人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

突発的なタスクよ、さようなら?

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今日で6月が終わります。あっという間の半年だったのか、ようやく半年がたったのか、人の感覚は難しいところです。私は、どちらかというと、ようやく半年がたったという感覚です。この半年の間、あれもこれもしたので、あれ? まだ半年も経ってなかったの?という感じです。

 

読んでくださっている皆さまと一緒に私も、気持ちも新たに7月から頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。

 

今週は突発的に発生するタスクの管理方法について話をしてきました。基本的な考え方は、突発的に発生するタスクがタスク管理に影響を及ぼすのは、慌ててしまって解決を急ぐからです。

 

タスク管理する手法としては、

  1. 事前に対処方法をマニュアル化しておく
  2. タスクを実施するのは自分か他人かを判断する
  3. 無理難題なタスク処理の注文は、少しずつ改善していく方法を考える

があげられると考えています。

 

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実は、ITの世界には、システム運用のための標準化の考え方があります。その標準をITILInformation Technology Infrastructure Library)と呼びます。システムは突然トラブルが発生して稼働しなくなることが起こり得ます。その時のために、どう運用していくのが良いのか、というさまざまな考え方やマニュアルが用意されています。

 

システム運用を専門にしている会社はこのITILの考え方に従って運用マニュアルを作成します。そうすることで、突発的に発生するタスクに対処できるようにしておくのです。

 

もちろん、急ぎ対応しなければならない初めてのトラブルもあります。よくニュースでにぎわすのが、航空会社の離発着のシステムや銀行のATMシステムです。数分程度のトラブルでの停止状態であれば、運用チームの日ごろの努力の成果でしょう。ところが、数日経っても停止状態から復旧しないトラブルがたまにあります。

 

このようなトラブルが発生したニュースを聞くたびに、きっと想定外のことが起こり、運用チームが文字通り汗だくになってトラブルの原因並びに一時的な対処方法を検討しているのだろうなぁ、と思います。

 

今、トラブルの原因並びに一時的な対処方法と書きました。ITILでは、原因追及を真っ先にせよというスタンスではありません。原因追及をしていたら一カ月もかかることが起こり得ます。それよりも、今止まっているシステムをひとまず動くようにするための応急処置というのを先に実施する、という考え方を示しています。

 

皆さんも、突発的に発生するタスクの原因を追究するより、とりあえず現状を打破することを優先することが多いと思います。怒り狂っている顧客に対しては、ひとまず落ち着いて状況を詳しく説明してもらう手だてを取る、もしくは、こちらに非があることがはっきりわかっている場合はひたすら謝る、といった対処をすると思います。

 

その後に、顧客を怒らせた根本原因を突き止め、改善なり処置なりをしていきます。

 

 どうしよう! 大変だ! と感じた時、まず起こすべき対処方法はこれだ、と決まっていれば、条件反射的に行動を起こすことができます。どうすべきか考えることなく行動を起こすことができるので、初動を誤らずに済みます。こういったことのマニュアルを作成しておくのです。そして、関係しそうな人に周知徹底しておきます。中には訓練を行っておくのも良いでしょう。

 

避難訓練はこのためにあるのです。

 

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 トイレ訓練中・・・

災害の時だけではなく、顧客が突然怒りだした時の訓練など行っておけば、とっさに対応することができます。事が起きてからでは、上司の指示すら間に合わないことが多いのです。

 

その際に、ぜひ、なぜこういった行動がマニュアル化されているのかを説明する必要があります。行動の理由がわかっていれば、微妙に異なるトラブルが発生した時も、応用が利きます。

 

こうして事前に準備をしていくと、突発的に発生するタスクは、処理が簡単なものになっていきます。

 

数年前のセミナーで、突発的に発生するタスクの処理方法について質問が出たのですが、時間があまりなく、回答があまりにもサクッとしすぎていた反省から、今週一週間をかけて説明しました。

 

初めてで、かつ、複雑で、下手をすると責任が問われそうなタスク(トラブル)が発生したら、今までの管理していたタスクを放り出して対処する必要があります。そんな場合はどうしようもないですが、少しでもそんなタスクが発生しないように、事前に対策を準備しておき、できる限りマニュアルを作成しておくことは必要です。これをプロジェクトマネジメントの世界ではリスク管理と言います。

 

リスク管理については、またいつかお話しましょう。

 

