人材育成の道すがら

人材育成の道すがら、考えたこと・気づいたことを書き綴ります

未来の不安を解消するために

今年もやりました。

 

やりたいことリスト100(苦笑)

 

昨年の12月に死ぬまでにやりたいこと100を
リストアップしたのですが、
今回は、来年2020年にやりたいこと100です。

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1年間にやりたいことです。

 

1年間だと366日(来年はうるう年)しかないので
100個もリストアップすると、
3日に1個のペースになります。

 

うーん、できないのもあるかなぁ・・・
という思いは置いておいて。

 

とにかくリストアップするんだ!
と決めて取りかかっている時に
気づいたのです。

 

心がワクワクしてくるんですね。

 

やる気がみなぎるというか。

 

おそらく
今日の夕方には意気消沈しているかもしれませんが、
それでも気持ちは上昇気流に乗ったような気分になります。

 

人は未来のことを考える時、
二つの考え方があるのだと思ったのです。

 

「やりたいこと」を考える時は
ポジティブなので、とても気持ちが上向きになります。

 

「やりたくないけどやらなければならないこと」を考える時
ネガティブで、憂鬱になってきます。
不安なんですね。

 

未来は当然のことながら、まだ確定しておらず
どうにでもでき、そして、わからないことばかりです。

 

だからこそ、
ワクワクしてもくるし、
不安にもなってくるのです。

 

不安になってしまう正体は何だろう、
と考えた時、先々月のことを思い出しました。

 

先々月、私は舅(義父)を亡くしました。

 

義理とはいえ、実父をすでに亡くしている
私には実父に近い存在でした。

 

亡くなったと聞いた時に、
本当に不安な感覚にとらわれました。
これから起こる「葬式」全般を取り仕切ることが
できるのかどうか、という不安です。

 

葬式は本当に大変です。
やること、決めることが多すぎる上、
決めるまでの時間が非常に短いのです。

 

また、決めることに関して、故人に関わる人間関係、
人の感情が大きく関わってきます。
故人に対する感情は、本当に見えないものなので、
故人を大切に想っている、義理で葬儀に来ている
など簡単に分類できません。

 

葬式は大変、
と皆、口を揃えて言うのは、
プロジェクトとして
納期が厳しくステークホルダーが複雑だ、
というところからでしょう。

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ただ、不安にとらわれていると本当に大変なだけなので、
とりあえず頭の中にある情報を整理することから始めました。

 

幸い(?)実父母の葬儀を取り仕切った経験があるので、
多少の土地の風習が異なることは予備領域として考え、
大まかな流れは変わらないと考えました。

 

土地の風習に関しては
姑やその土地に住む親せきから情報を収集するしかありません。
情報を収集してから、そのつど判断をしていくのです。
その判断する基準は決めておくことができます。

 

私は、判断基準を「故人の実の息子と娘たちの気持ちに沿う」
こととしました。

 

父親を亡くした彼・彼女らの心が一番満足して
父親を見送ることが一番大事だと考えたのです。

 

そこまで決めてしまうと、
不思議と大きな不安感は解消してきました。

 

結果、小さなトラブルはありましたが、
何とか無事に終わらせることができました。

 

プロジェクトマネジメントとしては
少しの反省点のみで完了したと考えて良いでしょう。
(反省点→重要伝達事項は口頭だけではなく紙でも)

 

将来のことを考えると不安だ、
という人を良く見かけますが、
それは、おそらく情報が足りていない、
足りない情報を補う際の判断基準が明確でない
からだと思います。

 

人は知らないことがあると不安です。

 

これは本能です。

 

原始人だった時、
知らない土地に狩りに行くのは危険です。

 

だからこそ「不安」があるのです。

 

不安解消には、まず情報を集めること。
集まらない情報があったら、
何を基準に決めていくのかを考えること。

 

これが重要なのです。

 

ところが。

 

やっと忌明けとなり、ホッとしたこの頃ですが、
漠然とした不安感にさいなまれるようになりました。

 

気がつくと来年が迫ってきているのです。

 

来年をどうするのか、考えていると
漠然とした不安感が襲ってくるのです。

 

これは、来年の情報が足りないから、
そして、判断基準が明確ではないから。

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そこで、冒頭のやりたいことリスト100です。

 

「やりたいこと」を書き出してみると、
来年の方向性が見えてきます。

 

死ぬまでにやりたいことから比べると
より具体的な事柄ばかりなので、
これらをやると、
来年の今頃はワクワクしている気がします。

 

自分が苦手としている弱点を補うこと、
ムダだと感じていることを辞めること、
今までもやっていて来年も続けたいこと、
やりたいと思っていたけど今年できなかったこと、
こういったことがリストアップされています。

 

あ、来年が見えてきた、
そんな感触を受けた瞬間でした。

 

死ぬまでではなく、来年1年間でのリストなので、
計画を立てなければできないものもあります。

 

今から計画を立てることに取りかかります。

 

今年の更新がこれが最後です。
皆さまの来年が良い年になりますように。
来年も何とぞよろしくお願いいたします。

 

それでは、今日はこの辺で。

万人がわかる教え方とは

万人がわかる教え方とは
というタイトルの記事ですが、
結論から申し上げます。

 

万人がわかる教え方はありません。

 

「教える」という業務には、
「教える」という立場の人間と
「教わる」という立場の人間がいます。

 

そして、「教える」立場の人間には
その人独自の教え方があり、

 

「教わる」立場の人間には、
その人独自の学び方があります。

 

教え方と学び方が合致したペアだけ
良くわかるのです。

 

もちろん、幅がある教え方ができる方がいます。
さまざまな方に対応できる教え方ができる方は
いろいろな方に対してわかりやすく教えることができます。

 

また、幅がある学び方ができる方もいます。
その方は、一部しか理解できないような教え方をする方の
話を理解することができます。

 

なので、完全一致したペアだけではなく、
理解できる人数はもう少し広がります。

 

だけど、すべての人が理解する、
ということからほど遠いのです。

 

でも、これが現実なのです。

 

 

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

 

今日は、その点についてお話しします。

~今日の目次~

 

