人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

リフレクションの力

今日は今までお話ししてきた人材育成の中で
リフレクションについてお話しします。

 

リフレクションとは、ふりかえりのことです。

 

ですが、今までキチンとリフレクションを
していないと思います。

 

キチンとリフレクションをすれば、
その学習効果は高いものになります。

 

反省とは異なるリフレクション。

 

そのコツについてお話ししていきましょう。

 

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

なので、社長自らが人材育成をするのです。

 

ただ、学校教育では教え方を学びません。
今までは人材育成の基礎や基本を
話してきました。

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識(座学やマニュアルを使う)
2.仕事をするスキル(面談を中心に)
3.人との関係性構築(エンパシースキルを磨く)

 

人材育成の基礎として、
教える側(社長)と教えられる側(社員)との間に
「信頼関係」が必要

 

詳細は、ブログカテゴリ「211_チーム会社の人材育成」
からどうぞ。

ugrade.hatenadiary.jp

リフレクションとは

リフレクションとはふりかえりのことだと
先ほどお話ししました。

 

私がふりかえりという言葉を使わず、
あえてリフレクションという言葉を使うのか、
というと、
ふりかえりという言葉を強く誤解していたからです。

 

昔、良く言われたのが、
「反省しろ」
という言葉でした。

 

反省するということは、
どちらかというとネガティブなイメージがあります。

 

今までやってきたことは間違っていたので、
それを反復して省み、
心持ちを変える、やり方を変える、
といった何らかの変化を求めるものです。

 

今までやってきたことの
全否定まではいかないものの、
「否定する」イメージが強く残っています。

 

確かに改善をするためには
今までやってきたことはダメ、
とした方が良いでしょう。

 

ですが、すべてダメなのか、
と言えばそうではないはずです。

 

良いところも必ずあります。

 

私の中でふりかえりという言葉には
反省という意味が深く印象に残っていたので、
あえてリフレクションという言葉を使う
ようにしています。

 

もし、ふりかえりに、そこまで
ネガティブイメージがない方は、
リフレクションをふりかえりに読み替えて
いただいても構いません。

f:id:ugrade:20201014152407j:plain

ふりかえる猫…

リフレクションの基本的なやり方

リフレクションは、
自分の今までの行動を振り返って
良かった点と悪かった点を取り上げる、
というのが基本的なやり方です。

 

ところが、
取り上げて終わり、
だけでは本当の意味のリフレクションでは
ありません。

 

良かった点は、
どのように良かったのか、
ということを追及する必要があります。

 

今までできなかったのに、
できるようになった、
というだけではダメなのです。

 

何故できるようになったのか、
どのように変化させたらできるようになったのか、
ということを考える必要があります。

 

リフレクションが慣れていない社員であれば、
そこまで一人で考えるのが難しいので、
社長がそこを支援します。

 

社長自身が社員から話から、
できるようになったコツが理解できるまで
聴きだすことです。

 

何となくできるようになった、
という感触であれば、
その技術の再現性はありません。

 

偶然にできたモノやコトでは
仕事になりません。

 

どのように工夫をしたからできた、
という話を聴く、ということです。

 

もし、そのあたりの知識が乏しく
表現できないようであれば、
知識を伝授する機会です。

 

○○の理屈から××ができるんだ、
といった知識を身につけさせるのです。

 

社員も一度できているだけに、
理解度がグンと進みます。

 

また、社員が工夫した点が偶然にも
改善へとつながる可能性もあります。

 

社員が一生懸命考えた末の工夫が
とても役に立つものであれば、
その工夫を全社に渡って利用する方が
大変効果的です。

 

良い点を分析することは、
社員自身の知識を深めるとともに
改善に大いに役立つのです。

 

悪かった点、
できなかった点を聴く際は、
叱ったり怒ったりせずに、
順を追って、プロセスを確認します。

 

どこかでやり方が間違っていたのではないか、
考え方が間違っていないのではないか、
とチェックするわけです。

 

そうすることで、
できなかった理由がハッキリします。

f:id:ugrade:20180125104032j:plain

間違った!


できなかった理由が
知識不足であれば、
知識を補います。

 

最初に同じ知識を伝えたのかもしれませんが、
失敗した後の方が理解度が良くなります。

 

知識は十分に身についていたのであれば、
単なる技術不足です。

 

できない技術を繰り返し練習させるのです。

 

ここで、
努力不足や根性不足、
といった言葉でごまかさないことが
大変重要です。

 

良くできなかった理由で、
「努力が足りなかった」とか
「性格的に不向き」とかを
あげる方がいます。

 

努力が足りないのであれば、
今後、どのような努力をしていくのかを
明確にしておくことです。

 

「頑張る」という言葉が続いて出てきますが、
では、どのように頑張るのか・・・
という押し問答を続けるのです。

 

努力する、
頑張る、
といった言葉は、
やることが明確にわかってから
使う言葉です。

 

やることが明確になっていない時期に
ひたすら努力したり頑張ったりしても、
無駄、無意味の場合がたくさんあります。

 

ひたすら練習をする時間が
十分にあるのであれば良いのですが、
普通はあんまり時間がありません。

 

仕事をしなければお給料分の売上が上がりません。

 

練習している社員にお給料をあげるだけの
余力はチーム会社にはないはずです。

 

いつ、どのように練習をするのか、
練習する部分はどこなのか、
より具体的に、
今からすぐに行動に移せるくらい
話して決めておくことが肝要なのです。

リフレクションを通じての改善

そして、忘れてはならないのは、
「やり方の見直し」です。

 

できないのは、仕事のやり方そのものが
効率的ではない、わかりやすくない、
業務と関係ない技術が必要
(代表的な技術は社内政治力)
といった場合もあるからです。

 

技術を要する仕事ではないのに、
なかなかできない、という場合は、
やり方そのものを見直す必要があります。

 

これが「改善」につながるのです。

f:id:ugrade:20201014152850j:plain

改善でランクアップ


ですが、これ、なかなかの曲者です。

 

長年、このやり方で成功してきたのは、
他ならぬ社長自身です。

 

社長の成功体験が豊富であればあるほど、
そのやり方がおかしい、
と気づくのが、大変難しいのです。

 

これは、どんな人でも言えることです。

 

社長だから、というわけではありません。

 

経験豊富である、
ということ自体が、改善に気づかせない、
ということにつながるのは
どんな会社でも言えることなのです。

 

だからこそ、社員ができない、というのが、
社長自身のリフレクションのキッカケになります。

 

社員がどのようにやってもできない、
何度やってもできない、
技術も知識もある、
といった場合、やり方が悪い、
という可能性だってあるわけです。

 

だから、やり方を変える、
ということが必要になります。

 

社員と一緒にリフレクションをしていく利点は、
ここにあると言っても良いでしょう。

 

やり方も含めて、
社員とともに検討するのです。

 

それが改善につながっていきます。

 

最初は小さな改善かもしれません。

 

ですが、改善の成功体験は、
社員に大きな自信をつけさせ、
大きな改善へとつながっていきます。

 

それが元で、その社員は
あるある社員へと変貌を遂げるかもしれません。

 

それがチーム会社の危機を救うことに
なるかもしれません。

 

また、良かった点も改善へつながります。

 

社長一人では入手できる情報も限られていますが、
社員を含めて、もっと効率的にできる方法はないか、
と探っていけば、
きっとより良い改善へつながる情報が手に入ります。

リフレクションのタイミング

リフレクションは、
できれば何かをした、教えた、
そのすぐ後が効果的です。

 

特にコミュニケーションの場合は、
忘れてしまう可能性が高いので、
帰社したら、すぐに行う方が良いでしょう。

 

もし、できなかったことができるようになったら、
すぐに手放しで褒めます。

 

出来あがりが今一つでも、
何かができていたら、
そこをきちんと認めることが重要です。

 

そして、徐々にリフレクションまでの間隔を
開けていきます。

 

最初はものごとの直後だったものが、
一日の朝夕の2回、
一日一回、
三日に一回、
一週間に一回まで間隔をあけます。

 

成長度合いを見ながら、
開けていくので、
いきなり間隔をあけたり、
逆に狭めたりしてはいけません。

 

そして、できれば、
一週間に一回からはあけることが
ないようにしましょう。

 

社員数に応じて、
社長一人では厳しい場合は、
他の役員にも手伝ってもらいます。

 

一週間に一回というのは、
育成される側、つまり社員も
育成されている事項を忘れずにいるためにも
必要です。

 

これから人材育成をする、
と宣言しているはずですから、
間が二週間以上空いてしまうと、
社長に対する信頼感が損なわれてしまいます。

 

「また、言うばっかりで実行がない」
というレッテルを
社員から社長に貼られてしまうのです。

 

なので、全員が一週間に一回ペースであれば、
何曜日は誰誰の日、と決めておくか、
何曜日はリフレクションの日、と決めておくことを
おすすめします。

まとめ

今日は、リフレクションの力と題して
リフレクション、
つまり、ふりかえりのやり方について
お話ししてきました。

 

リフレクションは、人材育成に欠かせない
重要な教え方の技術です。

 

ですが、通り一遍のリフレクションであれば、
本当に効果は出ません。

 

リフレクションは、
良かった点、悪かった点を
洗い出すだけではありません。

 

良かった点はなぜ良かったのか、
どういった点が良かったのか、
なぜできるようになったのか、
等、分析します。

 

悪かった点もなぜ悪かったのか、
どういった点ができなかったのか、
どうやったらできるようになるのか、
等、分析が必要です。

 

そして、良かった点や悪かった点を元に
今後どのようにすればもっと良くなるのか、
どのようにすればで上手くできるのか、
といったことを考えていきます。

 

それが、社員の成長の糧となります。

 

また、それらリフレクションは、
会社の改善にもつなげていきます。

 

今まで社長だったらできていたものが
社員ではできない、というのであれば、
どう改善すれば社員もできるようになるのか、
と考えていくのです。

 

大した技術がなくてもできるというのであれば、
再現性(同じ品質の製品がいくつもできること)を
確保するために、「やり方」そのものを変える
改善が必要になります。

 

また、リフレクションのタイミングは
直後が最適です。

 

それから、できるようになってくると
徐々にリフレクションのタイミングの間隔を
開けていくのが良いです。

 

こういったことをお話ししてきました。

 

それでは、今日はこの辺で。

人間関係の構築の教え方

今日は人材育成の中で
人間関係の構築をどのように教えるのか
についてお話しします。

 

特に人間関係を構築するのが
苦手と思っている社員、
コミュニケーションがうまくない社員を
対象に教える場合を取り上げます。

 

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

なので、社長自らが人材育成をするのです。

 

ただ、学校教育では教え方を学びません。
今までは人材育成の基礎や基本を
話してきました。

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識(座学やマニュアルを使う)
2.仕事をするスキル(面談を中心に)
3.人との関係性構築(エンパシースキルを磨く)

 

人材育成の基礎として、
教える側(社長)と教えられる側(社員)との間に
「信頼関係」が必要

 

詳細は、ブログカテゴリ「211_チーム会社の人材育成」
からどうぞ。

ugrade.hatenadiary.jp

人間関係が一番難しい?

