人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

ハチとコンピュータ(笑)

2月16日に更新して以来、更新をサボっていました。気がつくと1ケ月経っていたのですね。。。あうあう。

 

何か一言、この場で書いた方が良いとは思っていたのですが、それをする気力も出ないまま、今日に至ってしまいました。

 

言い訳させてもらいますと、最大の原因は花粉症です。昨年、突然発症したのですが、今年は急激に悪化。お会いする人の3割ほどが「私も花粉症です」と言われるのですが、マスクをしていない状態で本当に心配になりました。だって私がマスクをしていた理由は、鼻水が自然と流れ出るからです。ダムが決壊したごとくに・・・

 

というわけで、薬を飲んでもなかなか、の状態が続き、その上、昨年末から徐々に痛み始めた様々な箇所の関節の痛みの悪化もあって、パソコンの前に座ることが嫌になってました。

 

今はようやく落ち着きを取り戻しつつあります。

 

下書きはいくつか、すでに書き上げたものもあるのですが、本日は趣向を変えて、少し異なるお話をします。

 

我が家には一匹のネコがいます。名前を「ハチ」と言います。ネコなのに「ハチ」です。忠犬ハチ公ではなく、忠猫ハチ公です(^^;)

 

そんなウチのネコですが、本当にビビりな性格です。

 

普通ビビりなネコは神経質なので、人に懐かないと言われています。ウチのネコも人懐っこくはありません。ただ、自分の家族と思っている人間に対しては非常に慣れ慣れしい態度を取ります。

 

旦那と私がコタツでテレビを見ていると、コタツに下半身を入れたウチのネコが前足を枕にしてテレビを見ています。一瞬、「あれ? 誰かいたっけ?」と思えるような人型の恰好になってます(笑)

 

先日、書類を数えていました。最初は声を出さずに数えていたのですが、「・・・六、七、八・・・」と途中から声を出していたのです(自分では気づきませんでした)。

 

すると、「にゃ?」と振り向くウチのネコ。

 

最初は私も「何?」と思ってネコを見たのですが、どうやらウチのネコは自分が呼ばれたと思って返事をしたようでした。それを理解してから、ずいぶん和まされました(笑)

 

ところで、先日NHKの番組で養老孟司先生が、ネコは絶対音感だ、とおっしゃっていました。どういうことか、というと、私が「ハチ」と呼ぶ声と、ウチの旦那が「ハチ」と呼ぶ声は違ったものとして聞こえているということです。音階が違うためです。

 

単純にそうなんだ、と思っていましたが、これは実は、今流行りのAIに説明に使えるなあ、なんて考えてました。

 

コンピュータは女性の声の「ハチ」と男性の声の「ハチ」は違うものとして認識します。ここのところはネコと全く同じなわけです。同じものとして認識するには、文章化して同じである、と認識させる必要があるわけです。今のコンピュータは文章化するくらいは簡単にできますので、ネコよりは頭が良いのかもしれません(笑)

 

ですが、今度は、数字の「ハチ(8)」や昆虫の「ハチ(蜂)」、植物を植える「ハチ(鉢)」との違いを認識させることが難しくなります。そこで文脈(コンテクスト)が必要なわけです。その場に一緒にいた人間であれば、ネコを呼んだ名前かそれ以外なのかはわかりますが、コンピュータはその場にいてもわかりません。

 

どういう文脈で「ハチ」という言葉が使われたのか、を情報としてインプットしてやることが必要です。

 

ところが、今までの考え方であれば、さまざまな情報をコンピュータにインプットしてやらなければならないのです。ネコを呼ぶ際の前後の言葉群や時間帯、声の調子、声の強弱など様々な情報をデータとして登録する必要があります。その他にネコの鳴き声や場所のデータなども必要かもしれません。

 

そうしなければコンピュータは判断する基準がなく、ネコの名前なのか数字なのかが判別できません。

 

AIもコンピュータなので、ネコと同じ性質を持っています。ところが、今までのコンピュータと違うところは、学習機能がある、ということです。

 

我が家にはネコは一匹しかいませんが、家の外を歩くネコがいます。いわゆる放し飼いのネコです。それらはウチのネコとは毛の色も歩き方も違いますが、ネコはネコです。人間はある程度の年齢になるとそう判断できるようになります。でも、コンピュータにはそれが難しいわけです。

 

ネコが絶対音感で私の声と旦那の声とでは違うと認識するように。

 

ところが、そうだといつまで経っても人間の代役としてコンピュータが使えません。そこで、最近話題のAIは、「体長40~50cm程度の4つ足で、しなやかな歩き方をし、ニャーとなく生物をネコという」といった情報を入力され、どんなネコでも「ネコ」と判断できるようになりました。

 

ただ、今まではそうするために人間があらゆるデータを入力する必要がありました。それだと時間がとてもかかります。「モレ」も出てきます。

 

そこでコンピュータが自動的に学習するようにプログラムされたのがAIの機械学習です。学習方法は、どんなネコでもネコと判断できるように特徴的なデータを取り込みます。様々なネコの写真や動画を見せてネコと教えるわけです。人間の子どもの学習と同じですね。

 

たくさんのデータを取り込むことで判断ミスが減っていき、認識の確度が上がっていきます。そうしていくうちに、徐々にAIはネコを判断(というか推測)できるようになっていくのです。

 

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上のようなグラフは見たことがあると思います。これは2次元のグラフですよね。これにZ軸があれば3次元になります。軸をどんどん増やしていくと多次元になります。

 

その軸一つ一つに基準があり、「ハチ」という前に「ウチのネコ」という軸があれば、この「ウチのネコ」の軸に寄った場所に「ハチ」という言葉が位置することになります。しかも、繰り返し同様の現象があれば、何度もほぼ同じ場所にプロット(その位置に印を付けること)していきます。

 

このような軸をたくさん用意して、「ハチ」という音声一つ一つをプロットをしていくわけです。そうすると、ネコを呼ぶ際の「ハチ」という言葉は同じような場所にたくさんプロットされていき、それが一つのカタマリになっていくというわけなのです。

 

もちろん、2次元ではありませんので、空間上にカタマリがあるイメージです。ただ、複数の軸がある多次元の世界であるため、空間的というより更に複雑な世界になりますが。

 

他の「8」「蜂」「鉢」では、違う場所にカタマリになるので、この「ハチ」はネコの名前を呼んだ、と推測できるわけです。

 

多次元というのはこの判断基準の軸をいっぱいにしていく作業ということですね。

 

あ~、難しい、と思われるかもしれませんが、AIの学習は、人間と同じような学習をしているんだなぁ、と思っていただければよいでしょう。人間の子どももたくさんのネコを見て、親が「ネコ」と教えるから、どんな毛色のネコも「ネコ」といえるようになります。

 

ネコの話からAIまで発展してしまいました。来週からはもう少しマジメに更新していきますので、読んでいただけると嬉しいです。

 

それでは、今日はこの辺で。 
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