人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

本の内容が頭の中に記憶される読書法

ユーグレードでビジネストレーナーをしている安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日は仏教のお話で終わりました・・・。

 

実は、九州国立博物館で「~仏の国の輝き~タイ特別展」があってました。

6月4日(日)まででした。

 

7月上旬から東京の国立博物館でもあるようです。

本当はこっちに行く予定だったのですが、

6月1日にフラッと九州国立博物館に行ってきました。

 

そこで、タイは上座部仏教だという記述がありました。

 

ちょうど読んでいた維摩経の本に、

昔、大乗仏教の反対の意味として小乗仏教という言葉があったのですが、

卑下する言葉なので、今では小乗仏教とは言わず「上座部仏教」という

記述がありました。

 

なるほど。。。

 

って話になると終わらなさそうなので、

仏教の話はここまでにして、

読書法の続きです。

 

読書法のポイントは3つ。

  1. 目次と「はじめに」、「おわりに」を読み込むこと
  2. なるほど、と思った文章に線を引いて、付箋を貼ること
  3. 必要に応じて線を引いた文章をノートに書きだすこと

 

1.目次と「はじめに」、「おわりに」を読み込むこと

 

目次を読む目的は、

本の構成を最初に掴んでおくこと

です。

 

f:id:ugrade:20170605213127j:plain

 

全体像がわからないと、枝葉にこだわってしまう可能性があります。

だから、まず、全体像を把握する。

その際に、ココ読みたいっ!と思ったら、

鉛筆でマークします!

マークした本文を読む時はワクワクできるように!

 

続いて「はじめに」を読みます。

目次はたまに、すごくあっさりしたものがあるので、

「はじめに」で全体像を掴む手掛かりを求めます。

 

そして、「おわりに」を読みます。

本文を読む前に「おわりに」を読むのはお得感満載です。

だって、本を読んでしまった気になるから。

 

推理小説とかでネタバレが嫌だ、という場合は

おすすめしませんが、

通常の仕事で必要な本を読む場合は「おわりに」を読むと、

そこに結論が書かれてある場合が多いので、

状況によっては、そこで読書終了です(笑)

 

まあ、さすがにそれでは骨子しかわからないので、

本文を読むことになります。

逆に言えば、骨子がわかる箇所さえ読めば、

読書終了になります。

 

速いですよね。これが「ザ速読」です。マジで。

 

でも、そんな本は少ないので、通常は、

本文を読みます。

 

大雑把に内容を把握するために、

本文は、ざぁーっと目を通します。

単元や図表、絵、大きく太字になった文章や文字、

何か繰り返し出てきている文字や言葉。

そういった目についたものを片っ端から追っかけていくだけです。

 

f:id:ugrade:20170605213635j:plain

 

別に内容をすべて読んでいるわけではありません。

速読法の本には15分程度、とあったのですが、

まだ初心者の私は30分くらいかかります。

 

目的は、大雑把に作者の言いたいことを掴むこと。

本の傾向を掴むこと、です。

 

佐藤優さんは、

ここで詳細に読むべきかどうかを判断して、

別に新しい知見が得られないと判断したら、

それで読書を終了するそうです。

 

私は、つい買ったお金がもったいない・・・

という貧乏根性で、読んでしまうのですが、

本当はお金より時間を大切にすべきということです。

 

読書にかけられる時間は限られており、

一生で読める冊数も限られているのだから、

良い本に出合うために時間を大切にしろ、

というのが佐藤さんの話です。

 

ついでに、佐藤さんは

「最初を読んで、ちょうど本の真ん中あたりを読んで、

終わりを読む」ってなこともするそうです。

 

本の真ん中あたりって、著者がちょっと中だるみする箇所らしく、

読みづらかったり、話がダラダラしてたりしやすいそうです。

(ちょうど、このブログみたいに・・・?!)