会社を辞める最大の理由は
社内の人間関係だと言われています。

 

それは、同僚同士との人間関係だけでなく
社長や上司との人間関係、
顧客との人間関係も含まれます。

 

人間関係の構築に関しては
小学校から道徳の時間などを通じて、
また学級活動などを通じて
学んできているはずです。

 

ですが、
学校の場合、同じ年ごろの人間相手であり、 
年上の相手は「先生」や「親」といった
保護してもらえる対象です。

 

年齢層の幅広い社会で通用するとは思えない、
と普通の人は思ってしまうため、
学校で習ったことを活かせていないと
思われます。

 

また、
長い社会人生活を経験している人にとって
人間関係が一番大切だと口を揃えて言います。

 

その大切な人間関係の構築が
上手くいかず退職してしまうのは、
何故なのでしょうか?

 

人間関係を構築するのは
生まれ持った性質ではなく
「技術」です。

 

これをエンパシースキルと呼びます。

 

共感力とも言われているスキルですが、
相手の立場や感じ方を想像しながら
感じ取る技術です。

 

技術であれば、習得することができます。

 

ですが、意識して習得しようとしてこなかった人が
とても多いと感じています。

 

それは、日本社会が難しくなかったからです。

 

昔から「言わなくてもわかるだろう」という言葉を
何度か聞いたことがあります。

 

男女限らず、自分の気持ちを察するのが当然、
ということです。

 

同じ日本人なんだから、そのあたりはわかるよね、
といった言葉も別の表現として存在します。

 

同じ立場、同じ民族だから、
感じ方は同じである、
という思想的な感情は確かにありました。

 

 

様々な民族がいる国家の場合は、
言葉を通じてでしか分かり合えない、と
比較的幼い頃から
人間関係のための学習をしているようです。

 

ですが、日本は若干そのあたりを
あまり重視していなかったように思えます。

 

最近は見直しがなされていますが、
私が子どもの頃は、あんまり学校で学ぶことは
ありませんでした。

 

だから、自分の考えをきちんと話すこと、
人の考えをきちんと聞くこと、
相手の立場を考えることなどが
上手くできないまま社会に出ている人が
多いと私は思っています。

 

なので、相手のことを考えずに、
思いついたことをそのまま伝えてしまい、
トラブルになる、
相手に対してハラスメントをしてしまう、
といったことが発生してしまいます。

 

また、逆に相手のことを考えすぎて
がんじがらめになってしまい、
ストレスを強く感じて体調を崩してしまう、
ということも発生しています。

 

まずは、
人間関係を構築するという意識を持つこと
が必要です。

f:id:ugrade:20171010214039j:plain

社員が引っ込み思案で
なかなか人前で話せない、
コミュニケーションが苦手で
上手く人間関係が作れない、
という場合でも、

 

技術を磨けば
人間関係を構築できるのだ、
と伝えてほしいと思っています。

 

そして、人間関係を構築する支援を
してほしいのです。

 

ちょっとした支援で
社員はできるようになります。

人間関係を構築するという意識

まずは、人間関係を構築する、
という意識を持たないことには
先に進めません。

 

ところが、先日大学生と話をしていると、
数十歳もの歳の離れた人と話すことは
怖いと感じていることがわかりました。

 

確かに、大学生や高校生にとっては
家族や先生以外で
数十歳も年の離れた人と話す、
ということは生まれて初めての経験です。

 

怖いと感じるのは、
歳が離れた人のことを良く知らないからです。

 

最初に社長のことを良く知ってもらうことが
とても大事です。

 

良く知ることができれば、
怖くなくなるはずです。

 

また、なかなか人とじっくり話す、
という経験がない熟年社員もいるでしょう。

 

今まで顧客と話すのは営業に任せきりで
長年製品作りに没頭してきた
という熟年社員も
なかなかコミュニケーションを苦手としています。

 

ですが、今後その高い技術を会社のために
引き継いでもらう必要があり、
そのためにも若い社員へ教えることが必須になります。

 

ただ、熟年社員はその方自身が学ぶ時には
「オレの背中をみて仕事を覚えろ」的な
人材育成をされてきていますので、
話さなくても若い人に教えられる
と思い込んでいるかもしれません。

 

しかし、全く話さない状態では
人間関係は構築できません。

 

熟年社員にも
人間関係を構築する意識をもってもらう
必要があります。

人間関係構築のためのコミュニケーション

人間関係をスムーズにするには
コミュニケーションが欠かせません。

 

そこで、コミュニケーション研修を希望される
企業がたくさんあります。

 

私も何度もコミュニケーション研修を
企画してきました。

 

ただ、コミュニケーションは
研修で机上で学ぶものでは当然ありません。

 

なので、研修を企画する際は
ワーク中心、体験型研修を多く企画しています。

 

ですが、効果があったのか、
と言えば、かなりの疑問が残ります。

 

コミュニケーションは
1対1
1対多
といったケースの違い、
そして、相手がどんな人かによって
使われる技術が大きく異なります。

 

研修でいくら体験しても
その体験と同じシチュエーションが
現場では起こりえない、ということです。

 

コミュニケーションの課題は、
その場その場で対応の仕方が異なり、
基礎を学んでも応用力が効かないということです。

 

そこで、苦手意識がある人は
ますます他人と話すことがなくなり、
話す力が失われていくことになります。

 

もう一つ課題があります。

 

コミュニケーションは会話を中心としており、
後から思い返す際に
正確に思い返せない、ということです。

 

ああ言った、こう言った、で、
後々のトラブルの素になるように、
その時の正確な会話を再現するのは
不可能です。

 

それでも、コミュニケーション力を鍛えるために
基本から教えていく必要があります。

f:id:ugrade:20170828212557j:plain

コミュニケーション力をアップする教え方

基本を身につけさせる

コミュニケーションの基本とは
何でしょうか。

 

もちろん、良く言われる「あいさつ」は
肝心です。

 

ただ、あいさつもキチンと相手を見て
声とともに明るい表情や会釈が必要です。

 

人間関係の構築には、
このあいさつに続いて
天気の話や昨日のプロ野球の結果など
話が続くことが必要です。

 

いわゆる雑談です。

 

コミュニケーションが苦手な人は、
この雑談が苦手です。

 

何を話せば良いのかがわからないのです。

 

あいさつの練習だけをさせても
雑談ができなければ、
本当にあいさつだけで会話が終了します。

 

コミュニケーション力アップのために
少しの間、あいさつの後に雑談を取り入れます。

 

その日の天気の話やニュースの話題から
お互いの好きなモノや趣味、
興味のあることなどを話します。

 

政治的な話がしにくい場合は、
芸能ニュースなどでも良いでしょう。

 

変化があれば、それが雑談の話題になります。

 

そうすれば、良く知った相手となり、
怖いという感情はなくなるでしょう。

 

そこが重要なのです。

 

仕事上でトラブルが発生した時、
怖いと感じていなければ、
身近な人と感じてくれていれば、
すぐに報告に来てくれるでしょう。

f:id:ugrade:20180205221329j:plain

また、慣れてくれば、
好きなことだけでなく、
嫌いなことやモノ、苦手なモノなども
話題にします。

 

一人の人間として
さまざまな面を見せることが
関係性を強めていきます。

 

そして、このように人間関係を構築する
ということを
かなり慣れてから話すのです。

 

そして、
雑談を広げていくためにも
新聞やテレビのニュースなどを見ること、
必要と思われる情報の入手をすることなども
合わせて伝えましょう。

 

社長との人間関係ができ上がれば、
それを足掛かりに
他へと広げていくことができます。

 

なかなか上手く話せずに
何を考えているかわからない
若手や新入社員、
話すのが苦手な熟年社員などに対して
コミュニケーションの基本と
必要性を是非とも説いてください。

対応力がない社員には

あいさつなどのコミュニケーションの基本は
できているが、
なかなか顧客との会話が続かない、
対応力がない社員に対しては、
次のように教えていきます。

 

対応力を身につけさせるためには、
その場の目的が何なのかを
明確にしておくことです。

 

例えば異業種交流会のような場で、
初対面の方々と話さなければならない時、
あんまり話すのが苦手な社員だと
気おくれしてしまうでしょう。

 

ですが、
「どんな人たちがいたのか後で教えてくれ」
とそこに参加するための目的を明確にします。

 

異業種交流会であれば、
まず名刺交換をします。

 

その名刺を見て、
・相手の会社の主な業種、製品・サービス
・その中で相手の主な職種(営業、製造など)
・相手が得意としている点
・相手が苦労している点
などを起点に
「ひたすら聴く」ということを
行わせるのです。

 

さすがにその場ではメモを取れませんので、
聴いたら、その内容を自分の言葉で言い返す
ということをさせます。

 

そうすることで記憶に残りやすいからです。

 

人間は自分の事を話すのが大好きです。

 

聴かれたことに答えるうちに
だんだんと熱が入ってきます。

 

当然、聴きながら、リアクションも
忘れてはいけません。

 

リアクションもコミュニケーションです。

 

そうしているうちに
名刺交換の時間は過ぎてしまうでしょう。

 

名刺交換の時間を無事に過ごせたという自信は、
社員に大きな成長を与えます。

 

これを何度か繰り返せば、
徐々に反応が上手くなっていくのです。

 

営業として顧客へ向かわせる時も、
その顧客を訪問する目的を明確にします。

 

単なるあいさつ訪問だけなのか、
顧客の何を聞き出すのか、
といった目的を明確にします。

 

ただ、顧客のニーズを引き出す、
といった漠然としたものはNGです。

 

顧客○○さんの
最近の困ったと思ったことを聞く、
というくらい具体性を持たせます。

 

持ち帰った話が会社の事業に
直接役立たないかもしれませんが、
聴いてきたことについては
褒めてください。

 

「ばかやろう!
そんなことを聞いてどうする?!」
などと反応することはNGです。

リフレクションを必ず行わせる

そして、忘れずにさせるのが、
リフレクション(ふりかえり)です。

 

こういったリアクションしたら
相手の表情が和らいだ
とか
こういった質問したら
相手が困った顔をした
といったことを
忘れないうちに記録するのです。

 

できれば、その記録を見ながら
社長と一緒に話をすると良いでしょう。

 

