人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

分解したタスクを分類する

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日は、作業を分解することについてお話ししました。今日は、分解された作業を効率化するために組み立てる作業についてお話します。

 

火曜日にお話ししたように作業には優先順位というものがあります。とりあえず目の前の作業を片っ端からやっつける・・・というのではなく、する順序というのがあるのです。その順番を決める作業が今日お話しする内容です。

 

分解した作業を今度は分類していくことをします。ちょうど私が料理の作業で、火を使う作業かそうでない作業かに分類したように、作業を分類し、それぞれどのようにするのか、対策を考えていきます。

 

火曜日に「重要ではなくかつ緊急でないもの」は「しない」という方向性もある、とお話ししました。効率化を進めるのであれば、それも考える範囲内にあると思います。断捨離で、ものを片付けるにはまず捨てると良く言われているように、要らない作業は「しない」ということが重要だと思います。

 

ただ、いきなり「しない」のは問題があると思います。しなくても困らないように他のもっと簡単な手段で代替する、他のシステムに統合する、などの方法をとることで、「しない」ようにすることが肝心です。

 

しない作業かどうかの判断は、新入社員など社内の業務の全体がわからない人には難しいと思いますが、ある程度の職歴がある人であれば十分判断がつくでしょう。全社挙げての作業の効率化であれば、こういった判断ができる人をあらかじめ選出しておくと良いでしょう。

 

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緊急コール対応は大変だ!

 

そして、何をさておいても最初にしなければならない作業は、「重要かつ緊急の」作業です。この作業は「しない」ということではなく、いかに緊急度を下げるようにするか、です。

 

締め切りを忘れていて「重要かつ緊急の」作業になってしまったのであれば、締め切りを忘れないようにするように対策を講じること、ということです。

 

お客様から緊急の問合せが発生するような場合は、緊急の問合せが発生しないように普段から対策を打っておく、ということです。

 

緊急度を下げることによって、それは「重要だが緊急でないもの」となります。そうなると、計画に沿って作業を行うことができるようになり、作業の手順もわかりやすくなり、作業者の育成も余裕を持ってできるようになります。

 

「重要ではないが緊急の」作業においても同様です。緊急度を下げることが第一優先です。重要ではないので「しない」ということも視野の範疇に入れながら、できる限りなくしていく方向性にするのです。

 

例えば、担当者を変更するといったことも含めてです。

 

その人でなければならない、という場面があったとしても、他の人でもできないかと考える。また、IT化して作業自体をなくしてしまえないか、IT化するほどお金をかけられないということであれば作業自体を完全マニュアル化してシステマチックに誰でも簡単にできるようにする、といった方策を講じることができます。

 

例えば、書類はフォーマットを作成して、それを埋めていけば完成するようにする、などです。議事録などはフォーマットに会議中の文言を打ち込んでいけば良いようにすれば、誰でも作成ができるようになります。

 

また、この作業自体の総数を減らす、という工夫も効果的だと考えています。いうなれば「まとめてする」という方法です。個別な注文をされるお客様にセット売りをするとお得ですよ、といったセット価格を提案するなどで作業数を減らすことができると効率的です。

 

そして、最後に残った「重要だが緊急でない」作業が一番厄介です。

 

作業の効率化をする作業そのものがこの作業に分類されます。

 

作業の効率化をすること自体は誰も反対しない重要なことだけど、ヒマな時にしたいなぁ~と考えている方は多いのではないでしょうか。こう考えてしまうこの作業こそ「重要だが緊急ではない」作業になるのです。

 

実は、この部分に大切な作業がたくさんあるのです。

 

儲けに直接つながる作業は「重要かつ緊急の」作業です。でも、長期的な儲けの仕組みを作る作業だったり、細かなコスト削減のための無駄の洗い出し作業など必要なんだけどいつかやる・・・的な作業は、目先の儲け話に目が行ってしまうと後回しになります。

 

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組織で仕事をしている会社員であれば、あまりこの部分の作業に意識が行かないこともあるでしょう。特に新入社員のような若手社員は全く意識できていないかもしれません。ですが、管理職から上になってくると、作業のほとんどがこの部分になるべきなのです。

 

ところが、実際には違う場合が多いのが実情です。プレーイングマネージャという言葉が流行ってから、目先の儲けも大事になっており、管理職であっても儲けることをしなければならない、という状況であれば、なかなか時間をとってゆっくり考えることができません。

 

組織で仕事をしていない個人事業主や小規模企業では、駆動輪のように働きながらステアリングで方向性も決めていく、という働き方をしなければなりません。

 

このように管理職や小規模企業、個人事業主は作業を効率化しないと働きすぎになってしまうのです。

 

対策を講じる時に必要なチェックポイントは

  • するべきか、しないようにするべきか
  • 人間がするか、IT化するか
  • 誰がするか(店長がするのか、バイト学生がするのか・・・といったこと)
  • いつするのか(緊急度を下げると計画的にできるようになる)

といった観点で作業をどのようにするのかを考えていきます。

 

明日は作業の効率化に伴う課題についてお話します。

それでは、また明日。

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