人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

お客から「これ、お願い!」と言われた時

前回は、上司から仕事が振られることについて
お話ししました。

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今日は、お客から突然
「これ、お願い!」と言われた時について
お話したいと思います。

 

いやー、このテーマで思いつくのは
以前の会社でお世話になったお客様です。

 

作業が部下に突然振られてくるので、
部下から連絡が突然やってきます。
で、こちらは突然お客との交渉に入るわけです。

 

結構、苦労させられました。

 

今日は、そんな場合、どうする?
をテーマにお話しします。

 

1.仕事の範囲は事前に決めておく

もし、お客から突然仕事を振られた時、
まず最初に行うのは、
振られた仕事が当初より決めた事かどうか、
です。

 

契約書に明記するのが一番です。

 

それができない場合は、何かを始める際において
プロジェクト計画書を作成して
お客と合意をしておくこと。

 

最初から仕事の範囲を決めておくことです。

 

これが一番なのです。

 

ただ、モノを作る場合と違いサービスの場合、
仕事の表現が「あいまい」な場合が多いのです。

 

仕事というのは、明確な区切りで分けられるものと
区切りの境にあるあいまいな仕事があるのです。

 

例えば。
わかりやすく家事労働で考えてみます。

 

買い物をする、という仕事があるとします。

 

必要なモノをリストアップし、それらを指定されたお店で購入する、
という仕事です。

 

それらは問題ありません。

 

が、帰宅した後に待ち受けるのは、
買ったものを収納する仕事です。

 

これは「買い物」という仕事に分類されるのか、
「片づけ」という仕事に分類されるのか、
微妙なところです。

 

でも、しない訳にはいきません。

 

買ったモノが玄関に置きっぱなしだと
見た目が悪いですし、
第一不便です。

 

買ったモノを袋に入れたまま保管する場所がある、
というのも珍しいですし、
生鮮食品は冷蔵庫に入れる必要があります。

 

先日、我が家でこの作業を行った際
時間を計ってみました。

 

その日はフルの買い物でした。
フルの買い物とは、一週間分の食糧や
消耗品の買い足しの買い物作業です。
その分、買った品数が多くなります。

 

帰ってから荷物を車から降ろす作業も含めると
約30分でした。

 

1,000円の時給だと500円分の仕事です。

 

この程度の時間がかかる作業が
一回限りであれば、大きな問題はない
と思われるでしょう。

 

ですが、買い物のたびに発生する作業です。
回数は買い物の数に比例して多くなります。

 

30分の作業は最大の作業量なので、
作業時間は買い物の数に反比例して少なくなると考えられます。

 

そうやって計算して、お客との間で
当初の契約書や計画書に組み込むかどうかを決めるのです。

 

そして、決めた内容にできる限り従いますし、
お客にも従ってもらいます。

そのためには、事前にどれだけの作業を思いつけるか
ということが重要です。

 

実際に作業を行ったことがある社員を含め
どんな作業があるのかを洗い出します。

 

その際、あいまいな作業については
丁寧にヒアリングが必要です。

 

あいまいな作業があいまいなのは、
その作業に名前がついてないからです。

 

あいまいな作業にはできる限り気がついた時点で
何らかの名前を付けておくことです。
そうすることでリストアップが楽になります。

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2.お客のリスクを伝える

ただ、お客との人間関係の構築によっては、
「そんなに四角四面に考えずに
ちょっとやってよ~~~」
という風に言ってくるお客が必ずいるものです。

 

その際は、

  • やった場合のリスク
  • やらない場合のリスク

の両面から判断することが必要です。

 

もちろん、このリスクは、
自分たちのリスクで考えるべきです。
自分たち目線でリスクを考え、
やる・やらないの判断をします。


そして、「やらない」と判断した時、
それをお客に伝える時は
「お客のリスク」とします。

 

「それをすることでのリスクは
○○さん(お客の名前)が××になった場合に
困ってしまうことですよ」

 

といった風に表現します。

 

自分たちのリスクをお客に伝えても
「それはそちらで何とかしてよ~」
と言われるだけです。

 

そのお客に振られた仕事をしたくない場合は
それをすることでお客が困るリスクを列挙して
「そんなリスクがあるならやらない」 
と言わせることです。

 

一種の交渉術ですね。

 

3.納得感が大事

もし、その仕事をやらないことで
自分たちのリスクが大きくなるようでしたら
ここはお客に振られた仕事をするべきでしょう。

 

例えば、やらないことで
お客からの信頼感を失ってしまう、とか
次の契約継続がなくなってしまう、とか。

 

この場合は、結構大きなケースでしょう。
自社の社長などの経営者を巻き込んで
判断してもらうことが必要になります。

 

もっと小さな事例でも
お客と面倒なことにならないためにも
ここはやっておくか、という判断もあります。

 

先ほどの買い物の例で具体的に言えば、
買ってきたアイスクリームを冷凍庫に収納した際
冷凍庫がいっぱいで閉まらなくなってしまい、
冷凍庫の整理を急遽しなければならなくなった場合です。

 

冷蔵庫と違い、室温によっては
かなり急いで仕事を完了すべきです。

 

アイスクリームが解けてしまったら
買い物という契約上の仕事が完了しません。

 

入らないからと、テーブルの上に
アイスクリームを置いたままにしておけば
当然解けてしまいます。

 

買ったモノを即使えるようにする収納という作業を
請け負っているのであれば、
それはお客の信用を失いかねません。

 

でも、冷凍庫の整理という作業は
契約の中には入っていません。

 

その時、簡単な冷凍庫の整理を行ったり、
冷凍庫の中の不要なモノを整理したりする作業を
あえて行うこともあります。

 

その時に気をつけていただきたいのは
自分の心の中で「納得感」を持つことです。

 

「お客から言われたからするけど、
ホントはやりたくないんだよね・・・」
と思いつつ仕事をするのは、精神的に辛いものがあります。

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やると決めたなら、納得できる理由を
自分に課すのです。

 

あるいは、部下が納得できる理由を
伝えるのです。

 

要は、その仕事をすることで
こんなメリットがある、
と考えるのです。

 

4.まとめ

お客から「これ、お願い!」と言われ
仕事を突然振られた時の対処方法について
話してきました。

 

まず最初の段階で、
仕事を突然振られないように取り決めておくこと。

 

契約書や計画書などで、仕事の範囲を決めておくことです。

 

仕事の内容を列挙することも大事です。
その際あいまいな仕事があれば、
その仕事に名前を付けましょう。

 

次に、仕事の範囲外だけど無理に頼まれた時、
仕事をする・しないを決めることになります。

 

その判断基準は、することのリスクと
しないことのリスクです。
この際のリスクは自分たちのリスクです。

 

しないのであれば、することによる
お客のリスクを伝えましょう。

 

自分にリスクが振ってくるのであれば、
お客も無理は言いにくくなります。

 

最後に、すると決めたのであれば、
自分や部下に対してすることの納得感を
与える理由付けをしましょう。

 

いやいややるのは、後々トラブルになります。

 

仕事の範囲が決まらないのは、
残業の大きな原因です。

 

ぜひともお客にも協力してもらって
仕事の範囲をきちんと決めるようにしましょう。

 

それでは、今日はこの辺で。