社歴より人脈が大事
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
あなたはその会社に何年お勤めですか?
通常、学校を出てすぐに新卒採用された後、定年退職まで40年程度。40年間もの間、同じ会社に勤めるというのはものすごいことだと思っています。人生80年なのに、その2分の1が同じ会社内での期間なのです。
IT企業の場合転職をする方が多いため、年齢と社歴は平行線ではありません。なので、年上でも社歴が浅い方がいらっしゃいます(社歴より職歴が優先されるのです)。ただ、社歴が浅くても長くても、あまり社内の人に関心を示さない人がいます。逆に去年入ってきたばかりなのに、社内に知り合いがたくさんいる人もいます。
あなたは、周りにいる社員以外の人を何人知っていますか?
同じ職場(部署)で働く人のことは当然知っていると思います。上司や部下、同僚・・・たくさんいるでしょう。では、違う部署の方は何人ご存知ですか?
経理や人事、総務などを担当する部署の方以外では何人ご存知でしょうか?
「ウチの会社は小さな支店が全国に散らばっていて、支店ごとの交流もあまりないから・・・」
そういう理由でほとんど知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに業務上、他部署と顔を合わせることがない、ということも考えられます。ですが、社内研修や社内イベントで顔をあわすことはあり得ます。出張で他の支店の人と一緒に仕事をする、ということもあるでしょう。他にプライベートの旅行で、ちょっと他支店に顔を出す、ということもないのでしょうか?
私は、同じ会社の中での人脈も大事にした方が良いと考えています。
別に社内に派閥を作れ、と言っているのではありません。顔見知り、ちょっとしたことを話せる知人、そういった方々を作っておくのは無駄ではないと思っているのです。だって、共通の話題は持っている間柄なのです。共通の話題、すなわち自分の会社という話題。社長のこと、○○部長のことを知らない間柄ではありません。
そういった人脈が必ず人生に必要になる、ということではないです。私のように会社を辞め独立する時に社内の人脈が役に立つか、と言われれば、直接的には立たないかもしれません。
ただ、社内にいる時、そういった人脈が役に立つということがあります。
社内に会社に関するあるウワサが持ち上がったとします。それも悪いウワサの時、つまり会社の運命に関わるようなウワサの時、社員としては何となくソワソワした感触に陥ります。中にとても心配症の社員がいればウワサが社内の雰囲気に悪影響を与えてしまうことだってあります。
ウワサはウワサ。というように割り切ってしまえるのであれば良いです。でも、落ち着かずに仕事も手につかない状況になってしまうと、仕事の効率も落ちてしまいます。それを元に戻すには、ウワサの真相をキチンとしたところから確かめるのが一番です。
キチンとした確認場所は社長です。社長に確認できるパイプを持っている人がいれば一番強みです。そうでなくても、ある程度の事実を知っていそうな人とのコネクションがあれば、その人に確認することができます。
できれば、この社内人脈は社内派閥がある場合、派閥外の人脈を持っておくことがお勧めです。派閥内だけの人脈での確認は、その派閥に都合が良いだけの情報しかない場合が多いためです。
つまり、何事も情報戦ということです。情報を持っている方が優位に立つのです。社内でも。そのためにも社内でも人脈を築くことが大事だと考えています。
社歴は長いんだけど、人脈は全く持っていない、という人は、まだその会社に在籍するつもりならば、少しだけ人脈ということも考えてみてはいかがでしょうか?
社歴より人脈が大事なのです。
では、人脈を作るにはどうすれば良いのか。
社内イベントにできれば積極的に参加すること。社内研修などにも参加することです。全社的な集まりや創業記念のパーティなどは一番のチャンスです。
そういったことが苦手、そういった機会があまりない、という方であれば、職場内での飲み会の幹事もチャンスです。飲み会の幹事は若い人がやることに決まっていて、自分は当てはまらない、ということであれば、幹事のお手伝いでも良いと思います。
同じ部署内だけの人が集まるところしか行かないのではなく、違う部署の人が少しでも来そうなところに顔を出すこと。これが人脈を広げるチャンスなのです。
社内での人脈作りは、はっきり言って簡単です。先ほども言ったように共通話題があります。同じ社員同士という気楽さもあります。
まず安泰な会社であれば、悪いウワサも出ないし、問題はないと思う方もいらっしゃるでしょう。でも、社内で何か困った時があった時、この人脈がある・ないでは大きく違います。私もその人脈で助けられたことが何度あったか・・・
是非、社内での人脈作り、やっていただきたいなと思っています。いろいろなところで絶対に役に立ちます。
今週は年齢と社歴というテーマでお話をしてきました。来週は、もう少し本業に立ち戻って研修をすることについて、お話をしたいと思います。
それでは、また来週。