人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

スーパー従業員とはどんな人物か

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日は次の図を表示したところで終わりました。今日はこの図について説明します。

 

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これは、企業の経営者の方を含む様々な方に聞いて、もしスーパー従業員がいたらこんなスキルマップをその人物は持っているだろうと考えて、私が作りました。

 

左下から順に説明します。

 

「仕事に関する知識」は、通常社内で仕事をする時に必要な知識です。例えば、金融機関で働くのであれば業界の知識や職種独自の知識が必要でしょう。良く業界用語はこれら知識の集大成ともいえると思っています。その他に、社内の雰囲気や人柄なども知識のうちに入ると思います。●●課長は朝が弱いので難しい相談は午後にする、といった知識です。なので、基本的に長年勤めていればいるほど知識は深まります。

 

「仕事に関する技能」は、通常社内で仕事をする時に必要な技能です。例えば、製造業であれば、製品を作る際の機械の操作方法、手作業ならば品質の高いものを作り出す技術などが含まれます。これも基本的に長年勤めていればいるほど技能は高まりますが、社内で異動があった場合、まったく異なる技能を要求されることがあります。極端な例ですが、同じ社内でも製造を行っていた人が経理部門を担当するようになれば必要になる技能は異なってきます。ただ、業界の知識や会社を取り巻く関係者に関する知識は持っているので、仕事のやり方には戸惑うことはあっても、社内で起こっていることに戸惑うことはないと考えています。

 

続いてその上にある「マネージメントスキル」です。その名の通り、管理職になると必要とされるスキルです。本来なら管理職直前に身につけるべきですが、だいたいの会社は管理職になってから研修等で身につけているようです。部下や予算、モノやサービスの品質など、社内で管理すべきものはたくさんあります。それらを管理する手法やその背景にある考え方などを表しています。

 

これら3つのスキルは、従業員がステップアップしていくにつれ、どんどん身につけていくスキル群です。

 

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今度は右半分です。下段の「社会人としての一般スキル」です。いわゆるビジネスマナーを代表とするマナー群です。飲み会でのマナーなども含まれます。このスキルは社会人であれば誰でも身につける方が良いものなので、従業員だけではなく、自営業や無職の方も一定の年齢になるころには身につけているものとみなされます。スムーズな人間関係の構築なども含まれます。

 

右の上段「企画・交渉力など汎用的スキル」は、仕事をする上で身につけておくと非常に有利なスキルです。新しいサービスの企画をしたり、他部署との交渉、他の人間を巻き込む力など、身につけておくと他の会社でも十分に通用するスキルです。他にもモチベーションを自己管理するスキルや自分で学習することをコントロールする力なども含まれます。なので、汎用的スキルという名前をつけています。このスキルは、なかなか身につけられるものではないですし、発揮できる職種も限られてきますが、管理職になってくると持っていた方がより良いと思われるスキルです。

 

ただ、これら右側のスキルは左側のスキルと比較すると、どこまで身につければ終わりなのかがわからないスキル群です。そのため生涯精進していく部分でもあるかもしれません。いわゆるゴールがないのです。

 

最後に一番上にあるのが「リーダーシップ」です。経営者や事業のトップの方が持つべきと言われているスキルです。目的を達成するために周囲の人間を巻き込みながら、チームを引っ張っていくスキルです。

 

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ただ、誤解していただきたくないのは、このリーダーシップスキルは新入社員であっても持っておくべきだと私は思っています。それは、これからおいおい話していきます。

 

以上のスキルを十分に持っている従業員のことを私はスーパー従業員と呼んでいます。そんな従業員ばかりだったら、きっとその会社は大いに発展するかもしれません。全員がそんな従業員ではなくても、1人か2人くらいでも社内にいたら・・・と思う経営者や事業のトップはいるでしょう。昨日、私が訪ねた方々もそう思っているからこそ理想をまくしたてたのだと思います。

 

では、フツーの従業員はどうなっているのでしょうか? 一般的だと想定されているモデル従業員を想定してスキルマップとともに分析していきましょう。続きは、また明日。