人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

あるあるづくし社員で会社を盛り上げる

基本的にチーム会社では
豊富に人材を確保する余裕がありません。

 

だからこそ、社員一人ひとりが
能力を最大限に発揮して頑張ってもらわないと
チーム会社の業績は上がっていきません。

 

チーム会社が発展するのに有効な
あるあるづくしの社員はどんな社員でしょうか。

 

  1. どんな時でもやる気がある
  2. 業務を遂行する能力がある
  3. 人間関係を構築するコミュニケーション力がある

 

とても大雑把に分類すれば、
上記3つに当てはまる人材ということでしょう。

 

でも、本当にそういう人材が存在するのでしょうか

 

今日は、このことについて
お話しします。

 

 

チーム会社については前々回のブログを参照ください。

1.あるあるづくし社員とは

ないないづくし社員の反対が
あるあるづくし社員という訳ではないですが、
ほぼ反対語と思っていただければ、
と思っています。

 

ないないづくし社員が本質的に
自立していない社員、
自力で課題を解決できない社員
という位置づけなのに対して

 

あるあるづくし社員は、
自分で課題を解決できる社員
ということになります。

 

ただ、「勝手にやってしまう」
わけではありません。

 

課題を自分で解決する力を持っており、
それを上司と共有しながら
会社に迷惑をかけることなく
会社の業績が上がる方向で解決していく。

 

そんな都合の良い社員がいるわけがない、
とお思いの方もおられるでしょう。

 

ですが、世の中には優れた能力の持ち主がおり
彼ら彼女らは会社を背負って業績を上げる
そんな社員もたくさんいることは事実です。

 

そんな方々は大企業の中だけではなく
中小企業の中にもおられます。

 

あるあるづくし社員は学歴は全く関係ありません。

 

大卒であっても大学の偏差値も関係ありません。

 

もちろん、学校の成績が良い方の中には
比較的多く存在しているのも事実ですが、
彼ら彼女らは育った環境が影響して
「あるあるづくし社員」となった
特異な例です。

 

そのような方々はなかなかチーム会社には
入社してくれそうにはありません。

 

労働市場ですぐに規模の大きな会社に
スカウトされてしまいます。

 

ただ、チーム会社に入社している
現在の社員たちも育て方次第で
大きく変貌する可能性を秘めています。

 

これだけはまず知っておいていただきたいのです。

 

そして、どんな年齢の方でも
あるあるづくし社員へと変貌することができます。

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ここである事例をご紹介しましょう。

 

彼は高校卒業後、家庭の事情で進学を諦めました。
しかし、やりたい仕事があり、
就職はしませんでした。

 

家に負担をかけず、やりたい仕事をするには
まず、移動のための自動車免許が必要だと
免許を取得するためとその間の生活費のため
自宅近くでバイトをしました。

 

その後、免許を取得した彼は、
やりたい仕事のやり方を教えてくれる
職業訓練へ行くために、
その間の生活費を貯めるため、
バイト代が少し高めのバイトへ変更しました。

 

車があるので移動に困らないからです。

 

そして、とうとう念願がかなって
職業訓練に入り、資格を取って
やりたい仕事につきました。

 

高校を卒業してから4年ほど
経過していました。

 

職場では、そのやる気維持の力と
着実に業務をこなす力が認められ
若いうちにリーダー格となっていったのです。

 

彼は、バイト時代は接客業だったので
他人とのコミュニケーションもキチンと
取ることができました。

 

このような人材が実はいます。

 

彼は、たまたま高校生時代から
戦略的に何をすべきかを
自ら考え計画し、実行、
そして、成功しました。

 

学歴が関係ないことは
お分かりいただけるでしょう。

 

彼のような存在がいたら
採用したいと考えるのではないでしょうか。

 

彼の他にも優れた人材はたくさんいます。
そして、指導次第では
現在社内にいる人材も優れた人材へ変貌します。

 

あるづくし社員とは繰り返しますが、
以下のような特徴があります。

  • どんな時でもやる気がある
  • 業務を遂行する能力がある
  • 人間関係を構築するコミュニケーション力がある

では、具体的に育て方を見ていきましょう。

 