来週は、学び方について話していきたいと考えています。社会人になっても学びが大切と言われるのですが、会社勤めをしているとなかなか時間が取れなくて・・・週末にまとめて、と思うけど、結局あっという間に時間が過ぎてしまって、気がつくとサザエさんが始まっている(笑)。そんな方々に少しでもお役に立てばと思ってます。

 

それでは、また来週。

それは、あんまりな命令ですよ

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

タイトルからして、あんまりなものですが・・・(笑)

今日、お話しするのは、残業が習慣づいている会社のお話です。

 

就業規則で9時から18時までが勤務時間とします。

 

ですが、17時50分くらいから突然「これ、翌朝一番までにお願い」と1時間くらいかかりそうなタスクを振ってくる上司がいます。他にも、ミーティングが17時30分から2時間くらい実施される、ということもあります。

 

要は残業ありき、のタスクです。

 

もう会社内がそういう環境になっているので、ひとりが「こういうことは辞めましょう!」と叫んでも、周りが聞いてくれない可能性もあります。

 

どんなに自分ひとりでタスク管理をうまくやって18時の終業とともにすべての仕事を終わらせても、帰れない、ということが発生するのです。

 

ここで、私の好きな言葉をご紹介します。

 

小泉元首相の時、経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵さんの言葉で、

「残業するほどヒマじゃない」

という言葉です。竹中式マトリクス勉強法という本の中にありました。

  

 

最初読んだ時、大笑いしました。

(今は中古本しか販売されていないようですね)

 

忙しい人が残業すると思っていたのですが、残業する人はヒマ人だ!という定義なのです。こういう発想はなかったなぁ、と、ひどく感心しました。

 

それから、私は事あるごとに、この言葉をつぶやくようにしました。

 

昔は私が所属していた会社も残業ありきのタスクが存在していましたが、幸いに徐々に変化していき、17時30分以降の会議はなくなりましたし、タスクの無茶ぶりもなくなりました。

 

今からは会社も徐々に残業を廃止する方向性に向かうと予想されています。良い時代が来ると良いなぁと思ってます。

 

ただ、いまだに、残業するのが企業戦士の務めと思っている人が多数います。そんな中では、定時帰宅はなかなか認められないでしょう。きちんと成果は出しつつ定時に帰る人は、「残業すればもっと成果が出る」なんて言われたら、ショックで退職したくなるかもしれません。その人は非常に生産性が高い人のはずです。会社としてはもったいない話です。

 

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残業が通常の会社の人に聞いたことがあります。「そんなに残業ばかりで、疲れがたまって困ることはありませんか?」と。そうすると「ココだけの話、昼間、そんなに根詰めて仕事してないもん」と返ってきました。「だって、昼間は電話が鳴ったりお客が来たりで集中して仕事ができないからね」

 

電話対応、顧客対応も仕事のうちではないでしょうか? それは仕事ではない?

 

何か間違っていませんか?という問いには「今までそうやってきたから、別に・・・」という答え。

 

是非、生産性を高めて、残業を減らしていきましょう。そのためのタスク管理です。

(残業が減ると残業代が減るから生活できない、というのは別の問題です)

 

もし、所属されている会社がこんな感じだったら、少しずつ変えていくことが必要かもしれません。竹中さんの言われる「ヒマ人」ばかりの会社ってことになりますから。変えていく方法については、またいずれお話したいと思います。

 

明日は、タスク管理のまとめについてお話します。

それでは、また明日。

 

そのタスク、誰のもの?

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週で6月が終わりになります。一年がたつのは本当に早いです。すでに一年の半分が過ぎようとしています。半年間を振り返って、良く仕事をしたなーと思った方、素晴らしいです。あれ? まだ、これくらいしか仕事ができていない、と思った方、残りの半年を頑張りましょう。

 

今週は、突発的に発生するタスクについて話しています。これらのタスクを管理できるようにするために、記録を取る、ということを話しました。

 

記録を取っていくと、冷静な目でこれらのタスクを見ることができます。冷静な目で見ると何がわかるのか・・・ということですが、おそらく一番最初にわかるのは「え? このタスク、私がしなければならなかったのかなぁ・・・」ということです。

 

後輩・部下が大変だーと持ってくるタスクは、たいがい一見大変なものに見えます。なので、先輩・上司であるあなたが慌てて「そのタスクは俺が引き受けた!」と言ってしまうのです。

 

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でも、冷静に見てみると、後輩・部下でも十分に対応できるタスクがあったりします。一部だけがちょっと今までと異なっているだけだったり、少し複雑だったり、ということです。後輩・部下は、今までと少し違って見えたので、とりあえず報告して、何とかしなきゃ、と思ったのかもしれません。

 

ただ、そうやって慌ててやってきたことで、先輩・上司のあなたも慌ててしまって、タスクを丸ごと引き受けてしまうことがあります。それ、本当にあなたがすべきタスクだったのでしょうか?

