人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

脳が喜ぶのはマンネリ? or スリル?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は、「ストレス」をテーマにお話ししたいと思っています。

 

ただ、私は医者でも脳科学者でもないので、私の知識と経験からのお話になります。

 

以前、仕事のやり方として、毎月同じことをするルーティンワークと毎回目的と納期があるプロジェクト型ワークがある、ということをお話ししました。私は今まで主としてプロジェクト型のお仕事を多くさせていただきました。

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前の会社では、納期が3月であることが多かったため、11月から12月は中間期として、今後どのようになるのかチェックを行う月でした。3月に本当に品質も予算もスケジュールも問題なくプロジェクトを終わらせることができるのか、中間期として予想を立てるのです。

 

もし、問題があれば、それを解決するために対策を講じます。納期直前の段階で対策を講じていては間に合わない可能性があります。

 

もっとも研修事業であったため、納品は製品ではなくサービスです。そのため、達成すべき目標値はサービス回数であることも多く、12月の段階で研修のお申込み数などが目標値に達成しているかどうかは、すぐに分かるのです。

 

広報しなければ目標値に到達しません。ですが、広報には時間がかかります。よって、早め早めのチェックと対策が必要になります。

 

こんなプロジェクトが毎年何度も繰り返されますし、それぞれが全く異なる目的や内容ですし、目標値も異なります。また、やり方も変わっています。

 

こんな業務をしていると、常にちゃんとプロジェクトを完遂できるのか、ずっと緊張を強いられることになります。

 

その点、ルーティンワークの場合は楽です。先週お話しした最初に就職した会社はルーティンワークでした。毎日がほぼ同じ業務です。月初や月末は多少取り扱う量が増えますし、集計や報告の作業なども入りますので、多少異なる仕事をします。ただ、それも毎月同じです。

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ルーティンワークの場合、何が楽なのか、と言うと、「次に何をするのか」「この後はどのようなことをする作業が待っているのか」ということが事前に分かる、ということです。作業内容と作業量が事前に分かっていることが、とても楽なのです。

 

どう楽なのか。

 

その作業は自分の実力で完遂することができるとわかっています。しかも、どれくらいの時間で完了するのかもわかっています。そして、作業内容もわかっています。

 

わかっていることが楽なのです。

 

プロジェクト型であれば、作業内容が異なります。目標値も目的も異なっていますので、一回一回、何が必要なのかを考える必要があります。

 

研修業務であれば、いつの時点でチェックをすれば良いのか、といったことは何度か繰り返していけばわかってきますが、それも微妙に異なるプロジェクトであれば、自分でチェックポイントの時期を考えなければなりません。

 

ましてや、全くの新しいプロジェクトは、すべてを作らなければなりませんので、かなり大変です。

 

12年ほど前、細かな部分は今まで通りですが、全体的に全く新規のプロジェクトを企画から行うことをしました。全く前例がないものでしたので、すべてを一から構築する必要があります。

 

研修を行う教室の確保、パソコンなどの機器・設備の構築、カリキュラムの構築、受講者の募集方法の構築、受講後のイベントなどなど・・・それと同時に講師の確保、テキストの作成、受講中のイベントの企画・運営など、やることはたくさんあります。

 

それらを実行しながら、チェックしながら、回していくのは、常に脳みそをフル回転しなければなりませんでした。

 

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実は、新しいことをすることは脳に負担をかけることになるそうです。いうなれば、その分「ストレス」をかけることになります。

 

上記のような大きなプロジェクトはそんなに頻繁にあった訳ではありませんが、それでも1~2年に1度は新規プロジェクトが始まっていました。

 

でも、私自身、全くストレスを感じていませんでした。

 

いえ、それはウソです。

 

ストレスは感じていましたが、「良いストレス」として感じていたのです。

 

スポーツ選手が試合に臨む時は、強いストレスを感じると言われています。でも、成績を残す選手はそれを愉しむ余裕がある、とも言われています。つまり、その時のストレスは、やる気を増幅したり、集中力を高めたりするのに役立つわけです。

 

人は、ある程度ストレスを感じなければ、成果を出せないと言われています。

 

確かに、そう感じています。

 

例えば、ストレスを全く感じない時のことを考えてみます。ストレスがないと言える時は、湯船につかった瞬間で「はあああああ」と大きく息を吐く時、あるいは、お布団に入って「ウトウト」と気持ちよくなった時です。こういった時に、仕事で成果が出せません。

 

そう考えると、ストレスがゼロの時は、仕事はできません。

 

というか、仕事なんかしたくないので、しません。しないからできません(笑)。

 

仕事をするには、何らかのストレスが必ずかかっている状態です。その量は、仕事によって異なります。ルーティンワークの場合はプロジェクト型と比較すると少ないのかもしれません。でも、それは人によります。

 

そして、新しいことをする時、人はたくさんのストレスを抱えるわけです。

 

私は、新しいプロジェクトが始まる時は、とても大変だなーと思いつつも、楽しかったと感じていました。そのストレスを愉しんでいたと言えます。私は、新しいことをすることが好きなのです。だから、このプロジェクト型の働き方は性に合っているのでしょう。

 

現在も同様にプロジェクト型のお仕事です。セミナーの実施は、まさにプロジェクト。セミナーの日程がプロジェクトの納期なので、それまでにどれくらいの人数を集客するか、品質はどれくらいを維持するのか、などを毎回やっていくわけです。

 

講師の先生がその都度異なるので、問題も変わってくるでしょう。

 

いろいろ考えさせられる毎日ですが、それが楽しいです。

 

考えてみれば、ルーティンワークをしていた時も、私自身は、こんな調子でした。

 

毎日、決まった時間に会社を出て、徒歩1時間程度の取引先巡りをする仕事がありました。自分で作った書類を持っていく場合もありましたし、先輩が作った書類を代行で持っていくこともありました。でも、必ず仕事がある日は毎日です。

 

ただ、そんな時でも、道端にある公園で四季を感じたり、行った先の方とおしゃべりしたりして、変化を愉しんでいました。

 

ある夏の日は台風が直撃した日でした。突風が吹いた時、私のそばに置いてあったポリバケツが風にあおられて宙に浮かんだかと思うと、勢いをつけて私めがけて飛んできたのです。あわてて避けようとしましたが、避けきれず、額にバケツが命中。たんこぶを作ったことがあります。

 

そんな時でも、何故か楽しかった思い出です。

 

取引先に入った途端、土砂降りの雨が降ったのですが、私が用事を済ませて出ると晴れだす、なんていうこともありました。入口に立っていた警備員から「あんた、運が良いなぁ」と言われたことも覚えています。ま、最強の晴れ女ですから、当然ですが・・・(笑)

 

こんな風にルーティンワークでしたが、毎日が違って思えたのです。

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それでも、プロジェクト型の仕事をし始めた頃は結構大変でした。うまく行くかどうかがわからない状況で、事前にリスクを排除しておかなければなりません。毎日、ストレスを感じていたのは確かです。

 

人によっては、プロジェクト型の仕事を非常にストレスフルに感じる方もいらっしゃるでしょうね。毎日が違います。同じ仕事をしていればよいわけではないのです。毎回、異なる仕事です。

 

こんな時、脳はどっちが良いのでしょうか。

 

例えば、毎朝出勤前の作業のことを考えてみます。毎朝、決まった時間に起きて、決まったことを決まった時間にしますよね。

 

私は現在サラリーマンではないので、参考になるのは、我が家の家人ですね(笑)。

 

彼は6時30分までには起きて、水を入れたヤカンを火にかけます。その後、新聞を取ってテレビを見ながらシャツのアイロンかけをします。

 

コーヒーと濃いめのお茶の水筒の準備は私がするので、ヤカンの後処理は私です。

 

その後、家人は新聞をもってトイレに行き、お風呂に入ります。その後、スーツに着替えて家を出るのです。

 

こういった作業はほとんどルーティンです。

 

おそらく次はこれをしなければ・・・と思うことなく、自然と作業をしています。

 