1.コーチングは万能ではない

今、リーダーがメンバーを育成するには
具体的にどうすれば良いのか、
ということが記述された本を読んでいます。

 

ベストセラーと聞いていますし、
読んでいてわかりやすく
内容もとても充実している本です。

 

私としては本当に参考になることばかりで
この本を題材に研修を組みたくなる、
そんな素晴らしい本です。

 

リーダーがメンバーを育成する手法は
基本的にコーチングです。

 

コーチングはとても素晴らしい手法です。

 

もっともっとコーチングが広がっていけば良いと
私は考えています。

 

先週、お話しした記事で
理解するには、
(知識 + 経験)× 気づき
が必要だと申し上げました。

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コーチングは基本的に「気づき」を担当している
教え方です。

 

質問を投げかけ、相手の気づきを引き出す、
というのがコーチングの主目的なのですから
当然ですよね。

 

ということでしたら、
「知識」と「経験」がそこそこある方が
教わる相手ということになります。

 

初心者にいくらコーチングをしても
プロのサッカー選手にはなりません。
基本的な動作が全くわからないですし、
ルールも知らない可能性だってあります。

 

知らない知識はいくら考えても
気づきとして表面化しません。

 

新卒社員に対してコーチングで答えを引き出せることは
新卒社員が知っている・わかっている範囲です。

 

もし、コーチングでの回答が不充分だと感じられたら
そこはリーダーが介入して技術を教えるべきです。

 

今読んでいる本もそう述べています。

 

新卒社員にただ質問するだけでは
本来の課題に対する解決策にならないケースが
多々あることになりかねません。

 

フォローしようがない失敗やどうしようもない後退を
生み出す可能性があるのです。

 

コーチングは失敗も学びの一つと捉えています。
ですが、最近ネガティブな人が増えているような傾向の中
その失敗をいくら容認したとしても
自分で自分を罰する人も出てきそうです。

 

その失敗で教わってる側のモチベーションが下がったり
自己評価が低くなってしまったら
取り返しがつきません。

 

知識や経験が少ない新卒社員にはコーチングではなく、
ティーチング(知識を教える方法)が基本だと思います。

 

もしくは、コーチングの質問をもっと細かくし
一つひとつゆっくりと丁寧にしていくこと、
その合間にフォローも入れること、
知識不足が感じられたらティーチングすること
などを行う必要があります。

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2.経験はあるが知識が少ない人

すでに50代になっているけれども
今まで「学ぶ」環境にいなかった方は
知識が少ない場合があります。

 

研修で知っているだろうと思って話しても
キョトンとされてしまうことがあります。

 

特に経営やITに関することなど
専門性が必要な分野では
なかなか知識が少ないのです。

 

こういった方々は、新しいことを学ぶことに対して
拒否反応を見せることがあります。

 

「俺なんて無理無理。物覚えが悪いから」
と言って、全面的に拒否されてしまいます。

 

教わる側が拒否する態度を取られてしまうと
教える側は何もできません。

 

学ぶという行為は
教わる側と教える側の共同作業なのです。

 

第一物覚えが悪いと言われたとしても
世の中にはもっと歳をとっても新しいことに
挑戦している方は大勢います。

 

そう申し上げても
「俺は無理」と言われるだけです。

 

そういう方でも、自分の関心があることに対しては
知識を広げたいという欲求があります。

 

そのあたりを探りながら知識の幅を広げていくと
知識は増えていくものです。

 

元来、経験値は豊富にあるので、
知識と経験を結び付ける気づきを刺激さえすれば
経験から学び取っていくことができるようになります。

 

このような方々にはコーチングが適しています。

 

新卒と同じように知識はありませんが、
新卒の何十倍もの経験値が知識を補ってくれるのです。

 

ティーチングの手法で話すと頑なに拒否されますが、
コーチングの手法で話すと面白そうに聞いてくれるのです。

 

そして、興味が湧いたところで
少しだけティーチングで知識を補っていただく。

 

ティーチングしている最中に気をつけなければならないのは、
余計な部分まで教えないこと。

 

知識が少ない年配の方へのティーチングでは
基本的に本当に抑えておくべき知識のみです。

 

補う知識は必要最低限にすることです。

 

というのは、教える側の知識は豊富にあります。
その知識は体系化しているはずで、
ある知識を学ぶには、その元となる知識が必要です。
教える側はそれを充分に認識しています。

 

ですが、教わる側はそうではありません。

 

ようやく「知りたい」という興味が湧いたところに
関連する知識が実はたくさんあって、
理解するのにたくさんの時間を要する・・・
ということがわかれば、瞬時に興味が消え去ります。

 

知識を補う場合、興味が湧いた、その部分だけの知識の
説明だけにとどめておくのが非常に効果的です。

 

その知識を理解するのに必要な元の知識は、
メタファー(比喩)を使って説明をできる限り
身近に感じさせ続けることが重要です。

 

メタファーでも理解できるだけの経験は豊富にあります。

 

ふんわり説明しても大丈夫です。

 

必要な知識を何となくイメージできる程度の理解で
充分なのです。

 

興味が湧いたら自分で答えを導けるようになります。

 

興味をなくさないことが肝要なのです。

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3.理解するきっかけ

私は数年前、目の調子が悪くなり、
本を読むのが辛い状況になりました。

 

その治療のため三週間ほど入院を余儀なくされたのですが、
入院は退屈です。

 

一番良い時間つぶしは読書なのですが、
本が読めません。

 

そこで、オーディオブックに目をつけました。

 

朗読された音声を録音したファイルを購入し、
それをパソコンやスマホから聞くのです。

 

2冊購入して、聞き始めました。

 

ところが、何度聞いても頭の中に入ってきません。

 

同じところを繰り返し繰り返し聞いても
さっぱり理解できないのです。

 

あまりの効率の悪さに、目の調子が良くなった頃、
通常の本を購入して読みました。

 

すると一気に理解が深まり、
一日で読破してしまったのです。

 

なぜ、耳で聞いて理解ができないものが
目で文字を読んだら理解できるのか。

 

そこで、人は理解しやすい形がある、
ということを知りました。

 