コミュニケーションが苦手な社員は
相手の顔が困った表情になったなど
ネガティブな態度を示した際、
自分の無力さを感じ取ってしまいがちです。

 

良くありがちなのが
ネガティブな態度がネガティブな感情を
想起してしまって
相手を怒らせてしまったのでは、
と思い込んでしまうことです。

 

そこで社長が注意喚起してほしいのです。

 

ネガティブな態度と
ネガティブな感情は必ずしも一致しない
ということを。

 

質問内容に正確に答えようとして
考えこんでしまったあまり、
つい眉間に皺を寄せた、
という場合もあります。

 

私はこれを
「認知をシフトする」
と言ってます。

 

元は認知行動療法から我流に拝借してます。

 

社員から話を聞きながら、
「お前の質問に真摯に対応しようと
していたことから生まれた表情」
とポジティブな方向性へと向けるのです。

 

そうすることで
社員は悪い方へと考えず、
自信も生まれてきます。

f:id:ugrade:20170802211009j:plain

まとめ

人間関係の構築が苦手な人は
たいがいコミュニケーションが苦手で
対人関係に悪い印象があり、
自分に自信が持てない場合が多いです。

 

それには、次のように教えていくと
良いでしょう。

 

1.あいさつの次に続く雑談にする話題を
たくさん集めさせ、会話が続くようにさせます。

 

2.大勢が集まる名刺交換会などに参加させ
名刺交換した相手の話を聴きだします。

 

3.その状況を終了直後に記録し、
自分なりにリフレクションします。

 

4.社長は、リフレクションに基づいた
話を聴き、ネガティブな認知をシフトします。

 

コミュニケーションに苦手意識を持ち、
あまり話さない社員でも、
家族(特に両親)や学校時代の友人とは
普通に話しているはずです。

 

要は「慣れ」と「自信」なのです。

 

会社で、
社会人としてコミュニケーションが取れる
慣れと自信がつけば
話せるようになっていきます。

 

本日は、
コミュニケーションに苦手意識がある
社員に対して、
人間関係の構築について教える教え方を
お話ししてきました。

 

それでは、今日はこの辺で。

仕事のやり方の教え方

今日は人材育成の中で
仕事の進め方をどのように教えるのか
についてお話しします。

 

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

なので、社長自らが人材育成をするのです。

 

ただ、学校教育では教え方を学びません。
今までは人材育成の基礎や基本を
話してきました。

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識(座学やマニュアルを使う)
2.仕事をするスキル(面談を中心に)
3.人との関係性構築(エンパシースキルを磨く)

 

人材育成の基礎として、
教える側(社長)と教えられる側(社員)との間に
「信頼関係」が必要

 

詳細は、ブログカテゴリ「211_チーム会社の人材育成」
からどうぞ。

ugrade.hatenadiary.jp

仕事のやり方とは

ところで、
仕事のやり方とは何でしょうか。

 

研修の提案をしに行くとき、
提案資料を作成します。

 

その提案資料を見ながら、
ぼそりと
良く言われる言葉があります。

 

「こういう資料を作れる人を育てたいんだよね」

 

それは、提案資料の作り方を知りたい、
というわけではなく
相手にわかりやすく図解や表を入れ
ポイントを押さえた資料を締め切りまでに作る、
ということ。

 

研修提案に慣れないうちは、
「あ、PowerPointの研修をしますか?」
などと返していましたが、
最近では、
「企画力」や「提案力」といったことを
望まれているんだと思っています。

 

企画力のある人が社員に一人いれば、
どんどん新しい仕事を生み出して
会社の業績は右肩上がりになる、
と思う社長は多いです。

 

ですが、企画力「だけ」ある人材は、
はっきり言って使いものになりません。

 

企画力や提案力とともに
そのアイデアを実現していくスキルが
必要なのです。

 

 

一から起業した社長であれば
経験されたと思いますが、
イデアを実現するためには
様々な課題を乗り越えていく必要があります。

 

目標を定め、少しずつ確実に歩を進め、
大きな課題が発生すれば、
解決のための道筋をつけ
周りの協力を取り付け
難題を乗り越えていくスキル。

 

ここでいう仕事のやり方とは、
このような着実に実現していくことを指します。

 

起業をする、という大きなものでなくても
普通に仕事をしていると出くわす
課題やトラブルを
上手くチャンスに変えたりかわしたりして
仕事をやり遂げていくことができる能力。

 

これは、学生時代でも身につく能力です。

 

f:id:ugrade:20180804102607j:plain

例えば、部活動。

 

大会などで勝つために
どのような練習をし、チームワークを醸成するのか、
といったことは同じ能力です。

 

学校生活でも、
高校受験や大学受験などに打ち勝つために
どのような戦略を練り、
どのように進めていくのか、
といったことも同じ能力です。

 

ですが、残念ながら、
監督やコーチの言う通りに行動しただけ、
学校や塾の先生の言う通りに学習しただけ
では、この能力は身につきません。

 

身につかないまま社会に出てしまい、
社長や上司の言う通りに動く社員となります。

 

素直で聞き分けの良い社員ですから、
大きな問題を起こすこともなく
定年まで働き続けることができます。

 

ただ、変化が激しい現代社会でも
自らを変えず、考えることもせず、
社長や上司の指示待ちの状態が
ずっと続くことになります。

 

自ら考えて動くような社員にするには、
まず、自分の仕事をきちんとこなせることが
重要です。

 

そのための仕事のやり方を学ぶ必要性があるのです。

 

※仕事で使う技術や知識については
前回お話ししていますので、
そちらを参考にしてください。

 

仕事には、
・納期
・品質
・コスト
の考え方が重要です。

 

納期がない仕事もありますが、
それでも毎月決められた締め日が
存在していると思います。

 

それだけでなく、年間を通しての業務もあります。

 

いわゆる「締め切り」です。

 

モノを作る業種でなければ
あまり品質を気にしない、
という社員もいます。

 

ですが、サービスであっても
今はサービス品質が問われる時代です。

 

「おもてなし」はサービスの
最高級の品質を表します。

 

最後に「コスト」です。

 

意外と
社員は自分にかかるコストを認識していません。

 

昔、言われた言葉で印象に残ったものがあります。

 

「会議に10分遅刻したら、
会議参加者全員の10分の給与泥棒だ」

 

1カ月手取り19万2千円の社員がいるとします。
※計算しやすいようにしています。

 

1カ月20日働くとして、1日が9,600円。
1日8時間働くとして、1時間が1,200円。
1時間は60分なので、1分が20円。

 

10分遅刻すれば、1人200円の損。
会議室に10人いれば、2,000円の損。
2,000円の利益を上げるには、
粗利率20%としたら10,000円ほど
売上をあげなければなりません。

 

こんな計算ができるのかどうか、です。

 

今までは教えるのではなく管理だった

今までは「管理」ですべて行ってきました。

 

管理職と言われる方が、
納期や品質、コストを管理するのです。

 

今までは、と言いましたが、
今でも、と言うべきでしょう。

 

今なお、管理職は現存し、
管理職はこの3点を主に管理します。

 

ですが、チーム会社には管理職はいません。

 

人数が少ないので、管理だけする人は
到底置けないのです。

 

一人ひとりがお金を稼ぐ仕事につかなければ
会社が成り立ちません。

 

ここが大企業とは大きく異なる部分です。

 

なので、社長が管理職を兼任しています。

 

でも、その管理を各社員に任せることができたら、
社長は他の業務を行うことができます。

 

だからこそ、仕事のやり方を
社員ができるようになるのは
とてもありがたいことなのです。

f:id:ugrade:20170906212111j:plain

 

「管理」は実は大変なのです。

 

建設業やIT業界などでは
プロジェクトマネジメントと言って
管理する技術について
学ぶ機会があります。

 

チームのスケジュール管理や
品質管理、
コスト管理をするやり方の
世界標準すら規定されています。

 

PMBOKという名前で、
プロジェクトマネジメントのノウハウが
記述されています。

 

PMBOKとは、
Project Management Body of Knowledgeの略で
直訳すればプロジェクト管理の知識体系です。

 

ただ、PMBOKを学んだと言っても
すぐにマネジメント、つまり管理が
できるのか、と言えば、難しいでしょう。

 

PMBOKはあらゆる業種に合わせて
作られているので、自分の業種や業務にあう
やり方は自分で選択する必要があります。

 

これを社員に学ばせるには
時間がかかり過ぎて
あまり効果が出ないでしょう。

 

そこで、ここではポイントのみを
お伝えしていきます。

管理ではなく社員自ら責任を持たせるために

社長が管理するのではなく
社員自ら自分の仕事を管理するには、
先ほどの「納期」「品質」「コスト」を
その社員の範囲内で管理する能力を
身につける必要があります。

 

PMBOKには他にもありますが、
私は必要最低限この3つだと考えています。

 

これらは実際に社員にやらせることをしないと
社員は自分の仕事に対して責任を持ちません。

 

重要なのは、その「社員の責任の範囲内」で
社員に管理する能力を身につけさせる、
という点です。

 

会社の全責任を負うのはもちろん社長です。

 

ですが、社長一人がすべてを背負っては
会社は発展していきません。

 

だからこそ、社員一人ひとりが自分の範囲内の
責任を負うことで、会社の土台を支えるのです。

 

ただ、責任だけを負わせるのでは
社員は社長についていきません。

 

責任がある、ということは
実は「自由」がある、ということです。

 

逆に、
自由がある、ということは
その結果に責任を持つ、ということです。

 

そのあたりを十分に社員に理解させておく
必要があります。

 

そして、
自由にさせるのは、「やり方」が中心であり、
「会社の方針」や「方向性」は社長が
全責任を持つ、ということです。

 

会社は人の集まりであり、
人が集まるところは何かの「想い」があります。

 

ここでいう想いは、会社の目的を指します。

 

この目的の部分は社長が責任を持ちます。

 

ですが、その目的に到達するための
やり方は社員が責任を持つのです。

仕事のやり方の教え方

では、仕事のやり方を教えるには
具体的にどうするのでしょうか。

 

「納期」「品質」「コスト」それぞれに
対して教え方が少しずつ異なります。

 

それらについてお話しします。

納期を管理する能力を身につけさせる

納期とは、つまり時間管理です。

 

どんな仕事でも
いつまでに仕上げる、
という時間制限があります。

 

いつかできたら良いな、
という仕事は、仕事ではなく
芸術の範疇でしょう。

 

ただ、それが
○○カ月後なのか
○○日後なのか
○○時間後なのか、
はてまた○○分後なのか
によっては人の動き方が異なります。

 

○○時間後や○○分後の場合は、
「急ぎの仕事」に含まれ、
他の仕事より優先されて実行されます。

 