 

そういう視点はなかったので、

いつかやってみようとは思ってます。

(まだ、やったことはないです)

 

2.大事と思った文章に線を引いて、付箋を貼ること

 

1.が終わったら、本文を最初から読み進めます。

ざっと読むことを3回程度、繰り返しても良いそうですが、

私はせっかくお金を出して買った本だからと、

特段何もなければ、

この段階で最初から読み進めることにしています。

 

仕事で急ぎ必要な部分がある、といったことがなければ、

読書を楽しむぞーという気持ちで読み進めるのです。

 

そこで「大事」と思った箇所に線を引いたり、

線で囲んだりして、

その部分に付箋を貼ります。

線を引いた箇所が後からすぐに見つけられるように、です。

 

初めての分野の本は、それこそ毎ページに付箋を貼ることになります。

付箋で本の厚みが倍になるくらい(笑)

 

f:id:ugrade:20170605214120j:plain

 

でも、同じ分野の本が、2冊目、3冊目になるにつれて、

付箋の量が減ってきます。

これは、自分が理解した量なのです。

理解した量の「見える化」です(笑)

 

3.必要に応じて線を引いた文章をノートに書き出すこと

 

書き出すことには時間がかかる、と思って最初は抵抗感がありました。

でも、書き出すと意外と記憶に残ります。

すると、同じ分野の2冊目、3冊目の読むスピードが格段に上がります。

理解力も上がります。

 

書き出すノートは何でも良いそうですが、

記憶力に自信のない私はA5サイズのルーズリーフに書き出して

それを持ち歩いています。

ちょっとしたすき間時間に見返せると思ったからです。

・・・結局あまりしませんが・・・(苦笑)

 

読書法に字数を費やしてしまったので、

ようやく予告していたショッキングなニュースについてを

明日からお話ししようと思っています。

それでは、また明日。

 

本の内容が頭の中に入る速読法

ユーグレードでビジネストレーナーをしている安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

眉唾的なタイトルですが、あながち嘘じゃないと思っています。

 

私は基本的に暗記ができない人です。

テスト前日に丸暗記するのがとても苦手でした。

記憶するには理屈を理解して覚える

・・・そうでなければ、理屈抜きでの暗記は

テスト前の5分休みの時間内に覚えられる量のみです。

 

本を読んでも、読んだという記憶は残るのですが、中身はさっぱり、

ということがたくさんあります。

 

中にはタイトルさえ忘れてしまっていることがあります。

なので、Amazonで購入後、「あれ? 読んだことがあるような・・・」と

購入履歴を見てみると、確かに以前買ってた・・・なんてことが。

最近、Amazonは「購入済みですよ」と注意してくれるようになったので、

今では本屋で買わずにAmazonに頼り切りです(苦笑)

 

そんな私が、今年に入ってから、「あの本に書いていた内容は・・・」

と思い出せるようになりました。

私にとっては進歩です!

だって、年齢的にはかなりオバ・・・さん・・・になっているのに!

 

f:id:ugrade:20170604213455j:plain

 

その方法は、昨日ご紹介した3冊の本の合体バージョンです。

基本ラインと読書全体の考え方は佐藤さんの「読書の技法」。

実際の読書の手法は宇都出さんの「どんな本でも大量に読める「速読」の本」。

読書の最終目標の考え方は斎藤さんの「斎藤孝の速読塾」。

 

このお三方が口を揃えて言われていることは、

「事前にテーマに関する知識を持っておかないと速読はできない」

「読書の最終的な目的は、本の著者の考え方を理解する」

ということ。

 

もっともなことなんですが、私は全く考えてもいないことでした。

私は本を教科書と同じようにとらえていたようです。

 

教科書は学校で学ぶ間、

すべてをきちんと理解して記憶しなければいけません。

 

だから、本の中の技術を全部学習するためには最初から一字一句

間違えずに読むべき・・・だから、時間がかかる。

少し躓いたら先に進めない。。。自己嫌悪。。。

早くは読めないし、ほんの一部しか記憶ができていない。。。

 

f:id:ugrade:20170604230550j:plain

 

そこで、まずは

「事前にテーマに関する知識を持っておかないと速読はできない」

について。

 