目からの情報、耳からの情報など、
情報を入り口や情報の形などによって、
その情報を受け付けやすい、受け付けにくいがある
ということです。

 

目からの情報。
つまり、紙に書かれた文章や映像など。

 

耳からの情報。
音声や音楽など。

 

味覚や触覚からの情報。
実際に体験した食べ物の味や食感、
モフモフやフニフニなどの触覚。

理解するには、そういったものも関係することを
その時初めて実感しました。
(頭ではわかっていたのですが、
その時腑に落ちたのです(苦笑))

 

そう言えば、私が若い頃のノートの取り方は、
結構矢印が多い図解っぽくなっているものが多かった、
と思い出されました。

 

テスト前に「ノートを貸して」といわれたので貸したら、
「書いてある内容がわからない」と
つっかえされました(苦笑)。

 

確かに。

 

マイルールで描かれた図解を理解できる人はいません(苦笑)。

 

でも、私には一番わかりやすいのです。

 

人には理解しやすい形があります。
教える側は、それに早めに気づいて
その形で示してあげることが一番です。

 

図解で理解しやすい方にはホワイトボードや
プロジェクターなどを使っての説明。

 

口頭の文章で理解しやすい方には
聞きやすい発音でゆっくりと説明。

 

動きで理解しやすい方には、
PowerPointのアニメーション機能や
身振り手振りで説明。

 

講師として前に立ちながら、
このことは常に頭の中において
話をしています。

 

そして、受講者の顔が
「腑に落ちた!」
という表情になったら一番の喜びです。

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今日は万人がわかる教え方とは
というタイトルで話してきました。

 

万人がわかる教え方はない、
という結論から入ったのですが、
あなたの目の前の教わる側が腑に落ちるために
少しでも参考になれば幸いです。

 

それでは、今日はこの辺で。

相手の腑に落とし込む教え方

研修を始めて今年で21年目です。

 

いつも悩むのが、この人にとってこの教え方で大丈夫だろうか、
ということです。

 

講師によっては、決まった脚本を暗記し
それを忠実に話す、という人もいます。

 

ある意味うらやましいですが、
私は20年間、一人ひとりにマッチした教え方をしてきました。

 

なので、今まで一つとして同じ研修はありません。

 

同じ内容の研修であっても、
受講者が異なれば、
異なる研修なのです。

 

同じことを伝えるにしても
伝える相手が異なれば、
違う言葉が必要になります。

 

だから、○○講師資格というものに縁がない
人生を歩んでおります(苦笑)

 

どうしても講師資格を取ると
その際に学んだ言葉を使いたくなってしまうからです。

 

受講者一人ひとりの表情や目の動きを観察しながら
言葉を選び、伝える。

 

毎日が戦場のような感覚になる時があります。

 

間違えたら自分の首を絞めることになり
その場で即死(という気分)になります。

 

~本日の目次~

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1.腑に落ちる

「腑に落ちる」というのは日本語としては正しくない
という意見もあるようですが、
ここでは「理解する」「(心の底から)わかる」
「合点する」という意味で使っています。

 

私が一番望んでいるのが、
受講者の「腑に落ちる」瞬間です。

 

目の色がパッと明るくなり
頭の上にライトがピカッとついたように
見える瞬間です。

 

本当にはたから見てもわかります。

 

私は個人的にこの「腑に落ちる」ことについて
次のような公式を当てはめています。

 

腑に落ちる = (知識 + 経験)× 気づき

 

知識だけでは腑に落ちません。

 

知識としてその内容が頭に入って、
その関係の経験を何度か繰り返す必要があります。

 

経験だけでも腑に落ちません。

 

純粋な経験だけでは、
同じ毎日の繰り返しになるだけです。

 

そして、知識と経験があっても
気づきがなくては腑に落ちないのです。

 

経験と100%マッチした知識なんてありません。

 

微妙に異なる実体験の含む経験を経て
知識という記憶の中の要素が
メタ認知でマッチングして(これが気づき)
「あ、そうか!」となり
これが腑に落ちることなのです。

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2.気づき=メタ認知

メタ認知とは、
認知していることを認知すること。

 

もう一人の自分が
少し上の視点から物事を把握している状態を指します。

 

例えば。

 

トヨタのアクアという黒い自動車を見かけました。
続いて、ホンダのフィットという黄色の自動車を
見かけました。

 

さて、皆さんは何を考えますか?

 

トヨタ車とホンダ車という分類をする人。
同じ「自動車」というカテゴリ分けをする人。
ハイブリッド車」というカテゴリ分けする人。
移動する手段というカテゴリ分けする人。
中には色分けで認識する人もいるでしょう。

 

人によって様々な考えで
それぞれの車を見た行為を考えるわけです。

 

トヨタの黒いアクアやホンダの黄色いフィットは
非常に具体的な情報です。

 

そこから、「移動手段」という情報に結びつけて
考える際には、少し上の視点から具体的な情報を
見つめる必要があります。

 

移動手段には、他にも電車や飛行機もあります。
それらと同じカテゴリに入れるという認識です。

 

このようなメタ認知があることで
知識と経験という異なるものが合致し
腑に落ちるという現象が起きるのです。

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3.経験が少ないとなかなか腑に落ちない

私が研修をしていて一番困るのが、
若い人たちに教えることです。

 

もともと管理職研修を得意としていますから、
新卒入社の社員に対して
私の話すことは非常に難しく感じられます。

 

彼らにわかるような言葉を選んで話すのですが、
経験値が不足しており
どうしても理解してもらえないことが多々あるのです。

 

その際、総動員するのが、
私自身のメタファースキルです。

 

メタファーとは、
暗喩とか隠喩と訳されるもので
「例えば・・・」で始まる
難しい言葉を簡単にわかりやすく説明する際に
使われる修辞技法です。

 

先ほど、メタ認知で、アクアやフィットを出したような
文章のことを指します。

 

ただ、若い人は、この例えばで始まる世界を
理解するほど経験がないと
例えが例えになっていなくて
余計にわからなくなります(大汗)。

 