えてして
急ぎの仕事は突然現れます。

 

任せていたはずの仕事が終わってないため、
急遽自分でやる羽目になったとか。

 

締め切りを忘れていて
慌てて取り組んだとか。

 

ただ、いつも
急ぎの仕事ばかりしていると
身も心も疲れてしまいます。

 

なので、できれば急ぎの仕事は
必要最低限に抑える必要があります。

 

必要最低限とは、
顧客からのクレーム、
突発的な災害や事故、
というものです。

 

先ほど例に挙げた
頼んでいた仕事ができていない、や
締め切りを忘れていたなどは
時間管理ができていれば
防ぐことができます。

 

その時、時間管理の訓練にちょうど良いのが
○○日後が締め切りの仕事です。

 

締め切り日を記述したカレンダーを見ながら
その仕事ができる時間を算出します。

 

ひとつの仕事しかしていない社員は
ほとんどいないと思いますので、
他の仕事との兼ね合いを考えるのです。

 

通常、人は締め切り日が直前に来ると
取りかかる習性があります。

 

夏休みの宿題を夏休みが終わる日に仕上げる
といったようなものです。

 

ですが、前もって準備をしておくと
締め切り日前でも
仕事を終わらせることができるのです。

 

例えば3日後が締め切りの場合、
社長は社員に対して、
今日は何をするのか、
明日は何をするのか、
明後日は何をするのか、
と準備の内容を確認することで
社員は時間管理の方法を学ぶことができます。

 

そして、必ず毎日チェックします。

 

一日の終わりに、
今日する予定だったことはできたのか、
できていたら、明日は何をするのか、
できていなかったら、
今後どうするのか、
といったことを確認していきます。

 

これを繰り返していくと
納期を管理する能力が身についていきます。

f:id:ugrade:20180123213741j:plain

品質を管理する能力を身につけさせる

品質を管理するには、
納品するモノについて
どこまでするのか、を把握させる
ということが一番大事です。

 

例えば、先に企画書や提案書の話をしましたが、
企画書や提案書は時間をかければかけるほど
手の込んだものを作ることができます。

 

ですが、本当にそこまで手の込んだものを
顧客が望んでいるのか、と聞くと
たいがいは
「お客様のためになるから」となります。

 

顧客の望みを表現するために
作りこむのは良いです。

 

ですが、顧客が望んでいる以上のものを
作りこむのは自己満足でしかありません。

 

品質を管理する能力を身につけさせるには、
まず、何ができ上がったら、
もしくは、
何がどうなったら
この仕事は完了なのかを
明確にさせることが重要です。

 

いわゆる「仕事の終わり」を明確にさせます。

 

実は意外とここが不明瞭のまま
仕事をし始めていることが多いのです。

 

○○をしなさい、
と指示を出すことがあります。

 

その際に「すること」を指示します。

 

最初に○○をして、次に△△をして・・・

 

仕事の指示はこのように
手順を指示することが多い時は
指示の出し方を変更します。

 

つまり、
××という作業をしなさい、
やり方は任せる、
という指示をすることが必要なのです。

 

もちろん、その社員のレベルに応じて
指示する必要があります。

 

すでに何度もその作業を完了させた経験を持つ
社員には、やり方を任せてみることです。

 

いきなり任せるには少し不安、
という場合は、
どのようにやるのか、
やり方を確認していくのです。

 

やり方の中には、
今まで通りの方が効率的の場合もあります。

 

ですが、今まで通りよりもっと
効率的な方法があることもあります。

 

やり方の場合は、
細かくチェックする、
というよりも、
必要最低限可能かどうか、
というチェックにします。

 

要は法律に違反していないかどうか、
道徳に違反していないかどうか、
といったことをチェックするだけです。

 

業種によっては法律で
きめ細かく決められているやり方も
ありますので、
それを大きく逸脱することはNGです。

 

ですが、そうでなければ、
新しい方法を「やってみる」というのもあり
なのです。

コストを管理する能力を身につけさせる

コストの考え方を習得するには、
2段階あります。

 

1つは原材料などの目に見えるコスト。

 

製造業などはモノを作るため、
原材料がいくらなのか、
といったことは比較的簡単にわかります。

 

また、工場の電気代や水道代、
地代や家賃など、一般家庭にもある
コストも比較的理解しやすいでしょう。

 

地代や家賃の場合は、
机1個当たりのスペースの地代家賃を
計算するのもわかりやすくなります。

 

例えば、1人分の作業をするスペースが
月額10,000円、といった風にすると、
もうけをこれ以上確保しないと
会社が損する、と理解しやすくなります。

 

もう1つは、社員の給与そのものです。

 

社員にとって給与はコストではないのですが、
会社にとってはコスト(というより支払う
現金)です。

 

ただ社員は、なかなかこれが理解しにくいのです。

 

実際には社員1人に対して、
給与額+各種社会保険料のコストが
会社にかかっています。

 

これを理解しているのは、社長と
人事担当者か経理担当者くらいでしょう。

 

これらは、まず知識として
社員に伝えておく必要があります。

 

これらの知識は、もし万が一
会社を退職することになっても
非常に役立つ知識です。

 

労災や労働保険、
健康保険や年金がどのようになっているのか、
比較的若い時から
教えておくと良いでしょう。

 

この時、「会社が負担してやっているんだ」
と上から目線での言葉ではなく、
事実を淡々と伝えます。

 

もしくは知識を伝える際、
社長ではなく、
経理担当者や顧問の社会保険労務士
話してもらうのも手です。

 

社長自らが話すと、
恩着せがましい、といったイメージに
受け取られがちです。

※信頼関係があるとマイナスイメージは
半減するのですが・・・

 

そして、コストを習得させるには
何度も社員自ら計算させることが大事です。

 

概算で構いませんが、
コスト計算ができるようになれば、
あらゆるところで役立つようになります。

f:id:ugrade:20200930121242j:plain

教える際の注意点

教える際の細かな注意点は、
今までお話ししてきました。

 

ここでは全体を通しての注意点を
お話ししたいと思います。

 

お気づきだと思いますが、
仕事のやり方の教え方は、
一人ひとりの社員のスケジュールや
やり方をチェックする、
という方法です。

 

未熟な社員であればあるほど、
その頻度は多くなります。

 

社長自身がプレーイングマネージャーである
チーム会社では、
社長の負担が増大します。

 

ですから、
人材育成を行う社員の優先順位を
まずは考えていただきたいのです。

 

できれば未熟な社員よりも
経験豊富な社員から育成するのです。

 

仕事のやり方そのものは
経験豊富な社員の方が断然優位です。

 

ですが、今まで社長の指示に従った
仕事のやり方をしていた社員ですから、
戸惑いも大きいと思います。

 

しかし、社長に対する信頼度は
長い期間一緒に働いてきただけに
高いものがあるはずです。

 

経験豊富な社員は新しいことに慣れるのに
時間が若干かかりますが、
できなくはないはずです。

 

そして、その仕事のやり方の教え方も伝え、
更に若い未熟な社員への育成時には
協力してもらうようにする方が
現実的でしょう。

 

また、社員へ仕事を任せるタイミングですが、
「徐々に」がキーワードです。

 

一度に任せてしまうと失敗した時に
大変ですし、
「丸投げされた」というネガティブな
イメージを植え付ける可能性があります。

 

それよりも
少しずつできるようになったら
任せていくことが肝要です。

 

そして、重要な点が一つ。

 

社長自身が仕事のやり方をきちんと
マスターしておく必要がある、
ということです。

 

納期が守れない、
品質が低いままである、
コスト意識が薄い、
という状態では、社員は育ちません。

 

今すぐすべてができる、
というのが難しければ、
社員に学んでいるところを
是非とも見せてください。

 

学ぶ社長を見て、
社員は学ぶことの大切さを学び、
成長することを喜ぶようになるでしょう。

まとめ

本日は、仕事のやり方の教え方について
お話ししてきました。

 

社員一人ひとりに社員の作業を
管理する能力を身につけてもらうことが
仕事のやり方を教える最大の目的です。

 

それができるようになることで、
社長の手間がずいぶんと省けます。

 

そのために
「納期」「品質」「コスト」の3点から
それぞれ教え方をお伝えしました。

 

納期では、自分のスケジュール管理ができるよう
毎日作業進捗のチェックをする。

 

品質では、仕事の終わりがどんなものなのかを
意識させる。

 

そして、やり方を任せるために、
どんなやり方をしているのかを
必要に応じてチェックする。

 

やり方のチェックは違法でない、
モラルに反しない、という程度のチェックに
とどめておく。

 

コストでは、
原材料の費用や光熱費などのコストを学んだあと、
社員自身の給料と各種保険料の会社負担について
概算できるようにする。

 

そして注意点として、
社長自身が仕事のやり方を学んでおくこと

 

本日は、当ブログ最大の文字数を記録しております。

 

そろそろこれで終わりにしますね。

 

もっと具体的に、詳細に
今後お話ししていく予定ですので、
今後とも何卒よろしくお願いします。

 

それでは、今日はこの辺で。

技術・知識の教え方

今日は人材育成で多く取り入れられている
技術や知識の伝え方について
お話しします。

  

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

なので、社長自らが人材育成をするのです。

 

ただ、学校教育では教え方を学びません。
今までは人材育成の基礎や基本を
話してきました。

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識(座学やマニュアルを使う)
2.仕事をするスキル(面談を中心に)
3.人との関係性構築(エンパシースキルを磨く)

 

人材育成の基礎として、
教える側(社長)と教えられる側(社員)との間に
「信頼関係」が必要

 

詳細は、ブログカテゴリ「211_チーム会社の人材育成」
からどうぞ。

ugrade.hatenadiary.jp

技術を教える基本的な考え方

入社してすぐの社員や
若手社員に対しては
会社の業務そのものをやっていく上での
技術や知識が不足しているでしょう。

 

彼らを育成する場合は、
まず、技術や知識の伝授が必要です。

 

教える技術の内容に応じて
教え方も変える必要があります。

 

  • 一子相伝のような特殊技術 
  • 一般的な技術(機械操作、製作など)
  • 知識を必要としない技術

 

同じ技術でも大きく分類すると
上記の3つに分かれます。

 

一子相伝のような特殊技術の伝授については
伝統的な教え方が今でも主流です。

 

徒弟制度があった時代、
師匠と弟子、という関係性の中
師匠が技術を見せて
それを弟子が見て真似て覚える、
という構図です。

 

実は、特殊な技術の場合、
この方法が一番です。

 

一般的な技術の場合は
技術の流れを分解して
ひとつずつ教えていく必要があります。

 

そして、あまり知識が必要ない技術は
基本的にマニュアルを利用します。

 

一子相伝の技術の教え方

こちらは伝統工芸などの職場に相当します。

 

おそらく今でも徒弟制度に近い
教え方をされていると思います。

 

ただ、今まで通りであれば、
どうしても一人前になるのに
数十年かかってしまう、
という場合は、
技術に関連する知識を教える
という項目も参考にしてください。

f:id:ugrade:20200918154427j:plain

獲物の狙い方を猫に学ぶ?

