人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

人材育成の道すがらで言いたいこと

私は人材育成の仕事をしています。

 

と言っても、まだまだ道途中で、
人材育成のゴールの奥深さに日々
怖れを抱いているところですが(苦笑)

 

このブログで私が言いたいことを
お話ししたいと思っています。

 

もし、このブログが気になった方は、
この記事だけでも読んでいただけたら、
という想いです。

 

 

1.研修とは

以前、研修の提案をある中小企業に持ち込んだ時です。

 

その企業の社長から
「人材育成なんて、無理無理!
ウチには人材育成をするお金も時間もない」
と言われました。

 

その時から、
そんなことを言う社長に
「人材育成の重要性」を伝えたい、
という想いを持ちました。

 

だって、日本の99%以上の会社が中小企業です。
人材育成ができるレベルの中小企業も存在していますが、
それらもごく一部です。

 

それよりも
小さな町工場のような会社や
一商店のような会社に
人材育成をする手段を伝えられたら、
と思っています。

 

どんな社長でも人材育成の大切さはご存知です。
最初に無理と話した社長さんも
人材育成が大事ということは
充分わかっています。

 

でも、小規模企業はお金も時間もないのです。

 

だけど、考えてみてください。

 

研修ができないと考えている多くの企業に
勤務している従業員の数です。

 

日本で働いている人の何割でしょうか?

 

中小企業庁のデータによると(2016年)
全従業者総数(正規も非正規も含む)は
約4,680万人。

 

うち、中小企業に勤務している人は、
約3,320万人。
ここで7割。

 

更に、上記の中小企業のうち
小規模企業に勤務している人は、
約1,040万人。
中小企業全体で約3割強。
全従業員総数の約2割強。

 

意外と少ない?
意外と多い?
どう感じましたか?

 

私は、これだけの人が
学校を出て以来、
何の研修も受けずに人生を送っている、
ということが衝撃的でした。

 

もちろん、
仕事で必要な技術・技能は
先輩から教えられたり、
自分で学んだりしている人は
たくさんおり、
全く何も勉強していない、
という人はいないと思います。

 

でも、自分で学ぶのは限界があります。

 

だって、自分が知らないことは
学ぶ機会が発生しません。

 

「知らない」ことすら気づかないのです。

 

ここ数年、家族の介護の問題に直面した私は、
今まで介護について全く学んでいなかったことに
愕然としました。

 

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介護保険という言葉は知っていたのですが、
それがどのように使われ、
どのようなサービスがどのような形で提供されているのか
全く知りませんでした。

 

興味がなかっただけでなく、
言葉の意味が良くわからず
とっかかりが見えなかったのです。

 

学ぶとっかかりを作るには、
何といっても人から学ぶのが一番です。

 

それが、研修の役割だと思っています。

 

研修で一夜にして何かが変わる、
というのはマレですが、
研修は今後学んでいくための
とっかかりになるのです。

 

しかも、自分で望んで受けるのではなく、
半ば強制的に受ける研修。

 

それがきっかけで、次に進めるようになる、
そんな研修を受講することが重要と
私は考えています。

 

2.中小企業の研修とは

 

ただ、中小企業にとって研修は高価です。

 

費用対効果も感じられにくいです。

 

それだったら、他の施策を考えた方が良い
と思う社長がいるのは事実です。

 

また、研修は時間が取られます。

 

人手不足が深刻な問題になっている現在、
時間を割いて研修を受けさせるというのは
非常に困難です。

 

なので、私は、
社長を含む幹部社員や中堅社員に対して
人材育成ができるスキルを身につけて欲しいと
考えています。

 

部下や後輩に対して
「あいつはダメだ」というレッテルを貼る前に
育て方をちょっと変えて欲しいのです。

 

単純に怒れば良いわけでもなく
単純に誉めれば良いわけでもないのです。

 

社長や中堅社員が教えるのにはメリットがあります。

  1. コストがかからないこと
  2. ずっと継続した研修ができること

この2つです。

 

もちろん、プロの研修講師ですから、
それなりの実力を持った人たちです。

 

社長や中堅社員が教えるのとはレベルが違う教え方です。

 