例えば(笑)美人女優の例として
若い人に「寅さんシリーズのマドンナ・・・」と
話しても「?」という表情なのですが、
50代以降の方に話すと
ニヤッとされる、といったことです。

 

ということは、
職場で専門用語満載のマニュアルを読んで理解する
ということは若い人にはかなりハードルが高いのです。

 

※ハードルが高いというのもメタファーですね。

 

左右の概念がない幼児には、
→←といった矢印記号は意味をなしません。

 

※矢印記号もメタファーです。

 

このメタファーもメタ認知がないと
思いつかないものですし、
相手にも伝わりません。

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4.腑に落ちるように話す

腑に落ちる = (知識 + 経験)× 気づき

 

メタファーは、この経験の部分をフォローするわけです。

 

そして、理解するということは
このメタ認知の得意領域であるのです。

 

どうしても理解してもらいたい項目については、
私は、言葉をいろいろ替えて話します。

 

そうすると、腑に落ちてくれる方が
一人、二人と増えてくるのがわかります。

 

様々な人のメタ認知が交差していきながら
腑に落ちた表情が増えていくのです。

 

中には無表情の方もいます。
特に中高年男性(笑)。

 

その方には質問を投げかけてみると
キチンとまとめて答えてくれます。

 

彼なり、彼女なりの言葉で。

 

これもメタ認知で自分なりの言葉で考えた結果です。

 

これでちゃんと理解していることがわかります。

 

5.人に教えること

後輩に教える
部下に教える
といったことが日常に発生することがあるでしょう。

 

その際、その後輩・部下がどのような経験を積んでいるのか
知ろうとしていますか?

 

このメタファーならわかるかな、
と考えていますか?

 

人に教えることは、
メタ認知同士の戦いでもあるのです(笑)。

 

時間をかけても良いのであれば、
知識だけを投げかけ、
後は経験値を積ませ、
気づきが来るのを待てば良いのです。

 

でも、数年はかかります。

 

そんなに待てない、という人は、
知識と経験値を踏まえながら、
気づきを促すように指導することが大事です。

 

一つのことが腑に落ちれば、
後は類推することが可能になります。

 

次のステップに上がったことになるのです。

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ぜひとも、人に教える時に
この数式を頭に描きながら
教えている相手のメタ認知と格闘してくださいね。

 

それでは、今日はこの辺で。

お客から「これ、お願い!」と言われた時

前回は、上司から仕事が振られることについて
お話ししました。

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今日は、お客から突然
「これ、お願い!」と言われた時について
お話したいと思います。

 

いやー、このテーマで思いつくのは
以前の会社でお世話になったお客様です。

 

作業が部下に突然振られてくるので、
部下から連絡が突然やってきます。
で、こちらは突然お客との交渉に入るわけです。

 

結構、苦労させられました。

 

今日は、そんな場合、どうする?
をテーマにお話しします。

 

1.仕事の範囲は事前に決めておく

もし、お客から突然仕事を振られた時、
まず最初に行うのは、
振られた仕事が当初より決めた事かどうか、
です。

 

契約書に明記するのが一番です。

 

それができない場合は、何かを始める際において
プロジェクト計画書を作成して
お客と合意をしておくこと。

 

最初から仕事の範囲を決めておくことです。

 

これが一番なのです。

 

ただ、モノを作る場合と違いサービスの場合、
仕事の表現が「あいまい」な場合が多いのです。

 

仕事というのは、明確な区切りで分けられるものと
区切りの境にあるあいまいな仕事があるのです。

 

例えば。
わかりやすく家事労働で考えてみます。

 

買い物をする、という仕事があるとします。

 

必要なモノをリストアップし、それらを指定されたお店で購入する、
という仕事です。

 

それらは問題ありません。

 

が、帰宅した後に待ち受けるのは、
買ったものを収納する仕事です。

 

これは「買い物」という仕事に分類されるのか、
「片づけ」という仕事に分類されるのか、
微妙なところです。

 

でも、しない訳にはいきません。

 

買ったモノが玄関に置きっぱなしだと
見た目が悪いですし、
第一不便です。

 

買ったモノを袋に入れたまま保管する場所がある、
というのも珍しいですし、
生鮮食品は冷蔵庫に入れる必要があります。

 

先日、我が家でこの作業を行った際
時間を計ってみました。

 

その日はフルの買い物でした。
フルの買い物とは、一週間分の食糧や
消耗品の買い足しの買い物作業です。
その分、買った品数が多くなります。

 

帰ってから荷物を車から降ろす作業も含めると
約30分でした。

 

1,000円の時給だと500円分の仕事です。

 

この程度の時間がかかる作業が
一回限りであれば、大きな問題はない
と思われるでしょう。

 

ですが、買い物のたびに発生する作業です。
回数は買い物の数に比例して多くなります。

 

30分の作業は最大の作業量なので、
作業時間は買い物の数に反比例して少なくなると考えられます。

 

そうやって計算して、お客との間で
当初の契約書や計画書に組み込むかどうかを決めるのです。

 

そして、決めた内容にできる限り従いますし、
お客にも従ってもらいます。

そのためには、事前にどれだけの作業を思いつけるか
ということが重要です。

 

実際に作業を行ったことがある社員を含め
どんな作業があるのかを洗い出します。

 

その際、あいまいな作業については
丁寧にヒアリングが必要です。

 

あいまいな作業があいまいなのは、
その作業に名前がついてないからです。

 

あいまいな作業にはできる限り気がついた時点で
何らかの名前を付けておくことです。
そうすることでリストアップが楽になります。

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2.お客のリスクを伝える

ただ、お客との人間関係の構築によっては、
「そんなに四角四面に考えずに
ちょっとやってよ~~~」
という風に言ってくるお客が必ずいるものです。

 

その際は、

  • やった場合のリスク
  • やらない場合のリスク

の両面から判断することが必要です。

 

もちろん、このリスクは、
自分たちのリスクで考えるべきです。
自分たち目線でリスクを考え、
やる・やらないの判断をします。


そして、「やらない」と判断した時、
それをお客に伝える時は
「お客のリスク」とします。

 

「それをすることでのリスクは
○○さん(お客の名前)が××になった場合に
困ってしまうことですよ」

 