2.今の社員を成長させるためには

どんな時でもそうですが、社員を成長させるためには
その社員との間に信頼関係が必要です。

 

信頼関係さえあれば、どんな難題でも
上手く乗り越え、社員は成長してくれます。

 

社員を信頼できない、という社長や上司は
どうすれば良いのか、と言えば、
「社員を信頼する」ことです。

 

社員が信頼できないのであれば、
その社員のどこが信頼できないのでしょうか。

  • すぐにサボるから
  • 言い訳がましいから
  • いつも中途半端だから

といった理由が挙げられるかもしれません。

 

でも、
彼ら彼女らがそのような態度を取る理由を
ご存じでしょうか。

 

もしかすると、
仕事がつまらないのかもしれません
仕事が難しいのかもしれません
仕事のやり方が悪いのかもしれません

 

仕事がつまらないのであれば、
ついついサボりたくなるでしょう。
勉強がつまらないと思えば、
宿題をサボったように。

 

仕事が難しければ失敗も多いでしょう。
それについて言い訳したくもなります。

 

仕事のやり方が悪くて効率が悪く
期限までに仕上げられないこともあるでしょう。

 

本当に社員の能力が低いから
信頼できないような態度を取るのでしょうか。

 

理由をきちんとわかり、
できない部分を取り除いた時、
その社員は
信頼できないような人物かどうか
再度、思い直してみてください。

 

信頼できると思えば、
あとはできない部分を強化すれば良いのです。

2-1.どんな時でもやる気がある人材

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やる気があるとはどんな状態でしょう。

 

いつもやる気がある社員でも
たまには元気がない時があります。

 

体調がすぐれない時や
悩んでいる時などでしょう。

 

社長が思うやる気がある社員は
どんな社員でしょうか。

 

いつもハキハキと返事する社員ですか?
それとも、仕事に対して実直な社員ですか?

 

ここでいうやる気があるは、
困難な課題に当たったとしても
投げ出さずに仕事を続けること
としています。

 

誤解しないでいただきたいのは、
困難な課題をその社員一人で
解決できるかどうかは
社員のスキルレベルや経験値、
課題の重大さなどによって異なるため
別問題です。

 

それよりも社員が前向きに課題をとらえ
何もせずに諦めることなく
チャレンジしようとする姿勢です。

 

この前向きに課題をとらえるには
元々の性格だけではなく
課題に対応する際の自由度だと
私は考えています。

 

課題を解決するための相談相手を
自由に選択できる。

 

課題を解決するための予算を
社長に自由に相談できる。

 

課題を解決するための手段を
自由に選択できる。

 

といった自由度です。

 

また、課題に対応する際の
責任度合いも重要です。

 

失敗するかもしれない、と思えば
憂鬱になり、手出しできにくくなります。

 

失敗をある程度寛容に受け入れられる
社内の雰囲気が必要となります。

 

要は、自分がすることを
社長が認めてくれている、
失敗をも受け入れてくれる、
という思いがあれば、
人はやる気を出すものです。

 

2-2.業務を遂行する能力がある人材

通常、仕事を長年していけば
身についていく「段取り力」だったり
「時間管理力」「品質管理力」だったりします。

 

ですが、なかなかそのような機会に
めぐり合わなかった方が
チーム会社には多くいらっしゃいます。

 

今まで「通例」や「勘」でやっていた、
という人も多いのではないでしょうか。

 

それよりも、ちゃんと計画を立て実行し、
その実行結果を踏まえての振り返り。
要するにPDCAを回しながら実施している
社員は非常に少ないのではないでしょうか。

 

仕事に関する技術だけでは
実は仕事はできません。

 

新しい技術が出た時、
新しい仕事が現れた時、
新しい現場が入った時、
今まで通りではいかないことが多く
失敗が増えてしまいます。

 

ただ、いくら新しいとは言え、
全く知らない仕事ではないはずです。

 

例えば、建築業の会社に
介護の仕事がくるはずはありません。

 

もっともその該当する社員が
親の介護で介護に詳しくなっている
というのであれば、
話は別ですが。

 

