本の内容が頭の中に入る速読法
ユーグレードでビジネストレーナーをしている安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
眉唾的なタイトルですが、あながち嘘じゃないと思っています。
私は基本的に暗記ができない人です。
テスト前日に丸暗記するのがとても苦手でした。
記憶するには理屈を理解して覚える
・・・そうでなければ、理屈抜きでの暗記は
テスト前の5分休みの時間内に覚えられる量のみです。
本を読んでも、読んだという記憶は残るのですが、中身はさっぱり、
ということがたくさんあります。
中にはタイトルさえ忘れてしまっていることがあります。
なので、Amazonで購入後、「あれ? 読んだことがあるような・・・」と
購入履歴を見てみると、確かに以前買ってた・・・なんてことが。
最近、Amazonは「購入済みですよ」と注意してくれるようになったので、
今では本屋で買わずにAmazonに頼り切りです(苦笑)
そんな私が、今年に入ってから、「あの本に書いていた内容は・・・」
と思い出せるようになりました。
私にとっては進歩です!
だって、年齢的にはかなりオバ・・・さん・・・になっているのに!
その方法は、昨日ご紹介した3冊の本の合体バージョンです。
基本ラインと読書全体の考え方は佐藤さんの「読書の技法」。
実際の読書の手法は宇都出さんの「どんな本でも大量に読める「速読」の本」。
読書の最終目標の考え方は斎藤さんの「斎藤孝の速読塾」。
このお三方が口を揃えて言われていることは、
「事前にテーマに関する知識を持っておかないと速読はできない」
「読書の最終的な目的は、本の著者の考え方を理解する」
ということ。
もっともなことなんですが、私は全く考えてもいないことでした。
私は本を教科書と同じようにとらえていたようです。
教科書は学校で学ぶ間、
すべてをきちんと理解して記憶しなければいけません。
だから、本の中の技術を全部学習するためには最初から一字一句
間違えずに読むべき・・・だから、時間がかかる。
少し躓いたら先に進めない。。。自己嫌悪。。。
早くは読めないし、ほんの一部しか記憶ができていない。。。
そこで、まずは
「事前にテーマに関する知識を持っておかないと速読はできない」
について。
そのテーマの知識はある程度持っていると、
その中に出てくる単語(専門用語)の意味を良くわかっているので、
スムーズに読むことができる=速読ができる
ということ。
また、先の内容が大雑把であってもつかむことができるので、
これが更に早く読み進めることができる。
作者の考え方の傾向が事前に把握できると、
本を理解するのにとても役に立つので、
速いスピードで読み進めることができます。
私は元々IT系だったので、IT系の人々が良く使う言葉は理解ができます。
でも、ITを全く知らない人が読むと、
通常の文章に出てくる言葉の意味がわからず、
そこで止まってしまいます。
この本はこういった傾向の本で、
あの本はああいった傾向の本だ、
ということが私にはわかるのですが、
ITを全く知らない人はおそらく難しいでしょう。
具体的に話せば、
例えば「プロジェクト」という言葉。
IT系の人なら、すぐにわかると思います。
この言葉を知らない人にとっては、
プロジェクトが指す概念がわからないので、
プロジェクト管理の説明は頭にスッと入っては来ないでしょう。
まずはプロジェクトとは・・・という定義から話を進める必要があります。
続いて、
「読書の最終的な目的は、本の著者の考え方を理解する」
について。
本を読む最終的な目標は、
「要は○○といったことが著者は言いたかったんだ」
と一言で言い表すこと。
細部の理解ばかりに目が行ってしまうと、
この最終目標に到達できないまま、
読書が挫折してしまうことになります。
ただ、最終目標にこだわりすぎてもいけません。
著者の言いたかったことを完璧に理解するまでは・・・
と思いすぎてもいけないのです。
著者の考え方を理解すれば、細部にこだわる必要はないし、
著者の考え方のすべてを理解しなければならないわけでもない。
著者と私とでは圧倒的な知識量の差があるのだから、
著者の考えを一冊の本で完璧に理解することはできない。
それを念頭に置いておかないと、
一冊の本を読み終えることができなくなります。
今、私は維摩経についての本を読んでいます。
『維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著) ムック – 2017/5/25
でも、仏教についての本は今年に入ってからこれで三冊目なので、
言葉の定義が何となくわかります。
言葉がわかるようになると、
あんまり苦もなく読み進めることができています。
そんな自分に驚きます。
そうなると著者の言いたいことが何となく理解できるのです。
ああ、そうなんだ・・・
この本との出会いを大切して、
今、本を読んで楽しむことが大事。
だから、
おおかた、こんな感じ?
でOKだということ。
こんな風に考えて読んでいくと
頭の中に何となく残った状態で、
しかも意外と早く読めているのです。
ところで、NHKテキストの「100de名著」シリーズは
先月初めて知ったのですが、便利ですねー。
いわゆるリーダーダイジェストです。
でも、維摩経なんて、現物を読みたくはないですし、
読んでも時間がかかるだけですよね。
でも、あっという間に読めちゃいます。
これで500円(税抜き)。
何かお得感、満載。
気分は聖徳太子。
長くなってしまいましたので、
具体的な手法については明日に回します。
それでは、また明日。