といった風に表現します。

 

自分たちのリスクをお客に伝えても
「それはそちらで何とかしてよ~」
と言われるだけです。

 

そのお客に振られた仕事をしたくない場合は
それをすることでお客が困るリスクを列挙して
「そんなリスクがあるならやらない」 
と言わせることです。

 

一種の交渉術ですね。

 

3.納得感が大事

もし、その仕事をやらないことで
自分たちのリスクが大きくなるようでしたら
ここはお客に振られた仕事をするべきでしょう。

 

例えば、やらないことで
お客からの信頼感を失ってしまう、とか
次の契約継続がなくなってしまう、とか。

 

この場合は、結構大きなケースでしょう。
自社の社長などの経営者を巻き込んで
判断してもらうことが必要になります。

 

もっと小さな事例でも
お客と面倒なことにならないためにも
ここはやっておくか、という判断もあります。

 

先ほどの買い物の例で具体的に言えば、
買ってきたアイスクリームを冷凍庫に収納した際
冷凍庫がいっぱいで閉まらなくなってしまい、
冷凍庫の整理を急遽しなければならなくなった場合です。

 

冷蔵庫と違い、室温によっては
かなり急いで仕事を完了すべきです。

 

アイスクリームが解けてしまったら
買い物という契約上の仕事が完了しません。

 

入らないからと、テーブルの上に
アイスクリームを置いたままにしておけば
当然解けてしまいます。

 

買ったモノを即使えるようにする収納という作業を
請け負っているのであれば、
それはお客の信用を失いかねません。

 

でも、冷凍庫の整理という作業は
契約の中には入っていません。

 

その時、簡単な冷凍庫の整理を行ったり、
冷凍庫の中の不要なモノを整理したりする作業を
あえて行うこともあります。

 

その時に気をつけていただきたいのは
自分の心の中で「納得感」を持つことです。

 

「お客から言われたからするけど、
ホントはやりたくないんだよね・・・」
と思いつつ仕事をするのは、精神的に辛いものがあります。

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やると決めたなら、納得できる理由を
自分に課すのです。

 

あるいは、部下が納得できる理由を
伝えるのです。

 

要は、その仕事をすることで
こんなメリットがある、
と考えるのです。

 

4.まとめ

お客から「これ、お願い!」と言われ
仕事を突然振られた時の対処方法について
話してきました。

 

まず最初の段階で、
仕事を突然振られないように取り決めておくこと。

 

契約書や計画書などで、仕事の範囲を決めておくことです。

 

仕事の内容を列挙することも大事です。
その際あいまいな仕事があれば、
その仕事に名前を付けましょう。

 

次に、仕事の範囲外だけど無理に頼まれた時、
仕事をする・しないを決めることになります。

 

その判断基準は、することのリスクと
しないことのリスクです。
この際のリスクは自分たちのリスクです。

 

しないのであれば、することによる
お客のリスクを伝えましょう。

 

自分にリスクが振ってくるのであれば、
お客も無理は言いにくくなります。

 

最後に、すると決めたのであれば、
自分や部下に対してすることの納得感を
与える理由付けをしましょう。

 

いやいややるのは、後々トラブルになります。

 

仕事の範囲が決まらないのは、
残業の大きな原因です。

 

ぜひともお客にも協力してもらって
仕事の範囲をきちんと決めるようにしましょう。

 

それでは、今日はこの辺で。

仕事が突然降ってくる~!

先日、稲刈りをしました。

 

家族で食べる分だけの小さな田んぼなので、
別に農家ではありません。

 

それだけに大型機械を入れることができず、
小さな古い機械をだましだまし使いながら、
家族総出で稲刈り作業をします。

 

田んぼの管理は、すべて家人に任せています。

 

超段取り力がない彼に任せるのは不安なのですが、
私は野菜畑を管理しているので田んぼまで手が回らず、
任せたままにしています。

 

で、稲刈りの時に、やってくれました。

 

こちらが想定した作業が終わったと思い、
メンバー各自、次の行動へ移りかけた頃、
彼は何やら道具を持ってきました。

 

「これ、手伝ってくれんかなぁ」
「え? これ、するの?」(そんなの聞いてないよぉ~~という心の声)

 

はい、そうです。

 

指示が突然頭の上から降りかかってくるのです。
そして、その指示が良くわからない、という現象も。

 

社内でも良くある光景です。

 

他の作業に取り組んでいる最中に上司からの指示が降ってくる。
上司の指示する作業に取りかからねばならなくなり、
今日も残業となってしまうということ。

 

また、残念なことに上司の指示が良くわからず、
どのようにすれば良いのか考えるだけで時間がどんどん過ぎていく。

 

良く残業となってしまった上、
心を疲労させてしまう仕事のやり方のパターンです。

 

ここに問題が二つあります。

  1. 仕事が突然降ってくること
  2. 仕事の終わりが見えないこと

これから何回かに分けて、これらの問題を解決するための
コツについてお話していきたいと思っています。

 

今日は、1つめの仕事が突然降ってくることについての
いくつかの手段についてお話ししましょう。

  

方法1 交渉する

うちの家人のように段取りが悪い上司はいるものです。
(家人は上司ではありませんが・・・)

 

段取りが悪い上司を段取り良くする方法はありません。

 

私が昔、会社に勤務していた頃、
18時終業の会社で、17時50分頃にメールを送ってくる
上司がいました。

 

「明日の朝一までに返送してね」
という仕事メールです。

 

私の仕事に関係している内容であれば
時間はそうかからないのですが、
全く知らない仕事なので、
まず仕事の指示を理解することが必要です。

 

結局、その仕事をするのに1時間の残業になります。

 

もっともその頃は一番忙しい時期だったので、
それから自分の仕事をするため
結局帰宅するのは日付が変わろうとする頃です。

 

当時は、まだまだ時間管理もできなかった頃なので
それをくり返していました。

 

それを防ぐには、どうするのが良いでしょうか。

 

上司に「もっと早く指示をしてくれ」と言う。

 

これが、一番の正解だと思います。

 

働き方改革の嵐が吹き荒れる今日この頃であれば、
おそらく一番有効な手段でしょう。

 

