人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

ネガティブに考えてしまう時

ようやく春らしい日々が訪れてきました。

 

春は周期的に雨の日が訪れます。

 

カラッと青空が広がる暖かい日もあります。

 

キレイな青空はとても気持ちが良いものです。
明るい未来が開けてくるような
そんなポジティブな考えが浮かんできます。

 

私の周りでは目立ちませんが、
コロナ禍で自宅にこもりきりで
心身の調子を崩す人が増えてきていると
テレビで報道されていました。

 

わからなくもないなぁ、と思います。

 

巣ごもり生活を楽しんでいたと思っていた私ですら、
先日久しぶりにランチを外で食べたら
その解放感に気分がアゲアゲになりました。

 

自分にも外に出ないことへの影響があったことに
多少驚いています。

 

自他ともに超ポジティブと認可されている私ですら
こんな状況なので、
おそらく普段からネガティブな方は、
本当に、本当にお辛い日々ではないかと思います。

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以前、ある人から
「私、常にネガティブに考えてしまうんです」
と言われたことがありました。

 

そんな時、私はこう返します。
「ネガティブということはリスクを感じ取る力が
ものすごくある、ということですね」

 

そうなんです。

 

ネガティブに考える人は、
真っ先にリスクを考えてしまうのです。

 

私みたいな超ポジティブな考えの人は
バーっと突っ走って、
突然リスクに遭遇してしまうものなのです。

 

なので、先日こけてケガをしてしまいました(苦笑)

 

良く言われるのが
「半分水が入ったコップを見て
半分もある、と思うか、
半分しかない、と思うか」
という違いなのです。

 

「水が半分もある」と思って、
水を手に入れることを怠っていたら、
暑い夏が来た時には熱中症の危険性が発生します。

 

でも、
「水が半分しかない」と思って、
常に水を探している状態であるのは
緊張感が続いてしまい、
心身の調子を狂わせてしまうことにもつながります。

 

一番良いのは、
「水は半分ある」と考えることです。

 

「半分も」でもなく
「半分しか」でもなく
「半分」なのです。

 

もっと良いのは、
「今日の気温なら、自分は水を1時間で○○ccほど飲むから
×時間後には水を補給しなければならない」
と考えることです。

 

昨年(2020年)2月から店頭からトイレットペーパーが消える
ということが発生しました。

 

私の周りも「買わなきゃ!」と
結構大騒ぎになっておりました。

 

大騒ぎになればなるほど、私自身も不安になりました。

 

トイレットペーパーがない状態でのトイレを想像すると、
「ああ、大変だなぁ」と強く感じました。

 

しかし、売ってないものを手に入れるのは大変なので、
パニックが起きるのも当然かもしれません。

 

ですが、そこでちょっとだけ考えるのです。

 

今あるトイレットペーパーがなくなるのはいつなのか。

 

想像が現実になるのは、どれくらい先の話なのか。

 

明日なのか、一か月後なのか。

 

それが判明すれば、心穏やかになると思ったのです。

 

まず、家でどれくらいの量を使用するのか
を計測しました。

 

私は現在2つの家の管理をしているので、
2軒とも確認。

 

すると両方の家で、それぞれ1週間に1個という
消費量がわかります。

 

次いで、在庫を確認しました。

 

1軒目は在庫が十分あると認識。4月くらいまでは持つ。
2軒目は3月下旬に入る頃に在庫がなくなると認識。

 

そこで、2軒目のためにトイレットペーパーを
3月中旬までに買うことにしました。
多少期間があるので、見かけたら購入する、
というスタイルで間に合いそうです。

 

また、他からの情報で、
メーカーにはトイレットペーパーの在庫が十分にある、
ただ、運送するには「かさばる」品物のため
各店舗に十分な量を運ぶには、それ相当の時間を有する
ということも仕入れました。

 

確かに。

 

トイレットペーパーの12個パックを10数個詰めた段ボールの
大きさはどれくらいか想像してみてください。

 

少し大きめの机くらいはあるでしょう。

 

それをいくつも運ばなければ、
1店舗の売り場を充足することができないのですから、
通常のトラックで何回か運ばなければならなくなるでしょう。

 

その情報が3月上旬くらいの発信だったので、
中旬までには12個パックを1パックは購入できると見越しました。

 