たまに、あれ?したっけ?と、後を振り返ることもあります。よく、外出後に「あれ? 家の鍵、かけたっけ?」と思って、慌てて戻って家のドアを確認する、といった場合、だいたい鍵はかかっているものです。

 

こういった時、脳は省力化しているそうです。

 

どうも脳はサボり魔というか、できる限りエコに動こうとしているようです。

 

私は、おそらく、体の中で一番エネルギーを消費する脳はエコになることで、他の臓器とバランスを取っているのではないかと考えています。決まり決まった作業に入った人間は考えることをしなくても手足が動くようになっているのです。

 

朝、一回一回、次は何するんだったっけ?と考えながら作業をしていたら、脳はいつもフル稼働しなければなりません。そうなると、それだけエネルギーを消費します。

 

※どうも脳はエネルギーを少し消費したら疲れた~~~と思わせる構造になっているようです。まだ十分にエネルギーが残っていても「疲れたから甘いものが欲しい・・・」と思わせるようです。そうやってダイエッターたちを路頭に迷わせるのです(笑)。

 

もっとも、会社の仕事がルーティンの方でも、朝の作業のように考えなくてもできるほど単純なものではないですので、脳が楽してる~~~などと思わないでくださいね。

 

ただ、後から確認することが多い作業(無意識のうちにしている作業)があるようでしたら、もしかすると、ITによる効率化を図った方が良いと思われます。もしくはアウトソーシングですね。もしかすると人間がしなくても良い、本当に単純な作業かもしれません。

 

脳は基本非常にエコだから、プロジェクト型のような仕事は本来は非常にストレスフルなんですよね。でも、そういった仕事をしている人は、ストレスと上手に付き合う必要があります。ストレス解消するより、ストレスを愉しむ・・・くらいな付き合い方かもしれません。

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この時期、非常勤講師として行っている学校の中間テストの採点をしています。今回、とんでもない点数をたたき出してくれた学生がいます。この学生を救済するために、急遽冬休みの課題を出して点数を稼いでもらわないといけなくなりました。

 

そんなことで、単純に済ませるところが単純ではなくなりました。やらなければならないことがネズミ算式に増えていきます。

 

あー、こんなことだと思った・・・と思いながら、問題をバッサバッサと切って目の前を開いていくしかありません。これがプロジェクト型のだいご味です(笑)

 

それでは、今日はこの辺で。

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人材育成は誰がする?

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日は、人材育成をすると会社の業績が上がる、そして、会社の業績を上げるために人材育成をする、というお話をしました。

 

人材育成は社内が良い?

 

会社の業績を上げるために人材育成をする、というのは当然かもしれませんが、本当にそう思われている方は少ないように思えます。というのも、人材育成をする・・・となると、「研修」を探す、という方が多いように見受けられるためです。

 

ここで言う研修は、講師を前においた座学を意味しています。いうところのOff-JTですね。職場を離れたところでワークショップやロールプレイングを行う研修が多数あります。人材育成をするために、当然研修も行う必要がありますが、研修はあくまで人材育成のツールの一つです。

 

そして、外部講師を呼んだ研修を行うのも、会社の業績アップを目的とするべきだと私は考えています。

 

ただ、外部講師を呼ぶのはとてもコストがかかります。一回くらいの研修だとどうしても身につかないので、半年コースなどを注文すると、どうしてもコストがかかってしまいます。私のところのような研修の会社としては、これはこれで良いことなのでしょうけれど、これでは継続した研修を実施できません。

 

毎年、会社の業績が良く、研修に費用がかけられる、というのであれば良いでしょう。

 

でも、10年前のリーマンショックの時、真っ先に削られたコストはITコストと人材育成コストでした。IT研修を行っていたウチの部署は、企業からの注文が全く途絶えたというダブルショックを受けたので、良く覚えています。

 

人は継続して育成するべきなのですが、景気に左右されるようであれば、継続性が途中で途切れてしまいます。

 

なので、私は人材育成の担当を社内で持った方が良いと考えています。

 

つまり、経営資源の「ヒト」の能力やスキルを管理し、それを伸ばすことで業績アップにつなげる部署としての人材育成担当です。いわゆる人事部が兼任するところが多いと思われます。当然、人事部が兼任する方が一番良いと考えています。

 

人材育成は、人事評価や給与制度(昇給関係ですね)、労務管理などと密接につながっています。だからこそ、人材育成以外を担当する人事部が兼任するのが普通ですし、効率的です。

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ただ、人事評価については非常に考える会社は多いのですが、人事評価と人材育成を関連づける会社は少ない気がしています。

 

「○○ができる」という評価をするだけの人事評価と、「○○ができない」から「○○をできるようにする」という人材育成は、関係づけるべきです。○○というスキルが会社の業績をアップさせるスキルであれば、その社員ができるようになる方が良いワケですから。そこは会社の努力として身につけてもらう必要があります。

 

そこで、○○というスキルを身につけさせるための研修を構築することになります。その研修を企画し実施・運営するのが人材育成担当者になります。

 

人材育成に必要なもの

 

人材育成には必要なものが3つあります。

 

最初は、人材育成の設計書です。計画書と言っても良いでしょう。つまり、どのような課題を解決するために、どのような研修を行い、どのような結果になることを想定しているのか、を決めたものです。そうしないと研修を実施しても、業績が上がらなかった原因を検証することができません。

 

研修は人間相手なので、研修当日の体調や気分で習得度は変化します。また、想定以上に未熟だったり、習得済みだったりすると、研修に対するモチベーションの維持が難しくなり、習得度に大きく影響します。

 

そういったことを検証するための設計書を事前に作成する必要があります。

 

続いては、人材育成のカリキュラムです。講師が良くプロジェクターに映し出して説明している、あの説明資料(コンテンツと言います)です。これがないと、教えることは難しいのです。

 

以前、一昨年まで勤めていた会社で、このコンテンツを作成することをやったことがあります。今までの経験を活かしたコンテンツ作成であれば、社内に蓄積されたノウハウがあるので、そんなに難しいことではありませんでした。でも、社内に蓄積されたものがないコンテンツは作成することに無理があります。

 

なので、こういった場合は外部にコンテンツを求める必要があります。

 

ネットで検索すれば、いくらかの価格はしますが、コンテンツは豊富にあります。それらを選択して買い求めることで社内にコンテンツは手に入ります。

 

最後の必要なもの、それは、そのコンテンツを使って教えられる人です。いうなれば講師です。講師は人前でわかりやすく説明するスキルが求められますし、聞こえやすい声や活舌のトレーニングをすることも求められます。

 

もっと欲を言えば、その方面の権威であること。つまり、その講師の背景が十分信頼おけるものであること、です。セミナーや研修で講師の略歴などをお伝えするのも、こういった観点からです。

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実は、Off-JTの講師で重要なのは「誰がしゃべるか」によるのです。

 

ただ、こういった人を社内におくのはとてもコストがかかることになります。

 

なので、研修は外部講師で、ということになるのです。コンテンツも含めて外部から導入すれば、複数の専門家を常時雇うよりはコストはかかりません。

 

こういったことは十分に必要なことだと思っています。

 

最終的に研修をするのは・・・

 

実は研修を受けさせる時、その上司もできればオブザーバーで出席してほしいと考えているのです。

 

部下が何を学び、何を体験したのかをきちんと知った方が良いと考えています。

 

外部講師は約束された期間が終了すればいなくなります。

 

でも、上司は常にそこにいます。

 

つまり、人材育成の総仕上げを上司、中間管理職が行うというのです。

 

ただし、中間管理職は無茶苦茶に忙しい人たちです。

 

部下の管理(勤怠管理や業務管理)を含め、顧客との調整、製品やサービスの品質管理、会社(もっと上層の管理職)への情報の提供、営業成績に対する責任(つまり、管理職も製品やサービスを売る、現場に出るということ)が求められる、など多岐にわたる業務をこなす必要があります。

 

いわゆるプレーイングマネージャーです。

 