上司が指示した仕事をすると
「本来の仕事の締め切りが遅くなるが良いですか?」

 

といった交渉も手です。
(半分、脅しですね(苦笑))

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他にも、
「この仕事、何のため(誰のため)のものですか?」
といった仕事そのものの存在意義を
聞くのも一つの方法です。

 

だいたい突然振られる仕事で
上司の思いつきが多い場合、
大した仕事ではないことが多いのです。

 

そんな時は、仕事をする理由・意味を聞くと
急ぎでない旨を上司は言ってくるはずです(笑)

 

方法2 頼みにくい状況にする

ただ、なかなか交渉しにくい職場もあるでしょう。

 

24時間働くのが当然だ、という昔ながらの上司は
まだまだ社会に生息しています。

 

そういう上司に限って、
「この時間にしか指示する余裕が持てないんだ」
と言いそうです。

 

要は自分の段取りの悪さを逆手にとって
終業間際しか指示書が出せない、
ということです。

 

そこで、頼みにくい状況を作り出すのです。

 

そもそも、上司は18時きっかりに帰る社員に対して
17時50分に指示を出したりしません。

 

指示を出しても実行する時間がないのが明らかです。

 

あるいは、作業予定表を公開しておくのです。

 

朝からみっちりの作業予定表を公開しておくと
プラスアルファの仕事は頼みにくくなります。

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他にも、上司の上司の目を利用する、という方法です。

 

上司だってサラリーマンです。
上司の上司がいます。

 

もし、上司の上司に訴えられるような状況であれば
「ちょっと困ってます~」と言えるでしょう。

 

そうなると、直属の上司からの視線は冷たいものになり、
今後の出世に関わるかもしれません。

 

もし、日報等を報告することがあり、
その日報が上司の上司まで行くのであれば
(通常、上司の上司が読まなくてもハンコくらい
押してくれますよね)
日報に記載するという方法です。

 

私の会社では日報はメールで送ってました。
その際、直属の上司がTOですが、
CCでその上にも送るのです。

 

その際、その日の仕事の内容の中に
・△△(○○課長からの依頼業務)
と書くようにしたのです。
※△△は作業内容です。

 

上司の上司が私の日報を見ていなくても構いません。

 

ただ、上司からしてみれば、
ちょっと都合が悪いわけでして・・・(苦笑)

 

それから、しばらくして
終業時間直前の仕事はなくなりました。

 

上司からしても、日報に書くな、とは言いづらいので、
やんわりと否定できる方法かもしれません。

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方法3 仕事の振られる準備をしておく

上司が仕事を振ってくるタイミングを見越して
準備する、という手もあります。

 

会議の直後に上司が仕事を振ってくる、
お客様と話した後に仕事を振ってくる
といったパターンがある場合なら、
上司の予定を事前に把握し、時間的な余裕を作っておく
ということです。

 

自分の仕事の時間管理ができている人であれば、
上司が仕事を振ってきても
受け取れる時間的余裕を持たせることが可能です。

 

いわゆる「バッファ」を持つのです。

 

「バッファ」とはIT系の言葉です。
データの一時保存場所の意味です。

 

バッファがあることで正統の演算装置に
余裕ができることから、「余裕」「ゆとり」といった
意味で使われるようになりました。

 

時間的なバッファがあると、
上司から振られた仕事をこなすことができます。

 

 

 

もっとも、これは上司からの命令は絶対、
という社風の会社だったり、
他の手段が有効でなく、最後の手段だったりします。

 

ただ、上司から突然振られる仕事がどうしても
せざるを得ないが、やりたくない場合、
その仕事のクオリティ(品質)を落とす、
という手段もあります。

 

要するに、ザッと片づけてしまう訳です(笑)

 

もし、品質について上司がとがめてきたら、
「申し訳ありません、もう少し時間的余裕があれば
できたのですが」
という言い訳が通ります。

 

上司に突然振ったという負い目がある場合は、
この一言で結構黙ってしまいます。

 

やり直しを命じられたら
時間の余裕のあるなしで、回答すれば良いでしょう。

  • 時間の余裕がないので、
    これ以上のやり直しはできかねます
  • 時間の余裕ができたらやり直しをやってみます

こんな感じでしょうか。

 

ぜひとも上司が突然仕事を振ってくるのを
防ぎきって、より良いお仕事ライフを送ってください。

 

次回は、同様に突然仕事が降ってくる!で、
振る相手が顧客の場合をお話ししましょう。

 

それでは、今日はこの辺で。

人材育成の道すがらで言いたいこと

私は人材育成の仕事をしています。

 

と言っても、まだまだ道途中で、
人材育成のゴールの奥深さに日々
怖れを抱いているところですが(苦笑)

 

このブログで私が言いたいことを
お話ししたいと思っています。

 

もし、このブログが気になった方は、
この記事だけでも読んでいただけたら、
という想いです。

 

 

1.研修とは

以前、研修の提案をある中小企業に持ち込んだ時です。

 

その企業の社長から
「人材育成なんて、無理無理!
ウチには人材育成をするお金も時間もない」
と言われました。

 

その時から、
そんなことを言う社長に
「人材育成の重要性」を伝えたい、
という想いを持ちました。

 

だって、日本の99%以上の会社が中小企業です。
人材育成ができるレベルの中小企業も存在していますが、
それらもごく一部です。

 

それよりも
小さな町工場のような会社や
一商店のような会社に
人材育成をする手段を伝えられたら、
と思っています。

 

どんな社長でも人材育成の大切さはご存知です。
最初に無理と話した社長さんも
人材育成が大事ということは
充分わかっています。

 

でも、小規模企業はお金も時間もないのです。

 

だけど、考えてみてください。

 

研修ができないと考えている多くの企業に
勤務している従業員の数です。

 

日本で働いている人の何割でしょうか?

 

中小企業庁のデータによると(2016年)
全従業者総数(正規も非正規も含む)は
約4,680万人。

 

うち、中小企業に勤務している人は、
約3,320万人。
ここで7割。

 

更に、上記の中小企業のうち
小規模企業に勤務している人は、
約1,040万人。
中小企業全体で約3割強。
全従業員総数の約2割強。

 

意外と少ない?
意外と多い?
どう感じましたか?