ただ、プロの研修講師だと、どうしてもコストがかかります。
地域の講師だと交通費はそれほどかかりませんが、
大都市圏の講師となると、それなりの金額となります。

 

そして、もう一つ。
私がプロの講師だから言えることですが、
講師にも得意・不得意があります。

 

講師の得意分野がその企業の問題点に合致していれば
大変効果があるでしょう。

でも、不得意というか、講師のキャラと研修内容に
受講者が合致しない、ということが多々あるのです。

 

講師が伝える内容は、
研修を聞いてみないとわからない、
という欠点があります。

 

また、その内容を事前に把握するための
Webサイトやパンフレット等は、
どうしても抽象的な表現でしかできないものも
多いのです。

 

だからこそ、費用対効果を考えると
研修を受講することに二の足を踏んでしまうことになります。

 

そして、プロの講師を呼んで研修したとしても
どうしてもコストの面から
1日もしくは半日程度の研修となってしまいます。

 

知識習得型研修であれば、十分かもしれませんが、
技術を始めとする技能や
考え方を見直すような研修に関しては
あまりにも時間が短すぎます。

 

これは、プロ講師間でも問題となっている事項なのです。

 

だからといって継続的にするのは負担が大きすぎます。

 

そこで、プロの講師は、エキスだけを伝えて
後は実践してね、ということになるのです。

 

そうならざるを得ない、ということです。

 

こういったいくつかの問題を
社長や中堅社員が教えることで解決します。

 

ただし、社長や中堅社員が、
ある程度のレベルになっていることが条件です。

 

プロの講師はそれなりに時間とお金をかけて
学習をしています。

 

だからこそお金が取れる研修ができるのです。

 

そうではない社長や中堅社員にはわからないことが
多すぎるのです。

 

ただ、
社長や中堅社員には、人生経験が豊富な場合が多いです。
それをうまく活用していけば良いのです。

経験則でわかっていること、
そして、それに教え方のコツを学ぶことで
充分に講師になり得ると
考えています。

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3.社内講師を作るために

実はすべての人にあてはまる研修カリキュラムはありません。

 

人によっては
既に習得している知識や経験が異なります。
理解度も異なりますし、
今までの学習習慣も異なります。

 

だから、同じ学ぶ、成長するといっても
一人ひとり異なるのです。

 

同じ親から生まれた兄弟であっても
それぞれが独自の個性を持っています。

 

ましてや
異なる親から生まれた従業員たちは、
全く異なる個性を持っています。
年齢や性別も異なりますし、
育った環境も異なります。

 

学校の一斉授業のような研修は
会社で行うのは、かなりお勧めしません。

 

かといっても
一人ひとりのカリキュラムを考えるのは
大変ですし、
外注すればコストが膨大になります。

 

それだからこそ、
毎日身近にいる先輩や上司による研修が
効果的なのです。

 

ただ、教え方や育て方はコツがいります。

 

それらのノウハウをお伝えできたら、
という想いがあります。

 

その想いを広く伝えるために
ブログを書き始めたのです。

 

ただ、3年ほど書いているうちに
何かを見失った気がしていました。

 

そこで、今月(2019年11月)より
リセットさせていただき、
再びノウハウを書かせていただくことにしました。

 

前の記事も載せたままにしておきますので、
ご自由に参照していただけたらと思います。

 

また、ブログを書く隠れた理由は、
私の中に取っ散らかったノウハウを
集大成させたい、というのもあります。

 

延べ10,000人の受講者と接してきた中で
得られたノウハウをぜひともお伝えしたい。

 

ただ、あまりにも整理できていないので、
整理をすることを含めて
このブログを書く、
ということにしました。

 

テーマごとにカテゴリーに分けながらの記述のため、
同じテーマを書き続けたかと思ったら
異なるテーマを語りだした、
ということもあるかもしれません。

 

その時は長い目で見ていただければ、
と思っております(笑)

 

長くなってしまいました。
できたら、一つの記事は、2,000字程度で収まるように
書きたいと思っています。

 

今回は、3,000字を超えてしまいました。

 

それでは、今日はこの辺で。