そんな超忙しい人たちに更に業務を追加する、ということは、今の働き方改革に反することかもしれません。でも、おそらくもっと多くの人数がいる一般社員の働き方改革をするためには、中間管理職が人材育成を担うようにする必要があります。

 

中間管理職が人材育成を担うととても良いメリットがあります。

 

部下を常に見ているので、部下の伸ばした方が良い点、伸ばせる点が良くわかる

毎日研修を行うことができる(研修効果が高くなる)

 

でも、現在の中間管理職にそんな業務を担当させるのは、本当に酷です。

 

そこは、更に上の経営者を含めた人たちの協力が絶対に欠かせません。

 

経営者は、社内すべての人材に必要な能力やスキルを設定し、それを公表しておくことが必要です。その一覧表を見て、中間管理職は自分の部下に身につけさせるべき能力やスキルを把握することができます。

 

もし、自律的な人材であれば、自分で必要な能力やスキルを見つけ出し、自ら学習をするようになるかもしれません(これが一番理想的ですが・・・)。

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身につけさせるべき能力やスキルがわかれば、どのような研修を行えばよいのか、人材育成担当者に相談して、必要な研修をピックアップすれば良いのです。

 

また、毎日のトレーニングが必要な研修であれば、中間管理職がやりやすいツールを人材育成担当者が準備しておけば、それを利用して部下にトレーニングを行うことができます。ここで言うツールは、チェックシートやマニュアルなどのツール類からコーチングやアサーションスキルなど中間管理職が身につけておくコミュニケーションスキルなどを含んでいます。

 

つまり、中間管理職にコーチングやアサーションのコミュニケーションスキルが不足しているならば、中間管理職自身に研修を受けさせるということなのです。

 

今、求められる人材育成

 

今は研修をすれば良い、という時期ではないと考えています。研修を受けさせれば社員の満足度が高まり、それが顧客満足度につながって、会社の業績が上がる、ということが言われています。それはそれで良いですが、もっと先を考える必要があると思うのです。

 

それは、社員一人一人の生産性を上げるために、人材育成を行う、ということです。

 

いつまでも残業して業務を終わらせるのではなく、短時間で業務を効率的に終わらせ、かつ、実績を上げる(つまり顧客満足度を高める)ことが求められています。それをするには、いわゆる「できる社員」を採用する必要があります。

 

でも、「できる社員」は、労働市場に出回っていません。求人倍率1.4倍を超える現在、求職者の数が少ないのです。

 

だったら、「できる社員」を作る必要があるのです。今いる社員を「できる社員」にするのです。何もスーパー社員にする必要はありません。今の業務を1.2倍くらいできるような社員になってくれれば良いはずです。

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そして、その「できる社員」は汎用的な、つまりどの会社でもできるのではなく、所属する会社の中で「できる社員」であった方が会社のためです。この会社では○○というスキルを身につけるように、会社が必要とするスキルをピックアップして社員に提示することが必要なのです。

 

と、書くと、社員にとっては、その会社しか通用しないスキルなんか身につけてたら転職できないじゃないか、と思われるかもしれません。

 

実は、その会社しか通用しないスキルは、その会社が製造もしくは提供している製品やサービスに関する技術や知識だけであって、生産性を向上させるスキルは十分に他の会社でも通用します。

 

でも、その会社で身につけたスキルは、きっとその会社の居心地を良くさせて、転職を考えることもなくなるでしょう。だって、「できる社員」になったのですから。

 

終わりに

 

私が最初に入った会社は、現在人材育成の部署があると聞いています。今は、人材育成が求められている時代だと思っています。

 

ただ、その当時の管理職は、部下を育てる=(イコール)男性社員を一人前にするという概念しかなく、女性を指導する、という概念はなかったと思われます。また、女性も学んでこなかったので、後輩にうまい指導ができないまま、次世代に受け継がれていったのだと考えています。

 

人材育成は、やっぱり人が育つことで、いろんなところで業績を伸ばしてくれるものだと考えています。業績は売上を上げるだけでなく、コストを削減することも含みますから、間接部門(いわゆる人事部や経理部といった部署)の人たちも人材育成をどんどん行うべきです。

 

そして、もっと大事なのが、人材育成をすることで、一人一人の社員に目をかけているよ、という会社側の「想い」が社員に伝わります。一般の社員にとっての会社は「上司」です。だからこそ、上司である中間管理職が人材育成を行うことは、会社の想いを部下に届けることができるのです。

 

私自身、前の会社でそんな想いをもって部下に接していたわけでは決してなく、反省しきりなのですが・・・(汗)

 

ひとりでも多くの方々が幸せに社会生活が送ることができるよう、このブログで情報発信できたら、という想いを今、持っています。

 

次回は、マンネリとストレスについて、お話しします。

それでは、また次回。 

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でもそのことをほとんどの人が知りません。

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日時:2018年1月16日(火) 18:30~20:00

場所:ホルトホール大分 セミナールームL

講師:篠原 丈司先生(社会保険労務士

 

2018年はユーグレードセミナーを毎月実施予定です!

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日時:2月6日(火) 18:30~20:00

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私が育てられた(?)の時代

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週は曜日を勘違いしておりました。水曜日に更新する予定が本日(木曜日)になってしまいました。

 

 

私の最初の職場でのお仕事

 

私が最初に就職した会社は、本社が他県にある会社の出先機関でした。そこの現地採用でした。その当時は、男女雇用機会均等法も施行前で、女性の働き方は制限がありました。

 

仕事をしていると、「女子社員はこれまで~~~」と言われることばかりでした。20時までしか働くことが許されなかったので、20時以降に開始される週1回の会議には出席できませんでした。同期の男性社員は出席しており、会議の情報を持っていました。それが何となく悔しかった記憶があります。

 

学校では男女平等って学んできたのに、社会に出たとたん男女差を見せつけられた時期でした。だから、女性社員は半ば諦めムードがありました。

 

私のその職場には、当時アラフォーの女性が2名、アラサーの女性が1名いました。後は私を含めた20代前半の若い女性です。今であれば、何ということのない光景なのですが、当時は異質でした。いわゆる「行き遅れ」た女性が3人もいる、というわけです。

 

私たちの一日は次のようでした。

 

朝、出勤して、当番で掃除をしたりお茶を用意したりした後、本業のために席に着く。それから営業時間内はひたすら自分に与えられた担当業務をこなし、仕事が終われば帰宅する、その繰り返しです。

 

私は仕事をする、というのはこういうことなのか、と思いました。毎日、同じことの繰り返し。小さな変化はあるけれど、大きな変化はないのです。

 

たまたま私が所属した部署は、全国取引をするところだったので、地名を見ては「どういうところだろう」と想像を働かせることができました。その点、他の人よりは恵まれていたと思っています。

 

それに徒歩20分くらいの距離にある銀行へ入出金や書類提出のために歩いていく業務も入っていたので、それが日々の変化をもたらしてくれていました。道のそばの公園で感じる季節や取引先の銀行の女性とのおしゃべりなど・・・(笑)

 

ある銀行の女性社員は私の顔を覚えてくれて、出勤途中の電車の中で声をかけてくれました。それ以来、お会いするたびに電車の中でおしゃべりをして時間を過ごしていました。

 

新入社員時代・・・

 

新入社員だった時、もちろん新入社員研修を受けましたし、OJTという現場での研修も受けて、一通りの仕事はこなせるようになっていました。2年も経つと、自分の仕事でわからないところはなくなっていました。

 

ただ、事務的なミスが多発していたので、それを修正したいとは思っていました。でも、具体的にどうやってすれば良いのかがわからないのです。ミス率が記載された表を見せられて改善せよ、とは言われるのですが、どうすれば良いのか、上司に問うても答えがありませんでした。

 

私もどうすれば良いのか、誰にどのように相談すれば良いのかがわかりません。前任の人に聞いてみたのですが、「気をつければできるよ」と言われるだけ。しまいには「性格だから私には無理なのかも・・・」と思うようになってしまったのです。

 