 

私は、これだけの人が
学校を出て以来、
何の研修も受けずに人生を送っている、
ということが衝撃的でした。

 

もちろん、
仕事で必要な技術・技能は
先輩から教えられたり、
自分で学んだりしている人は
たくさんおり、
全く何も勉強していない、
という人はいないと思います。

 

でも、自分で学ぶのは限界があります。

 

だって、自分が知らないことは
学ぶ機会が発生しません。

 

「知らない」ことすら気づかないのです。

 

ここ数年、家族の介護の問題に直面した私は、
今まで介護について全く学んでいなかったことに
愕然としました。

 

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介護保険という言葉は知っていたのですが、
それがどのように使われ、
どのようなサービスがどのような形で提供されているのか
全く知りませんでした。

 

興味がなかっただけでなく、
言葉の意味が良くわからず
とっかかりが見えなかったのです。

 

学ぶとっかかりを作るには、
何といっても人から学ぶのが一番です。

 

それが、研修の役割だと思っています。

 

研修で一夜にして何かが変わる、
というのはマレですが、
研修は今後学んでいくための
とっかかりになるのです。

 

しかも、自分で望んで受けるのではなく、
半ば強制的に受ける研修。

 

それがきっかけで、次に進めるようになる、
そんな研修を受講することが重要と
私は考えています。

 

2.中小企業の研修とは

 

ただ、中小企業にとって研修は高価です。

 

費用対効果も感じられにくいです。

 

それだったら、他の施策を考えた方が良い
と思う社長がいるのは事実です。

 

また、研修は時間が取られます。

 

人手不足が深刻な問題になっている現在、
時間を割いて研修を受けさせるというのは
非常に困難です。

 

なので、私は、
社長を含む幹部社員や中堅社員に対して
人材育成ができるスキルを身につけて欲しいと
考えています。

 

部下や後輩に対して
「あいつはダメだ」というレッテルを貼る前に
育て方をちょっと変えて欲しいのです。

 

単純に怒れば良いわけでもなく
単純に誉めれば良いわけでもないのです。

 

社長や中堅社員が教えるのにはメリットがあります。

  1. コストがかからないこと
  2. ずっと継続した研修ができること

この2つです。

 

もちろん、プロの研修講師ですから、
それなりの実力を持った人たちです。

 

社長や中堅社員が教えるのとはレベルが違う教え方です。

 

ただ、プロの研修講師だと、どうしてもコストがかかります。
地域の講師だと交通費はそれほどかかりませんが、
大都市圏の講師となると、それなりの金額となります。

 

そして、もう一つ。
私がプロの講師だから言えることですが、
講師にも得意・不得意があります。

 

講師の得意分野がその企業の問題点に合致していれば
大変効果があるでしょう。

でも、不得意というか、講師のキャラと研修内容に
受講者が合致しない、ということが多々あるのです。

 

講師が伝える内容は、
研修を聞いてみないとわからない、
という欠点があります。

 

また、その内容を事前に把握するための
Webサイトやパンフレット等は、
どうしても抽象的な表現でしかできないものも
多いのです。

 

だからこそ、費用対効果を考えると
研修を受講することに二の足を踏んでしまうことになります。

 

そして、プロの講師を呼んで研修したとしても
どうしてもコストの面から
1日もしくは半日程度の研修となってしまいます。

 

知識習得型研修であれば、十分かもしれませんが、
技術を始めとする技能や
考え方を見直すような研修に関しては
あまりにも時間が短すぎます。

 

これは、プロ講師間でも問題となっている事項なのです。

 

だからといって継続的にするのは負担が大きすぎます。

 

そこで、プロの講師は、エキスだけを伝えて
後は実践してね、ということになるのです。

 

そうならざるを得ない、ということです。

 

こういったいくつかの問題を
社長や中堅社員が教えることで解決します。

 

ただし、社長や中堅社員が、
ある程度のレベルになっていることが条件です。

 

プロの講師はそれなりに時間とお金をかけて
学習をしています。

 

だからこそお金が取れる研修ができるのです。

 

そうではない社長や中堅社員にはわからないことが
多すぎるのです。

 

ただ、
社長や中堅社員には、人生経験が豊富な場合が多いです。
それをうまく活用していけば良いのです。

経験則でわかっていること、
そして、それに教え方のコツを学ぶことで
充分に講師になり得ると
考えています。

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3.社内講師を作るために

実はすべての人にあてはまる研修カリキュラムはありません。

 

人によっては
既に習得している知識や経験が異なります。
理解度も異なりますし、
今までの学習習慣も異なります。

 

だから、同じ学ぶ、成長するといっても
一人ひとり異なるのです。

 

同じ親から生まれた兄弟であっても
それぞれが独自の個性を持っています。

 

ましてや
異なる親から生まれた従業員たちは、
全く異なる個性を持っています。
年齢や性別も異なりますし、
育った環境も異なります。

 

学校の一斉授業のような研修は
会社で行うのは、かなりお勧めしません。

 

かといっても
一人ひとりのカリキュラムを考えるのは
大変ですし、
外注すればコストが膨大になります。

 

それだからこそ、
毎日身近にいる先輩や上司による研修が
効果的なのです。

 

ただ、教え方や育て方はコツがいります。

 

それらのノウハウをお伝えできたら、
という想いがあります。

 

その想いを広く伝えるために
ブログを書き始めたのです。

 

ただ、3年ほど書いているうちに
何かを見失った気がしていました。

 

そこで、今月(2019年11月)より
リセットさせていただき、
再びノウハウを書かせていただくことにしました。

 

前の記事も載せたままにしておきますので、
ご自由に参照していただけたらと思います。

 

また、ブログを書く隠れた理由は、
私の中に取っ散らかったノウハウを
集大成させたい、というのもあります。

 

延べ10,000人の受講者と接してきた中で
得られたノウハウをぜひともお伝えしたい。

 

ただ、あまりにも整理できていないので、
整理をすることを含めて
このブログを書く、
ということにしました。

 

テーマごとにカテゴリーに分けながらの記述のため、
同じテーマを書き続けたかと思ったら
異なるテーマを語りだした、
ということもあるかもしれません。

 

その時は長い目で見ていただければ、
と思っております(笑)

 

長くなってしまいました。
できたら、一つの記事は、2,000字程度で収まるように
書きたいと思っています。

 

今回は、3,000字を超えてしまいました。

 

それでは、今日はこの辺で。

忙しい人とヒマな人

今、忙しいですか?