そのテーマの知識はある程度持っていると、

その中に出てくる単語(専門用語)の意味を良くわかっているので、

スムーズに読むことができる=速読ができる

ということ。

 

また、先の内容が大雑把であってもつかむことができるので、

これが更に早く読み進めることができる。

作者の考え方の傾向が事前に把握できると、

本を理解するのにとても役に立つので、

速いスピードで読み進めることができます。

 

私は元々IT系だったので、IT系の人々が良く使う言葉は理解ができます。

でも、ITを全く知らない人が読むと、

通常の文章に出てくる言葉の意味がわからず、

そこで止まってしまいます。

 

この本はこういった傾向の本で、

あの本はああいった傾向の本だ、

ということが私にはわかるのですが、

ITを全く知らない人はおそらく難しいでしょう。

 

具体的に話せば、

例えば「プロジェクト」という言葉。

IT系の人なら、すぐにわかると思います。

 

この言葉を知らない人にとっては、

プロジェクトが指す概念がわからないので、

プロジェクト管理の説明は頭にスッと入っては来ないでしょう。

まずはプロジェクトとは・・・という定義から話を進める必要があります。

 

続いて、

「読書の最終的な目的は、本の著者の考え方を理解する」

について。

 

本を読む最終的な目標は、

「要は○○といったことが著者は言いたかったんだ」

と一言で言い表すこと。

 

細部の理解ばかりに目が行ってしまうと、

この最終目標に到達できないまま、

読書が挫折してしまうことになります。

 

ただ、最終目標にこだわりすぎてもいけません。

著者の言いたかったことを完璧に理解するまでは・・・

と思いすぎてもいけないのです。

 

著者の考え方を理解すれば、細部にこだわる必要はないし、

著者の考え方のすべてを理解しなければならないわけでもない。

 

著者と私とでは圧倒的な知識量の差があるのだから、

著者の考えを一冊の本で完璧に理解することはできない。

それを念頭に置いておかないと、

一冊の本を読み終えることができなくなります。

 

今、私は維摩経についての本を読んでいます。

 

維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著) ムック – 2017/5/25

釈 徹宗 (その他)著

Amazon CAPTCHA

 

でも、仏教についての本は今年に入ってからこれで三冊目なので、

言葉の定義が何となくわかります。

 

言葉がわかるようになると、

あんまり苦もなく読み進めることができています。

そんな自分に驚きます。

 

そうなると著者の言いたいことが何となく理解できるのです。

 

f:id:ugrade:20170604230913j:plain

 

ああ、そうなんだ・・・

 

この本との出会いを大切して、

今、本を読んで楽しむことが大事。

 

 

だから、

おおかた、こんな感じ?

でOKだということ。

 

こんな風に考えて読んでいくと

頭の中に何となく残った状態で、

しかも意外と早く読めているのです。

 

ところで、NHKテキストの「100de名著」シリーズは

先月初めて知ったのですが、便利ですねー。

いわゆるリーダーダイジェストです。

でも、維摩経なんて、現物を読みたくはないですし、

読んでも時間がかかるだけですよね。

でも、あっという間に読めちゃいます。

 

これで500円(税抜き)。

何かお得感、満載。

ちなみに、維摩経聖徳太子の愛読書だったそうです。

気分は聖徳太子

 

長くなってしまいましたので、

具体的な手法については明日に回します。

それでは、また明日。

 

 

本を読むことは好きですか?

ユーグレードでビジネストレーナーをしている安部です。

研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

ブログを書き始めて1か月が過ぎました。

土日・祝日を除く、いわゆる平日に書こうと決めて書いていますが、

まだまだ慣れないなーという気持ちで、

未だに初々しい気持ちで書いてます(えっ(''_''))

 

さて、昨年から一人で仕事を始めてから1年半が経とうとしています。

会社を辞めた当初、実はビジョンとかやりたいこととか全く考えていませんでした。

ぼんやりと今までできなかったことをやろうかなぁ・・・っていう感じでした。

 

会社勤めをしていて時間がなかったからできなかったこと・・・

最初に考えたのは

 

