人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

記憶しやすい知識の教え方

人に教える方法は、一つではない、
という話は以前しました。

 

万人に教える方法は万通りある、ということですね。

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だからといって一人ひとりに合わせた方法を模索していたら、
本当に大変です。

 

だから、今回は技術編として
テクニックの1つをご紹介します。

 

これはどちらかというと知識を伝える時に
使えるテクニックです。
学校の勉強でも使える方法ですね。

 

知識を覚える際、困るのが記憶力の個人差です。
記憶力を補助するのが
知識体系です。

 

私は学生の頃からあまり記憶力に自信がなく
学校のテストは苦手でした。
(もっともテストが好き、
という人に会ったことはありません(苦笑))

 

学校であれば、ちゃんとした知識体系ができています。
学校のカリキュラムは専門家が構築したものです。

 

ですが、大企業ならともかく小規模企業だと
必要な知識を教える体系などありません。

 

ついつい、教える方が思いつくまま
伝えてしまう、といったケースが多くなってしまうのです。

 

思いつくままの情報を伝えられると
教えられる側は混乱します。

 

それでも若い方ならば
その記憶力にものを言わせてグイグイと
覚えていくでしょう。

 

でも、ある程度の年齢が来ると
力技的な記憶では限界が来ます。

 

よく20代になったばかりの学生から言われます。
「最近、記憶力が落ちてきて~~」
その際は、
「私にケンカ、売っとのんのかい?」
と返します(苦笑)。

 

会社に就職するのは、この年代の若者なので
若いから記憶力に頼ってグイグイ・・・
とはいかないことの方が多いでしょう。

 

ましてや
40代以降になってくると記憶力に自信がある方でも
ガクッと記憶力が落ちてくるのを実感します。

 

そんな記憶力に自信がない方々にお勧めなのが、
知識体系なのです。

 

専門家でなくても大丈夫。

 

自分なりの知識体系を作ればいいのです。

 

難しくはありません。
この○○という知識は××と関連があるなぁ、
という関連があるもの同士をつなげていくのです。

 

その際、元となるような大まかな知識があり
それを補填するような細かな知識群があれば
それは親子関係になります。

 

方程式というものに一次方程式や二次方程式があるように。
方程式の解法の基本があり、
一次方程式独自の解き方、
二次方程式の独自の解き方・・・
という構図です。

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こんな風に関連付けていくと
ちょうどジグソーパズルのピースのように
知識が当てはまっていくのです。

 

そうなれば、とても記憶しやすくなり
忘れにくくなります。

 

これには「メタ認知」というものが必要です。

 

知識と知識の関連性を考えるには
通常のレベルより一段高いところに
意識を持っていく必要があります。

 

この件については

ugrade.hatenadiary.jp

で述べています。

 

なので、教える時に関連がある知識を
別々に教えたり、
関連がない知識を一緒に教えたりすることは
混乱のもとです。

 

特に仕事を教える場合、
場合によっては異なる作業を教えることが多く、
いろいろな知識がゴチャゴチャになってしまいます。

 

そのために
「○○は××で、△△は□□で・・・」
と教えてしまうことがあります。

 

具体例として、
「この書類は○○さんの時にはここに捺印してもらって、
××さんの時はFAXで送って、△△さんには・・・」
といったように個別の場合ごとにやり方が異なる場合です。

 

いわゆる「人によって異なるやり方」です。

 

これはこれで良い点も多くありますが、
仕事が属人的になってしまうと、
残業のもとにもなりますし、
人が育ちにくい環境にもなってしまいます。

 

教える前に是非とも
共通の知識だけでもまとめておくことを
おすすめします。

そうすることで教えてもらう側の負担が少なく
その分、早く、そして忘れずに覚えられるからです。

 

ケースバイケースがどうしても必要な場合は、
基本がわかった人に対して少しずつ教えるのが一番です。

 

それよりも、面倒なケースバイケース
(人によって異なるやり方)であれば、
いっそのこと新人が来たことを理由に
統一させてしまう、ということも手です。

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※統一させるのは難しいからひと眠り・・・(笑)

 

少し話が逸れました。
もとに戻します。

 

人が記憶しやすい知識の教え方は、
知識の体系化、つまり、知識同士の関連性を
明確にすることが一番です。

 

そう考えた時、私の高校の歴史の先生を思い出します。

 

1年生の時の歴史の先生がすごかったのです。

 

歴史の授業は事実の羅列になりがちで、
記憶の量は半端なく、覚えにくいです。

 

ところが、その先生は、
出てくる人物がまるで生きているかのように話し、
講釈師のように語ってくれるので
授業が退屈ではなかったのです。

 

当然ながら歴史は人と人が関連性を持つ時の事件が
流れていくのを学ぶ学問です。

 

事件と事件の間(知識と知識の間)には
関連性が必ず存在しているのです。

 

ただ、それを羅列した年表を見ただけでは
覚えるのは大変です。
ましてや何十年も記憶しておくことは不可能です。

 

といっても歴史の授業をすべて物語風にするのは
無理があります。

 

そこまでしなくても関連性を伝えるだけでも
歴史の事実が記憶に残るのではないのでしょうか。

 

高校1年の時の歴史の先生は、
その後大学に戻ってしまわれたので
会えていません。

 

それでも少なくとも私はそれ以降歴史好きになりました。

 

知識そのものは、大人になってから
身につけたものですが、
覚え方はその時の先生風です。

 

もっとも関連付けて覚える方法は、
共通テスト直前の今、点数を稼ぐことは不可能です。

 

でも、会社で仕事をしていく上で覚えておく必要がある
知識を教えるには適している方法だと
私は考えています。

 

それでは、今日はこの辺で。