性格は治しようもありません。性格だから無理、と思った瞬間に、成長は止まるのです。ですが、当時の私にはわかりませんでした。

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今だったら事務的なミスだって、トレーニングや仕組み次第で克服できるとわかっているのですが、当時は誰もそういうことを教えてくれる人も書籍もありません。ましてやインターネットもない時代だったので、情報を手に入れることはできませんでした。

 

今思えば、その当時の私も含めて、上司を含む私の周りの人たちには、「社会人の育成」という概念がすっぽり抜けていました。

 

学校を卒業したのだから、「学ぶ」のは仕事の方法だけで良く、それに付随する知識、ましてや「仕事の効率的なやり方」「時間管理の方法」「自分の感情の管理」などを学ぶ、という概念は全くなかったように思います。

 

だから、先輩社員の言葉が今も耳についています。

 

「毎日、同じことを繰り返す、それが仕事、社会人だよ」

 

そこには、現状の課題を分析し、作業を効率化するなどという概念は全くなく、昨日も今日も、そして明日も同じ作業を繰り返すだけなのです。

 

ただ、私の事務的なミスをなくしたい、という悩みはずっとありました。ミスをなくせば、それを修正する作業がなくなるので、もっと業務がスムーズになるはずです。

 

ですが、当時一社員の力ではなかなか解消できるものではありませんでした。その当時から現場の声を聴きたい、という風潮は社内にありましたが、本社とは異なる県にある拠点、ということで、どこか「自分たちの声は届かない」という思い込みがあったのです。

 

会社が単なる一社員の悩みなんぞ、いちいち聞いていられるかー!

ということもあるかと思います。

 

だけど、同じような悩みを持つ社員は、おそらくいると思います。その数も結構あるのではないかと考えるのです。私が苦しんだ悩みは、今ネット検索するとたくさん出てきます。だったら、当時だって同じ悩みで苦しんだ人もたくさんいるはずなのです。

 

その当時だって、情報を持っている人と接触できる機会はあったかもしれません。例えば同じ社内で同じ仕事を他拠点でしている方たちとの情報交換をするなどです。それは会社にコストがかかることです。なので、難しいのかもしれませんし、そういったことをすることすら気がつかない時代だったのです。

 

営業目標値が突然現れた!

 

ある時の話です。その時期、私は結婚退職することが決まっており、もう少しで有給消化になる時期でした。そして、ちょうど男女雇用機会均等法が施行され、女性社員にも営業の一端を担ってもらおうと、会社が本腰を入れ始めた時期でした。

 

いきなり女性社員の営業目標値が定められました。今までもあったのですが、特に問題視されていませんでしたので、女性社員は比較的呑気だったのです。その営業目標値に対して、具体的にどうすれば良いのか、何の指示もありません。今までの業務の中から獲得してね、という具合です。

 

今までと異なる目標値ができたのに、今までと同じだったら獲れるはずがありません。アラフォーやアラサーの女性社員たちも今までのコネを使って・・・としか策を出してくれません。

 

そんな策は、新入社員からやっと脱したばかりの私には無理です。

 

そこで、ホントにない頭で考えた策を提案しました。目標値を小さく分割したらどうですか?という提案です。

 

目標値が小さくなったので、周りもこれならできると思ったのか、全員が一週間後には達成することができました。

 

それは、今だったら、「おいおい・・・それはないだろう・・・」というやり方でした。でも、その当時の上司は全く反対することなく採用したので、彼自身もやり方を考えていなかったのだと思われます。

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私はその小さな目標が達成されたことを知ってから有給消化に入ったので、その後のことはわかりません。おそらく完遂はしなかっただろうと思われます。私の提案した策は、最善の策ではないからです。

 

このことを思い出すたびに、「営業目標値を設定するのであれば、それをどうやったら獲得できるのか、手段や考え方を学ぶ機会があれば良かったのに」と思います。

 

その会社での人材育成

 

あの時代は、ほとんどの会社がそうだったかもしれません。私が所属した会社だけが特別ではないと思っています。当時の流行語は「24時間、働けますか?」であり、目の前の仕事を精一杯片づけることで良かった時代でした。

 

仕事が自然と人を教える、そんな言葉も聞いたことがあります。

 

でも、それは違います。

 

正確には、「仕事を通じて、人から教わることができる」ということです。上司や同僚、お客様から教えられることが本当にたくさんあります。

 

ただ、今の時代はとても流れが速くなってきています。時間そのものが早くなったのでは当然なく、新しいものが出てくる間隔が短くなってきたのです。つまり、次から次へと新しいものが出現してくる時代なのです。それも世界中から。

 

人を育てることで、仕事の生産性は確実に上がります。

 

もし、今の私が当時の仕事をするのであれば、きっと、その当時よりも生産性を上げることができると思います。事務ミスも大幅に減らすことができると思っています。その当時の仕事を今まで続けてきたわけではなく、全く異なる仕事をしてきたにも関わらず、です。

 

人材育成は社員一人一人の生産性を上げます。

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そして、逆に言えば、会社の業績を上げるために、人材育成をするのです。

 

さて、明日は、人材育成をするのは誰なのか、というテーマでお話ししたいと思います。

 

それでは、また明日。

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でもそのことをほとんどの人が知りません。

このチャンスに残業がなくなるコツを学んでみませんか?

 

日時:2018年1月16日(火) 18:30~20:00

場所:ホルトホール大分 セミナールームL

講師:篠原 丈司先生(社会保険労務士

 

2018年はユーグレードセミナーを毎月実施予定です!

「人前で話すときに行くセミナー」

~セミナーだけどプレゼントレーニングするよ~

日時:2月6日(火) 18:30~20:00

場所:ホルトホール大分 セミナールームL

講師:岩川 義枝先生(トークの達人)

 

詳細・お申込みはWebページから! 

www.ugrade-japan.com

 

人材育成をしようと決めたワケ

ビジネストレーナーの安部です。大分県で、研修プロデュースや人材育成の設計をしています。

 

一昨日は、研修設計をしようと決めたワケでしたけど、今日は、人材育成をしようと決めたワケについてお話しします。

 

私自身は、IT系の講師として20年近くやってきました。ちょうど来年4月で講師になって20年ですね。

 

時が経つのは早いもので・・・(ε- (´―`*)フッ)

 

良く言われるのが、「なぜ、IT講師として独立しなかったんですか?」ということ。

 

まずは、私のIT講師の遍歴を。

 

最初は、いわゆるパソコン講師でした。ExcelやWord、一太郎の操作を教える講師をしていたのですが、もともとパソコンを始めたきっかけがデータベースのAccessだったため、VBAAccessでのDBアプリ構築などだんだん幅が広がってきました。

 

そして、時代はインターネット時代に。まずは、ホームページ作成。続いて小規模パソコンネットワーク、デザイン系ツール(Photoshop)(ホームページのパーツの作成のため)などなど。そうしているうちに、プログラミング言語やデータベースなども取り扱うようになってきて・・・

 

気がつくと、ITエンジニア育成の講師をやっていた、ということです。

 

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それだけではなく、情報セキュリティや情報モラル(SNSに個人情報書いちゃダメ・・・といったこと)の講師も引き受けていたので、IT系といってもハードウェアを除く全般ということになっていました。

 

まあ、「広く・浅く」が私のモットーですから、大したことではないんですけどね(笑)。

 

そうしているうちに、プレゼンの資料の作り方とか、プロジェクトマネジメントとかスケジュール管理の研修などが出てきました。

 

逆に言えば、「○○ができます」といえないくらい広範囲になってしまった、ということなのです。しかも、奥が狭い(苦笑)。独立した後で、良く聞かれたのは「何ができますか?」だったのですが、狭く深くであれば言えた答えが言えないという状況に・・・(大汗)

 

この広い範囲の中でチョイスするとすれば、実は一番最後のプレゼン資料の作り方とかプロジェクトマネジメント、スケジュール管理だったんです。

 

ITエンジニアは主としてプロジェクト型のお仕事です。納期までに品質とコストを管理しつつ顧客が満足できるソフトウェアを作り上げることが必要なわけです。

 