本を読む

ということでした。

 

さあ、時間ができたから読むぞーということです。

 

 

f:id:ugrade:20170604114656j:plain

 

 

結果を先に言います。

おそらく昨年1年間の読書量を今年5か月分の読書量が追い越してます。

昨年1年間はほとんど本が読めなかったのです。

仕事が忙しかったから。独立直後で雑務が多かったから。

なんて言い訳です。

 

昨年の春先、自宅に作業する場所を作った時に、

読みたい本を15冊ほど目の前に並べました。

その本は1冊も読めませんでした。

何を読んでいたのか、あまり記憶にも残っていません。

 

本を読むのは嫌いではないはずなんですが、

さあ読むぞ!と思っても、なかなかエンジンがかからないし、

読んでも記憶に残らない・・・

 

もっと効率的に本が読めたらなぁ。

本の中身をきちんと理解して、覚えられたらなぁ。

私の切なる願いでした。

 

そんな思いをもっていた時、10月にある本を偶然手にしました。

 

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書) 新書 – 2006/11/1

手嶋 龍一 (著), 佐藤 優 (著)

Amazon CAPTCHA

  

アフィリエイトの設定はしていませんので、

リンクから皆さんが本を買われても私には一銭のお金も入りません。

どうかご安心を・・・(笑)

 

手嶋龍一さんは、アメリカの同時多発テロ9.11の時に

NHKのワシントン支社にいて、報道していた人です。

その的確な報道がすごいなーと思ってました。

その人の本か・・・と思って手にしました。

もう一人の人との対談形式の本でした。

 

そのもう一人の人。私はそれまで全く存じ上げていませんでした。

佐藤優さん

何か良くある名前、って思ってしまってました。すみません。。。

すごい人だということが読んでいるうちにようやくわかりました。

 

東西冷戦時代の、

手嶋龍一さんは西側諸国に対して、

佐藤優さんは東側諸国に対して、

情報収集のエキスパートでした。

こういった方々をインテリジェンスという、というのも初めて知りました。

 

そこでふと疑問に思いました。

佐藤優さんという人は外務省に勤めていたようだが、

どうも若いころから当時のソ連や東欧諸国に興味があったとある。。。

なぜ、興味があったんだろう・・・と不思議に思っていたら、

これまた偶然に、

 

先生と私 (幻冬舎文庫) 文庫 – 2016/4/12

佐藤 優 (著)

Amazon CAPTCHA

 

を手に入れたのです。

 

佐藤さんがソ連や東欧に惹かれていった経緯が克明に描かれてあり、

圧巻されながら読みました。

 

他に本は書かれているかな?

と思っていると、

 

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門 単行本 – 2012/7/27

佐藤 優 (著)

www.amazon.co.jp

 

これを見つけました。

佐藤さんの本はすべて偶然に見つけたものが多いのです。

何か三度もあると、運命なんじゃないかと思うくらいです。

お顔はちょっと怖いですけど(笑)

同じ猫好きだから、きっと良い人・・・のはず(苦笑)

 

f:id:ugrade:20170530090951j:plain

 

この本を読むころには今年になっていました。

もっと効率的に本が読めたらなぁ。本の中身をきちんと理解して、覚えられたらなぁ。

そう考えていた私にはピッタリの本でした。

 

いわゆる速読法は書かれてはいません。

読書に対する考え方と方法です。

速読法は他の本を読んで習得しろ、と書いてあります(苦笑)

 

そこで速読法の本を読みました。

何が良いのかわからないかったので、Amazonでとりあえず検索して、

タイトルから良さそうなものを4冊チョイスして買いました。

 

うち2冊は、眼球の動きの訓練から始まるもので、

即座に本棚行きとなりました。

1ページを映像としてとらえるなんで芸当は無理です。。。。

 

残りの2冊は参考になりました。

 

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫) 文庫 – 2014/4/12

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫) | 宇都出 雅巳 |本 | 通販 | Amazon

 

齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫) 文庫– 2010/4/

齋藤 孝 (著)

Amazon CAPTCHA

うまくAmazonのキャプチャができない・・・

 

これらの本は、私の読書に画期的な革命をもたらしてくれました。

明日は、そこから学んだ私の読書法について(まだまだ発展途上ですが)

ご紹介したいと思います。

それでは、また明日。

 

あ、繰り返しますが、アフィリエイトのサービスの設定はしてません!