一般的な技術の教え方

たいがい教える人は
その技術を当たり前のように使っているため
技術を使用している間は深く考えていません。

 

よって、今から教えられる人が
教える人のようになること、つまり、
深く考えずにできるようになる、
というのが目標となります。

 

ただ、教え方となると、
「これがこうなると、あれがこうなるから
こうやって、ああなれば、こうやって・・・」
という教え方をしていませんか?

 

「これ」とか「あれ」とかは
具体的な言葉が入るとしても、
実はこれだけでは
決してできるようにはなりません。

 

大きな技術の塊があれば、
まずはそれを分解することが必要です。

 

一番わかりやすいのは、
一連の技術の流れを
いくつかのパーツに分けるのです。

 

他にも内容や習熟する期間別に分ける
というのも良いでしょう。

 

要は、一度に何もかも教えない、
ということです。

 

スポーツの技術の習得の方が
イメージしやすいと思いますので、
サッカーのシュートの技術で
お話ししましょう。

 

シュートをする際、
足先の向きや蹴る強さ、
ボールに対する足の位置など
様々なことが複雑に絡み合って
ボールはゴールの中に飛び込みます。

 

人間の体の中で言えば、
蹴る足だけでなく、支える足の位置、
体の軸、手の振り、目線などがあります。

 

他に実践でシュートが打てるようになるには、
ゴールキーパーの立ち位置や能力、
他の選手の立ち位置など
複雑な要素が絡み合いながら、
シュートコースを瞬時に考え、
それを実行できるよう体の各部へ指示する力も必要です。

 

習得する技術は何気なくしているように見えて
意外とたくさんの要素に分解できるのです。

 

あとは、教えられる側がどこまでできているか、
によって、
教える内容を選択していきます。

 

足腰が鍛えられている人材なら、
ボールの蹴り方から教えれば良い、
というようなことです。

 

逆にボールの蹴り方はできるけど、
足腰が弱いなら、
筋力トレーニングや走り込みから始まります。

 

そして、できるようになるまで
努力が必要となります。

 

技術の場合は、体に身につける必要があるため
何度も練習を行う必要があります。

 

自動車運転のことを想像していただくと
わかりやすいでしょう。

 

運転歴1カ月程度だと、まだ、
「アクセルを踏んで、ここでブレーキを踏む」
といったことを頭の中で考えながら
操作していたと思います。

 

ですが、数十年経つと体の方が自然に動いて
助手席の人と会話もできるようになります。

 

業務の技術は、
何回も何回も失敗するでしょうけれど、
練習することが必要なのです。

 

ただ、失敗するたびに、
どこを修正すべきなのか、
を必ず考えさせることをしてください。

 

スポーツの一流と言われる選手も
繰り返し練習をしています。

 

ですが、アマチュアの選手も
同様に繰り返し練習しているはずです。

 

その違いは、
もちろん練習の総時間の違いもあると思われますが、
それ以上に、失敗に対して
「振り返り」があるかないかだと
考えています。

 

「どうやったらできるようになるんだろう」
と考え続けているかどうか、です。

 

ただ、その振り返りで気をつけたいのは
「できないのは努力が足りないから」
とはしないことです。

 

練習不足であるかもしれません。

 

ですが、前回もお話ししたように
ガムシャラにするだけでは
何の成長もありません。

 

精神論で片付けるな、
と言っているわけでもありません。

 

人間ですから、気分の好不調はあります。

 

他に気になることがあれば、
うまくいくこともいきません。

 

だから、メンタル面も重要です。

 

ですが、努力や根性だけで済ますことは
避けるべきです。

 

繰り返し練習するのは当然として、
できなかったら、なぜできないのか、
自分に足りていないのは何か、
を常に考えることが重要です。

f:id:ugrade:20171010213859j:plain

できるようになるため練習する

知識を必要としない技術の教え方

この技術は具体的に言えば、
・決められた様式の書類の数字を
 パソコンの決められた箇所に打ち込む、
・決められたメニューの中から選ばれた注文を
 決められた通りに調理して提供する、
といったことです。

 

実は本当に役に立つ人材にするには
幅広い知識を持ってもらった方が良いのですが、
当座で役立つ人材にするために
必要最低限覚えてもらいたい技術、
と言い換えた方が良いでしょう。

 

このような技術の場合、
教える時間がもったいないです。

 

ですから、大まかな流れを伝えた後は
マニュアル通りに行ってもらうことが
重要です。

 

マニュアルを見ながら
イレギュラーが発生した時だけ
呼んでもらうようにする、
のです。

 

ただし、そのマニュアルは
「誰が見ても、すぐにわかり、
誤解が生じないマニュアルであること」
が重要です。

 

パソコンへ数値を入力する技術であれば、
表示されるパソコンの画面写真に
クリックする順番や数値を入れる箇所を明記します。

 

注文通りに作成するためには、
手順通りに何をどのくらいの大きさで
どのようにするのかが、キチンとわかるように
できれば写真や図を載せておきます。

 

マニュアル通りに行わせれば
同じことを何度もするので
自然と技術も身についていきます。

 

このマニュアルを作成するのも大変な労力がいります。

 

ただ、一度作っておくと
次の人が覚える際にも役立ちます。

 

マニュアルに対して注意点があります。

 

マニュアルはあります、
という会社は多く存在します。

 

ですが、マニュアルを更新している会社は
ほとんどありません。

 

大変な労力をかけて作成された
マニュアルですから、
作ったら安心する、
という気持ちもわからなくはありません。

 

ですが、マニュアルは「更新」すべきです。

 

わかりにくいところ、
使い勝手の悪いところ、
社会全体が変化したところなど
マニュアル自体は常に更新される必要が
あります。

f:id:ugrade:20200918155028j:plain

マニュアルは人材育成にも重要

技術に関連する知識を教える

知識の場合は、
基本知識と背景知識に分けられます。

 

良く新入社員研修時に知識を
詰め込んで教えるケースがありますが、
実はそこで完全理解することは稀です。

 

比較的、
基本知識はすぐに覚えるでしょう。

 

例えば、美容師で言えば、
シャンプーとコンディショナーの違いは
簡単な説明で理解してくれるでしょう。

 

ですが、
背景知識は違います。

 

シャンプーの主成分の知識や
汚れが落ちる仕組みなどについては
ある程度、化学の知識が必要になります。

 

背景知識は、この化学の知識のことです。

 

他にも美容師の場合は、
頭の骨格や髪の成分など
生物学的な要素もあります。

 

どんな業種であっても
業種内の知識だけではなく
専門的な知識が必要でしょう。

 

そこだけは大学で学ぶ知識とほぼ同じ、
というケースも多くあります。

 

背景知識は
新入社員時に詰め込んでも
理解は全く得られません。

 

実は、ある程度経験を積むことで
理解されるようになります。

 

なぜ、この技術が必要なのだろう
なぜ、こんなふうにするのだろう
なぜ、この技術は生まれたのだろう

 

こういった疑問に答えるのが
背景知識です。

 

この疑問はある程度仕事に慣れた頃に
現れてくる疑問です。

 

疑問が生じたら、
難しい知識になりますが、
少しずつでも教えていきましょう。

 

必要に応じて
通信教育などを受けさせるのも手です。

 

技術には
その技術が生まれてきた理由があります。

 

 

そんな技術の歴史を含め、
その技術の背景となっている知識群を
学ばせることで、
より技術の扱いが上達していくでしょう。

f:id:ugrade:20200407121740j:plain

知識の山の書籍の山

背景知識が生じてこない

ただ、こんな疑問が現れてこない
社員もいます。

 

今まで通りにすれば良い、
と思い込んでしまい、
疑問が出なかったケースです。

 

これは、実は誰にでも起こりえます。

 

その社員の能力が劣っているわけでは
ありません。

 

思いもよらなかったことを
若い新入社員から疑問に投げかけられて
そこで改めて考えた、
という経験もあるでしょう。

 

その時、知ったかぶりをしないでください。

 

どうしても新入社員の手前、
「知らなかった」は恥ずかしいかもしれません。

 

ですが、知ったかぶりをすることは、
後々の人材育成に影を落としてしまいます。

 

若い社員から疑問を投げかけられた時、
「よく気づいたなぁ、すごいなぁ」
と感心してみせてください。

 

そして、
「今まで考えたこともなかったが、
それは学んでみる必要性がありそうだ」
と自ら学ぶ姿勢を示してください。

 

この対応は2つのメリットがあります。

 

1つは、素直に褒められてうれしい、
と思わせることができます。

 

それは知識や技術をもっと深めようという
やる気にもつながっていきます。

2つ目は、社長自らが学ぼうという姿勢を見て
人はいくつになっても学ぶことが大事なのだ、
ということを教えます。

 

もう30歳になったから学ぶことはない、
50歳にもなって知らないのはおかしい、
といった声を聞きます。

 

30歳になったからと言って
学ぶものがないことはありません。

 

50歳になったからと言って
知らないこともあります。

 

人間国宝になるような技術者はいつも
「わしゃ、まだまだだ。もっと上手くなりたい」
と言っているのを良く耳にします。

 

人間、いくつになっても学ぶことはあり、
いくつになっても学び始めて構わないのです。

 

それを教える良いチャンスと思ってください。

 

まとめ

今日は、技術と知識の教え方について
お話ししてきました。

 

技術は技術の内容によって
少しずつ教え方が変わります。

 

一子相伝のような技術は
徒弟制度のように一人や二人程度に
少しずつ教えていきます。

 

一般的な技術は、
いくつかに分解して、
教えられる側の習熟度に合わせて
選択して教えていきます。

 

そして、何度も練習させることが重要です。

 

ただし、失敗した際は、
どうしたらうまくできるようになるのか、
という振り返りが重要だということ。

 

知識が不要な技術に関しては、
マニュアルを作って
それを元に動いてもらうということ。

 

そして、知識は、
業務に密接に関係する基本知識と
技術の背景にある背景知識があります。

 

基本知識は技術を覚える際に自然と身につきます。

 

背景知識は、大学で学ぶ専門知識にもなる
難しい知識です。

 

ですが、技術に習熟するにつれ、
疑問が湧いてきて、
それに応えるように身につけていく知識でもあります。

 

今日の内容は比較的どんな会社でも
実践されてきたような教え方だと思います。

 

是非とも技術力のある人材へ育成してください。

 

それでは、今日はこの辺で。

根性が足りないからできない?