 

忙しいあなたに
ちょっとだけ聞いていただきたいことがあります。
「1日は24時間しかなく、
できることは限られている」
ということです。

 

当たり前なことですが、
仕事を依頼され、
あるいは仕事がたくさん発生している状況で
このことを是非とも念頭においてください。

 

できないことがあるのです。

 

それは時間が足りないからできないワケではありません。

 

能力的にもっと優れていれば、
簡単に仕事を片づけられ、
時間も余裕が出てくるかもしれません。

 

でも、その考え方は現実的ではありません。

 

仕事というのは必ず自分の能力より上のものが
やってくるものなのです。

 

できて当然の仕事は、今やコンピューターがやっています。

 

だからこそ、(能力的に)できない仕事が
たくさん舞い込んでくるのです。

 

できない仕事、やったことない仕事が
たくさん舞い込んでくるから
今、忙しいのです。

 

できない仕事ややったことがない仕事は
完了するまでにどれくらい時間がかかるか
わかりません。

 

だから、いくらやっても完了した気がせず
時間がいくらあっても足りない、
つまり、「忙しい」となるわけです。

 

能力をもっとつけて・・・
と寸暇を惜しんで勉強したとしても
能力以上の仕事が必ずと言っていいほど
舞い込んできます。

 

だからといって
勉強しなくてよい、というわけではありません。

 

ただ、
できない仕事ややったことがない仕事が来た時に
勉強してないことを後悔するより
して欲しいことがあるのです。

 

それは、
「1日は24時間しかなく、
できることは限られている」
を再度認識すること。

 

そして、限られている時間内に
仕事を終わらせるために、
その仕事の「終わり」を決めること
です。

 

仕事の終わりを決めること、が重要です。

 

どこまでやったら、
一旦終わりなのか、
ということです。

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営業で顧客に対する提案書の作成
といった場合は、
顧客が気に入る(発注したくなる)提案書を作成するまで
を「終わり」にすると
一生かかっても終わらないのです。

 

だって、顧客が真に望んでいる提案内容なんて
どう逆立ちしてもわかりません。
他人の考えていることなんて
わからないのです。

 

そんな場合は、
上司を含む営業メンバーで
ある程度の終わりを最初に決定するのです。

 

ここまで提案書を作成したら、
顧客にとりあえず見せて反応を見よう、
と思える地点まで今回は作成する、と決めたら、
おそらく仕事の終わりは見えてきます。

 

仕事の終わりが見えたら、
後はスケジュールを立てれば良いのです。

 

時間は限られています。
今日の時間も明日の時間も24時間です。

 

明日だったらできるかも。
なんて思っていたら痛い目にあいます。

 

どんなに頑張っても
今日できなかったことが
明日できるようになるなんてことはあり得ません。

 

だから、ひとまず「終わり」を作るのです。

 

仕事の終わりが見えると、
できない仕事ややったことがない仕事でも
対策が見えてきます。

 

もし、終わりを決めたとしても
モヤモヤする時は、
終わりの情景が具体的に理解できていない
ということになります。

 

そういう時は、

  • 具体的に理解できるまで情報を集める
  • 少し手前に仮の終わりを作って、
    とりあえずそこまで終わらせる

をやってみると良いでしょう。

 

実は情報を集めるのは
時間がかかることがあります。

 

具体的な情報をたくさん持っている人が
教え上手であれば問題ないのですが、
たいがいの方は、こちらが欲しい情報を
キチンと与えてくれません。

 

あまり、詳しく聞こうとすると
相手が嫌がってヘソをまげてしまうこともあります。

 

だから、やるとしたら、
少し手前までの仮の終わりまで
やってみてから、次の手はずを整えた方が
断然上手くいくと
私は経験上思っています。

 

終わりが見えたら対策ができるようになりました。
さて、その後、どうすれば良いのでしょう。

 

もし、その仕事をするのに、
時間が足りない、ということがわかったら。

 

そうなれば、
手伝いを頼むか、残業するか、
ということになります。

 

でも、同じ残業をするにしても
スケジュール上どうしても残業しなければならない
と事前にわかっているのと、
手当たり次第に仕事をして残業になってしまったのとでは
気持ち的な楽さ加減が異なります。

 

だって
前者は、終わりが見えていますから。

 

残業をしていても
終わらない仕事をしている時は辛いです。

 

でも、これをすれば終わり、
とわかっていれば、例え終電となってしまっても
帰っている時の安心感が違ってきます。

 

実は、このように仕事の終わりを意識すると
仕事を終わらせる能力が上がってきます。

 

そうなれば、
他人の倍の仕事を半分の時間でできるようになるのです。

 

私は良く他人から、
「忙しい人」
と言われます。

 

自分自身では自分のことを「ヒマな人」と
思っているので、そのギャップについて
考えることがあります。

 

 

そのギャップを意識し始めたのが、
ちょうど仕事の「終わり」を意識し始めた頃と
合致するのです。

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もちろん、私もたまに忙しい時もあります。

 

やらなければならないことが多すぎる場合は、
まず最初に仕事の「終わり」を決めてから
取りかかります。

 

仕事を山登りに例えるなら、
「終わり」がある仕事は頂上が先に見えている状態
なのです。

 

頂上に立てば視界が広がるように
一旦その仕事が終われば視界が広がります。

 

そこで初めて次にするべき仕事が見えたり、
仕事の完了具合が今一つだったりが見えるのです。

 

だからこそ、是非ともまずは
仕事の「終わり」を決める
ことから始めてみてください。

 

「忙しい」が少し楽になりますよ。

 

それでは、今日はこの辺で。