人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

レビューを意識する

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

レビューという言葉をご存じですか?

 

IT企業に勤めていた私は頻繁に耳にする言葉ですが、もしかすると一般の企業にお勤めの方は知らないかもしれません。通常、IT企業では社員が作成したシステムの設計書をベテラン社員や上司に見せて、評価を受けることを「レビュー」と言います。目的は、顧客が望んでいるシステムになるようきちんと設計できているかどうか、を判断することです。システム開発では設計時のみならず、前半の工程の最後はレビューです。顧客が望んでいる機能を備えたシステム要件になっているかどうか、テスト仕様が品質を保証されるものになっているかどうか、など、レビューをします。

 

ちなみにレビューの対象はあくまでその時点での「成果物」です。人物評価ではありません。よく勘違いされる方がいて、「レビューがダメだったから、ボーナスが下がる」なんてことは通常起こりえません。あっては絶対にダメです。

 

企画書や提案書などを作成する場合も、このレビューを受けると良いと思います。レビューしてもらう相手としては、企画書や提案書を提出する上司や関係者です。

 

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そして、レビューの仕方です。

 

良くあるパターンは上司と関係者にメールで送って「確認してください」というもの。これでは、レビューにはなりません。

 

面倒でも上司と関係者を一同に呼んで、会議室で作成した企画書や提案書を読み上げながら内容を確認してもらうことです。作成側からするといわば発表会形式になります。

 

ヤダなぁと思った人、いると思います。メールで送った方が効率的じゃん、と思う方もいるでしょう。実はこういった面談形式のレビューの方が時間短縮になります。

 

上司はいくつもの業務を抱えており基本的に忙しいです。メールに添付された企画書や提案書の「ここを修正!」というのを書くことすら面倒です。ましてや修正理由をタイピングするくらいなら口頭で言った方が早いということになります。印刷して付箋を貼るにしても修正理由を書くのは更に面倒です。よって、修正箇所はわかっても修正理由がわからないので、上司の言い分を想像しながら修正することになります。

 

その修正が上司の修正理由にジャストミートしていれば、すぐに済みますが、通常そういうことはなく、修正しても修正だと言われ、それを繰り返すことになります。そうやってどんどん時間がかかってしまうのです。

 

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こんなやり取りに時間をかけるのはもったいないので、ぜひ、レビューを実施してみてください。30分から1時間程度で完了します。修正理由もきちんとわかります。

 

それよりももっと良いのが、上司や関係者を巻き込むことができることです。メールで添付された文書だったら「時間がある時に見ようと思ったけど、時間がなかったんで見ることができなかった」という人が必ずいます。が、実際に口頭で説明を受けながら文書を見るレビューに参加すると、それは即ち上司や関係者をこの企画や提案に巻き込むことができたということです。つまり、内容に対する責任を上司や関係者にも負わせることができるということでもあります。これは企画書や提案書を書く人にとって大きなメリットです。

 

次回は、このレビューのスケジュールについて話します。

 

5月19日にセミナーをします。FacebookのイベントページもしくはFAX・メールでお申込みください。

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