 

以前、同様なご相談を受けた時、この質問を投げかけました。その方は一瞬考えた後、「うーん、部下には少し無理かなぁ・・・」と答えられました。本当にそうでしょうか? もしかすると部下の方はそのタスクを担当することで、一皮むけて成長するかもしれません。

 

少しやらせるのには無理かな?と思った時は「あなただったらどうする?」と聞いてみてください。意外と解決策のアイディアを持っている時があります。そのアイディアに問題なければ、やらせてみるのもタスク管理的には一つの手です。

 

課題としては、どこまで後輩・部下にさせるか、という点です。後輩・部下がすでに経験したことのあるタスクであれば、ひとりでできるかもしれません。少しバリエーションが違うだけであれば、その違いの部分だけ、どのようにするのかを聞いてみるのも良いでしょう。

 

そして、更に問題があるようであれば即刻報告することを約束して、やらせてみるのが良いでしょう。

 

その問題になった時の基準も伝えておくと更に効果的です。例えば、お客さまが怒っている時、後輩・部下の考える対応が間違っていないと判断できたら、任せてみます。ですが、更にお客さまが怒って「上司を出せ」と言ってきたら即対応するからすぐに連絡して、といった具合です。

 

任せる場合、後輩・部下のレベルも日ごろから知っておく必要があります。ここまではできると判断できるには、日ごろの状態を十分に知っておかないと、とっさに判断ができないのです。

 

もちろん、終了後の報告もさせます。そして、できたことをぜひ褒めてあげて欲しいと思います。

 

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更に特に初めて後輩・部下が対応したのであれば、できる限り詳細に聞き出してください。もっと良い方法があれば、アドバイスをすることも必要です。

 

そうすることが、あなたのタスクを減らしていくのです。

 

「自分がやった方が早い」と思う人も多くいます。昔の私もそうでした。やって欲しいけど、説明して、やってくれたのをチェックして・・・という時間を考えると、全部一から自分がやった方が早いと思ってました。

 

でも、そうすると、私の時間はどんどん無くなります。

 

後輩・部下に仕事を任せられると自分が楽です。最初が少し大変かもしれませんが、あとが楽になります。そうなると自分の仕事ができるようになります。タスク管理が更に簡単になります。そして、自分の思うように仕事ができるようになると満足感に包まれるようになるでしょう。

 

大変だ!とやってきたタスク、誰のものなのか、ぜひ、ちょっとだけ、考えてみてください。

 

明日は、タスク管理の見えざる敵についてお話します。

それでは、また明日。

  

あれ?この前も同じようなことが起こっていなかったっけ?

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

4月末日から始めたこのブログ。ようやく2カ月が経とうとしています。おかげさまでアクセス数が、今月(6月)は先月(5月)の倍以上になりました。読んでくださる方々が多くいらっしゃるというのはとてもありがたいです。読んでくださっている方々に役に立つような記事をこれからも書き続けていきたいと考えています。

 

先週よりタスク管理について話をしています。特に今週は、突発的に発生するタスクについてです。昨日はこの突発的に発生するタスクの記録を取って、ということを話しました。

 

記録を取ることとは、どういうことでしょうか?

 

記録を取ると、同様のタスクが何度も起きていることに気づきます。

 

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実は、突発的に発生するタスクの中でも、頻繁に起きるタスクがあるのです。私があげた例の中では、メンバーが休んだため人手不足といった問題。休む人は必ずいるわけなので、初めて対処するタスクではありません。

 

月一ではなく数カ月に一回かもしれませんが、年に何回かでも発生するタスクである、と気づけば、対処することは簡単です。そのタスクの対処方法をあらかじめ考えておいて、それを当てはめていくだけです。

 

例えば、突然の病欠は仕方ないとしても、休みの予定が数日前からわかっていれば、そのことを早目に連絡する、という方法を取ることができます。そうすることで別メンバーを当てることも可能になってくるからです。

 

書類を突っ返されたのであれば、間違えやすい箇所のチェックシートを作成して、提出時にチェックをして提出すれば、突発的に発生するタスクも発生しにくくなります。

 

繰り返して起こるタスクが発見できれば、事前にそのタスクが発生したらこのように対処するというマニュアルを作成しておくのです。そうすれば、今度は、上司・先輩である皆さんのところに「大変だ!」と言いに来る前に、そのマニュアルを使って対処することだってできます。

 

つまり、突発的に発生するタスクが減っていくのです!