お金目的ではないですので、ご興味ある方はご自由にお買い求めください。

 

スキル図から見たもう一つの課題

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

f:id:ugrade:20170528222616j:plain

 

スキルマップから見たもう一つの課題は、左側はゴールがある程度見えるが、右側はゴールがないということ。ゴールがないのを習得するのは、やってもやっても満足が得られず、通常モチベーションをひどく下げてしまいます。

 

例えば、今サービス業で良く言われている「おもてなし」。社会人としての一般スキルの中でも上級クラスのスキルだと考えています。でも、最上級の「おもてなし」とは何でしょうか? 私はいつもこれを考えてます。

 

私は年に数回、各地のホテルや旅館を利用するのですが、その際にいつもおもてなしが頭の中にあります。このホテルや旅館のおもてなしはどんなものだろうと。

 

結論を先に話します。「おもてなし」というのは顧客満足度が120%(いわゆる大満足)な状態に顧客を置く、ということであれば、顧客が望んでいることをいち早く察知し、それをサービスすることが必要です。ですが、顧客が望んでいることをどうやって察知しますか? 他人の望んでいることを100%わかることは、通常できませんよね。

 

f:id:ugrade:20170531214830j:plain

 

ホテルや旅館で私は一人でのんびりすることを望んでいます。でも、あるホテルでは、マスターが夕食時におもてなしをしてくれました。寒い冬、暖かい食事とともにマスターとウィットに富んだお話をする・・・マスターとのおしゃべりは楽しかったのですが、私にとっては貴重な時間を奪われた感じが残ってしまいました。満足度は100%を少し切るくらいかな・・・

 

顧客側もいつも同じ要求ではないです。私も誰かと話がしたくなる時だってあるでしょう。そんな時はマスターのおもてなしは最高級です。同じ人でも時と場合によって要求が変わってくるのです。その要求を読み取るなど、私がサービスする側だとすれば、私にはとても不可能です。

 

おもてなしの定義が曖昧なので、仕方がないことだと思いますが、それを習得しろ、と言われた従業員はどうなるでしょうか? もし私がその立場だったら、得体のしれないものと闘わなければならないと不安な気持ちになる気がします。

 

もし、私が「おもてなし」を習得するのであれば、自分の行動の軸となる考え方を学びたいと考えます。自分はおもてなしのコンセプトをどこに置くのかということです。「おもてなし=くつろいでもらう」と考えたとしても、豪華なシャンデリアの元で豪華でフカフカなソファに座ってくつろいでもらうのか、静かで整然とした茶室でまったりと抹茶を飲みながらくつろいでもらうのか、によってやり方が異なります。

 

どちらが自分にできるおもてなしだろうか、ということを選択しながら考えていきます。そこからお客様の性別や年齢にあわせて、小道具や茶菓子などを選んで、おもてなしの準備をしていく。

 

f:id:ugrade:20170531215301j:plain

 

まずは「自分がどういう想いでおもてなすのか」をいう明確な意思が必要だと思うのです。

 

会社に勤めているのであれば、自分が所属する会社はどういう想いで顧客と対するのか、ということです。それは、経営理念に示されているはずです。従業員は経営理念に沿っておもてなしを考えていくことが必要です。どんなに豪華なシャンデリア・・・と思っても和風旅館では基本的には不可能です。

 

実は、右側のスキル群は、会社の経営理念と深く関わっているのです。

 

非常に単純化すれば、「お客様の望みを完璧に応える」という経営理念であれば最高レベルのおもてなしが必要、となるわけです。でも「お客様に喜びを与える」という経営理念であればどうでしょうか? ほんの少しのサービスであったとしても、お客様に笑顔が見えたら、それは「おもてなし」ですよね?

