人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

フツーの従業員はどんな人物か?

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 昨日はスーパー従業員について話をしました。

 

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スーパー従業員ではなく、フツーの従業員である方々はどんな方々でしょうか?

 

フツーの従業員の想定をします。入社3年以上は経っていて、それなりに仕事は一人前にこなすことはできるが、管理職にはまだなっていない、という人。後輩が何人かいて、その方々に指導をしています。

 

そんな方のスキル図はどうでしょうか? おそらく、「仕事に関する知識」や「仕事に関する技能」はそれなりに充実しており、だから一人前に仕事をこなせるようになっているのです。「マネジメントスキル」はまだまだです。本人もこのスキルを身につけようという意識はありません。

 

右側の「社会人としての一般スキル」は少し身についてきています。ですが、周りも本人もまだまだと思っています。その上の「企画・交渉力など汎用的スキル」は、まったく身につけることを想定していないでしょう。まだ違う世界の話、くらいな感じだと思います。

 

さて、一番上の「リーダーシップ」はどうでしょうか?

 

私はわかりやすくリーダーシップは一番上に配置しました。ですが、この想定している従業員にはまったく不要なスキルでしょうか?

 

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何人かいる後輩に対しては管理職ではないけれど、仕事のリーダーとして存在しなければならないのではないでしょうか。そこにリーダーシップは当然必要です。ですから、この従業員にもリーダーシップは身につけておく必要があると思われます。

 

しかし、入社3年目の従業員にリーダーシップ研修を受けさせる会社はあまり聞きません。入社時から将来の経営陣候補者として選別されている方々ならともかく、通常の一般社員であるフツーの従業員にリーダーシップ研修を受けさせようとは考えられてないようです。リーダーシップ研修は管理職になる前やなった直後などに配置されています。

 

おそらく学生時代、リーダーシップについて話を聞いたことがあるはずです。ですが、本人も周りもリーダーシップと聞くと「自分には関係のない世界」と思っていることが多いです。事実、私自身もそうでした。私も会社に所属していた時、リーダーシップは社長が持つべきスキルで、従業員の自分には不要だと思っていました。

 

でも、ちょっと考えてみれば、後輩ができた時点でリーダーシップは必要です。そう考えれば、従業員全員がリーダーシップを持った方が良いのです。

 

私は現在の人材育成の課題の一つはここにあると考えています。

 

リーダーシップというとリーダーが持つスキルというイメージが濃くて、良く新聞では「混迷の時代だから強いリーダーシップを持ったリーダーが必要!」なんて見出しを見かけます。でも、私は従業員(平社員を含めて)であってもリーダーシップが必要だと考えています。

 

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孤高のリーダー像?

 

昔、勤めていた会社の社長が言った言葉がずっと頭の中にあります。「リーダーシップはフォロワーシップと背中合わせの存在だ」ということです。フォロワーシップはリーダー以外の人たちが持つべきものですが、それはリーダーを弱いフォロワーたちが支えるだけ(悪く言えば「言うなりになるだけ」)というのではなく、リーダーと同等の力でリーダーを支える、という意味だと考えています。

 

リーダーではないからフォロワーシップと言っているけれど、リーダーになればそのフォロワーシップはすぐにリーダーシップに変わる、ということです。

 

平社員にも必要なリーダーシップというと驚かれるかもしれませんが、会社が強くなるには必要なスキルであると私は考えています。これについては、また明日お話します。