行動し続けるモチベーションを考える
ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。
お正月にやりたいな、と思ったやりたいことリストを書いて、その中で継続した行動をどのように定着させるのか、といったお話を今週はしています。私も失敗しながら、トライアンドエラーでやっているところです。
習慣化とは
こういった行動の定着させることを「習慣化」と呼んでいます。これをするには、実は○○が一番!という方法は、ないと思っています。というのが、人の好みや感情、その方が置かれている環境や状況によって、やり方が異なるからです。
でも、大筋は似通っています。ポイントは二つあると思っています。
一つ目は、時間管理を行うこと。スケジュールの中にやりたいことを組み込んで計画してしまい、その計画に沿ってやり続けられるようにすること。
二つ目は、やりたいことをやり続けられるようにモチベーションを維持すること。
一つ目は仕組み化でずいぶん楽にできるようになります。前回お話しした内容がそれにあたります。仕組み化するということは考えなくてもすることなので、習慣化には適したやり方です。
二つ目は、「気持ち」「心持ち」「モチベーション」「やる気」といった、人の内面、心の問題になります。
良く三日坊主の方は、「自分には根性がない」というお話をされます。でも、「根性」という言葉で済ませてしまえば、実は対策を講じることができないのです。どうやって根性を身につけますか? 苦しいうさぎ跳びでグラウンド何週もしますか?
「根性」というのは、とてもあいまいな概念です。おそらく人によって捉え方が異なるものです。そういったものを身につけようと頑張ることが必要でしょうか。
うさぎ跳びなんて…続けられないよぉ…(涙)
やりたいこと(例えばダイエット)を続けるために、まずは「根性」を鍛えることから…というのは本末転倒です。それよりもやりたいことを続けられるように気持ちを持っていく仕組みが必要なのです。
実はモチベーションも仕組みで高めることができる、と私は思っています。
ただ、モチベーションが高い状態になるための条件が、人によって異なるので、その仕組みはその人ならではのものです。他の人に通用することはありません。
つまり、この仕組みは自分でやってみて、できた・できなかったをふりかえりながら、修正を行い、徐々に完成させていく必要があるのです。一朝一夕ではできないことを予め知っておくことが必要です。
人によってはモチベーションを高めるきっかけが異なるということを先日お聞きして、なるほどそうだな、と思いました。
今から4例ほど、今まで出会った人を見ながらタイプ別してみました。どれかに当てはまる場合もあるでしょうし、どれも当てはまらない場合もあるでしょう。ただ、ご自身の傾向を見ながら、ご自身でご自身のモチベーションを高める条件を見つけていただければ、と思っています。
人から承認をもらう
人から褒められると嬉しいタイプですね。人から「すごい」と言われると素直に喜んで、モチベーションがあげられる方々です。
こういう方々はFacebookなどのSNSを通じて、自分の行動に「いいね!」をしてもらうことでモチベーションが高い状態のまま維持できると思います。
「今日は○○Km走りました。気温〇°Cだったので、寒かったのですが、走った後はポカポカとなりました。」
といったコメントを毎日書いて、「いいね!」をもらいます。「いいね!」の数だけテンションが上がるわけです。そして、「いいね!」をもらうために、毎日走るようになってきます。そのうち、「いいね!」がなくても、毎日走ることが習慣になっているのです。
ただし、このタイプの場合の欠点があります。他人に毎日「いいね!」を要求するのはかなり厳しい状況にある、ということです。他人は毎日SNSを見ているわけではありません。自分が納得する「いいね!」の数が欲しい場合は、それなりの友達の数を作っておく必要があります。
また、毎日同じ内容ばかり記述していたら、飽きられてしまいます。なので、ランニングの記録であれば、スピードが上がる、体脂肪率が下がる、といった変化も合わせて記述していく方が良いでしょう。
成果が見える
行動をしたら、何らかの他人の反応が見え、それが成果となるとモチベーションが高くなるタイプです。営業職の方に多いかもしれません。
自分の営業力によって商品が売れる(=顧客から「買う」という反応をもらう)わけです。その販売実績数が上がれば上がるほど、モチベーションを高く維持することができます。
ダイエットであれば、毎日体重を計測すると毎日体重が減っていく。右肩下がりのグラフを見るたびにテンションがMaxになるのです。
こういった成果が見えると喜ぶタイプは、成果をグラフ化して、一目で成果がわかるようにすると良いと思います。良く営業部門の部屋の壁に貼られている模造紙に書かれたグラフのようなものですね。
ただ、このタイプの欠点は、成果が出続けていれば良いのですが、スランプなど低迷期に入ると途端にモチベーションが下がることになります。低迷期は必ず訪れることを認識して、低迷期が来た時にどのように対処するのか、考えておく方が良いでしょう。