 

おもてなしは一例に過ぎませんし、おもてなしについて話すには少し文字数が足りないので、またの機会に詳しく話したいと考えてます。ここまでをまとめると、スキル図の右側に位置するものは、どこまで習得すれば良いのかが良くわからないスキル群です。

 

こういったスキル群を習得させるには、○○スキルは××レベルまで身につける必要がある、ということを、まず最初に明示する必要があります。この明示するベースが経営理念、その会社の在り方そのものなのです。

 

でも、研修や人材育成を依頼してくる経営者や事業のトップの方々は、これを意識されていない気がしてなりません。だからこそ高い理想像を平気で話してくるのだと思っています。まずは、どういう会社にしたいのか、どういう事業部にしたいのか、という明確なビジョンの下に人材育成があるのです。その人材育成を実行する研修があるのです。

 

私は研修について、こう考えています。

 

f:id:ugrade:20170531215404j:plain

 

それでは、また来週。来週はショッキングなニュースが今週入ってきたので、それについて話をする予定です。あるマンガもご紹介したいと思っています。

 

 

 

 

フツーの従業員でも身につけるべきリーダーシップ

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

本当に、夜が明けるのが早くなりました。ハッと目が覚めて「寝坊した⁈」と跳び起きてもまだとても早い時間だった、なんてことは日常的です。ここで安心して二度寝すると危ないですが・・・

 

f:id:ugrade:20170528222616j:plain

昨日は平社員にもリーダーシップが必要だ、という話をしました。でも、リーダーではないのに、なぜリーダーシップ?と思われると思います。

 

ここで私なりのリーダーシップの定義をします。「メンバーとともに目的を達成するために発揮しなければならない様々な力」とします。なかなか共通的に認知されている定義がなくて困ったのですが、いろいろ調べてみると「メンバーの存在」と「目的を達成する」というキーワードはどれも含まれているので、あながち間違いではないと思います。

 

ここで「メンバー」の定義になるかと思います。「従業員」とか「部下」といった意味合いになると「経営者」や「管理職」になると思いますが、「後輩」や「仲間」ということになると一般的な人たちでもリーダーシップが必要、ということになります。

 

例えば、学校でリーダーと言えば「委員長」や「生徒会長」という感じでしょうけれど、遊び仲間の中にリーダーっぽい人はいませんでしたか? 彼・彼女が言うとみんなが何となくついていって、全員が楽しく遊ぶことができる。そんな人たちです。彼・彼女はリーダーではないとなると何でしょうか? こういう人たちを「インフォーマルリーダー」と呼びたいと思います。委員長や生徒会長をフォーマルリーダー(公式なリーダー)であり、ゆるくつながった集団のリーダーはインフォーマルリーダー(非公式なリーダー)です。

 

会社の中にもインフォーマルリーダーは必ずいると思います。何となくみんながその人の周りに集まってくる・・・

 

そして「目的」の定義です。リーダーは自分の利益のために行動するのではなく、あくまでも組織の目的のために行動する人です。

 

職場の給湯室で長時間、社内の人の噂話をする集団の「中心にいる人」はリーダーではないです。この集団の目的が「噂話をしてストレス発散する」であったとしても、噂が悪いものであれば噂をされた人はいい気持ちがしません。集まっている人たちが「自分のことを言われたら・・・」という心配があるからその場にいるのであればフォロワーシップを発揮していませんし、裏を返せば、その場の中心にいる人はリーダーシップを発揮しているのではなく、リーダーではないということになります。

 

f:id:ugrade:20170530231802j:plain

 

 例えば「中心にいる人」が、集団の目的を「ストレスを発散してその後の仕事に集中する」として、

  • 噂話は1回5分以内にする
  • 噂話の内容は芸能人のみにする
  • その最中はお茶やコーヒーを飲みながらでも良い

などと決めて実行しているのであれば、立派なリーダーだと思います。

  

どんな人でもリーダーになるのだ、ということがわかっていただけたでしょうか?

