人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

勉強は「勉(つと)めて強(し)いる」、学習は「学んで習う」

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週から「学び方」についてお話をします。

 

私が学び方について考え始めたのは、高校生くらいからです。というのも暗記がとても苦手と感じ始めたのがきっかけです。いわゆる丸暗記がどうしてもできないのです。

 

丸暗記が苦手になると、テストの時に当然苦労します。なので、自分らしい学び方は何か、ということを考えるようになりました。もっとも学び方を考えているうちに高校生活は終わってしまったので、結論が出ないまま進学・就職となりました。

 

ダメだなぁ、私。と思っていた20歳代前半のころ、ひとつの学び方を見つけることができました。

 

その当時、バイクに憧れがありました。ただ、周りにバイクのことが詳しい人がいるわけでもなく、フツーの文系の学校を出た者にとって、バイクの情報をどうやって学んだら良いのだろう、と考えました。当時の私は、バイクの免許は身長によって取れる種類が異なる、なんていう都市伝説を信じ込むくらい、無知だったんです。

(当時も今も、バイクの免許取得に身長は関係ありません)

 

何から手をつけたら良いのか、わからないまま、私は書店に行きました。当時、インターネットもない時代。情報を得るには図書館や書店と決まっていたのです。

 

ぼんやりと書棚を眺めていた時、バイク雑誌が目に入りました。

 

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通常の書籍だとタイトルからして難しく、何を読めば良いのかが全くわからなかったのですが、雑誌なら初心者のコーナーが必ずあり、解説が載っています。自分に合った雑誌を見つけるべく、書棚にあったバイク雑誌を全部買いました。月刊誌が5冊程度だったと思います。

 

買った5冊全部に目を通すと、自分に合った雑誌が徐々にわかってきます。雑誌によって、記事の視点が違うことに気づいたのです。自分が知りたい方向性が載っている記事が多い雑誌は限られてきます。結局、2冊に絞って、翌月からその2冊を定期的に購入することにしたのです。

 

特に初心者向けに解説している記事は丁寧に、ベテラン向けの記事はサラッと目を通す程度にして一年が経ちました。そこで、1冊の購読を辞め、残り1冊も気に入った記事が掲載されている時だけ買うようにルールを変更しました。

 

雑誌は月ごとの特集が組まれています。ですが、実はこの特集は一年で繰り返されていることが多いのです。前年と全く同じ特集ではないにしろ、目新しい内容が当然少なくなります。情報が欲しかった私には、急に魅力がなくなったと感じたのです。

 

その頃には、書籍も数冊読みましたし、実際に一番小さなバイクも購入して乗るようになっていました(なけなしのボーナスがなくなりましたが)。街中を入っているバイクはチラリと見ただけで車種がわかるようになり、エンジンの仕組みもおおかた理解できるようになりました。

 

もちろん、好きなこと、興味のあることだったから、一年もの間、雑誌を読み続けられたんだということはあると思います。また、毎月雑誌を買うというルールが比較的簡単だったこと、そして、毎月、目新しい記事に興味を惹かれ続けたことも大きな理由だと考えています。

 

その当時、「勉強は「勉(つと)めて強(し)いる」、学習は「学んで習う」」というような言葉を聞きました。学校の勉強はなかなか思うようにはいかなかったけど、バイクは自らの意思で学べ、習ったと考えています。

 

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今ではバイクのことは全くわかりません。あれからン十年。情報を仕入れなくなったため、すっかりついていけなくなりました。でも、この経験は、その後ずいぶんと役に立ちました。

 

30歳代になって、「パソコン」、「コンピュータネットワーク」と学ばなければならなくなった時、雑誌をとりあえず一年購読する、というスタイルを取りました。全くの初心者が一年という時間はかけるものの比較的スムーズに学習する手法として私の中では確立したものになりました。なかなか書店に行く時間が取れない場合は、雑誌の定期購読も利用しました。

 

もちろん、最近はインターネットがあるので、ネットで調べれば、と思われる方は多いでしょう。ただ、私は初心者が新しいことを学習するためのとっかかりは、専門の雑誌が良いと考えています。

 

理由はネットの情報量の多さです。専門サイトの更新はほぼ毎日のように行われるので、初心者はついていくのが大変です。また、初心者向けとベテラン向けがはっきりと区別されていないサイトも多いので、適していないと考えています。

 

専門の雑誌がサラッと読めるようになれば、きっとどんなインターネットのサイトも読めるようになると考えています。

 

全く初めてのジャンルを学習する時、専門雑誌をとりあえず一年読む、というスタイルは、かなり理にかなっていると考えています。専門雑誌の目的は、いろんなレベルの人たちに向けての情報提供なので、初心者のためのコラムなどが必ず用意されています。そこで、必要な基本的な概念や重要な用語などを詳しく解説してくれます。この基本的な概念や重要な用語をどれくらい知っているかで、次の学習のステップがスムーズになるのです。

 

今は雑誌がネットで読めるサービスが充実しています。こういったサービスを利用して専門分野の基礎知識を身につけていくのも良いでしょう。

 

新しい分野を学習するには、基本的な概念と重要な用語を学ぶこと、これには専門雑誌が適していると考えています。

 

明日は、専門家について話していきます。

それでは、また明日。 

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