他人からは「落ち着いているねぇ」と言われましたが、
家に在庫があるのに、慌てて購入しても無駄なだけです。

 

ネガティブにとらえてしまう大きな原因は
「不安」や「恐れ」からです。

 

それらの素(原料)は、先行きが見えない「未来」。

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テレビを見ているとアナウンサーやMCが
「この(コロナ禍の)事態は、いつ収束しますか?」
という質問を専門家にしている場面を多く見かけました。

 

専門家といえども、「○○月○○日に終わります」
とは絶対に言えません。
「未来」のことなんか誰にもわからないのです。

 

※特に専門家は学者の先生が多いので、
「わからない」ことは「わからない」と言います。
専門家で未来のことがわかる、という人は
逆に言えば専門家ではない、ということです。

 

不安だから、そんな質問をするのでしょうけれど、
聞き方が間違っていると思います。

 

「この事態、今後どのように変容すると思われますか?
専門家としてのご意見をお聞かせください」
と聞くのが本当でしょう。

 

このように聞いていた方は、私が知る限りでは
お一人しかいらっしゃいませんでした。

 

未来のことなので、あくまで「意見」しか言えないのです。

 

私は~~~と思う。
としか言えないのです。

 

ネガティブな思考は先行きが見えない未来に発生する
リスクを感知する能力です。

 

太古の昔の狩猟時代、木陰に獰猛な動物が潜んでいて
このまま歩いて行ったら食べられてしまう、
そんな不安な未来を予測するための能力なのです。

 

これは絶対に必要な能力です。

 

ネガティブに考えるな!というのは間違いです。

 

ネガティブに考えることは大変重要です。

 

でも、ネガティブな考えばかりしていると
心身共に崩しかねません。

 

そこで、バランスが必要なのです。

 

未来は確率でしか考えられません。

 

危険が発生する確率を想定し、
自分がどこまでの確率をリスクととらえるのか
基準を決めるのです。


その基準は、できれば専門家の意見を聞いて
自分が納得できる基準を決めるのが良いでしょう。

 

そして、その基準は状況に応じて変化させても構いません。

 

以前に決めた基準を固持していると、
想定外に対応できません。

 

自分が納得できる基準ということは
その基準に責任を持つ、ということであり、
他の人には他の人の基準があることを理解する
ことでもあります。

 

あの木陰には絶対に猛獣はいない、
という基準を決めて固持していると、
いつかは食べられてしまいます。

 

逆に、あの木陰には常に猛獣がいる、
という基準を決めて固持してしまうと、
狩猟に出かけることができなくなってしまうのです。

 

木陰に猛獣がいる確率がどれくらいなのか。
何パーセントなら安心できるのか。
何パーセント以上なら「通らない」という選択をするのか。
あるいは、もし猛獣がいた時の事前の対策をどうするのか。

 

こういったことを決めていくのです。

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専門家ではないのですし、
未来のことなので、
決めた基準が「絶対正しい」ことはありません。

 

でも、自分が安心できると思える基準で、
少しだけ先に進んでみるのです。
後ろばかり見ているのではなく、
ここまでだったら安心、というラインを
自分で決めて、行動してみるのです。

 

私も人生の半分は超ネガティブで、
自分に自信がなかったです。

 

悪い方ばかり考えていると行動ができないので、
少しずつ一歩ずつ「やってみる」ということを
しました。

 

人間、基本ネガティブなのです。

 

牙も持たず、鋭い爪も持たず、
体も細く、力もない人間が生き延びるには、
ネガティブになり、リスクを予測するしか
方法がなかったからです。

 

だから、ポジティブに考える人になりたいのであれば、
少しだけ努力する必要があります。

 

大事なことだからもう一度言います。

 

ネガティブに考えることは必要です。

 

でも、ネガティブな考えから生じる
ネガティブな感情にとらわれないようにしてほしいのです。

 

そのためにも自分が安心できる基準をきちんと考え、
状況に応じて基準を変化させながら
事前の対策も取り、
冷静に未来のリスクに対応していくのです。

 

せっかくの気持ちいい春なのですから。

 

次回は実際に体験した「不安」について
お話しします。

 

今日はこの辺で。

 

2021年3月26日9時30分、公開後一部を修正しました。