 

なので、フツーの従業員でも身につけるべきスキルとしてリーダーシップがあげられると考えています。

 

f:id:ugrade:20170530232226j:plain

 

リーダーシップの身につけ方については、また後日話したいと思っています。明日は、スキル図からわかる人材育成のもう一つの課題について話をします。 それでは、また明日。

 

フツーの従業員はどんな人物か?

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 昨日はスーパー従業員について話をしました。

 

f:id:ugrade:20170528222616j:plain

 

スーパー従業員ではなく、フツーの従業員である方々はどんな方々でしょうか?

 

フツーの従業員の想定をします。入社3年以上は経っていて、それなりに仕事は一人前にこなすことはできるが、管理職にはまだなっていない、という人。後輩が何人かいて、その方々に指導をしています。

 

そんな方のスキル図はどうでしょうか? おそらく、「仕事に関する知識」や「仕事に関する技能」はそれなりに充実しており、だから一人前に仕事をこなせるようになっているのです。「マネジメントスキル」はまだまだです。本人もこのスキルを身につけようという意識はありません。

 

右側の「社会人としての一般スキル」は少し身についてきています。ですが、周りも本人もまだまだと思っています。その上の「企画・交渉力など汎用的スキル」は、まったく身につけることを想定していないでしょう。まだ違う世界の話、くらいな感じだと思います。

 

さて、一番上の「リーダーシップ」はどうでしょうか?

 

私はわかりやすくリーダーシップは一番上に配置しました。ですが、この想定している従業員にはまったく不要なスキルでしょうか?

 

f:id:ugrade:20170529213705j:plain

 

何人かいる後輩に対しては管理職ではないけれど、仕事のリーダーとして存在しなければならないのではないでしょうか。そこにリーダーシップは当然必要です。ですから、この従業員にもリーダーシップは身につけておく必要があると思われます。

 

しかし、入社3年目の従業員にリーダーシップ研修を受けさせる会社はあまり聞きません。入社時から将来の経営陣候補者として選別されている方々ならともかく、通常の一般社員であるフツーの従業員にリーダーシップ研修を受けさせようとは考えられてないようです。リーダーシップ研修は管理職になる前やなった直後などに配置されています。

 

おそらく学生時代、リーダーシップについて話を聞いたことがあるはずです。ですが、本人も周りもリーダーシップと聞くと「自分には関係のない世界」と思っていることが多いです。事実、私自身もそうでした。私も会社に所属していた時、リーダーシップは社長が持つべきスキルで、従業員の自分には不要だと思っていました。

 

でも、ちょっと考えてみれば、後輩ができた時点でリーダーシップは必要です。そう考えれば、従業員全員がリーダーシップを持った方が良いのです。

 

私は現在の人材育成の課題の一つはここにあると考えています。

 

リーダーシップというとリーダーが持つスキルというイメージが濃くて、良く新聞では「混迷の時代だから強いリーダーシップを持ったリーダーが必要!」なんて見出しを見かけます。でも、私は従業員(平社員を含めて)であってもリーダーシップが必要だと考えています。

 

f:id:ugrade:20170530090951j:plain

孤高のリーダー像?

 

昔、勤めていた会社の社長が言った言葉がずっと頭の中にあります。「リーダーシップはフォロワーシップと背中合わせの存在だ」ということです。フォロワーシップはリーダー以外の人たちが持つべきものですが、それはリーダーを弱いフォロワーたちが支えるだけ(悪く言えば「言うなりになるだけ」)というのではなく、リーダーと同等の力でリーダーを支える、という意味だと考えています。

 

リーダーではないからフォロワーシップと言っているけれど、リーダーになればそのフォロワーシップはすぐにリーダーシップに変わる、ということです。

 

平社員にも必要なリーダーシップというと驚かれるかもしれませんが、会社が強くなるには必要なスキルであると私は考えています。これについては、また明日お話します。

 

スーパー従業員とはどんな人物か

ユーグレードの安部です。研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

昨日は次の図を表示したところで終わりました。今日はこの図について説明します。

 

f:id:ugrade:20170528222616j:plain

 