チーム会社が発展するには
社長自身で人材育成をする必要がある
ということで、
これまでお話をしてきました。

 

今回は、良くあるはなしとして
「根性が足りないからできないんだ」
というテーマでお話しします。

 

人を育成する時、育成される側の根性は
必要と思われますか?

 

結論から申せば、
根性そのものは
人材育成に必要です。

 

ただし、根性が必要なのは
人材育成の一部です。

 

何もかも根性一つで済ませるのは
間違いだということです。

 

今回は以下のような内容で
お話ししていきます。

  

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

ないないづくし社員とは、
やる気がない、自分から動かない、といった
会社にとってダメージを与える社員

 

あるあるづくし社員とは、
常にやる気があって、
会社の業績をアップさせる行動力があり
自ら考えることができる社員

 

ただ、チーム会社には
あるあるづくし社員が入社しない
労働市場で大企業へと流れてしまう

 

だからこそ、社長自ら人材育成をし
現在の社員をあるあるづくし社員へと
変貌させることが必要

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識(座学やマニュアルを使う)
2.仕事をするスキル(面談を中心に)
3.人との関係性構築(エンパシースキルを磨く)

 

人材育成の基礎として、
教える側(社長)と教えられる側(社員)との間に
「信頼関係」が必要

 

根性が足りないからできない?

人材育成の現場で良く耳にする言葉として
「根性が足りないからできないんだ」
というものがあります。

 

続けられた言葉は、
「今どきの若い者は根性が足りない」
です。

f:id:ugrade:20200916122326j:plain

根性がない猫

先日、ちょっと小耳にはさんだニュースで
宝塚音楽学校で伝統的な指導法(?)の一部が
廃止になる、というのがありました。

 

内容は言及しませんが、
これを聞いた人が
「本当に若い者は根性がない」
と言うのでは、と
つい思ってしまいました。

 

私自身、そんなに長く生きたつもりはないですが、
気づけば半世紀以上生きてました。

 

だから、半世紀前の状況だと
「仕事は盗み見て、根性で覚えるんだ」
「できなければできるまでやれ! 根性が一番」
といった言葉が普通に使われていたことを
知っています。

 

それを言われた、その当時の若い人である
私は、「根性って何?」
と思ったことを今でも覚えています。

 

仕事を盗み見るって言われても
事務作業は盗み見ることはできません。

 

机に向かって何やら書き込んでいるのを
覗き込むのは、かなり勇気がいります。

 

ずいぶん時が経って
ソフトウェア開発の会社に再就職した際は
「これは絶対に盗み見るは不可能だな」
と思いました。

 

先輩が頭の中で組み立てたプログラミングを
見ていただけでは習得できません。

 

できなければできるまで根性をもってする
ことも不可能です。

 

「なぜできないのか」の理由がわからないと
何時間も何日もそこに留まっているだけです。

 

理由を理解するには、たくさんの知識が必要です。

 

たくさんの知識を詰め込むには
かなりの時間が必要です。
時には数カ月、数年が必要でしょう。

 

ということは、
その人は納期までにその仕事をできない
というわけです。

 

今どき、
スポーツ選手でも「根性」を出して
練習に打ち込む人は少なくなりました。

 

ただガムシャラにやるだけでは
非効率だ、という理由からです。

 

そう。

 

根性という言葉の背後にある意味合いは
「ガムシャラに同じことを繰り返す」
というものがあります。

 

効率は全く考えません。

 

確かに、効率悪くても
時間をかけることができるのであれば、
どんな人でもそれなりにできるようになります。

 

天才は1万時間の練習をしている
という「1万時間のルール」があります。

 

 

人はある程度の時間をかければ
それなりに経験値を積んで
上達するものです。

 

ただし、上達したい、
という気持ちがあることが条件です。

 

何も考えずに単純に作業を繰り返すだけでは
人は上達しません。

 

単純に「ガムシャラ」にやるだけでは
上達しません。

 

そうです。
「ガムシャラにする」とペアのようになっている
「根性」では上達する可能性が低くなります。

 

根性とは?

では、根性とは何でしょうか。

 

広辞苑によると、
1.その人の根本的な性質。こころね。しょうね。
2.困難にもくじけない強い性質
とあります。

 

普段聞いている言葉からすると、
2.の意味が強く感じられます。

 

困難にもくじけない強い性質は
ガムシャラに何かをする、
ということに相通じるからです。 

 

困難にくじけない強さは、
学ぶ上で重要な要素です。

 

技術を習得するには
同じことを何度も繰り返し、
体に覚えこませる必要があります。

 

その際に辛いことも多いでしょう。

 

同じことを繰り返してもできない自分を
悔しく思ったり、
何事もなくできる同僚を羨ましく思ったり、
精神的にも辛いことが続きます。

 

ですが、その辛いことを乗り越えて
練習することで、
その技術は自分のものになるのです。

 

その際、決して忘れてはいけないことがあります。

 

先ほど
「何も考えずに同じことを繰り返すだけでは
上達しない」
とお話ししました。

 

技術が上達するためには、
一回行うごとに「振り返り」が必要なのです。

 

わかりやすいパターンとして
スポーツを取り上げます。

f:id:ugrade:20200916122714j:plain

シュートの練習

例えば、サッカーの練習。

 

シュートの練習を繰り返しています。

 

その際、一回シュートを打つたびに
ボールの右側を蹴り過ぎてしまった、
とか
ボールを蹴る時の力が弱すぎた、
といったことを頭の中で考えるはずです。

 

そうしていくうちに、
体のコントロールが上手くいくようになり、
思うようなシュートが打てるようになります。

 

仕事での技術も同じなのです。

 

陶工が器を形づくるために
何度もロクロを回して土を削っていくように。

 

大工が滑らかな肌の柱を作るために
カンナのかけ方を練習するように。

 

世界有数の技術者たちも
そこに到達する前に
その技術を何度も練習して
磨いていっています。

 

そういった技術を身につける際は
「根性」が必要なのです。

 

ですが、
営業職の人がアポイントが取れない、
といって「根性」を出しても
何の解決もありません。

 

中には断られても断られても
売り込みに行くことで
成約にこぎつけた
という話もありますが、
それは根性だけの話ではありません。

 

あくまでビジネス上の話ですから、
相手も成約することでメリットが
あったからできた話です。

 

デメリットしかない場合は
迷惑だけしかありません。

 

根性は、人材育成で教える内容の
一部では大変必要とされるのですが、
他の内容では邪魔でしかありません。

 

根性と相性が悪い教える内容とは

以前に教える内容を3つに分類しました。

ugrade.hatenadiary.jp

 

概要は以下の通りです。

人材育成の基本(教える内容で分類)
1.技術や知識
2.仕事をするスキル
3.人との関係性構築

 

この中で根性と相性が良いのは、
1.技術や知識です。

 

知識にも根性が必要です。

 

知識を覚えなくてはならない、
資格試験に合格しなければならない、
といった場合は、ある程度根性が必要です。

 

それ以外はあまり根性との相性が悪いです。

 

2.仕事をするスキルでは、
納期と品質の管理スキルなどが含まれます。

 

納期が迫っている時に
根性で何とかする、
というのは間違っています。

 

人には限界があり、
1カ月かかる作業を1週間でするのは
無理です。

 

それを根性だけで片付けようとするのは
問題が多すぎます。

 

3.人との関係構築では、
営業による顧客との関係性構築も
含まれます。

 

確かに気に入ってもらうために
何度も訪問というのはあります。

 

ただ、そこに根性だけで
毎日通うのは、本当の意味では
何のメリットもありません。

 

いやがられてしまっては
根性どころではありません。

 

なのに、
根性が足りないからできないんだ、
と社長から言われたら
社員は困ってしまうでしょう。

 

人材育成として根性より優先すべきなのは
「仕事をする時の考え方」を教えることです。
「人の気持ちを考える力」を教えることです。

 

納期が間に合わない、ということであれば、
人を増やす、
納期を伸ばす、
品質レベルを落とす
といったことが考えられます。

 

これが可能かどうかを検討し、
手を打っていくことになります。

 

また、納期が間に合いそうにない
原因を突き止めて
事前に対策を講じることも必要です。

 

顧客に気に入ってもらいたければ、
その顧客がどんな気持ちで
売りたい製品を使うのかを考えて
提案する方法を考えることです。

 

これらの考え方ややり方を
教えていくことで
社員は成長していくのです。

 

根性が足りないから
の一言で済ませてしまったら、
社員の成長は見込めません。

f:id:ugrade:20171016235947j:plain

根性は猫に不向き

 

人は教えられたように教える

人に教えることは学校では学びません。

 

だから、社会に出た時、
教えてもらったように
教えることしかできません。

 

教えるやり方の見本は
昔の先輩たちのやり方です。

 

確かにその方法でも人は育ちます。

 

現に社長もその方法で
育ってきているからです。

 

ところが、振り返ってみてください。

 

一人前になるまでに
どれくらいの時間がかかりましたか?

 

そして、今現在、
その時間をかけてゆっくり育てる
余裕がありますか?