ただ、建築のように目に見えるモノではないところが、とても大変なわけで、リーダーはメンバーが作っているモノが見えないのです。プログラムコードを見ただけではちゃんと思うように動くものかどうかがわかりませんからね(よほど簡単なプログラムではない限り)。

 

だから、管理がとても難しい。

 

大工の棟梁なら、部下の大工の釘の打ち方を一目見ればわかりますが、ソフトウェア開発のマネージャーは部下のプログラムコードの一つを見ても、それがちゃんと動くかわからないのです。

 

何しろ、今のソフトウェアは小さなプログラムのカタマリが部品として構成されており、小さなプログラム単体ではまともに動かないものなのです。

 

そういうわけで、納期が迫っているのにちゃんと動くソフトウェアが完成していない、という「炎上」プロジェクトが発生するわけなのです。なぜ動かないのか、どこが悪いのか、一つ一つ探すのにとても時間を要します。

 

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今日も帰れない・・・

 

そういったワケで時間管理とかスケジュール管理、そして全体を管理するプロジェクト管理という技法がとても発達している業界です。

 

そして、私が深く関わってきた研修業界は、更に究極のプロジェクト型です。納期に一気にサービスを提供するワケですし、修正は絶対にできません。講師が失言したら、取り消すことは不可能なのです。それで、何度、私は頭を下げたことか・・・(笑)

 

おかげさまで、ずいぶん神経が図太くなりました。。。(笑)

 

そして、今、IT業界から離れてみて、思ったこと。

 

なぜ、一般の業界の人はプロジェクト管理やスケジュール管理をしないんだろう・・・という素朴な疑問。

 

 

だったら、この知識や体験、使えるんじゃないの?と考えた次第です。

 

 

もっとも、世の中には私よりもっと専門的な人はたくさんいらっしゃるので、前面に押し出してそれだけを売るつもりはないのですが、個人事業主としてやっていくには充分すぎるので、どなたか困っている方のお役に立てるよう、こちらもビジネス化していく予定です。まだ、ノーアイディアですけど(苦笑)

 

今までは「IT人材育成」だったのですが、それを一般の業界の方に広げたので、「IT」を取って「人材育成」とした、というのが、ホントのところです。なんて、単純。

 

でも、いろんなところに行くと、経営者の方は、いろんなことで困っていらっしゃってるし悩んでもいらっしゃる。人材部分でお手伝いができるといいなぁ、と思っています。

 

というわけで、来年(2018年)は、毎月何らかのセミナーを実施する予定です。

 

1月は、1月16日(火)18:30~から時間管理の専門家、篠原先生を講師にして、「今日も残業」という日に来るセミナーを実施予定です。

 

また、2月はコミュニケーション講師の岩川先生を講師にして、「人前で話すときに行くセミナー」を実施予定です(日にちは未定)。

 

こんな風にお手伝いいただける講師の先生方がたくさんいらっしゃるので、ホントに嬉しい限りです。また、3月以降もすでにある程度の企画は決めているので、毎月月変りで講師を変えてセミナーをします!

 

こういう企画を立てた時、マジに良かったなぁ~と思うのが、自分のITの知識。多少なりとも知識があるととても助かっています。Webページの作成やチラシの作成にはフル活動させているのです。先月(11月)のセミナーからは、チラシ作りにIllustratorを使うようになりました。

 

デザイナーではないので、デザイン性は乏しいかもしれませんが、チラシの目的は集客なので「キャッチーなもの」ができれば良いと考えております。今日から2月のセミナーのチラシ作成です。

 

最近では、「そっちをメインの仕事にした方が良いんじゃない?」ともいわれるようになりました。ありがたや~ありがたや~

 

来週は、会社が人材育成をすることについて、お話しします。

それでは、また来週。

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私が研修の設計にこだわるワケ

ビジネストレーナーの安部です。大分県で、研修プロデュースや人材育成の設計をしています。

 

先週、予告することなくブログを書き終えた後、しばらくブログのことを全く考えない日々が来ました。そうなってくると危機感が生まれてきます。このままブログは自然消滅するのではないのか・・・という危機感です。

 

別にひどく熱望していただくファンがいるわけでもなく、無名の素人のブログをそこまで続けなくても良いじゃない、という悪魔のささやき・・・

 

悪魔の言う通り、確かにブログにかかっている時間は相当数であり、負担に思っていることはありました。

 

そこで、私にとってこのブログは何だろう、と思うようになったのです。

 

私がしたいことは何なのだろう、という究極の質問を自分に投げかけると、私がブログを続ける意味が見えてきました。

 

今までは自分の仕事のプロモーション的な役割を与えていたこのブログですが、それよりももっと自分自身の内面を見つめて出てきた答えを書くことの方が良いのではないか、という考えが出てきたのです。

 

ブログは他人に読んでもらうものだから、独りよがりなものを書いてはダメだ、とブログ書き指南のサイトには書かれています。

 

でも、自分自身がどうして書きたいと思っている内容は、とても独りよがりなものです。だって、私という一個人が思っていることだから。

 

ま、そこは、無名の素人が書いたブログなんだから、炎上しないレベルのことを書けば良いか、と気を取り直して、再びブログ用のファイルを開きました。

 

今週は、私が個人事業主となって今の事業を始めたことについてお話ししたいと考えています。

 

トライアングル構造

そもそも研修や人材育成の設計って何?というところからですね。

 

私が「研修設計」という言葉を知ったのは、10年くらい前だったと思います。ぼーっとネットサーフィンをしていた時に「インストラクショナルデザイン」という言葉に出会いました。日本語に直すと「研修設計」ですね。

 

最初は単純な好奇心から本を1冊買いました。でも、その当時、人生で一番忙しい時期でしたので、とうとう読むことなく、いまだに私の机の前に陣取った状態のままです(苦笑)。

 

ただ、その中で、一番印象に残ったのは、「研修」に関わる人は三種類いる、ということ。

  • 研修の主催者(例:受講会社の経営者や人事担当者)
  • 研修の実施者(例:研修会社の講師・外部講師、社内講師)
  • 研修の受講者(例:受講会社の社員)

 

このトライアングルの関係がある、というのは、他の業界ではなかなかない構図です。通常、商品やサービスを売り買いする場合は、買い手と売り手しか登場しません。仲買人もそれぞれ買い手と売り手の立場をやり替えて対応しています。

 

私が考える中で、同じような構図になっているのは、子ども向けの商品やサービスです。通常、子どもは経済的にも物理的にも自分で購入することができません。保護者に買ってもらう、という構図です。商品やサービスの売り手、買い手である保護者、そして、商品の使用者もしくはサービスの受け手である子ども。ここはトライアングルの構図です。

 

そして、売り手は、子どもだけでなく保護者のニーズにも応える必要があります。でなければ、財布のひもは緩みません。

 

このトライアングルの構図であることから、研修を行う側は、研修の主催者である経営者や人事担当者の意向とともに受講者の意向もとらえる必要があり、ニーズのとらえ方が複雑だということを知りました。

 

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今まで行った研修でも、「(その研修を)受けたいんだけど、会社が(お金を)出してくれない」とか、「(その研修を)受けさせたいけど、社員の中に希望者がいない」といった声を何度か聞きました。両方のニーズに応える、という研修を考えるのは実はとても大変なことなのです。

 

衝撃の研修の効果測定

ニーズを考えて研修を作り上げるって、大変だなぁと考えている時、そのインストラクショナルデザインの中の一節に衝撃を受けることになります。

 

その時は、それがインストラクショナルデザインの中に含まれているとは知らなかったのですが、「研修効果測定」について書かれているコラムをたまたま目にしたのです。

 

それは、研修効果測定:カークパトリックモデル、研修効果の測定レベルを4段階で評価する理論です。カークパトリックという人が考え出したのですが、研修後に効果を測定する方法について書かれています。

  1. レベル1のリアクション(反応)
  2. レベル2のラーニング(学習)
  3. レベル3のビヘイビア(行動)
  4. レベル4のリザルト(結果)