これは、企業の経営者の方を含む様々な方に聞いて、もしスーパー従業員がいたらこんなスキルマップをその人物は持っているだろうと考えて、私が作りました。

 

左下から順に説明します。

 

「仕事に関する知識」は、通常社内で仕事をする時に必要な知識です。例えば、金融機関で働くのであれば業界の知識や職種独自の知識が必要でしょう。良く業界用語はこれら知識の集大成ともいえると思っています。その他に、社内の雰囲気や人柄なども知識のうちに入ると思います。●●課長は朝が弱いので難しい相談は午後にする、といった知識です。なので、基本的に長年勤めていればいるほど知識は深まります。

 

「仕事に関する技能」は、通常社内で仕事をする時に必要な技能です。例えば、製造業であれば、製品を作る際の機械の操作方法、手作業ならば品質の高いものを作り出す技術などが含まれます。これも基本的に長年勤めていればいるほど技能は高まりますが、社内で異動があった場合、まったく異なる技能を要求されることがあります。極端な例ですが、同じ社内でも製造を行っていた人が経理部門を担当するようになれば必要になる技能は異なってきます。ただ、業界の知識や会社を取り巻く関係者に関する知識は持っているので、仕事のやり方には戸惑うことはあっても、社内で起こっていることに戸惑うことはないと考えています。

 

続いてその上にある「マネージメントスキル」です。その名の通り、管理職になると必要とされるスキルです。本来なら管理職直前に身につけるべきですが、だいたいの会社は管理職になってから研修等で身につけているようです。部下や予算、モノやサービスの品質など、社内で管理すべきものはたくさんあります。それらを管理する手法やその背景にある考え方などを表しています。

 

これら3つのスキルは、従業員がステップアップしていくにつれ、どんどん身につけていくスキル群です。

 

f:id:ugrade:20170529213705j:plain

 

今度は右半分です。下段の「社会人としての一般スキル」です。いわゆるビジネスマナーを代表とするマナー群です。飲み会でのマナーなども含まれます。このスキルは社会人であれば誰でも身につける方が良いものなので、従業員だけではなく、自営業や無職の方も一定の年齢になるころには身につけているものとみなされます。スムーズな人間関係の構築なども含まれます。

 

右の上段「企画・交渉力など汎用的スキル」は、仕事をする上で身につけておくと非常に有利なスキルです。新しいサービスの企画をしたり、他部署との交渉、他の人間を巻き込む力など、身につけておくと他の会社でも十分に通用するスキルです。他にもモチベーションを自己管理するスキルや自分で学習することをコントロールする力なども含まれます。なので、汎用的スキルという名前をつけています。このスキルは、なかなか身につけられるものではないですし、発揮できる職種も限られてきますが、管理職になってくると持っていた方がより良いと思われるスキルです。

 

ただ、これら右側のスキルは左側のスキルと比較すると、どこまで身につければ終わりなのかがわからないスキル群です。そのため生涯精進していく部分でもあるかもしれません。いわゆるゴールがないのです。

 

最後に一番上にあるのが「リーダーシップ」です。経営者や事業のトップの方が持つべきと言われているスキルです。目的を達成するために周囲の人間を巻き込みながら、チームを引っ張っていくスキルです。

 

f:id:ugrade:20170529214001j:plain

 

 

ただ、誤解していただきたくないのは、このリーダーシップスキルは新入社員であっても持っておくべきだと私は思っています。それは、これからおいおい話していきます。

 

以上のスキルを十分に持っている従業員のことを私はスーパー従業員と呼んでいます。そんな従業員ばかりだったら、きっとその会社は大いに発展するかもしれません。全員がそんな従業員ではなくても、1人か2人くらいでも社内にいたら・・・と思う経営者や事業のトップはいるでしょう。昨日、私が訪ねた方々もそう思っているからこそ理想をまくしたてたのだと思います。

 

では、フツーの従業員はどうなっているのでしょうか? 一般的だと想定されているモデル従業員を想定してスキルマップとともに分析していきましょう。続きは、また明日。