人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

女子は文系だという雰囲気

先日、非常勤講師をしていた学校の卒業式があり、謝恩会に招待されたので出席してきました。

 

工業系なため非常に女子学生の数が少ないのです。それはとても残念な気がします。でも、私自身も学生だった頃、自分は「文系」人間だと思っていたので、あまり人のことは言えませんね(苦笑)

 

どうして女子は「理系」科目が苦手なんでしょうか?

 

おそらく得意だ、という人もたくさんいると思います。

 

私自身、数学や物理という科目はとても好きでした。でも、できる方ではありませんでした。理屈として、できないから「文系」と決めていたような気がします。

 

でも、今、お話させていただく方からは「理系ですねー」と良く言われます。

 

前の会社に勤めていた時、エンジニア志望の方から「(自分は)文系の学部卒業なのですが、ITエンジニアになれますか?」という質問を大変たくさん受けました。

 

IT系の企業の場合、例えば半導体の設計を行うような会社やハードウェアに組み込むためのプログラムを書く会社の場合は、理系(というより工業系)の学部を卒業した方の方が良いと思っています。 前提として金属の素材や化学・物理の知識が必要だからです。

 

でも、会社の基幹システムを作るソフトウェア会社の場合は、理系・文系は全く関係ないと考えています。

 

むしろ、文系の方が良い場合もあると思っています。

 

理由は単純です。作られたシステムを直接使うのは、ほとんどが文系の方々だからです。基幹システムを作ってもらった会社の社員は営業マンだったり経理マンだったりします。彼らは経済学部や文学部などの出身者が多いわけです。そういった方々が使うものを作るには文系の方の方が適している場合があります。

 

何が「文系」「理系」を分けるのでしょうか?

 

それよりも「文系」「理系」とはどう定義されるのでしょうか?

 

世の中は、出身の学校でどんな学問を学んできたのかで分けているような気がします。文学部だったから「文系」、工学部だったから「理系」と。あるいは、数学が得意だったから「理系」、英語が得意だったら「文系」とか。

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でも、私にはどちらかというと、結果に着目するか、プロセスに着目するかの違いのような気がしています。

 

 

実は良くソフトウェアを操作している時に、差が生じてきているのを見かけます。同じソフトウェアを操作して結果が思ったようにならない時の反応が、二分されていたような気がするのです。

 

  1. 〇〇が××にならなければならないのに、◇◇になったと反応する人
  2. 〇〇が◇◇にならなかったよ。やり方が違っていたのかな、と反応する人

 

1.のパターンで反応する人は良く理系と呼ばれている人たちです。結果が想定と異なることを指摘し、想定と結果を比較しながら結論を出していくタイプです。まるで実験をやっているような感触です。

 

2.のパターンで反応する人は良く文系と呼ばれている人です。結果よりプロセスに着目した反応を示すことが多いです。

 

もっともこの反応の分類は、私の体感的なものです。パソコン教室をたくさんしてきた時に想定と異なる結果が出た時の反応を思い起こしてみました。すると、たいてい上記二つに分かれるのです。

 

指導方法も二種類です。

 

1.の方には、間違った原因を指摘します。投入するデータの違いや処理方法の違いで結果が異なったのだと理解すると、進み方が早くなります。

 

2.の方には、もう一度プロセスをなぞってもらいます。そうしていきながら結果が異なることになった原因を探っていきます。そうすると理解が早いようです。

 

 

女性が文系が多いのは、単純に理系の科目を喰わず嫌いしているだけではないかという気がしています。今までの受講者の中で両方のパターンとも男女比はほぼ同率です。そんなに文系タイプに女性が多いとは感じていません。

 

良く言われるのが、女性(というより母性)は、理屈抜きの存在である幼子を育てる役目上、結果よりもプロセス重視だということ。私もつい最近までそう思っていました。

 

だって、プロセス重視でなければ、「食事をする」という結果だけを見れば、手づかみだってOKなわけです(笑)。ただ、それは父性も手づかみNGですよね。あんまり関係ないと今では考えています。

 

それよりも「女の子は理系より文系」という「社会的な雰囲気」で「文系」を選択している女性が少なからずも存在するのでは、という気がしています。私が高校時代も「女子だからやっぱり文系だよねー」という言葉を何度聞いたことか。私自身も発していた記憶があります。

 

この社会的な雰囲気というのが、結構曲者だと私は考えているのです。

 

実は、予定では、女性と管理職についてお話しようと考えていたのですが、行きつくところ社会的な雰囲気の話をしてからの方が早いかな、と思って、この話を先にしました。

 

私が、女性は25歳までに結婚した方が良い、と思っていたのも、会う人会う人に言われたわけではありません。そういうものだよね~~~という暗黙の何かがそこに存在していたのを感じ取ったからです。

 

女性が家事をした方が良い、というのも、暗黙の何かがそう思わせていました。

 

生まれてから疑問に思ったことがありませんでした。そういう雰囲気に包まれていたら疑問に思わないものです。

 

でも、体調を崩して、どうしようもなくなった時、そして、社会情勢が男性も家事をしようとなっていた時期でもあったため、旦那に家事を任せるという行動に出ました。

 

そうでなければ、気づかないまま、過労死していたかもしれません。

 

今、女性がセクハラ問題に声を上げ始めています。これも、少し前まで、「声に出してはNG」と思われていた社会的な雰囲気に包まれていたから声を上げられなかったのです。今、それは間違っていると気づいたから声を上げ始めたと考えています。

 

日本は女性管理職が少ない、と言われ続けています。政府も増やす政策を出していますが、なかなか増えない。これも会社内に逆の方向を持った社会的雰囲気があるからだと私は考えているのです。

 

それでは、今日はこの辺で。

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