒歩20分くらいの距離にある銀行へ入出金や書類提出のために歩いていく業務も入っていたので、それが日々の変化をもたらしてくれていました。道のそばの公園で感じる季節や取引先の銀行の女性とのおしゃべりなど・・・(笑)
ある銀行の女性社員は私の顔を覚えてくれて、出勤途中の電車の中で声をかけてくれました。それ以来、お会いするたびに電車の中でおしゃべりをして時間を過ごしていました。
新入社員時代・・・
新入社員だった時、もちろん新入社員研修を受けましたし、OJTという現場での研修も受けて、一通りの仕事はこなせるようになっていました。2年も経つと、自分の仕事でわからないところはなくなっていました。
ただ、事務的なミスが多発していたので、それを修正したいとは思っていました。でも、具体的にどうやってすれば良いのかがわからないのです。ミス率が記載された表を見せられて改善せよ、とは言われるのですが、どうすれば良いのか、上司に問うても答えがありませんでした。
私もどうすれば良いのか、誰にどのように相談すれば良いのかがわかりません。前任の人に聞いてみたのですが、「気をつければできるよ」と言われるだけ。しまいには「性格だから私には無理なのかも・・・」と思うようになってしまったのです。
性格は治しようもありません。性格だから無理、と思った瞬間に、成長は止まるのです。ですが、当時の私にはわかりませんでした。
今だったら事務的なミスだって、トレーニングや仕組み次第で克服できるとわかっているのですが、当時は誰もそういうことを教えてくれる人も書籍もありません。ましてやインターネットもない時代だったので、情報を手に入れることはできませんでした。
今思えば、その当時の私も含めて、上司を含む私の周りの人たちには、「社会人の育成」という概念がすっぽり抜けていました。
学校を卒業したのだから、「学ぶ」のは仕事の方法だけで良く、それに付随する知識、ましてや「仕事の効率的なやり方」「時間管理の方法」「自分の感情の管理」などを学ぶ、という概念は全くなかったように思います。
だから、先輩社員の言葉が今も耳についています。
「毎日、同じことを繰り返す、それが仕事、社会人だよ」
そこには、現状の課題を分析し、作業を効率化するなどという概念は全くなく、昨日も今日も、そして明日も同じ作業を繰り返すだけなのです。
ただ、私の事務的なミスをなくしたい、という悩みはずっとありました。ミスをなくせば、それを修正する作業がなくなるので、もっと業務がスムーズになるはずです。
ですが、当時一社員の力ではなかなか解消できるものではありませんでした。その当時から現場の声を聴きたい、という風潮は社内にありましたが、本社とは異なる県にある拠点、ということで、どこか「自分たちの声は届かない」という思い込みがあったのです。
会社が単なる一社員の悩みなんぞ、いちいち聞いていられるかー!
ということもあるかと思います。
だけど、同じような悩みを持つ社員は、おそらくいると思います。その数も結構あるのではないかと考えるのです。私が苦しんだ悩みは、今ネット検索するとたくさん出てきます。だったら、当時だって同じ悩みで苦しんだ人もたくさんいるはずなのです。
その当時だって、情報を持っている人と接触できる機会はあったかもしれません。例えば同じ社内で同じ仕事を他拠点でしている方たちとの情報交換をするなどです。それは会社にコストがかかることです。なので、難しいのかもしれませんし、そういったことをすることすら気がつかない時代だったのです。
営業目標値が突然現れた!
ある時の話です。その時期、私は結婚退職することが決まっており、もう少しで有給消化になる時期でした。そして、ちょうど男女雇用機会均等法が施行され、女性社員にも営業の一端を担ってもらおうと、会社が本腰を入れ始めた時期でした。
いきなり女性社員の営業目標値が定められました。今までもあったのですが、特に問題視されていませんでしたので、女性社員は比較的呑気だったのです。その営業目標値に対して、具体的にどうすれば良いのか、何の指示もありません。今までの業務の中から獲得してね、という具合です。
今までと異なる目標値ができたのに、今までと同じだったら獲れるはずがありません。アラフォーやアラサーの女性社員たちも今までのコネを使って・・・としか策を出してくれません。
そんな策は、新入社員からやっと脱したばかりの私には無理です。
そこで、ホントにない頭で考えた策を提案しました。目標値を小さく分割したらどうですか?という提案です。
目標値が小さくなったので、周りもこれならできると思ったのか、全員が一週間後には達成することができました。
それは、今だったら、「おいおい・・・それはないだろう・・・」というやり方でした。でも、その当時の上司は全く反対することなく採用したので、彼自身もやり方を考えていなかったのだと思われます。
私はその小さな目標が達成されたことを知ってから有給消化に入ったので、その後のことはわかりません。おそらく完遂はしなかっただろうと思われます。私の提案した策は、最善の策ではないからです。
このことを思い出すたびに、「営業目標値を設定するのであれば、それをどうやったら獲得できるのか、手段や考え方を学ぶ機会があれば良かったのに」と思います。
その会社での人材育成
あの時代は、ほとんどの会社がそうだったかもしれません。私が所属した会社だけが特別ではないと思っています。当時の流行語は「24時間、働けますか?」であり、目の前の仕事を精一杯片づけることで良かった時代でした。
仕事が自然と人を教える、そんな言葉も聞いたことがあります。
でも、それは違います。
正確には、「仕事を通じて、人から教わることができる」ということです。上司や同僚、お客様から教えられることが本当にたくさんあります。
ただ、今の時代はとても流れが速くなってきています。時間そのものが早くなったのでは当然なく、新しいものが出てくる間隔が短くなってきたのです。つまり、次から次へと新しいものが出現してくる時代なのです。それも世界中から。
人を育てることで、仕事の生産性は確実に上がります。
もし、今の私が当時の仕事をするのであれば、きっと、その当時よりも生産性を上げることができると思います。事務ミスも大幅に減らすことができると思っています。その当時の仕事を今まで続けてきたわけではなく、全く異なる仕事をしてきたにも関わらず、です。
人材育成は社員一人一人の生産性を上げます。
そして、逆に言えば、会社の業績を上げるために、人材育成をするのです。
さて、明日は、人材育成をするのは誰なのか、というテーマでお話ししたいと思います。
それでは、また明日。
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