 

レベル1のリアクション(反応)

 

研修後の受講者の反応を意味します。通常、アンケートで測定します。アンケートで、この研修を受けて満足しましたか?と聞かれると思いますが、それはここから出てきています。

 

レベル2のラーニング(学習)

 

研修後にテストを行って習得度合を測ることです。学校の中間テストや期末テストが代表例だと思います。社会人になってから、こんなテストはあまり見受けられませんよね。

 

レベル3のビヘイビア(行動)

 

研修後に受講者の行動が変容したかどうかを測ります。これは、ペーパーでの測定は難しいので、上司や部下、同僚などへのヒアリングやアンケートで調査します。

 

レベル4のリザルト(結果)

 

研修を受けたことによって会社や組織にどのような良い影響をもたらしたか、ということ。生産性の向上や品質の改善、利益率の増加など、会社の数値に現れることができるものです。

 

私が受けたカークパトリックモデルの衝撃とは、最後のレベル4のリザルトでした。

 

研修を行うのであれば、実施する会社はここまで求めるのが普通だし、当たり前のことです。

 

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でも、研修を行う側の会社は、ここまであまり考えていないです。「研修は言われた内容をすれば良い」「受講者の満足度が高ければ良い」という考えでは、本当の意味での研修ではない、という思いが私を今まで突き動かしているのです。

 

結果にコミットする研修を作りたいっ!

それから、研修をするのであれば、KPIに良い変化をもたらす研修を行いたい、と強く思うようになりました。

 

ただ、実践するのは、とても難しいことを感じました。

 

研修の関係者はその三者ともに研修後の成果にそこまで求めていないのです。

 

まず、研修を実施する会社の人達が、研修にそこまで求めないこと。続いて、研修を実際に行う講師がそこまで考えていないこと。最後に受講する受講者もそこまでしなければ、ということに気づいていないこと。

 

研修を実施する会社の人達(いうなれば経営者だったり人事担当者だったり)は、おそらく内心は求めていると思います。費用を払ってまで会社で行うのですから、求めて当然です。ですが、今まで、経営目標に変化をもたらすほどの研修に出会ったことがないために、求めることすらなくなってしまったのだと思うのです。

 

確かに一度限りの研修であったなら、経営目標に到達する研修を行うのは難しいのです。でも、研修を複数回行えば、何らかの良い影響をもたらすことがあります。

 

ただ、この複数回を単純に行っても無駄です。計画をもって、受講者の成長を見越して行うことが肝心なのです。

 

そして、受講者も経営目標を知ってから研修に臨む必要があります。そうすれば、講師に対する姿勢も変わってきます。受け身だけではなく自主的な受講となるはずです。

 

最後に講師です。

 

経営目標に到達するように研修を行うとなると、講師の責任は重大になります。そんな責任を講師一人が背負うのは、また到底無理だと考えています。

 

人材育成に関して言えば、その担当する分野はとても広いです。

 

そこには、通常の業務内の技術や知識も含まれますし、コミュニケーションや人間関係の構築などのヒューマンスキルも入っています。他の従業員の管理や経営に関するスキルも含まれています。これら全部を一人で担当できる人はいません。

 

だからこそ、講師は複数人抱える必要があるのです。

 

そして、講師はその得意分野で最高のパフォーマンスをすることで、研修効果を上げるしかないのです。そして、講師群をまとめて会社に研修による効果をもたらすように仕組み作りをするのが、経営者であり人事担当者なのです。

 

経営者や人事担当者の業務は、人材育成だけではありません。また、人材育成のエキスパートでもありません。だからこそ、そこに商機があると考えているのです。私は、この経営者や人事担当者の人材育成部門のアウトソーシングを受けることをしたいと考えたのです。

 

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さまざまな分野がある人材育成の分野で、どの部分をどのように伸ばしたいのか、というのは経営戦略の一つですから、ここは会社で考えていただくところです。ですが、その理想像に近づけるためにどのような方策を講ずれば良いのか、という部分に、研修設計という考え方はとてもピッタリとはまると考えています。

 

結果、ソリューションなんだよね

研修設計といっても、ソリューションなのです。問題解決なのです。

 

こうありたいという目標に向かって、現状を分析して、その対策を研修というツールを使って行うだけです。研修は講師が前に立って話をする講義形式や上司や先輩が横について指導するOJTまで様々な形式があり、その中でどれを選択すれば一番効果が出るのかを考えるのが、設計なのです。

 

設計はある意味計画書でもあるので、実施してみて、効果を測定してみて、効果の具合によっては改善していくというPDCAにも当てはまります。

 

顧客である会社の経営者や人事担当者の問題を解決するために、研修を設計し提供する、それが「人材を育成して強い会社を創る」サポートになるわけです。

 

あー、ここまで、いろんな人に口頭で話をした内容なのですが、文章にしたのは初めてです。書いてみて、ずいぶんと自分の考えがまとまった気がします。なかなか手書きでここまでの文章を書くのはつらいので、アナログでは書かなかったろうなぁ・・・

 

私はキーのストロークはわりに早い方(一応、IT企業出身者ですから・・・)なので、書くより、キーボードで打った方が早いのです。話すのとほぼ同じくらいかな・・・ただ、話すと後に残らないので、こうやって書いた方が断然読み返せるし、自分の目でも確認できてGoodかも。

 

次回は、金曜日あたりに更新予定です。「人材育成をしようと決めたワケ」です。

それでは、また。 

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わかりやすい資料を作る

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

先週は大変失礼しました。ちょっとした操作ミスであんな風に全原稿が消えてしまうとは思ってもみませんでした。これからはリスクの一つとして考えておきたいと思っています。

 

さて、今週は先週のミスを取り戻すべく、PowerPointなどで資料を作る際に気をつけておくべきことについてお話ししたいと思っています。

 

PowerPointはご存知の通り、プレゼンで良く使われるソフトウェアです。プレゼンテーション、略してプレゼンは、いわゆる発表という意味合いが強いようですね。私はずっとプロポーザルやコンペのことだと思っていました。

 

発表の際、プロジェクターに映し出す資料を作成するためにPowerPointを使用する機会が増えてきたと思っています。学校の非常勤講師で行く先でも、学生が発表する時は必ずと言っていいほどPowerPointを使用します。

 

ただ、あまり「わかりやすい資料を作る」という点で考えられていない気がします。また、実際に作る際に、どうすればもっとわかりやすくなるのだろうか、と疑問に思うことも多くあります。

 

そこで今日は資料を作ることにこだわってお話ししてみたいと思っています。

 

ちなみに。きれいな資料を作る、ということではありませんので、あらかじめご了解くださいね(苦笑)

 

想定するのは、会社や学校で何らかの発表をする機会があり、PowerPointを使って資料を作成するというシチュエーションです。

 

1.デザインの4原則

 

デザインの4原則ってご存知ですか?