 

この記事を書いている最中、私に突発的にタスクが発生してしまいました(笑)

 

通常自宅でこのウブログを書いているのですが、書いている最中に飼い猫が「遊んで~~」とやってきたのです。無視をするとパソコンの上に乗られるので、相手をしてやる必要があります。私にとっての突発的に発生したタスクですね(爆)

 

相手が人間ではないので、なかなか対策を講じることもできませんが・・・(苦笑)

なので、重要な仕事をする際は、この邪魔が入らないよう締め切った部屋に籠ることがあります。それも一応対策のつもりです。

 

通常の仕事の場合、良く発生するタスクであれば、事前に対策を講じておくことで突発的なタスクではないようにしてしまうことをお勧めします。記録を取るのは、こういったタスクを洗い出すためです。意外と同じようなタスクであっても少し条件が異なると気がつかないことがあるので、記録を取って、見返すという作業が必要です。

 

タスク管理のコツとしては、できる限り管理できない突発的に発生するタスクをなくし、管理できるタスクに変えておく必要があります。タスクは管理下に置くようにしましょう。その方が肉体的にも精神的にも楽になります。

 

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楽になりすぎた猫?

 

記録を取ることで、もう一つ利点があります。

 

それは、冷静になった目で突発的に発生するタスクを見ることができることです。

 

明日は、冷静になった目で見たタスクは・・・について話します。

それでは、また明日。

 

 

タスク管理の最大・最強の敵

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

先週よりタスク管理について話をしています。

 

こんな話をしている私は、きっとタスク管理が徹底してできていると思われているでしょう。

 

はい、仕事に関しては、それなりにタスク管理をしていますので、締め切りに間に合わない、ということは最近あまり経験していません。

 

ですが、一個だけ、いつも慌ててしまうことがあります。それは美容院の予約です。一カ月半ごとに行けたらなぁ・・・といつも思っているのですが、気がつくと既に3か月が経っている!!!!ってことが多いです。先日も慌てて予約して行ってきました。美容師さんから「あら、お久しぶり~~」なんて言われてしまった・・・(汗)

 

前々から、「1カ月半ごと」の半月が面倒だなぁと考えていたので、これを2カ月にすると良いのかもしれませんが・・・こればっかりは、まだうまくできていません。

 

ということで、今週は、タスク管理の最大・最強の敵をノシてしまおう、というテーマでお話します。その敵は何か。ズバリ、「緊急で重要なタスク(仕事・作業)」です。

 

時代劇で銭形平次のようなドラマを見ていると、「てぃへんだ! てぃへんだ! おやびーん」と下っ引きが駆け込んできます。あんな感じのタスクです。

 

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このブログの読者の想定が、会社に既に数年以上お勤めされていらっしゃる方ですので、だいたい後輩や部下をお持ちの方でしょう。後輩や部下の「○○さん、大変です」という声とともにやってくる、厄介で面倒で緊急に対処しなきゃならないタスクです。

 

私も会社勤めのころは、ほとんど毎日のように何かしら起きていました。

例えば・・・

  • 今日ウチのメンバーがひとりお休みで人手が足りませんという部下からの電話
  • あの件、どうなった?と締め切り前なのにお客さまからの催促のメール
  • 総務部から本日中に修正してくださいと突っ返された、数日前に提出済みの書類
  • あの資料、欲しいんだけど、という突然の営業からの内線

などなど・・・

 

今、対処しないといけないのだけど、この対処をするというタスクは予定になく、他のタスクの処理ができなくなってしまう・・・あ、今日も残業???と、その日の始業数分で既に残業という言葉が頭をよぎります。

 

昨年実施したスケジュール管理の研修でも、この厄介なタスクの処理で悩む人が多いと感じたところです。

 

さて、どうするか?

