人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

今日が締切のタスクは最優先?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

優先順位が中くらいのタスクは、いつするのか。

 

今週は仕事やタスクのプライオリティ、優先順位についてお話ししています。昨日はプライオリティが低いタスクをどうするのか、しない、という方向性も含めてお話ししました。今日はもう少し高い場合についてお話しします。

 

仕事をしていると突然、緊急かつ重要なタスクが発生することがあります。何よりも先に処理しなければならないことです。

 

ただ、突然ではなく、必然的に緊急かつ重要なタスクが発生することの方が日常的には多いかもしれません。気がつくと締め切りが目の前に迫ってきていた、というタスクです(笑)。

 

毎日のタスクに追われて、前もってやっておくつもりができないまま締切日の今日を迎えてしまった、ということですね。毎回思います。どうして「前もって」ということができないんだろう・・・と。

 

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何事にも段取りが大事だけど・・・(;'∀')

 

それは、先週お話しした中にもヒントがあります。

明日も一日24時間しかない - 人材育成の道すがら

 

それだけではなく、実は「締切日」というのが曲者なのです。締切日があると、この日までにタスクを完了させれば良いという気持ちになります。締切まで後6時間あるとします。そうすると、急いですれば3時間で済むタスクを6時間かけてしてしまうのです。

 

それは、そのタスクの終了ポイントを把握していないからです。ここまでやったら終了、というポイントです。終了ポイントがないので、時間はいくらでも必要になります。

 

言い換えれば「無駄に品質にこだわる」ということなのです。

 

例えば、今日16時に締め切りのタスクがあるとします。朝9時から始業です。正味時間は6時間です。当然、今日はこのタスクをする、というようにスケジュールを立てると思います。もちろん、他のタスクはありますが、今日締め切りのこのタスクが今日は最優先です。ただし、このタスクの所要時間の見積もりはありません。

 

昼休憩前までに何となく形ができ上りました。でも、まだ締め切りまで3時間あります。提出しますか?

 

普通、もうちょっと考えてみよう、まだ修正したいな、と思って、提出することはないと思います。ギリギリまで粘ってもっと良いものを、と思うのが人間のサガのようです。それで、このタスクの処理が午後に入っても続きます。15時30分になって、ようやく提出する、ということになります。

 

さて、こういう体験をされた方は思い出してみてください。13時から15時30分の間にどれくらいクオリティ(品質)がアップしたでしょうか? 画期的なことを思いついて修正した、という例はほとんどないと思います。一からやり直すには時間が足りません。だから、一部、ちょっとした修正をしただけ、という感じだと思います。

 

私も経験したことがあります。プレゼン資料のちょっとした色遣いをいじる程度や文章を見直す程度しかしないので、なぜか2時間30分も時間を使っているのです。

 

そして、15時30分に提出。ホッとして、コーヒーでも一杯飲んでリラックスしたくなります。

 

16時。終業まで後2時間。一つの大仕事を終えたので、何だか疲れています。だったら、後は流す程度の仕事をして、重要なタスクは明日へ回す・・・といったことが起こります。

 

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締切があることで最優先になったタスクですが、実際の所要時間は3時間程度だったのです。最初の3時間でほぼ完了しています。ちょっとした修正をしたとしても昼休憩すぐには提出できる状態になっていたと考えられます。

 

もし13時に提出すれば、どうなっていたでしょうか。

 

18時まで5時間もあります。重要なタスクの1つや2つは完了させることができたかもしれません。

 

締切日があるが故に、該当日になるとそのタスクが最優先になって、他のタスクを行う時間を圧迫する、という事例をお話ししました。

 

もちろん仕事をする上において締切日は必要です。ですが、個人タスクの中での締切日はもっと違った形になっても良いのではないでしょうか。

 

こうならないためには、どこまでできていたら締切日前でも提出する、という基準があれば良いのです。営業戦略で締切日ギリギリに提出する、というのであっても、提出物は事前に作っておいても構わないわけです。

 

そうしておけば、締切日のタスクにその日一日の時間を占有されなくても済みます。その日にもし緊急かつ重要なタスクが舞い込んできたら、アップアップしてしまうことになるのです。

 

締切日は大切ですが、それよりも「いつ」そのタスクをするのか、がもっと重要なのです。

 

このブログでも完了イメージについて

なぜ、こんな仕事の終わらせ方をするようになったのか - 人材育成の道すがら

タスク管理を難関にさせるもの - 人材育成の道すがら

でもお話しさせていただいております。完了イメージを最初に決めてから仕事を始めるのが本当に仕事を効率的に終わらせるために必要なことなので、何度も申し上げている次第です。

 

明日は、プライオリティから独立したタスクについてお話しします。

それでは、また明日。

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