それよりも高齢者が転倒し難い玄関の設計、
といった仕事の方が普通でしょう。

 

今までそういったことの経験がなくても
設計そのものは今までやってきているので、
あとは転倒し難い玄関の定義をすれば
良いわけです。

 

その際、PDCAを回しながら
より転倒し難い玄関を造ることをしていけば、
必ず成功するでしょう。

 

このような業務を遂行する能力がある人材は
チーム会社には不可欠です。

 

2-3.人間関係を構築するコミュニケーション力がある人材

そして、仕事は一人でするものではありません。
必ず数名のチームで行います。

 

そのような時、人間関係を構築するための
コミュニケーション力がある人材であれば、
よりチームワークが上がっていき
成功に近づくでしょう。

 

そんなコミュニケーションは
ベラベラとしゃべることではなく、
朴訥としていても伝えたいことが伝わる
ような意思伝達が必要です。

 

昔の徒弟制度のように
師匠は何も語らず、背中を見て技術を盗め
的なコミュニケーションではありません。

 

手取り足取りベラベラ語って教える、
ということでもありません。

 

ただ、言葉を尽くして語っても
伝わらないことがあります。

 

意味をきちんと受け止められないのは
コミュニケーションのデメリットです。

 

ですが、言動を一致させておけば、
自然と伝わっていきます。

 

多少時間はかかりますが、
焦らずにコミュニケーションを取る
そういったことができる社員が
チーム会社の団結力を高めていきます。

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3.あるあるづくし社員だけの会社での注意点

あるあるづくし社員だけになったら
会社の業績はどんどん上がっていく
と思われるでしょう。

 

社員と力を合わせて
業績を上げていく会社は少なくありません。

 

ただし、注意点があります。

 

1)あるあるづくし社員はできる社員ですので、
将来的には独立などが考えられること。

 

その可能性は覚悟しておく必要があります。

 

その独立にしてもお互いが認め合った方向で
進むのであれば問題はないでしょう。

 

ケンカ別れにならないよう気をつける必要があります。

 

2)あるあるづくし社員ばかりだと
中にはどうしても緩んでしまう社員が出ること。

 

2:6:2の法則と言われるものがあります。

 

全社員のうち2割ができる社員、6割が普通の社員、
残りの2割ができない社員となる、
という法則です。

 

また、人間ですから、どうしても上等の
あるあるづくし社員にはなれない方が
出てきます。

 

他のメンバーができるのであれば、
そこそこできるメンバーは劣ってみえて
しまいます。

 

そんなメンバーが出ることは
当たり前、と思うようにしておくことです。

 

人はみんな違うのですから当然です。

 

そんな時は、よく社員を観察して
最適な場所へ配置することが重要です。

 

いわゆる「チームワーク」です。

 

本人も回りと自分を比較して
凹んでいたり、やる気を失ったりせず、
自分の居場所を確保できれば
安心して業務に取り組めます。

 

3)あるあるづくし社員が成功例を重ねると
独断的になりやすい傾向があること。

 

経験値はとても社員の成長につながるものですが、
成功例が多すぎると、自分の力を過剰に評価して
いわゆる鼻持ちならない社員と化する傾向があります。

 

たまたま成功しているだけ、と
自己評価が低すぎるのも問題ですが、
自分がいれば必ず成功する、
というのも問題です。

 

未来は必ず思う通りにはならないものです。

 

あまり自信過剰になっていると
失敗した時にモチベーションを下げてしまいます。

 

そのためにも「もっと頑張れるよね?」と
声かけしておくことが必要なのです。

 

4.まとめ

 あるあるづくし社員について、語ってきました。

 

社員数が少ないからこそ、
一人ひとりが自分の業務に責任をもって
当たってくれれば、
社長としてありがたいことはありません。

 

そして、自分の会社をより良い会社にするために
さまざまなアイデアを実現させていく力を持つ
あるあるづくし社員はありがたい存在です。

 

そんな社員にしていくための具体的なコツは
これからお話ししていきます。

 

それでは、今日はこの辺で。