 

対処する前に、まずは、その突発的に発生したタスクはどんなタスクですか?という質問を投げかけたいと思います。

 

突発的に発生したタスクは一種類ではないはずです。いろいろなタスクがあり、複雑なものから単純なものまであります。まずは、どんなタスクが発生したのかを「記録」に取っておくことです。

 

えーーーーメンドーなどと思わないでください。何も、発生した直後に記録する必要はありません。解決してからで構いませんので、記録を取ってください。毎日の日報に少し記録を取るだけで結構です。

 

そして、少し溜まったら、その記録をまとめて見返して欲しいのです。

それは、

  • そのタスクと同様のタスクが以前に発生していなかったか
  • そのタスクはどのように解決したか?
  • そのタスクは誰が最終的に行うべきタスクか?
  • そのタスクは何時に発生したか?

といった観点から見返します。

 

突発的に発生するタスクは、ヒトの気持ちを騒がしくします。急がなきゃ!という思いが強く前面に出て、解決するまで突っ走ってしまうのです。でも、そこで一瞬だけでも「待てよ?」と考えて欲しいのです。

 

そのちょっと考えることで、最大・最強の敵がグーンと小さく弱くなります。

 

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明日からはその具体的な対策についてお話します。

それでは、また明日。

 

タスク管理を難関にさせるもの

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

今週はタスクの性質について話をしています。

  1. 完了するまでの時間(作業時間)
  2. 作業の難易度(前例や手順書がある・ない)
  3. 作業への関り度(作業者かチェック者か)
  4. 成果物の明確さ(ゴールが明確か不明確か)
  5. やっかいな化け物(てぇへんだ~!とやってくるタスク)

今日は、4.成果物の明確さについてです。

 

仕事には必ず成果物があります。

 

サービス業の場合は成果物が見えにくいですが、お客さまにサービスを行った行為そのものが成果物です。マッサージであれば、マッサージ終了直後のお客さまの状態が成果物です。理容室であれば、整髪後の姿が成果物です。何等かの成果物があるので、その対価が支払われるのです。

 

成果物が明確な場合は、タスク管理は簡単です。

 

ですが、成果物がわかりにくいタスクが存在します。典型的な例は、初めてのタスクの場合です。初めてなので、どういったものを生み出せばよいのかがわからず、成果物がわかりにくいタスクになります。

 

そして、もう一つの例が、クリエイティブな場合です。

 

これには芸術的なものも含まれますが、一般の会社員の方々にとっては、企画書や提案書、新規事業の立ち上げ、プレゼンテーションや営業活動、難しい課題への対応などを想定しています。対顧客などの対人関係が大きく関係する中で成果が求められるタスクです。

 

うまくいかない営業活動

 

電通の自殺した女子社員の方も、こういった成果がわかりにくいタスクに従事していたのではないかと、私は考えています。

 

こういったタスクは、ゴールがはっきりと見えません。作っても作っても、上司から「もっといいものを作れ」と言われます。ゴールがないため判断基準がなく、どこがダメなのかもはっきりしません。

 

ugrade.hatenadiary.jp

 

以前、このブログでも書いたように、いくら残業しても仕事が終わらないことになります。

 

ゴールがないタスクをどのように管理すれば良いのか。管理方法は、ひたすらゴールを明確にすることを一番最初にすることしかありません。ゴールを決めずにタスクを管理することはできないからです。

 

ゴールを明確にする方法は、以下の二つです。

  1. 先輩・上司など経験豊富な人たちに聞きながら外枠から明確にしていく。ここではレビューを繰り返すことが重要
  2. お客さまや関係者だったら、この成果物をこう受け取るだろうと想定する。ひたすら想像力を発揮して、相手の反応を想定しながら、成果物を明確にしていくことが重要。

当然、1.の方が簡単です。でも、先輩・上司でも明確にできないゴールがあります。その場合は、2.の方法を取るしかありません。特に新規事業の立ち上げなどはこの部類に入るでしょう。

 

考えるビジネスマン

 

2.の方法を取らざるを得ない時も、できれば成果物を明確にするのをチームで行うことをお勧めします。ひとりでは、よほどの才能と運に恵まれている人でないと突破は難しいでしょう。

 

仕事の中で、このタスクが一番難しいと私は考えています。もちろん、人によっては簡単にこなす方もいらっしゃいます。ですが、通常は、完遂させるのが難しい部類のタスクです。この2.の方法のタスクを渡す時は、相手のレベルに応じて渡すべきです。新入社員に渡す時は、フォローをしなければ後に残るのは「自信喪失」です。

 

引き受ける際はある程度のリスクが発生することを経営者なり上司なりと共有しておくべきです。

 