 

今、世界はものすごい速さで変化しています。

 

今までの技術が不要になる事態が
頻繁に起こっています。

 

少し古い例えですが、
郵便で書類を送っていたのが
FAXの登場で、郵便自体が減少しています。

 

また、年賀状がメールの発達により
売上枚数が減少しているという
ニュースは最近よく耳にします。

 

会社が時代に乗り遅れないためにも
更に技術力を高めなければならない、
という切迫した気持ちを持つ
社長も少なくはないでしょう。

 

こんな時代だからこそ、
人材育成は効率的に教える必要があります。

 

教える内容に応じて
やり方を変えるのです。

 

今までのように
根性の一言だけでは
済まされなくなってきているのです。

 

また、
最近の若い人たちが持つ情報量は
想像以上に多いです。

 

昔ならばちょっと辛いことがあっても
周りの情報が入ってきませんでしたから、
ここで頑張るしかない、
と思い、何とか、
それこそ根性を出して頑張ってきました。

 

ですが、今はちょっと辛いことがあると、
他の会社はもっと楽に学んで成長させてくれる、
という情報を得てしまいます。

 

本当は、
「隣の芝生は青い」、
という状態なのですが、
若い人たちには、経験不足ゆえに
そこまで考えが及ばないケースが多いです。

 

そのため、転職してしまう、
というパターンとなってしまいます。

 

こんな状況にならないためにも
せっかく採用した人材が
辞めてしまわないためにも
人材育成の方法を習得する必要があるのです。

次回からは
教える内容に応じた
教え方についてお話ししていきます。

 

それでは、今日はこの辺で。

人材育成の基礎は「信頼感」

チーム会社が発展するには
社長自身で人材育成をする必要がある
ということで、
これまでお話をしてきました。

 

今回は、人材育成の基礎は「信頼感」
というテーマでお話しします。

 

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

残念ながら、チーム会社は、
研修をするお金がない
研修をする時間がない
という理由で、研修という形での
人材育成はできません。

 

ないないづくし社員とは、
やる気がない、自分から動かない、といった
会社にとってダメージを与える社員

 

あるあるづくし社員とは、
常にやる気があって、
会社の業績をアップさせる行動力があり
自ら考えることができる社員

 

ただ、チーム会社には
あるあるづくし社員が入社しない
労働市場 で大企業へと流れてしまう

 

だからこそ、社長自ら人材育成をし
現在の社員をあるあるづくし社員へと
変貌させることが必要

 

人材育成の基本的な3つの流れ
1.現在の社員を良く観察する
2.将来の会社をどうするのか考える
3.今の社員をどう成長させるのか考える

 

これらを踏まえ、前回は、
人材育成の基本ということで
教える内容を3つの種類に分類し
それぞれの技術の概略について
お話ししました。

 

信頼とは何か

さて、人材育成の基礎は「信頼感」
ということです。

 

ただ、この「信頼」という言葉、
似たような言葉で「信用」があり、
混同されやすいので、
最初に言葉の意味についてです。

 

まず、信用です。

 

信用取引
信用を無くす

 

といったように信用という言葉は
ビジネスで良く使われます。

 

 

個人客であれば商品は現金と引き換え、
というのが当たり前ですが、
会社同士の場合は信用取引が普通です。

 

通常は、月末締め翌月末払いです。

 

ある製品を購入した場合、
1カ月分をまとめて月末時に
合計額を請求し、
翌月末に支払う、
ということです。

 

製品が現金化するのが1カ月後、
ということです。 

 

 

もし、この1カ月の間に
製品を購入した会社が倒産したら
現金はもらえなくなる可能性があります。

 

そこで、「信用」ということが
大事になります。

 

ある程度大きな会社になると
新規取引先の信用調査をします。

 

信用調査は、取引先の経営状況を調査して
1カ月後にキチンとお金が支払われるかどうか
を調べるのです。

 

もちろん、対社員でも同様です。

 

給料日に給料が支払われない、
となると大騒ぎになります。

 

勤めている会社への信用を無くしてしまうのです。

 

更に粗悪な製品を出荷した場合は
顧客からの信用を無くします。

 

食品偽装事件があったことを
記憶にある方もおられると思います。

 

そういった会社はなかなか信用を
得にくくなります。

 

信用はこのように
財産を含めた「価値」が関係した中で
「信じる」こと、ということです。

 

それに対して信頼は、
「価値」の部分がなくなります。

 

あの人は良い人だから
信頼するに足る人だ

 

信頼されたのだから信頼できる

 

といったように、
人と人とを結びつけるために
信じること、ということです。

 

明るくておおらかなのだけど、
おおらか過ぎて
小銭を借りたら返さない人がいるとします。

 

その人は、
単純に細かいことに無頓着なだけで、
人物的にはしっかりとして
仕事の成果は間違いがないとします。

 

そのような人に対して
信頼はするけれど、
信用はできない

 

といったことが生じてきます。

 

同じ信じるという意味であっても
信用と信頼とは
価値が関与するかどうかで
意味合いが異なるのです。

 

ここでは、信用というより
信頼に重きを置きます。

 

今から人材育成を行う上で
社長は社員から信頼されることが必要です。

f:id:ugrade:20200910112326j:plain

信頼されるとどうなるのか

講師として様々なところで話をしてきた経験で
講師になる時にまず重点的に言われたのが、
聴講者に信頼される講師になること、でした。

 

聴講者には、まず講師に対する信頼が必要です。

 

信頼されなければ、
いくら講師が良いことを話しても
聞いてもらえません。

 

信頼は
話を聞いてもらうための鍵なのです。

 

信頼がなければ
話を聞く前に耳に扉が固く閉じられてしまいます。

 

その扉を開くには鍵が必要であり、
それが信頼なのです。

 

聞く人の立場になって考えてみれば
すぐに理由がわかります。

 

皆さんが話を聞く際、
信頼できる人と信頼できない人の話、
どちらを聞く気になるでしょうか。

 

この人の話だったら聞いても良いな、
と思わせるのが信頼なのです。

 

人材育成も話を聞いてもらわなければ
何も伝わりません。

 

何はともかく、
信頼関係を築くことが一番重要です。

 

信頼関係がなければ人材育成のどんな技術を使っても
何の効果もありません。

 

なので、講師は最初の自己紹介で
話を聞くに値する信頼できる人材なのか
をアピールすることを叩き込まれます。

 

単純に自己紹介をするだけでなく
話を聞いてやろうか、
と思ってもらえることが大事なのです。

 

よって聴講者の年齢や性別、属性などは
事前に調査することになります。

 

小学生相手に
難しい単語を並べても
わかりません。

 

社名をクドクド言っても
理解してもらえません。

 

理解できないことを最初に話すと
途端に聞く気がなくなり、
隣の子同士でのおしゃべりが始まります。

 

高齢者相手でも
カタカナばかりの社名は通用しません。

 

このように
最初の自己紹介が重要ということなのです。

 

社長と社員の関係は
初対面ではないので、
自己紹介は不要です。

 

ですが、今までの関係性で
信頼関係が築けているかどうかが
重要になります。

 

社長のことを信頼していない社員ばかりでは
人材育成どころではないのです。

 

ただ、注意しておく必要があります。

 

社員は通常、社長の話は聞きます。

 

それは給料をくれる相手だから。
ただ、そこに信頼がない可能性があります。

 

社員であれば、
社長の話は必要最低限聞きます。

 

それは当たり前のことです。

 

話を聞いてくれるから大丈夫と
安心してはいけない、ということです。

 

話を聞いている「フリ」をしているだけです。

 

社長を信頼しているから
話を聞いてくれているのであれば、
社長の思うように会社が進んでいくでしょう。

 

ですが、どうもそうではない、
という場合は、
社員が社長のことを信頼しておらず、
聞いている「フリ」をしているだけ
ということが考えられます。

 

信頼関係ができていないな、
と感じるのであれば、
最初に信頼を築きあげることが必要です。

f:id:ugrade:20181211174623j:plain

信頼されるためには

では、信頼されるためには
どうすればよいでしょうか。

 

それは、
社員のことを信頼することから始まります。

 

そういうと
「社員のことを信頼できない」
と感じる社長がいます。

 

信頼して任せても
上手く仕事ができないから・・・

 

という理由がほとんどです。

 

お客様は怒らせてしまう、
とか
品質の悪い製品を作ってしまう、
とか
様々な理由で信頼できない、
と思うのです。

 

実は、
上手く仕事ができないから、
信頼できない、
のではなく、

 

それは、信用できない、
ということです。

 

仕事が関わると、価値が関わってきます。

 

売上だったり品質だったりと
価値が関わるのです。

 

会社は、
信頼と信用が混在してしまう環境にあります。

 

そこはキチンと分ける必要があるのです。

 

育成できていない社員は、
信頼するけれど、
信用できない
のです。

 

長年一緒に働いているので、
社員は暴力をふるったり
モノを盗んだりすることはなく
信頼できる人物であることは
わかっているはずです。

 

まず、信頼することです。

 

そして、どの部分が信用できないのか
をはっきりさせます。

 

その部分は育成できていない部分、
ということになります。

 

育成すれば、徐々に信用できる社員へと
変貌していくのです。

 

ただ、
「お前を信頼している」
といきなり言っても
社員は首をかしげるだけでしょう。

 

信頼されていない社長であれば、
「変なことを言い始めた」
くらいしか感じないと思います。

 

社員の中でも
信頼と信用を混同している人が多く、
勘違いをする人も出てきます。

 

それよりも、例えば
「○○ができるようになると助かるのだが、
教えるからできるようになってくれないか」
と持ち掛ける方が良いでしょう。

 

この場合、
社員からしてみると、
「自分は将来的に〇〇ができるようになる、と
信頼されている」
と感じるようになります。

 

この感じが重要なのです。

 

人は信頼されると
信頼してくれた人に対して
信頼するようになります。

 

言うならば
「期待」をかける
ということです。

 

期待される、
ということは、そこに信頼があるのです。

 

決して、
「○○ができないから信用できない」
と言ってはいけません。

 

そうすると、
その社員は近い将来退職してしまうでしょう。

 

期待を語るのであれば、
それは良い未来を語ることにつながります。

 

信頼していることを伝えるには
良い未来を語るように
伝えることが重要になります。

f:id:ugrade:20200910112745j:plain

まとめ

本日は、人材育成の基礎は信頼感、
ということでお話ししてきました。

 

まず、信頼と信用について
話をしました。

 

信用は価値の関与がある状態で信じることです。

 

信用を失うことは、価値を失うことです。

 

信頼は、その価値とは関係ないところで
信じることです。

 

人柄やその人の良い点を信じることです。

 

人材育成はこの信頼が重要です。

 

なぜなら、人の話を聞く気にさせるには
話す人に対して信頼が必要だからです。

 

話を聞いてもらえなければ、
人材育成のための話を聞いてもらえません。

 

信頼されるためには、
相手を信頼することが重要です。

 

信用と信頼をきちんと使い分け、
信頼していることを伝えるのです。

 

その際に、
良い未来を語り、
期待していることを表現すると、
自然と社長の信頼感は伝わります。

 

是非とも信頼関係を築き、
チーム会社の人材育成を行ってください。

 

それでは、今日はこの辺で。

人材育成技術の基本

チーム会社が発展するには
社長自身で人材育成をする必要がある
ということで、
これまでお話をしてきました。

 

今回は、人材育成の技術について
概略をお話しします。

 

前回までの概要

チーム会社とは、
スポーツチームを構成できる人数規模の会社

 

ないないづくし社員とは、
やる気がない、自分から動かない、といった
会社にとってダメージを与える社員

 

あるあるづくし社員とは、
常にやる気があって、
会社の業績をアップさせる行動力があり
自ら考えることができる社員

 

ただ、チーム会社には
あるあるづくし社員が入社しない
労働市場で大企業へと流れてしまう

 

そのため、社長が人材育成をし
現在の社員をあるあるづくし社員へと
変貌させることが必要

 

人材育成は、
まず、現在の社員を良く観察する
必要がある

 

そして、将来の会社をどうするのか
考えた後に今の社員をどう成長させるのかを
考えていく必要がある。

 