 

ノンデザイナーズ デザインブックという本で提唱されている原則です。

資料を作る際、いつも困るのが、「デザイナーではないからカッコいい資料が作れない」という悩みです。私も昔、ずっと思っていました。

 

でも、この本は、ノンデザイナーと謳われているように、デザイナーではない人が最低限これだけ守ればデザイナーが作ったように見えるよ、という原則です。原則なので、言われてみれば当然だよね、という内容なのですが、意外と守られていないことが多い気がします。

 

私はこの本と出会ったのが10年くらい前なのですが、今、本自体を見つけることができません。たぶん、間違って捨ててしまったのかもしれません。なので、少し記憶をたどりつつお話しします。

 

①近接

まず「近接」です。

 

近接とは、同じ内容のものは近くに配置し、異なる内容のものは遠くに配置する、ということ。

 

言われてみればその通りですよね(汗)

 

ただ、思いつくままに資料を作成していると、この原則が守られていない資料となってしまいます。

 

逆に言えば、近くに配置したものは同じ内容(仲間、種類)とみなされる、ということです。

 

例えば、「JRは、北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、そして、貨物で構成されています」といった文章があるとします。「そして」をはさむことで、「貨物」だけ少し異質さを感じませんか? 近接を文章で表現すると、こういったことになります。

 

下の図をご覧ください。

 

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カタマリになっているモノ同士が何らかの意味を構成しているように見えると思います。近くに配置されたものは同じ仲間とみなされる、といったことです。

 

更に言えば、異なるものは遠くに離すこと。そうすることでパッと見ただけで、異なるものである、ということがわかります。

 

②整列

続いて「整列」です。

 

同じ仲間はきちんと整列していると同じ仲間に見え、整列していないと異なる仲間に見える、ということです。

 

例えば下の図のように左に揃った図であれば、大きさや数が異なっていても仲間に見えますが、左端の位置がずれていると、同じ仲間というより一番上が親であり、二番目以降が子どものような関係に見えます。

 

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左が揃った要素群と一段下がった要素群

 

情報を整理して伝えるには、整列をさせることが必要なのです。

 

PowerPointでは、各要素を整列させる機能があります。うまく使うことで、情報を整理した発表を行ってほしいと思っています。

 

③反復

反復は、強く訴えたいものがあるのであれば、反復して伝える、ということです。

 

文章でいうなれば、「です・ます」調と「である」調を混在させない、ということですね。最初に「です・ます」調で書いたのであれば、最後まで「です・ます」調で書くことです。

 

反復はリズム感をもたらせます。

 

発表をする時に、各スライドに同じアイコン(図やロゴマーク)を入れることで、全体的な統一感やリズム感を醸し出すことができます。

 

特にスライドが1枚1枚、異なる色調やデザインで書かれていると、見ている人はそちらに気を取られて、発表の中身に集中できません。

 

逆に話題が変わる時に、色合いを変更すると、その趣旨を伝えることができるのです。

 

PowerPointで作成する時は、フォントやフォントサイズ、使用されているアニメーションなども統一することで、見ている人に安心感を与えることができます。

 

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コントラスト

最後に「コントラスト」、いうなれば強弱です。

 

要素の大きさや色合いで、強弱をつけることになります。

 

通常の文字は、白地に黒で表現しているが、重要な箇所は黒地に白(いわゆる白抜き文字)で表現する、といったことです。また、重要な箇所はフォントサイズを大きくし、そこまで注目を浴びなくても良い箇所は小さくします。

 

例えば、ネットの情報を貼り付けた時、注目してほしい箇所は大きな文字で目立つ色を使い、引用したネット上のURLはフォントサイズを小さくし、印刷した資料だったら読めるレベルにとどめておきます。小さい文字のURLは見たい場合は後から見てね・・・というメッセージが表現できます。

 

近接、整列、反復、コントラストは、使ってみると良くわかると思います。資料を作る際にぜひ参考にしていただきたいと考えています。

 

2.フォントサイズ

 

プロジェクターに表示させたスライドと同じものを印刷して渡す場合があります。ただ、この場合、印刷しなければならない目的が明確であることが必要だと私は考えています。

 

同じものであれば別に印刷する必要がない場合もあります。

 

例えば、会場も小さくて少人数の場合、プロジェクターの文字が十分に見ることができるので、印刷して渡す必要はありません。聴衆は、プロジェクターの画面と印刷された紙との間で視線を行ったり来たりするだけで大変になります。

 

印刷してお渡しするのは以下の目的の場合だと思っています。

  1. プロジェクターで映すスライドは説明文がないので、聴衆がメモを書きやすくする時
  2. 後から聴衆に復習してほしい時
  3. プロジェクターで映すスライドの文字が小さくて見えないと思われる時

 

3.の場合は、賛否両論ありますが、私は否定する立場です。あり得ないと思っています。

 

プレゼンをする時、聴衆はどこを見るのが一番良いと思いますか?

 

私は、聴衆とプレゼンター(プレゼンをする人)が同じ場所を見ることが大事だと思っています。

 

プレゼンターが良く言うのが「ここの部分が・・・」です。でも、聴衆は、「ここってどこ?」の状態の場合が多い。。。。プレゼンターは映し出されたスライド上で、赤いレーザーポインターを激しく動かして「ここ」と言っているのですが、会場が広いとそのレーザーポインターが良く見えないのです。

 

プレゼンターは「ここ」を指し示したので、説明に入りますが、聴衆はその場所を探して視線をウロウロ。当然、その間、説明なんか耳に入っていません。

 

そのため、良くわからなかった・・・で終わってしまうのです。

 

プレゼンターのファンでもない限り、一度わからなくなったら聴衆は、次からはちゃんと聞こうなんて思わず、そこで聞くことを辞めてしまいます。せっかく説明するために資料を作成し頑張ってきたのに、聞いてくれないのです。残念ですよね。

 

そうならないためにも、聴衆とプレゼンターの視線は合わせる方が良いと考えています。そのための視線誘導です。

 

うまい方は、「こちらを見てください」と言ってから、しばらく間を取ります。そうすることで聴衆の視線を「こちら」に誘導するのです。その際、「こちら」はレーザーポインターで指し示す時はゆっくりとした動作で行いますし、「こちら」がどこなのか詳細な場所を言います。

 

例えば、「こちらのスライド、プロジェクターで映しだされたスライドをご覧ください」とか、「お手元の資料の○○ページ上段の図1をご覧ください」といったように言います。そうすることで、聴衆がどこを見ればよいのかがわかるのです。

 

視線誘導は大事なことでもあるのですが、今お話ししたいことはそれ以前の問題です。プロジェクターで映しだされても見えないようなスライドの資料を作る、ということです。一つのスライドにたくさんのデータや文章を書き込むために、一つ一つの文字のフォントサイズが小さくなります。10ポイントなんてナンセンスです。

 

でもスライド1枚に収まらないからと、小さな文字をたくさん入れる人がたくさんいます。Wordで作る資料であれば、印刷を想定していますので、それは「あり」です。ですが、PowerPointはプロジェクターで映しだしたものが「見える」というのが前提です。字が小さくて見えないから印刷するというのはおかしいと思います。

 

そうであれば、印刷したもので話をすればよいのです。そうすれば、聴衆はあちこちを見る必要がありません。印刷された資料を見ながら説明を聞くことができますので、ストレスフリーです。

 

発表だからPowerPointを使わなくちゃ、PowerPointで作ったからプロジェクターで映さなきゃ、と思っているのであれば、プロジェクターで映されたスライドだけで説明できるように作成してください。

 

そして、スライドだけで説明するのであれば、それなりの文字の大きさで資料を作成してください。100人を超えるのであれば40ポイントくらいのフォントサイズが欲しいです。40ポイントは結構大きいですよ。PowerPointのスライドであれば、4行がギリギリ入るくらいです。

 

もっと小さな会場であれば、16ポイントから24ポイントくらいであれば大丈夫だと思います。一度プロジェクターに投影してみて、会場の一番後ろから確認してみると良いでしょう。

 

私はいろんな場所で同じスライドを使うことがあったので、その時40ポイントを使いました。文字の量をたくさん入れられないので、言いたいことを凝縮することに力を注ぎました。

 

もし、そんなものだったら説明できない、というのであれば、細かい字で印刷したもので説明してください。

 

ただ、発表はせいぜい20分程度だと思います。セミナーのような90分くらいのものになってくるとまた別の話になりますが、通常、発表というのであれば何人かの方が順番に行うので、せいぜい一人の持ち時間は多くても20分程度だと思います。

 

であれば、説明できる内容には限りがあります。

 

言いたいことを絞って口頭で説明します。その後、詳細は紙の資料をご覧ください、ということになるはずです。

 

こんな資料を作ってプロジェクターで見せられたら、見えないと思って聴衆は聞くこと自体を諦めるのではないでしょうか。

 

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http://www.jinji.go.jp/kankoku/h23/pdf/23point.pdf

 

※言っておきますが、この資料はパソコンの画面上でみてもらうために作られた資料だと信じています。なので、このフォントサイズなのです。このスライドが悪い、というわけでは決してありません!!ただ、このスライドをプロジェクターに映し出されて見せられたら聞きたくなくなる、と思った(私の主観)だけです(汗)

