プライオリティとは何か?
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
今週はプライオリティ、優先順位をテーマにお話しします。
はい、正直に申し上げます。プライオリティが苦手でした。正確に言えば、自分のタスクにプライオリティをつけることが本当に苦手でした。
そもそもプライオリティって何?ということから話しましょう。
Weblioから
プライオリティの意味:(時間・順序が)前であること、優先(すること)、優先権、先取権、優先するもの、(自動車の進行上の)優先権
つまり、仕事のプライオリティを考えて仕事を実行する、ということが、今流行り(?)の仕事の効率化で求められています。限られた時間の中で最優先の仕事を優先的に行うことで、効率的に結果を出すことができる、ということです。
タスクは仕事を細分化したもの、というお話を先週しました。
ということは、タスクには優先順位というものがあり、優先順位の高いタスクから実行していくということです。
ゾウが優先・・・とのこと
これができないと、実は会社内で結構キツイことを言われます。あいつはプライオリティがわかっとらん!とか、優先順位がわからないから仕事が遅いとか・・・本当に今までよく耳にしました。
私も苦手だったので、身につまされる思いを結構しました。なので、そういう方にプライオリティをつけるってどういうことですか? どうすれば良いのですか? という質問をしたことがありました。
今考えると、こんな部下を持ったら嫌でしょうねぇ。仕事の優先順位がわかっとらん!と怒っているのに、じゃあ、優先順位ってどうやったらわかるんですか・・・ってなことを聞かれたら・・・・。お前、そもそも論から説明せんといけんのかよ・・・と途方暮れると思います(汗)
途方に暮れさせてしまったためか、結果的に明確に教えてもらった記憶がありません。
なので、自分で腑に落ちるまで考えることになりました。
例えば接客業で一番優先されるのは、当然、今目の前にいるお客様ですよね。お客様からこれが欲しいといわれたので、購入金額をお伝えして、お支払いを受ける、お釣りを出す、商品をお包みする、商品をお渡しする、といった一連のタスクは、他の目の前のお客様とは関係のないタスク(例えば商品の陳列を整える、倉庫から不足している商品を出す、値札をつけるなど)からは優先されて実行される、ということになります。
私は、こうやって考えると優先するための基準があると気づきました。
基準はたくさんあります。お客様、納期(時間)、品質(製品の質)などなど。どれを優先させるのかは、その企業、その事業所、その部署、そしてその仕事そのものによって異なると思います。また、その人個人によっても異なってくるのだと思うのです。
上司が部下に「優先順位を考えろっ!」というのであれば、ぜひ、そこにその部署における優先順位はどんな基準なのかを明確にしておくことが必要だと考えるのです。そうでなければ、部下は自分の基準で優先順位を決めてしまうのです。それが部署が考える(つまり、上司が考える)優先順位とあっていれば何も文句は言われません。が、異なっていると注意されるわけです。
通常、部下は注意されることで、本当に所属する部署全体が優先している順位を理解し、部署の仕事をこなすようになっていくのでしょう。
が、しかし。
最近増加傾向にある中途入社の社員は、それまで他社で学んできた優先順位の基準があり、それが「正」だと強く思っているとなかなか新しい会社の基準になじめない、ということが起こり得ます。
おそらくそのあたりがツーカーでわかるようになると、その会社になじんだ、という感じなのでしょうか。そればかりは転職中の面接ではわからないものです。
私も何度か中途社員を受け入れましたが、受け入れ側も最初は違和感を感じる時が多々あります。その違和感を(繰り返し)伝えていくことで徐々になじんできていた気がします。違和感、それは仕事をする上での優先順位に対する違いです。
そういえば、何人もの人に「○○を優先してくれますか」と言っていた記憶が出てきました。
会社の業務における優先順位は会社や部署の基準に応じて決定する、ということは良いとして、それでは、自分自身の仕事の優先順位はどのようにつけていったら良いのでしょうか。
実は、私、タスク管理を始めた頃、自分のタスクすべてが「最優先」になったんですよね。タスク一覧表を作成した後に、優先順位を「高」「中」「低」とつけていったのです。すると90%以上のタスクが「高」になったのです。こうなったら、どっから手をつけりゃいいんだぁ?となります。
さすがの私も、自分の馬鹿さ加減にうんざりして、優先度付けることをいったん放棄し、片っ端から片付ける方式に変更した、という経緯があります。まるでゴミ屋敷の玄関口から、ゴミの入った袋を片っ端から投げて外へ廃棄していくように。
それこそ馬車馬のように働いた記憶があります。それでも、タスクが片づかない。片づけてつもりでも、どこからか湧いて出てくるのです。出てこなくても良いのに~~~と思いつつ、ひたすら片づける、こんなことをずっと続けていた気がします。
でも、これでは肉体的にも精神的にもキツいということは自分でもわかっていたので、自分なりに改善策をいろいろと講じてきたわけです。その講じる際の失敗が山のようにあります。やろうと思ったけれど、挫折したことなど多数です。
それから十数年が経過した後、個人事業主になる時、ある人がこう言ったのを記憶しています。「なかなか自分一人だと時間管理がうまく行かずに仕事が大変そうになりそうだ」と。その方はそういう理由から独立はしないと決めているそうです。確かに、個人事業主になれば、優先順位を決められなければ、タスクが大量に押し寄せてきたら破綻してしまいそうです。
明日は、破綻しそうになった昨年のお話しも交えて、そこからどう立ち直ってきたのかについて、お話しします。
それでは、また明日。