ダイエットを続けていると2週間くらいすると体重が下がりにくくなる時期が来ます。こういった時には専門家のアドバイスを受けてトレーニング内容を見直すとか、この体重が下がりにくくなる時期は体が変革しようとしている時期だから数週間様子を見る、とかいったことを考えておいた方が良いです。
人と一緒にやる
○○さんもやっているから、私もやる!というタイプです。仲の良い・悪いは関係なく、注目している人がやっているから自分も一緒にやっていくのです。○○さんにあたる人は誰でもOKです。例えば芸能人であっても大丈夫です。
芸能人であっても、その人が毎日更新しているブログやSNSを見て、同じようにやって共同作業をしているような感覚となる、そうすることでモチベーションを高められるのです。一緒にしている仲間意識がキーポイントになるのかな、と考えています。
芸能人であれば、好きな芸能人が始めた何かを一緒にしてみる、そして、毎日ブログやSNSで相手の情報を取得して、同じようにやってみる、ということで習慣化していきます。
身近にいる友人や家族であれば、実際に会ったり、クローズド(閉じられた)なネット空間(例えば、中にいる人しか見られないSNSのグループなど)を利用したりして、情報を交換します。お互いに悩みを相談したり、対策を考えあったりすることで、習慣化していくのです。
こちらの欠点は、習慣化する前に一緒にやっている人が途中でやめてしまった、あるいは一緒にやっている人との仲が悪くなる、といったことが起きるとやる気は一気に失せていきます。相手も人間ですから、急に興味を失ってしまうこともあります。
そのためにも、何人か欠けても続けられるような人数を最初から作っておく、といったことが考えられると思います。他にも、人間関係には気をつけて、コミュニケーションを頻繁に取るなどの対策も必要でしょう。
自分がやったという自信
こちらは非常にストイックなタイプです。他人は関係なく、自分がコツコツとしてきたことを自分で承認するタイプです。行動をコツコツと真面目にするタイプなので、あまり三日坊主とは関係ないかもしれません。
自分がやってきたことを振り返ることができるよう、手帳やスマホのカレンダーアプリなどにチェックやスタンプを押すようにすると良いでしょう。ちょうど小学校時代のラジオ体操カードのように、シールがたまっていく感覚ですね。あるいは累積数をカウントするのも良いかもしれません。
モチベーションが下がってきたな、と感じたら、そのチェックやスタンプを見返して自信を取り戻すことで、モチベーションの維持が図れます。
何の欠点もなさそうなタイプですが、良く見受けられるのが、一時的なことでもその行動ができなくなってしまうと途端にやる気を失ってしまうことです。
例えば、毎日筋力トレーニングをしていたのですが、突発的な予定や人生イベント(結婚など)でトレーニングを中断してしまった時などが考えられます。中断した自分が許せない、といった自己否定の方もいらっしゃいますし、生活リズムが狂ってしまって取り戻せないという方もいらっしゃるようです。
こんな時は「そんな時もあるさ」くらいの軽い気持ちで中断を「善」とみなすことが肝心だと思います。中断しても、また始めれば良い、と思うことです。
生活リズムが狂った方は、生活リズムを整えることから始めなければならないので、感覚的に「戻ってしまった」イメージになると思います。でも、そこから始めても、今までやってきた実績があるのですから、すぐに取り戻せると考えています。
最後に
こうして、いろいろなタイプをお話ししてきましたが、ひとりの人が必ずしも一つのタイプに当てはまるわけではないと思っています。複数のタイプを持っていたり、ある行動の場合はこのタイプだけど違う行動の場合は別のタイプだったり、ということもあると思います。
また、別にこのタイプが実験結果としてわけられたものでもありません。
私が今までいろんな人とお話しさせていただいた中で、特に人材育成という部門にいたせいか、いろんな人のやる気の出し方があるんだなーと感じていたことをまとめただけです。他にもたくさんあると思います。
ここで言いたいのは、自分のモチベーションの維持する方向性をトライアンドエラーで見つけていきながら、続けたい行動を習慣化する、ということが大事だなーということです。モチベーションも仕組みで維持していく方が簡単です。根性だけではどんなに頑張っても続きません。
自分のモチベーション管理を行いながら仕組みで維持をしていく、自分なりの方法を見つけていただくと、良い人生の方向に進むような気がします。
1月は年初計画ややりたいことリストについて、話をしています。来週は1月最後の週となりますが、私のことを少しお話しさせていただきます。やりたいことリストを書いた後の分類で、タイトルがついたものがあります。仕事や趣味・自己啓発とは全く異なるタイトルです。それについて、思うところをお話しします。
それでは、今日はこの辺で。
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