起業も、2.の部類に入ると私は考えています。なので、ひとりで抱え込まずに、インキュベーションマネージャーの方たちなどとうまく交流を図って、成果物(ここでは会社の立ち上げ)を成功させてほしいと考えています。

 

来週は、5.やっかいな化け物について、お話します。時間管理とも深く関わってくるこの最大・最強の厄介者。これにどう対処するかについて、できる限り詳しくお話できれば、と考えています。

 

それでは、また来週。

 

丸投げと思われないで他人に仕事を振る方法

ビジネストレーナーの安部です。ユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

 今週はタスクの性質について話をしています。

  1. 完了するまでの時間(作業時間)
  2. 作業の難易度(前例や手順書がある・ない)
  3. 作業への関り度(作業者かチェック者か)
  4. 成果物の明確さ(ゴールが明確か不明確か)
  5. やっかいな化け物(てぇへんだ~!とやってくるタスク)

今日は、3.作業への関り度についてです。関り度ってわかりにくいと思いますが、タスクの所有者のことです。

 

タスクリストを作成したとして、それを全部自分がやらなきゃと思っている人、いませんか? 仕事なんて全部ひとりでする必要はないのです、個人事業主を除いて(笑)。

 

従業員が自分ひとりしかいない個人事業主であれば、何でもひとりでする必要がありますが、通常会社で働いている場合はチームに所属しているはずです。一緒に仕事をする仲間ですよね。仕事は、チームでするものです。

 

チームで働く

 

つまり、あなたのタスクかもしれませんが、他の人がやっても良いのです。

 

ただ、誤解してほしくないのは、「あー、これ、やっといて」と仕事を渡したっきりになったら、それは「丸投げ」というものです。

 

課長から仕事を丸投げされて嫌な気分になったと感じている人は多いと思います。だったら、他人も仕事を丸投げされたら、当然嫌です。

 

丸投げと思われないように他人に仕事を振る方法。「締め切りを少し先にする」。これが大事です。

 

締め切りが仕事を頼んで数時間後だったら、いやーな顔をされるのですが、数日後から一週間後程度の時間を見越して依頼すると、意外に嫌な顔をされずに仕事を引き受けてくれます。

 

にこやかに話す上司と部下 

 

実は、昨日最後にチラリと話した、将来の時間は膨張する感覚がある、というものの応用です。

 

どんなに仕事が忙しい人でも、数日後であれば、その仕事をする時間が取れそうだ、と思うんですね。数日後までタスク管理をしている人でも、余裕がある程度あるはずですから、引き受けてくれる可能性は高いです。

 

是非、自分ひとりで仕事を抱え込まずに、他人をうまく利用しましょう。

 

ただ、ここで注意事項があります。

タスクの責任者が誰か、という意識は常に持っておいてください。

 

課長から頼まれた人が、後輩に仕事をしてもらうにしても、責任者は課長から頼まれた人本人です。品質や締め切りにおいて、責任を持つのが当然です。

 

なので、他人に仕事を頼む際は、締め切り日とともに、チェック日も必ず決めておいてください。相手に「あの仕事、今、どうなっている?」と確認する日です。相手によっては口頭だけでなく実際に進んでいる状況を目で確認することも必要かもしれません。

 

仕事をいっぱいに抱え込んでいる人、残業がひとりだけとても多い人、といった人たちは他人に仕事を頼むのが苦手です。こういった方々が優秀で責任感が強い方たちです。だからこそ、仕事を増え続けるのです。

 

他人に仕事を任せましょう。

 

ただ、任せるだけではなく、チェック者であること、は忘れないようにしましょう。

 

先日、「仕事を任せるより自分でした方が早いっすからねぇ・・・」という言葉を聞きました。タスクを独り占めすると、他の人がそのタスクをする時は「初めてのタスク」です。当然、時間がかかります。他の人がそのタスクをするチャンスを奪っているわけです。

 

でも、初めてのタスクから二度目、三度目のタスクになっていけば、早くできることを私たちは知っています。今までの人よりもっと早くなる可能性だってあるわけです。

 

タスクを何のためにするのか、そのタスクの目的を再確認して、自分がすべきタスクか、他人に回した方が良いタスクか、を判断してほしいと思います。

 

最後に。

 

この文章は、中堅レベルの方を想定しています。新入社員やまだ未熟な社員の方が他の人に回すことはあまりしない方が良いと思います。せっかく経験値を増やす機会なのですから(笑)。

 

じゃれる猫

 

明日は、ゴールが見えないタスクについて話します。

それでは、また明日。