こういったことをお話ししてきました。

 

人材育成の技術

さて、人材育成の技術は
大きく分けて3つあります。

 

  1. 技術・知識
  2. 仕事そのもののやり方
  3. 人との関わり方

 

何を学ばせるかによって
人材育成の技術の3種類のうち
いずれかを選択します。

 

1.技術・知識

入社してすぐの社員や
若手社員に対しては
会社の業務そのものをやっていく上での
技術や知識が不足しているでしょう。

 

彼らを育成したい場合は、
技術や知識の伝授が必要です。

 

技術の伝授については
伝統的な教え方が今でも主流です。

 

徒弟制度があった時代、
師匠と弟子、という関係性の中
師匠が技術を見せて
それを弟子が見て真似て覚える、
という構図です。

 

 

技術は体得、つまり
体で覚えていく必要があるため、
繰り返し練習することが必要です。

 

そのために、
まずは真似る、
同じ動作を繰り返す、
少しずつ自分らしく変化させる、
自分なりに技術を高めていく
といった「守破離」の構造となります。

 

知識においても同様です。

 

一度に覚えることは限りがあるので
順番に少しずつ知識の範囲を広げていく
手法です。

 

ここは学校方式が一番最適でしょう。

 

これらの教え方は
比較的わかりやすいですし、
想像つきやすく、実践しやすいでしょう。

f:id:ugrade:20170801220241j:plain

 

2.仕事そのもののやり方

仕事そのもののやり方は
業種や会社によって異なります。

 

毎日、ほぼ同じことを行うような
業務であれば、
1.技術・知識で
お話ししたような教え方で十分です。

 

ですが、そうではない仕事の場合は、
仕事そのもののやり方を
教える必要があります。

 

例えば、「納期」がある仕事。

 

納期までに品質の良い製品を納品する
といった仕事の場合、
納期ギリギリに切羽詰まって
仕事を追い込まなくても良いように
管理していく必要があります。

 

例えば、家を建てる、
といった仕事の場合です。

 

同じ家を同じ大きさの敷地に建てる
というのであれば、大きな問題はないでしょう。

 

ですが、一軒一軒、土地の大きさも異なり、
建てる家も異なるのであれば、
簡単に建てられるものではありません。

 

言うなれば、
「段取り」というものが必要です。

 

納期まできちんと品質保証できた製品を
お渡しすることができるよう
前もって準備をしておくことです。

 

「段取り」という言葉で検索すると
さまざまな記事が出てきます。

 

また、本もさまざまな形で出版されています。

 

それだけ重要なことなのに、
実は学校ではあまり教えられておらず、
知らないことが多いのです。

 

ある程度年齢を重ね、
仕事を長年やってきた方でも
今までと異なる仕事になると
何もできなくなるケースがあります。

 

どんな場合でも段取りをする力がないと、
仕事でつまづくことになります。

 

こういった場合は、
社員一人ひとりのプロセスを確認しながら
指導していく必要があります。

 

育成する社員の経験値にもよりますが、
全くの新人であれば、日に2回、
朝と昼休み直後、もしくは終業時間直前などに
仕事の進捗具合や今後の進め方について
10分でも良いので話しあうのです。

 

f:id:ugrade:20170802211009j:plain

 

仕事が降ってきたら、
がむしゃらに取りかかるのではなく、
優先順位を考えて、
段取りを考えて、
仕事をする方が効率的ですし、
効果的です。

 

それらの手法については、
仕事を任せるだけでは
絶対に身につきません。

 

社員個人が気づいて修正しながら
自分なりに育っていく、
というのを期待すると
数年、数十年かかります。

 

3.人との関わり方

人との関わり方は
今までの人生経験の中で
ある程度身についているはずです。

 

ですが、
希望する研修の中で
コミュニケーション
が意外と多かったりします。

 

人との関わり方というのは
ほぼ100%コミュニケーションです。

 

例えば、
連絡・報告・相談と言われるものが
適切な時期に適切に行われているか
と聞くと、
首を横に振る社長が多いです。

 

連絡・報告・相談のタイミングがわからない
という嘆きも多く耳にしてきました。

 

そんなに難しいコミュニケーションではないのに
わからない、という人が多いのが現状です。

 

これでは上手に人と関わることは
難しくなってしまいます。

 

これらを学ばせるためには、
「話し合う」ことが必要です。

 

会議ではありません。

 

会議で育成できるのであれば、
それに越したことはありませんが、
通常はなかなか育成できません。

 

会議は複数人が一同に会するので、
なかなか言葉が出ない人、
見栄の方が優先して良いことしか言わない人
といった人が出てきます。

 

そうではなく、
社長と1対1の面談を行うのです。

 

この面談を最近では

1on1(ワン オン ワン)

と呼んでいます。

 

面談なら、半期に1回やっている
という会社は多いでしょう。

 

評価面談ですね。

 

私の言う面談は
評価面談ではありません。

 

少なくても週1回程度、
30分程度の面談を行います。

 

本来なら社員が面談テーマを決めて
面談に臨むのですが、
そこまで育成できていないのが現状でしょうから、
社長の方から面談テーマを決めておきます。

 

テーマは何でも構いません。

 

ただ、テーマを
「現状、困っていること」
といったアバウトなものにしてしまうと
「今は何も困っていません」
という返答しかないでしょう。

 

なので、最初は、
2.仕事そのもののやり方の
内容をここへ持ち込んでも良いでしょう。

 

その社員の夢を聞く、
というものでも良いでしょう。

 

個人的な夢でも構わず聞いて、
それを形にするために
一緒に考えよう、
というスタンスで話を聞くのです。

 

社員の意外な一面を垣間見ることになるでしょう。

 

 ここでの問題は
社長一人が30分話さない、ということです。

 

社長業を長くやっていると
自分の想いが強くなり、
つい他人を前にすると
自分の事を話してしまいがちです。

 

社長の面談ではないので、
あくまで主役は「社員」です。

 

社長は聞き手に徹します。

 

そのうち、社員の方から
仕事上の悩みが相談されるようになれば、
その社員の育成に大きく関与していくことに
なるでしょう。

 

そんな時でも
社長がアドバイスして終わりではなく、
一緒に考えようの態度は変えてはいけません。

 

社長よりも、
もっとうまくやっている社員がいるなら、
話を聞いてみることを勧めてみるなど、
回りを巻き込むことも必要です。

f:id:ugrade:20200827172702j:plain


人との関わり方ができないと仕事ができない

仕事は基本的に一人だけで完結することはありません。

 

自分でモノやサービスを提供し、
誰かから対価をもらうことで
仕事は完結します。

 

自給自足の生活であれば、
人と関わる必要はないかもしれませんが、
今の世の中、完全なる自給自足はありません。

 

水道・ガス・電気といったインフラ系は
サービス業者が必要です。

 

また、一人で牛を育てて
その肉をさばいて食べる、
といったことも無理でしょう。

 

誰かと一緒に何かをすることができる、
ということは、とても重要なことなのです。

 

チームスポーツ経験者であれば、
チーム(同僚)に貢献するという意識を
持っているでしょう。

 

ただ、会社で働く場合は、
チームに貢献だけすれば良いわけではなく、
「顧客」の存在があります。

 

その分、人間関係が複雑になってます。

 

人材を育成することの本質は、
その人材がちゃんと自分の足で立ち、
その目で相手を見つめ、
その心で相手を認めることができるようになる、
というものだと私は考えています。

 

もっと抽象的な言葉で言うならば、

 

自分自身に等身大の自信を持ち、
相手の立場を想像して
相手と相互的に関係性を持つ、
ということです。

 

そのためのツールとして「言葉」があり、
「表情」や「行動」がある
と思います。

 

ただ、意外と、
等身大の自信を持つ、
相手の立場を想像する、
相互的に関係性を持つ、
というのが難しいのです。

 

自信を持ちすぎて「尊大」になったり、
自信がなさ過ぎて「消極的」になったり
している人はたくさんいます。

 

また、「想像する」というのは
ある意味テクニックが必要です。

 

その上で、お互いに関係性を保つ、
というのは相手も同様のことができることが
求められます。

 

そこで、まずは社長との関わり方を
どのようにすれば良いのかを学ばせる、
という意味で、
面談という方式をご提案しました。

 

関わり方が苦手な方はもちろん、
関わり方が得意だと思い込んでいる方も
修正していくために
社長との関わり方を学ばせていくのです。

 

人材育成にかかる時間

人材育成にはある程度の時間はかかります。

 

人が育成されていく過程には、
「気づく」
「考える」
「課題を見つける」
「試みる」
ということを繰り返していく必要があります。

 

気づくには、
気づくために外からの刺激が必要です。

 

今まで通りで何事も変化ない状態では
余程のことがない限り、
気づけません。

 

そのきっかけが
社長との面談です。

 

気づいていない社員には
気づかせることから始めます。

 

そして、
「考える」
「課題を見つける」
に慣れていない社員であれば、
一緒に考え、課題を見つけます。

 

最後に
「試す」まで行けば、
フィードバックをしてあげます。

 

試したことに対して
社長自身のコメントです。

 

良かった、悪かった
だけではなく、どの部分が良かった、
と詳細にコメントした方が
育成効果は出ます。

 

人材育成は、
そういったステップを踏むために
即効性はありません。

 

また、せっかく前に進めても
ちょっとしたことで後退することもあります。

 

でも、ゼロまで戻ることはありません。

 

ただ、たまに
突然、大きく進化することがあります。

 

突然
「わかった!」
となるのです。

 

これは本当に不思議で、
私も何度か体験しました。

 

いきなり受講者の方の目がキラキラと輝き、
「ああ、わかりました!」
と叫ぶのです。

 

おそらく今までの経験と
学んでいる内容が
結びついた瞬間なのだと思います。

 

それに至るには、
育成をし続けているしかないのです。

 

育成をしていなければ
「わかった!」も絶対にありえません。

 

人材育成は前向きに、
一歩ずつ進むしかないのですが、
こういう時もある、と言い聞かせながら、
行っていくのです。

f:id:ugrade:20171121223945j:plain

まとめ

今回は、学ばせる内容に応じて
どのように育成していくのか、
それぞれの手法について
概説してきました。

 

1.技術は繰り返して体得させ、
知識は徐々に範囲を広げながら学ばせる

 

2.仕事そのもののやり方は、
面談でプロセスを確認しながら、
学ばせる

 

3.人との関わり方は、
面談を基本し、話し合いをさせながら、
学ばせる

 

人材育成は時間がかかりますが、
育成する側が前向きに行動し続けることが
とても大事である、
ということもお話ししました。

 

それでは、今日はこの辺で。