 

もちろん、フォントサイズを大きくすれば、言いたいことを全部詰め込むことはできません。でも、1枚のスライドに言いたいことを詰め込む、という考え自体が間違っています。スライド1枚には1つの言いたいことを書く、というのがセオリーなのです。

 

WordとPowerPointで資料を作る際の大きく違う点はここなのです。

 

3.色の使い方

 

スライドで資料を作成していて一番困るのが色の使い方です。私も随分と悩まされてきました。ですが、これも重要な要素の一つです。

 

Webサイトなどで、色の組み合わせを勉強しておくのも良いと思います。ただ、一般の方はそれだけに時間を使うことはできません。なので、手軽にPowerPointについている機能の「配色」を使うのも手です。

 

PowerPointは一つの配色で8色の色を組み合わせています。それぞれ、

  • 背景色1
  • テキスト1
  • 背景色2
  • テキスト2
  • アクセント1
  • アクセント2
  • アクセント3
  • アクセント4
  • アクセント5
  • アクセント6

というように割り当てられています。PowerPointの塗りつぶしの色などをクリックすると上部に表示されている8色がそうです。それを左側から書き出すと上記のようになります。

 

ただ、プレゼンで使用する色は3~4色だと言われています。私もその方が良いと思います。どういった色なのかを書くと、

  • 通常の文字の色
  • 重要項目の色
  • サブ重要項目の色
  • 背景色

です。

 

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カラフルでなくても良いのです。背景色を白、普通の文字色を黒にすれば、後は重要項目の色とサブ重要項目の色だけを決めればよいわけです。通常、重要項目の色はコーポレートカラーなどを利用すると良いので、サブ重要項目の色は、コーポレートカラーより少しくすんだ色(彩度を落とした色=白っぽくした色、明度を落とした色=黒っぽくした色)を採用すれば良いと思います。

 

コーポレートカラーを使いたくない人、使えない人、コーポレートカラーがない人は、内容にマッチした色を選択(エコなら明るい緑、海関係ならブルーなど)します。事業部同士のプレゼン合戦のようなものであれば、自分の事業部のイメージカラーでも良いと思います。

 

一つの色を選択したら、その色から派生した色をもう一つ選択すれば、他の色は使わないようにします。

 

反対のことをそれぞれ説明する場合は、反対色でも良いかと思います。聴衆が見たらすぐにわかるようにすることも重要です。

 

そして、色を決めたら、その発表の資料全体を統一しましょう。デザインの4原則の「反復」です。

 

4.アニメーション

 

アニメーションは作っている時はとても楽しいです。ですが、基本的に多用しすぎないように気をつけましょう。

 

人間は動きがあるものに自然と視線を集中させます。これは、太古の昔から獲物や敵に対して視線が行くようになっているからです。本能のようなものです。

 

だから、アニメーションには視線を集中させる効果があります。ただ、無用なアニメーションは肝心の発表内容から視線がずれてしまうことを招きます。そんな無駄なことはやめるようにしましょう。

 

そして、アニメーションの種類も1種類程度に限定しましょう。文字が右から飛んできたかと思ったら、今度は左から飛んでくる・・・これが意味があるのであれば良いのですが、何の意味もなければ、聴衆が混乱するだけです。私は基本的に「フェード」一本に絞っています。

 

また、アニメーションを使って図形を挿入させると、今までの図形と重なってしまうことがあります。この場合、スライドをコピーして2枚同じスライドを作成し、図が重なったスライドを新しく作った方が良いです。スライドを切り替えれば、自動的にアニメーションのように表現されるので、聴衆からの見た目は変わりません。

 

というのが、こういった図形が重なっていると、後から編集や修正をする際に不便なのです。前面に出ている図形を動かさないと後ろの図形を修正できません。そうすると位置がずれてしまいます。

 

位置が微妙にずれてしまうと、スライドを切り替えた時に、図形がそれこそ微妙に動きます。前のスライドと同じ位置にあるはずの図形が動いてしまうと、聴衆は意外に気になるものです。

 

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アニメーションは時系列で変化していく様を表現するのにとても便利です。ですから、そういった説明の時は是非使用していただきたいと思っています。第1段階、第2段階と変化していく様が視覚でわかりやすく説明されると、聴衆も理解しやすくなります。

 

また、重要ポイントを説明する際に、話し手のコツとして、ちょっとした間を使うことがあります。重要なポイントを話す前に話し手はいわゆる「ため」を使うのです。この「ため」は、ほんの少しの間です。この間が聴衆の集中力を高める効果があります。

 

この間を使う時もアニメーションを使うと効果が出ます。間が終わり重要ポイントを話す直前にスライドに文字を表示させると、聴衆は視覚と聴覚から重要ポイントをつかみ取ることができます。そして、記憶にも残るのです。

 

ただし、この手法は「ここぞ!」の時だけ使ってください。スライドごとに使われると、聴衆の集中力は途切れてしまいます。

 

アニメーションはこのように使っていくととても効果がある機能です。使い過ぎないように気をつけながら、上手に使っていくようにしてください。

 

5.終わりに

 

PowerPointそのものの操作に関しては、慣れてくるとそんなに難しいものではありません。Excelのように関数を使うわけでも、Wordのように細かい設定がたくさんあるわけでもなく、単純でわかりやすい機能が多いです。

 

また、最近は使う人口も増えていっています。使い方もかなり上手な方が増えています。

 

ただ、まだ今一つの方も多くいらっしゃいます。また、私が今日お話しした内容そのものを全く使わないという方もいらっしゃいます。白地に黒文字が羅列するだけのスライドですね。それはそれで構わないのですが、聴衆の立場から見ると、どれが縦横なのかがわからないというデメリットがあります。

 

是非ともわかりやすいクールな発表をしていただけるようになっていただきたく思っています。

 

まだまだ、コツそのものはたくさんあるのですが、必要最低限、ここは押さえて欲しい部分だけお話ししました。

 

先週、書いていた内容の骨子だけは残っていたのですが、細かな文章は改めて書くことになりました。でも、書き終えて良かったです(ウルウル)。先週の文字数より確実に多いので、きっとプラスアルファがくっついたのでしょう。

 

来週の内容は全く考えていません。少しブログをリセットして、更新回数の見直しも含めて考えたいな、と思っています。ちょうど投稿記事数も100を超えましたし、6カ月も経ちましたので、良い機会でしょう。

 

ただ、来週更新するのは確実です。一週間空きがあることはありません。

それでは、また来週。

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お詫び・・・(/o\)

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 

本来なら本日ブログを更新する予定でした。PowerPointで発表資料を作るコツについてです。

 

いつもならWordにブログ全文を書いた後、コピーしてこちらに貼り付けるのですが、今回は直接このブログに記述しました。6,000字以上記述して、後は公開設定するのみ、の段階で、すべてが無に帰しました(涙)。

 

再度、記述する気力はもうありません。。。ちょっとした勘違いからくる操作ミスです。はい。。。はてなブログさんも悪くありません。

 

ま、こんなこともあるさ、と自分を慰めていますが、まさかの出来事です。

 

ということで、また、来週、出直してきます。

 

すみません。。。

 

寒くなってきました。本格的な冬になると、我が家のネコはコタツから出られません。私が夜寝るために布団に行こうとすると、人間のようにコタツ布団から顔だけ出したネコが「え~~~~いくの?」といった顔をしながら、あくびをします。

 

ウチのネコは夜寝る場所は私の布団と決めているらしく、寒くても布団にやってきます。ただ、たまに、ごくたまに、コタツで寝入ってしまって、気づくと朝、という日もあります。そういう日は、朝私と目が合った時、ハッとΣ(・ω・ノ)ノ!という顔になります。

 

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ウチのネコの写真ではありません。

 

ある意味、人間のような表情です。

 

ネコは本当に不思議な動物です。

 

ということで、今週のテーマは来週に持ち越しとなりました。更新予定日は11月22日(水)です。たぶん。。。(汗)

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